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第3章 領地の防御
79ーシゲ爺再び
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「ふぅ……」
「ココちゃん、あと少しよ」
「はい、母さま」
今日で丸3日だ。魔石に付与する事、3日だよ。どんだけの量の魔石に付与してるんだって話だよ。そりゃあもう沢山だ。数が分からない位、沢山だ。
今日は咲と隆、メイドさん達が魔石をロゼットにしてくれいている。領主隊用だ。用意したお揃いのリボンにチクチクと縫い付けて、立派なロゼットの出来上がりだ。
魔術師団用のハットピンも作ってくれている。正に総出だよ。
「ココ様、ラストスパートですよ」
「はい、クリスティー先生」
「ココ、残り5個だ」
「ふふふ」
ああ、ここまでの道のりは長かった。超肩が凝った。まだ8歳なのに、肩こりでバッキバキだ。
「よしッ! ココ! 終わったぞぉッ!」
「やったッ!」
「お疲れ様でしたね」
「クリスティー先生も殿下も有難うございました」
「いいえ、奥様。お役に立てて良かったでっす」
「はい、僕もです」
「しかし、皆様の魔力量はとんでもないですね。3日間通して付与しても魔力切れを起こさないのですから驚きでっす」
「本当に。僕は途中でリタイアしてしまいましたよ」
いやいや、王子もよく頑張ってくれた。今日は皆を褒めたいね。よく頑張ったよ。俺だけじゃ最後までできなかった。お疲れ様だ。
メイドさんがお茶を出してくれる。メイドさんだって協力してくれたのに、ありがとうね。
「お嬢さまぁ、もうみんな終わってますからぁ」
「凄いわね。早いわ」
「でしょうぅ。それにみんな上手なんですよぅ」
「じゃあ、次はメイド服ね」
「はいぃ」
メイドさん達が、『やったー』とか『きゃー』とか言ってくれる。嬉しいね。
とにかく今日はもう休憩しよう。
と、思いながらちょっとガゼボでお茶を飲んでいたんだ。ずっと部屋の中にいたから外の空気を吸いたくてさ。
「おじょうぅーーーッ!!」
おッ!? この元気で大きな声は!?
「シゲ爺!!」
邸の庭を大きな声で叫びながら元気にダッシュしてきた。その名もシゲルーチェ。通称、シゲ爺だ。相変わらず、手には使いもしないのに杖を持っている。いや、杖を小脇に抱えて走ってくる。杖が必要か?
「どうしたの!?」
「ああ、ワインとお嬢の好きなぶどうジュースを納品に来たんだ!」
「そうなの! ありがとう!」
「それよりお嬢! 水臭いじゃねーか!」
水臭い? 何の事だ?
「お嬢、ワシに隠し事はナシだぜ! 何か良い物を作ったらしいじゃねーかッ!?」
良い物とは? どれの事だろう?
「ほれ、着心地の良い……」
「ああ!」
「ああ! じゃねーよ! ワシにも譲ってくれんのか!?」
「えぇ!? シゲ爺どうして知っているの!?」
「何言ってんだ! 街でみんな言ってるぜ! またお嬢がスゲー良いもんを作ったってな! ワッハッハッハ!!」
あらら、もうそんな事になってんのか。作ってくれているミリーさん達が良い宣伝をしてくれているのだろうな。
「シゲ爺、それはロディ兄さまに言ってよ。あたしは作るだけなのよ。後はノータッチよ」
「相変わらずだな、お嬢は! 欲がないな!」
「なんでよ、欲だらけよ。領地の事で欲がいっぱいあるわよ」
「アハハハ! そんなとこだ!」
「おぉー!! シゲ爺ではないかぁッ!!」
ああ、また大きな声の祖父さんがやって来たよ。本当、この世界の老人は皆元気だ。
「おおッ!! ユリシス様じゃねーか!?」
「久しぶりだなッ!! 元気そうじゃないか!」
「おうッ!! ユリシス様もなッ!」
ワッハッハッハ!! と、二人大声で笑いながら肩を組んで行ってしまった。
「何だったの……?」
「シゲ爺さんらしいッスね」
「えぇ~、そう?」
「そうですよぅ」
「本当、あの2人は賑やかだわ」
俺の静かな時間を返してくれよ。
「ま、元気が1番だ」
「そうですぅ」
「元気すぎるッスけどね」
うん、隆の意見に賛成だ。
その日の夕食は、ユリシスじーちゃんがご機嫌だった。何故かというと、シゲ爺が持って来たワインがあるからだ。美味しいらしい。俺はまだ飲めない。
「シゲ爺が作ったワインは絶品だなッ! ワッハッハ!!」
「お義父様、飲み過ぎてはいけませんよ」
「分かっておる! ワッハッハ!」
あれ? ひょっとしてもう酔ってるか?
