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第3章 領地の防御
78ー魔石の付与
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結局、俺はすべての魔法を付与する事ができた。ロディ兄もだ。王子も結界は無理だったけど、それ以外の付与は全部できたんだ。これは、とっても有益だ。それほど魔力量を必要とはしないし、簡単なものなら誰にでもできそうだ。
「ココ様、そんな事はないのですよ」
「クリスティー先生、そうなのですか?」
「はい。皆さま優秀ですから、そう思うだけなのでっす。やはり、向き不向きもありますよ。ココ様とロディ様は出来るだろうと思っていましたが、フィル君も優秀でっす」
「クリスティー先生、ありがとうございます。これで、僕も少しは役に立てます」
「フィル君は健気ですね。とっても良い子でっす」
「アハハハ、ありがとうございます」
クリスティー先生に掛かれば、俺達だけでなく下手したらユリシスじーちゃんだって『良い子』扱いだ。先生は一体何歳なんだろう?
「ココ様……」
「いえ、なんでもないです」
「はい、良い子ですね」
それからはセリスアラーネアの方はミリーさんとロウ爺さんに任せて、俺達は魔石に付与しまくった。それこそ、数百では済まないかもしれない、て位にだ。
「ロディ兄さま、まだやりますか?」
「ココ、目の前に魔石がまだあるだろう?」
「ふふふ」
王子がまた笑っているよ。2人共、飽きないのかな?
「ココ、飽きるとかじゃないんだよ」
「兄さま、分かってます」
また、心を読まれちゃったよ。
「ココちゃん、集中しなさい」
「はい、母さま」
「お嬢はじっとしているのが苦手ッスから」
「そうですぅ」
「ココ様はまだ子供ですから」
隆に咲、余計な事を言うんじゃないよ。ロディ兄の従者、ランスにまで言われちゃったじゃん。
「ココ、こういう物は気合いだぞッ!」
「ユリシス様、気合いは関係ありませんよ」
じーちゃんコンビもだ。一家総出だよ。どれだけ付与しているか分かるだろ?
俺とロディ兄や王子、母だけでなく、付与できる者総出で魔石に付与している。
咲に隆、それにロディ兄の従者でランス、そして、ユリシスじーちゃんとその側近マティアスもだ。
「はい、皆様。あと少し頑張りましょうね」
と、仕切っているのがクリスティー先生だ。
まさか、こんな大量の魔石に付与するとは思わなかったよ。
「ココ、ほらスライムが魔石を落としただろう。だからあるだけ付与して領民にも配ろうと思ってね」
「兄さま、いくらスライムの魔石があっても領民全員には足りませんよ」
「ああ。まずは、森近くに住んでいたり働いている人達が優先だね」
そりゃそうだ。この広い辺境伯領に住む領民皆になんて無理だよ。
「ココ、最終的には領民全員にだ」
「兄さま、それは大変です」
「ああ、だから少しずつだけどね」
と、ロディ兄はもう決めているみたいだ。
前世的に表現すると『領民ファースト』だ。俺達は両親を見て自然とそう育った。
だからこそ、領民も俺達を信頼してくれている。その信頼を裏切る事はできないんだ。
俺が主に付与しているのはシールドだ。万が一、魔物に襲われた時は自動的に展開する様に付与している。この自動的にというところが肝心なんだ。
魔物に襲われたら誰もが冷静ではいられない。恐怖するだろうし、慌てふためく。だからこそ、攻撃を受けたら自動的に展開するシールドが必要なんだ。領民の命を守る為の自動展開するシールドだ。ネックレスとかにして領民に配れたらなぁ。
領主隊に配布予定をしている魔石は複数になる。
まずは領民達に配布予定の自動展開するシールドと同じもの。それにプラスして、物理攻撃防御力アップ、魔法攻撃防御力アップ、状態異常無効、物理攻撃力アップ、魔法攻撃力アップ。其々を小さな魔石に1つずつ付与して勲章の様なロゼットにした。領主隊全員が隊服の胸のところにつける。俺が考えていた事が採用となったんだ。胸に光る領主隊の証だ。今後、領主隊になれば貰えるんだ。これは子供達の憧れの的になるぞ。
隊長と副隊長はロゼットの土台となるリボンの色が違う。隊員達は深緑のリボン。副隊長は紺色、隊長は深紅だ。これは、隊員達の良い目標になりそうだ。
魔術師団にはマントにつけるハットピンだ。領主隊と同じ付与をした魔石プラス、魔力回復力上昇を付与した魔石の装飾チェーン付きのハットピンだ。
これも目立つ。魔術師団のマントはダークグレーだ。フードにうちの紋章が刺繍されている。このマントも後々セリスアラーネアの生地で作り直す予定だ。そのマントの胸に光るハットピン。
カッコいいぜ! これも、子供達の憧れになりそうだ。
「僕は結界ができなかったよ」
と、少し肩を落としているのは王子だ。
「殿下、大丈夫ですよ」
「ココ嬢、そうかい?」
「はい。とっても助かっていますから」
「なら、良かった」
そうだよ、そんな事気にする必要ないんだよ。付与するのは結界だけじゃないんだから。
確かに、結界を付与する数は多いが、それ以外の魔石だってあるんだ。それを王子は結界ができないからと言って一手に引き受けてくれている。そりゃ、助かるよ。
「ココ様、そんな事はないのですよ」
「クリスティー先生、そうなのですか?」
「はい。皆さま優秀ですから、そう思うだけなのでっす。やはり、向き不向きもありますよ。ココ様とロディ様は出来るだろうと思っていましたが、フィル君も優秀でっす」
「クリスティー先生、ありがとうございます。これで、僕も少しは役に立てます」
「フィル君は健気ですね。とっても良い子でっす」
「アハハハ、ありがとうございます」
クリスティー先生に掛かれば、俺達だけでなく下手したらユリシスじーちゃんだって『良い子』扱いだ。先生は一体何歳なんだろう?
