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第3章 領地の防御
100ー解呪
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「父さま! クリスティー先生に殿下を見てもらいましょう! 念のためです!」
「お? そうか?」
「はいッ!」
「ココ嬢、僕は平気だよ? どこも変なところはないよ?」
「いいえ、殿下。幽閉されていた時の事を話すご自分の瞳をご覧になった事はありますか?」
「え? それはないけど……」
そんな話をしている内に、母がクリスティー先生を呼びに隆を走らせた。
しばらくして、クリスティー先生が優雅に現れた。てか、クリスティー先生は一体どこに住んでいるんだ? 来るのが早くね?
「お嬢さまぁ、裏ですぅ」
そうなのかよ! どうりで授業のない日でもいつもよく見る筈だよ。しかも、やって来るのが早い。
「おやおや、戻って来られていたのですね。お疲れ様でした」
「クリスティー先生、すまんな。ココがどうしても気になると言うのでなッ」
「気になるとは? 何がでしょう?」
「クリスティー先生、鑑定眼で殿下を見てください!」
「フィル君をですか? ココ様、それはどうしてなのかお聞きしても良いですか?」
「クリスティー先生、ある限られたお話しをする時に殿下の瞳が微妙に揺れていたのです」
「揺れていた……!? それはそれは、よく気付かれました。早速見てみましょう」
そう言って、クリスティー先生は王子の真正面に立った。一瞬クリスティー先生の目が光った。
「おや、これはこれは……」
「クリスティー先生、どうですかな?」
「はい、旦那様。ココ様は本当によく気付かれましたね。こんな手の込んだ精神干渉は普通見ただけでは全く分かりませんね」
やっぱ、あったんだ!
「ココ、スゲーじゃねーか!?」
「キリシマ、これで下着も万能じゃないって事が分かったわ」
「そうだね、残念だけどそうなるね」
「ロディ兄さま、ルイソさんに要相談ですね」
「ああ、そうだね」
状態異常無効だと安心していたら、これだよ。一体どんな精神干渉なんだ?
「とは言え、ここまで精神干渉をするにはとっても時間が掛かりまっす。本人に気付かれない様に、少しずつ重ねていくのでっす。そして、キーワードですね。ココ様が仰った『ある一定の限られた話』にのみ反応するのでっす。こんな悪意のある精神干渉はあまり見ませんね」
そんなになのか……!?
「ですから、ココ様。決してあの下着が役に立たない訳ではありません。標準的と言ってはおかしいですが、普通の状態異常だとしっかり無効化しておりますよ」
そうか。なら、焦って改良する事もないか。しかしだな。
「クリスティー先生、殿下の精神干渉は解呪できるのかしら?」
「はい、奥様。これから致しましょう」
解呪? 解く呪いと書くあの解呪か?
「ココちゃん、精神干渉は解呪になるのよ。ほとんど呪いだわ」
マジかよ。よくやるよ。そこまでして一体何がしたいんだ? 王子なんて、超平和的な人格じゃん。そんな事をしなくても、邪魔したりしないんじゃないか?
「ココ、その問題だけじゃないんだ。殿下はご聡明だ。その殿下を持ち上げて自分も良い立場に付こうとする者がいるんだ」
なんだよ、全部大人の都合じゃんか!
いかん、マジでカチコミかけたくなってきたぜ。
「お嬢さまぁ」
だから、分かってるって。咲、本当によく俺の心を読んでいる。
「では、解呪いたしまっす」
そう言って、クリスティー先生は世間話でもするかの様に『ディスエンチャント』と唱えた。すると、王子の身体が光り出し瞳がまた小刻みに揺れ出した。光が収まったと同時に、王子は気を失ってその場に倒れてしまった。
「殿下!!」
王子の護衛、アルベルトが直ぐに近寄る。
「大丈夫ですよ。深い干渉だったので今は眠る方が良いのでっす」
なんだ? じゃあ王子が気を失ったのはクリスティー先生が態としたって事なのか? そんな事ができるのか!?
「ココ様、出来るのですよ。ココ様もこれからお勉強致しましょうねッ」
とっても爽やかな笑顔で返されてしまった。しかし、エルフって本当に魔法に秀でているんだな。
「ココちゃん、普通なら魔力量が足らないのよ。でも、ココちゃんならできそうね」
母よ、そうなのか?
「ココ様はエルフ並みの魔力量ですからね。まだちびっ子なのにこの魔力量でっす。末恐ろしいでっす」
恐ろしいと言われちゃったよ。
「アルベルト、ソフィ、殿下をお部屋に」
「はい、有難うございます」
アルベルトが大事そうに王子をお姫様抱っこをして出ていった。
クリスティー先生が、黙って見送っている。
「旦那様、奥様これで確実に魔術師の関与が確定しましたね。しかも複数人でっす」
「そうね、スライムの時の魔法陣といい確実に狙ってきているわね」
「なんだッ!? スライムに魔法陣とは何だッ!?」
はいはい、また大きな声の父だ。ロディ兄がスライム事件の一部始終を説明した。
「お? そうか?」
「はいッ!」
「ココ嬢、僕は平気だよ? どこも変なところはないよ?」
「いいえ、殿下。幽閉されていた時の事を話すご自分の瞳をご覧になった事はありますか?」
「え? それはないけど……」
そんな話をしている内に、母がクリスティー先生を呼びに隆を走らせた。
しばらくして、クリスティー先生が優雅に現れた。てか、クリスティー先生は一体どこに住んでいるんだ? 来るのが早くね?