「ココ、あれ位じゃあお祖父様は酔わないよ」
「兄さま、そうなのですか?」
「ああ、お祖父様が酔っているところは見た事がないよ」
えぇ……そんなに強いのか!?
「ココちゃん、お父様だって酔ったところを見た事がないでしょう?」
そういえばそうだ。見た事がない。なんだよ、親子で酒に強いのか?
と、平和な夕食だった。ワインを届けにきてくれたシゲ爺も使用人達と一緒に食べているらしい。きっと、メイドのお姉さん達に囲まれてウホウホしてんだぜ。
翌朝、俺は邸の庭が煩くて目を覚ました。
「なに? 朝から騒がしいなぁ」
「お嬢さまぁ、ユリシス様とシゲ爺ですぅ」
ああ、あの2人なら仕方ない。普通に話しているだけでも声が大きくてうるさいからな。何だよ、シゲ爺は昨日泊まったのかよ。
◇ ◇ ◇
読んでいただき有難うございます!
昨日までの1週間程でしょうか? ハルちゃんの番外編を投稿し、ココちゃんも通常通り投稿し、発売日前に感謝を込めてリリの番外編も投稿しでちょっと忙しかったのですが、今日はすっかり落ち着きました? いえ、そんな事はないのです。ココちゃんの書き溜めが少なくなってしまって焦ってます!頑張りまっす!
「ココちゃん、あと少しよ」
「はい、母さま」
今日で丸3日だ。魔石に付与する事、3日だよ。どんだけの量の魔石に付与してるんだって話だよ。そりゃあもう沢山だ。数が分からない位、沢山だ。
今日は咲と隆、メイドさん達が魔石をロゼットにしてくれいている。領主隊用だ。用意したお揃いのリボンにチクチクと縫い付けて、立派なロゼットの出来上がりだ。
魔術師団用のハットピンも作ってくれている。正に総出だよ。
「ココ様、ラストスパートですよ」
「はい、クリスティー先生」
「ココ、残り5個だ」
「ふふふ」
ああ、ここまでの道のりは長かった。超肩が凝った。まだ8歳なのに、肩こりでバッキバキだ。
「よしッ! ココ! 終わったぞぉッ!」
「やったッ!」
「お疲れ様でしたね」
「クリスティー先生も殿下も有難うございました」
「いいえ、奥様。お役に立てて良かったでっす」
「はい、僕もです」
「しかし、皆様の魔力量はとんでもないですね。3日間通して付与しても魔力切れを起こさないのですから驚きでっす」
「本当に。僕は途中でリタイアしてしまいましたよ」
いやいや、王子もよく頑張ってくれた。今日は皆を褒めたいね。よく頑張ったよ。俺だけじゃ最後までできなかった。お疲れ様だ。
メイドさんがお茶を出してくれる。メイドさんだって協力してくれたのに、ありがとうね。
「お嬢さまぁ、もうみんな終わってますからぁ」
「凄いわね。早いわ」
「でしょうぅ。それにみんな上手なんですよぅ」
「じゃあ、次はメイド服ね」
「はいぃ」
メイドさん達が、『やったー』とか『きゃー』とか言ってくれる。嬉しいね。
とにかく今日はもう休憩しよう。
と、思いながらちょっとガゼボでお茶を飲んでいたんだ。ずっと部屋の中にいたから外の空気を吸いたくてさ。
「おじょうぅーーーッ!!」
おッ!? この元気で大きな声は!?