「ココ様……」
「いえ、なんでもないです」
「はい、良い子ですね」
それからはセリスアラーネアの方はミリーさんとロウ爺さんに任せて、俺達は魔石に付与しまくった。それこそ、数百では済まないかもしれない、て位にだ。
「ロディ兄さま、まだやりますか?」
「ココ、目の前に魔石がまだあるだろう?」
「ふふふ」
王子がまた笑っているよ。2人共、飽きないのかな?
「ココ、飽きるとかじゃないんだよ」
「兄さま、分かってます」
また、心を読まれちゃったよ。
「ココちゃん、集中しなさい」
「はい、母さま」
「お嬢はじっとしているのが苦手ッスから」
「そうですぅ」
「ココ様はまだ子供ですから」
隆に咲、余計な事を言うんじゃないよ。ロディ兄の従者、ランスにまで言われちゃったじゃん。
「ココ、こういう物は気合いだぞッ!」
「ユリシス様、気合いは関係ありませんよ」
じーちゃんコンビもだ。一家総出だよ。どれだけ付与しているか分かるだろ?
俺とロディ兄や王子、母だけでなく、付与できる者総出で魔石に付与している。
咲に隆、それにロディ兄の従者でランス、そして、ユリシスじーちゃんとその側近マティアスもだ。
「はい、皆様。あと少し頑張りましょうね」
と、仕切っているのがクリスティー先生だ。
まさか、こんな大量の魔石に付与するとは思わなかったよ。
「ココ、ほらスライムが魔石を落としただろう。だからあるだけ付与して領民にも配ろうと思ってね」
「兄さま、いくらスライムの魔石があっても領民全員には足りませんよ」
「ああ。まずは、森近くに住んでいたり働いている人達が優先だね」
そりゃそうだ。この広い辺境伯領に住む領民皆になんて無理だよ。
「ココ、最終的には領民全員にだ」
「兄さま、それは大変です」
「ああ、だから少しずつだけどね」
と、ロディ兄はもう決めているみたいだ。
前世的に表現すると『領民ファースト』だ。俺達は両親を見て自然とそう育った。
だからこそ、領民も俺達を信頼してくれている。その信頼を裏切る事はできないんだ。
俺が主に付与しているのはシールドだ。万が一、魔物に襲われた時は自動的に展開する様に付与している。この自動的にというところが肝心なんだ。
魔物に襲われたら誰もが冷静ではいられない。恐怖するだろうし、慌てふためく。だからこそ、攻撃を受けたら自動的に展開するシールドが必要なんだ。領民の命を守る為の自動展開するシールドだ。ネックレスとかにして領民に配れたらなぁ。
領主隊に配布予定をしている魔石は複数になる。
まずは領民達に配布予定の自動展開するシールドと同じもの。それにプラスして、物理攻撃防御力アップ、魔法攻撃防御力アップ、状態異常無効、物理攻撃力アップ、魔法攻撃力アップ。其々を小さな魔石に1つずつ付与して勲章の様なロゼットにした。領主隊全員が隊服の胸のところにつける。俺が考えていた事が採用となったんだ。胸に光る領主隊の証だ。今後、領主隊になれば貰えるんだ。これは子供達の憧れの的になるぞ。
隊長と副隊長はロゼットの土台となるリボンの色が違う。隊員達は深緑のリボン。副隊長は紺色、隊長は深紅だ。これは、隊員達の良い目標になりそうだ。
魔術師団にはマントにつけるハットピンだ。領主隊と同じ付与をした魔石プラス、魔力回復力上昇を付与した魔石の装飾チェーン付きのハットピンだ。
これも目立つ。魔術師団のマントはダークグレーだ。フードにうちの紋章が刺繍されている。このマントも後々セリスアラーネアの生地で作り直す予定だ。そのマントの胸に光るハットピン。
カッコいいぜ! これも、子供達の憧れになりそうだ。
「僕は結界ができなかったよ」
と、少し肩を落としているのは王子だ。
「殿下、大丈夫ですよ」
「ココ嬢、そうかい?」
「はい。とっても助かっていますから」
「なら、良かった」
そうだよ、そんな事気にする必要ないんだよ。付与するのは結界だけじゃないんだから。
確かに、結界を付与する数は多いが、それ以外の魔石だってあるんだ。それを王子は結界ができないからと言って一手に引き受けてくれている。そりゃ、助かるよ。
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