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第3章 領地の防御

103ーじーちゃん達のオーダー

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「ねえ、サキ。今日の予定は?」
「今日はぁ、午後からはなにも入ってませんよぅ」
「そう、じゃあ作業場に行こう。それとシゲ爺は……」

 と、いたいた。じーちゃんズと仲良く喋ってるよ。

「シゲ爺」
「おうッ! お嬢、どうしたッ!?」

 また、いちいち声が大きいな。

「シゲ爺、この前何か欲しいって言ってたじゃない?」
「おうッ! そうなんだ! ワシもお嬢達みたいな服が欲しいぞッ!」
「え、戦闘服ってこと?」
「ああッ! けどワシはそう戦闘服って感じじゃなくていいんだ。普段から着るからなッ!」
「じゃあ、必要ないじゃない」
「なに言ってんだ、お嬢! あれ、防汚効果があるだろう!?」

 お、よく知ってるなぁ。

「どうして分かったの?」
「そりゃあ、分かるぜ。森の中に入って戦闘までしてんのに全然汚れてなかったじゃねーかッ!」

 よく見てるよ、シゲ爺。

「汚れないのが欲しいの?」
「それもだが、あれだ。リュウが着てたのがいいぞッ!」
「えッ!? シゲ爺、リュウが着てたのだとちょっと若過ぎない?」
「なんだお嬢! ヒデーなッ!! ワッハッハッハ!」

 だって、もうじーちゃんじゃん。

「ちょっと考えようか、サキ」
「はいですぅ」
「普段着ていても浮かないようなデザインにしてみるわ」
「おうッ! 頼むぜッ!!」
「ココ! ワシのはどーしたッ!?」
「ユリシスお祖父さま、作りますよ。どんなのが良いんですか?」
「ワシもリュウみたいなのが良いぞッ!」

 隆、人気者だな。

「お嬢、違うッス。俺じゃなくて服ッス」
「リュウ、いたの?」
「さっき来たんス。作業場に行くッスか?」
「ええ、行くわ」
「了ッス」

 ん~、じーちゃん達はじーちゃん達の兵と揃いのが良いんじゃね? 領主隊とちょっと違う感じでさ。

「ね、サキ。デザイン考えましょう」
「はいですぅ~!」

 お、やる気だね?

「好きなんですぅ」

 うん、知ってる。しかも、どっかのアニメで見た様なやつだろう?

「ふふふぅ」

 ああ、もう決まっているらしい。

「ココ、俺も欲しいな」
「はい、ディオシスお祖父さま。分かってますよ」
「うん、ココは良い子だね」

 ディオシスじーちゃんは、落ち着いていて俺は好き。

「ココは良い子だぞぅー!!」

 まあ、もちろんユリシスじーちゃんも好きだよ。

「後で、こんな感じと絵に描いたものを持っていきます。それを見てみてください」
「おうッ! 分かったぞ!」

 さて、じーちゃんズとシゲ爺のデザインだ。あと、領主隊の隊服だな。サキ、できるのか?

「任せてくださいぃ! もう、アイデアが溢れてますぅ」

 意味分かんねーが。まあ、いいか。作業場に行こう。
 で、俺達は作業場に来たんだが。

「もうッ! 凄いッ!!」
「へへへ。お嬢様、もっと褒めて下さっても良いですよ~!」

 なんてふざけているのは1番年下のナタリーさんだ。
 本当、褒めても罰は当たらないぞ。メイド服が何着も出来ていたんだ。
 適度に張りと艶のある黒のメイド服とふんわりした白のエプロン。黒のスカートの裾から見える裏地の白いフリルがまた可愛い。白のヘッドドレスまである。控えめに使ったリボンがポイントになっていて可愛いぞ。

「お嬢様がパターンを決めておいてくださったから進めちゃいました」

 と、リーダー役のミリーさんだ。

「糸ももう慣れましたよ。しっかりきっちりと織ってます」

 マニューさん、ありがとう。

「ミシンもみんなできる様になりましたからね。どんどん縫いますよ」

 ルリアさんもありがとうね。

「新しい2人も慣れましたからね。これからどんどん進めますよ」
「ミリーさん、ありがとう。メイド服を進めておいてくれるかしら? あとお祖父さま達も欲しがっているのよ。滞在している間に作れれば良いんだけど、生地を渡して外部に発注するかもね」
「ああ、そうですね。また移動されるのでしょう?」
「そうなのよ。でも、リュウが着ていたのが欲しいとか言い出しちゃって」
「え、あれはリュウさん若いから似合うけどぉ」

 おやおや、ルリアさん。はっきり言っちゃったね。

「あ、すみません」
「いいのいいの。あたしも同じ事をお祖父さま達に言ったから」
「じゃあ、またパターンからですか?」
「そうなの、ナタリーさん。咲にデザインを考えてもらってからだけどね。あと、シゲ爺のも作らなきゃ」
「え、まさか……」
「そうなのよ。リュウのが欲しいとか言い出しちゃって」
「えぇ~!!」
「そうよね~」

 と、ひとしきりみんなで笑った。
 そんな事を話しながら、サキはデザインを描いていく。
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