「お嬢さまぁ、裏ですぅ」
そうなのかよ! どうりで授業のない日でもいつもよく見る筈だよ。しかも、やって来るのが早い。
「おやおや、戻って来られていたのですね。お疲れ様でした」
「クリスティー先生、すまんな。ココがどうしても気になると言うのでなッ」
「気になるとは? 何がでしょう?」
「クリスティー先生、鑑定眼で殿下を見てください!」
「フィル君をですか? ココ様、それはどうしてなのかお聞きしても良いですか?」
「クリスティー先生、ある限られたお話しをする時に殿下の瞳が微妙に揺れていたのです」
「揺れていた……!? それはそれは、よく気付かれました。早速見てみましょう」
そう言って、クリスティー先生は王子の真正面に立った。一瞬クリスティー先生の目が光った。
「おや、これはこれは……」
「クリスティー先生、どうですかな?」
「はい、旦那様。ココ様は本当によく気付かれましたね。こんな手の込んだ精神干渉は普通見ただけでは全く分かりませんね」
やっぱ、あったんだ!
「ココ、スゲーじゃねーか!?」
「キリシマ、これで下着も万能じゃないって事が分かったわ」
「そうだね、残念だけどそうなるね」
「ロディ兄さま、ルイソさんに要相談ですね」
「ああ、そうだね」
状態異常無効だと安心していたら、これだよ。一体どんな精神干渉なんだ?
「とは言え、ここまで精神干渉をするにはとっても時間が掛かりまっす。本人に気付かれない様に、少しずつ重ねていくのでっす。そして、キーワードですね。ココ様が仰った『ある一定の限られた話』にのみ反応するのでっす。こんな悪意のある精神干渉はあまり見ませんね」
そんなになのか……!?
「ですから、ココ様。決してあの下着が役に立たない訳ではありません。標準的と言ってはおかしいですが、普通の状態異常だとしっかり無効化しておりますよ」
そうか。なら、焦って改良する事もないか。しかしだな。
「クリスティー先生、殿下の精神干渉は解呪できるのかしら?」
「はい、奥様。これから致しましょう」
解呪? 解く呪いと書くあの解呪か?
「ココちゃん、精神干渉は解呪になるのよ。ほとんど呪いだわ」
マジかよ。よくやるよ。そこまでして一体何がしたいんだ? 王子なんて、超平和的な人格じゃん。そんな事をしなくても、邪魔したりしないんじゃないか?
「ココ、その問題だけじゃないんだ。殿下はご聡明だ。その殿下を持ち上げて自分も良い立場に付こうとする者がいるんだ」
なんだよ、全部大人の都合じゃんか!
いかん、マジでカチコミかけたくなってきたぜ。
「お嬢さまぁ」
だから、分かってるって。咲、本当によく俺の心を読んでいる。
「では、解呪いたしまっす」
そう言って、クリスティー先生は世間話でもするかの様に『ディスエンチャント』と唱えた。すると、王子の身体が光り出し瞳がまた小刻みに揺れ出した。光が収まったと同時に、王子は気を失ってその場に倒れてしまった。
「殿下!!」
王子の護衛、アルベルトが直ぐに近寄る。
「大丈夫ですよ。深い干渉だったので今は眠る方が良いのでっす」
なんだ? じゃあ王子が気を失ったのはクリスティー先生が態としたって事なのか? そんな事ができるのか!?
「ココ様、出来るのですよ。ココ様もこれからお勉強致しましょうねッ」
とっても爽やかな笑顔で返されてしまった。しかし、エルフって本当に魔法に秀でているんだな。
「ココちゃん、普通なら魔力量が足らないのよ。でも、ココちゃんならできそうね」
母よ、そうなのか?
「ココ様はエルフ並みの魔力量ですからね。まだちびっ子なのにこの魔力量でっす。末恐ろしいでっす」
恐ろしいと言われちゃったよ。
「アルベルト、ソフィ、殿下をお部屋に」
「はい、有難うございます」
アルベルトが大事そうに王子をお姫様抱っこをして出ていった。
クリスティー先生が、黙って見送っている。
「旦那様、奥様これで確実に魔術師の関与が確定しましたね。しかも複数人でっす」
「そうね、スライムの時の魔法陣といい確実に狙ってきているわね」
「なんだッ!? スライムに魔法陣とは何だッ!?」
はいはい、また大きな声の父だ。ロディ兄がスライム事件の一部始終を説明した。
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