「シゲ爺!!」
邸の庭を大きな声で叫びながら元気にダッシュしてきた。その名もシゲルーチェ。通称、シゲ爺だ。相変わらず、手には使いもしないのに杖を持っている。いや、杖を小脇に抱えて走ってくる。杖が必要か?
「どうしたの!?」
「ああ、ワインとお嬢の好きなぶどうジュースを納品に来たんだ!」
「そうなの! ありがとう!」
「それよりお嬢! 水臭いじゃねーか!」
水臭い? 何の事だ?
「お嬢、ワシに隠し事はナシだぜ! 何か良い物を作ったらしいじゃねーかッ!?」
良い物とは? どれの事だろう?
「ほれ、着心地の良い……」
「ああ!」
「ああ! じゃねーよ! ワシにも譲ってくれんのか!?」
「えぇ!? シゲ爺どうして知っているの!?」
「何言ってんだ! 街でみんな言ってるぜ! またお嬢がスゲー良いもんを作ったってな! ワッハッハッハ!!」
あらら、もうそんな事になってんのか。作ってくれているミリーさん達が良い宣伝をしてくれているのだろうな。
「シゲ爺、それはロディ兄さまに言ってよ。あたしは作るだけなのよ。後はノータッチよ」
「相変わらずだな、お嬢は! 欲がないな!」
「なんでよ、欲だらけよ。領地の事で欲がいっぱいあるわよ」
「アハハハ! そんなとこだ!」
「おぉー!! シゲ爺ではないかぁッ!!」
ああ、また大きな声の祖父さんがやって来たよ。本当、この世界の老人は皆元気だ。
「おおッ!! ユリシス様じゃねーか!?」
「久しぶりだなッ!! 元気そうじゃないか!」
「おうッ!! ユリシス様もなッ!」
ワッハッハッハ!! と、二人大声で笑いながら肩を組んで行ってしまった。
「何だったの……?」
「シゲ爺さんらしいッスね」
「えぇ~、そう?」
「そうですよぅ」
「本当、あの2人は賑やかだわ」
俺の静かな時間を返してくれよ。
「ま、元気が1番だ」
「そうですぅ」
「元気すぎるッスけどね」
うん、隆の意見に賛成だ。
その日の夕食は、ユリシスじーちゃんがご機嫌だった。何故かというと、シゲ爺が持って来たワインがあるからだ。美味しいらしい。俺はまだ飲めない。
「シゲ爺が作ったワインは絶品だなッ! ワッハッハ!!」
「お義父様、飲み過ぎてはいけませんよ」
「分かっておる! ワッハッハ!」
あれ? ひょっとしてもう酔ってるか?
「ココ、あれ位じゃあお祖父様は酔わないよ」
「兄さま、そうなのですか?」
「ああ、お祖父様が酔っているところは見た事がないよ」
えぇ……そんなに強いのか!?
「ココちゃん、お父様だって酔ったところを見た事がないでしょう?」
そういえばそうだ。見た事がない。なんだよ、親子で酒に強いのか?
と、平和な夕食だった。ワインを届けにきてくれたシゲ爺も使用人達と一緒に食べているらしい。きっと、メイドのお姉さん達に囲まれてウホウホしてんだぜ。
翌朝、俺は邸の庭が煩くて目を覚ました。
「なに? 朝から騒がしいなぁ」
「お嬢さまぁ、ユリシス様とシゲ爺ですぅ」
ああ、あの2人なら仕方ない。普通に話しているだけでも声が大きくてうるさいからな。何だよ、シゲ爺は昨日泊まったのかよ。
◇ ◇ ◇
読んでいただき有難うございます!
昨日までの1週間程でしょうか? ハルちゃんの番外編を投稿し、ココちゃんも通常通り投稿し、発売日前に感謝を込めてリリの番外編も投稿しでちょっと忙しかったのですが、今日はすっかり落ち着きました? いえ、そんな事はないのです。ココちゃんの書き溜めが少なくなってしまって焦ってます!頑張りまっす!
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