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第2章 王都からの刺客!?
46ー侍従として
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俺の鑑定式の日が近付いてきた。そこで、王子をどうするかだ。
父とバルト兄は王都へ行っていて留守だ。母とロディ兄は俺の付き添い。邸に誰もいなくなる。そこに王子を置いていくのは心許ない。まだ霧島だけに任せるのは不安だ。
「そうなのよね~」
と、相変わらず呑気な母だ。
「母上、殿下にも一緒に来てもらうしかないですね」
と、ロディ兄。確かに、1人邸にいるよりは一緒の方がまだマシだ。
「でもねぇ、殿下がうちに来られている事は秘密なのよ」
なんだと?
「母上、今更ではないですか?」
その通りだ。
「でもねぇ、公の場に堂々とはダメよ」
なるほど。じゃあ、王子に見えなきゃいいんだな。見えなきゃ。
「ココ、そうだよね」
「ロディ兄さま、そうですよね」
「ふふふ」
母も最初からそのつもりなんじゃないか?
「じゃあ、そうしましょうか」
ほら、やっぱり。最初からそのつもりだったんだ。
「丁度良い機会です。少し領内を案内しますか? ずっと邸の敷地内でしたから気も紛れるでしょうし」
「兄さま、ぶどう畑に行きたいです」
「ココちゃん、いいわね」
「ちょうど旬ですねぇ」
「ぶどうジュースがとっても美味しい時期ですよね」
「ああ、ココはあのぶどうジュースが好きだったね」
「はい、兄さま。大好きです!」
「ふふふ、じゃあそうしましょうか? 殿下にお伺いしてみるわね」
なんだか、とっても呑気な話になってしまったが。一応、王子は狙われているんだよ。母とロディ兄は忘れてないよな。ぶどう畑の言い出しっぺは俺だけどさ。
この季節限定で、とっても美味しいぶどうジュースがあるんだよ。ぶどう畑に併設されているワイナリーで特別に作られる限定品だ。俺は毎年楽しみにしている。
「え、外にですか? 良いのですか? 迷惑かけませんか?」
と、言いながら王子は嬉しそうだ。外に出たいと思えるだけの余裕も出てきたんだ。ここに来た当初だとそんな事も考えられなかっただろう。
「あ、でもソフィは大丈夫?」
「殿下、お気遣いなく。私はもう元気ですよ」
「そう? じゃあ、僕もココ嬢のお付きとして同行させてもらおうかな」
いやいや、何も俺のお付きになる必要はない。普通に、偶々来ていた客人で良いだろう。ちょっと王子が楽しそうなのは何故だ?
「いや、ココ。従者に変装して頂く方が良いだろう」
「兄さま、そうですか?」
「ああ。やはり王子殿下のオーラがね」
王子だけに……現実、いくら迫害されていたとしても、やはりどこか凡人とは違うんだ。ロディ兄の言っていた王子としてのオーラがある。まだ痩せているが、健康になったから余計にな。
それを隠す為に、従者の服装でごまかそうという訳だ。隆も派手な金髪をしている。2人並んで丁度良いんじゃないか?
「お嬢、安易すぎるッスね。考え方が」
隆、お前に言われたくないぞ。
「どうしても隠せない王子のオーラがあるんス」
そうか? なんとかなるだろうよ。隆と並んでたら紛れるだろ?
「安易すぎッス」
「でも、リュウ。殿下お1人を邸に残しておけないわ」
「まあ、そうなんスけど」
「仕方ないですぅ」
だよな、仕方ねーよな。うん、決まりだ。
いよいよ当日だ。隆と同じ侍従の制服を着た王子のご登場だ。
「まあ、綺麗な侍従ですこと」
やはり、呑気な母だ。
「やっぱオーラが隠せてないッスね」
「リュウ、許容範囲だろう?」
「ロディ様、そうッスか?」
「ああ、リュウだって負けない位目立つよ。違う意味でだけど」
「え、俺ッスか?」
そうそう。隆だって侍従にしてはかなり目立つぞ。16歳には見えないその身のこなしだろ、特にその派手なパツキンの髪がな。
「マジッスか!? 盲点でした!」
全然盲点じゃないぞ。
「ですよねぇ」
咲、弟だろう。咲も大概だけどな。なんせ、ピンクゴールドの髪だ。しかも、あざといツインテールだ。
「信じらんない色ですよねぇ。うふふ」
うふふ、じゃないよ。気に入ってるんじゃん。
ま、仕方ない。俺達は馬車で教会へ向かった。何故か王子も同じ馬車だ。隆は御者と一緒に御者台へ乗っている。
「そう言えば、帰りにぶどう畑へ寄るんだよね」
「そうですよ。ぶどうが旬なんです。ぶどうジュースもとっても美味しいんです」
「そうなんだ。ココ嬢は好きなんだね」
「はい。毎年楽しみです」
と、言うか俺思うんだけど。
「お嬢さまぁ、何ですかぁ?」
「鑑定式って、今更感が半端ないわ」
「ですよねぇ~」
「そうだね。ココ嬢はもう魔法が使えるんだから」
「はい。今更、適性や属性と言われても、て感じです」
「ココ嬢は、使えない属性ってあるの?」
「……ないですね」
「もう全属性で良くないですかぁ?」
「記念だと思って参加するわよ」
「そうですねぇ」
フレッシュ感が全くないな。本当に今更だ。
そんな俺達を乗せた馬車が教会に到着した。
◇ ◇ ◇
読んでいただき有難うございます!
今日のお話しではリュウが好きです♡
皆様はいかがでしょう?
父とバルト兄は王都へ行っていて留守だ。母とロディ兄は俺の付き添い。邸に誰もいなくなる。そこに王子を置いていくのは心許ない。まだ霧島だけに任せるのは不安だ。
「そうなのよね~」
と、相変わらず呑気な母だ。
「母上、殿下にも一緒に来てもらうしかないですね」
と、ロディ兄。確かに、1人邸にいるよりは一緒の方がまだマシだ。
「でもねぇ、殿下がうちに来られている事は秘密なのよ」
なんだと?
「母上、今更ではないですか?」
その通りだ。
「でもねぇ、公の場に堂々とはダメよ」
なるほど。じゃあ、王子に見えなきゃいいんだな。見えなきゃ。
「ココ、そうだよね」
「ロディ兄さま、そうですよね」
「ふふふ」
母も最初からそのつもりなんじゃないか?
「じゃあ、そうしましょうか」
ほら、やっぱり。最初からそのつもりだったんだ。
「丁度良い機会です。少し領内を案内しますか? ずっと邸の敷地内でしたから気も紛れるでしょうし」
「兄さま、ぶどう畑に行きたいです」
「ココちゃん、いいわね」
「ちょうど旬ですねぇ」
「ぶどうジュースがとっても美味しい時期ですよね」
「ああ、ココはあのぶどうジュースが好きだったね」
「はい、兄さま。大好きです!」
「ふふふ、じゃあそうしましょうか? 殿下にお伺いしてみるわね」
なんだか、とっても呑気な話になってしまったが。一応、王子は狙われているんだよ。母とロディ兄は忘れてないよな。ぶどう畑の言い出しっぺは俺だけどさ。
この季節限定で、とっても美味しいぶどうジュースがあるんだよ。ぶどう畑に併設されているワイナリーで特別に作られる限定品だ。俺は毎年楽しみにしている。
「え、外にですか? 良いのですか? 迷惑かけませんか?」
と、言いながら王子は嬉しそうだ。外に出たいと思えるだけの余裕も出てきたんだ。ここに来た当初だとそんな事も考えられなかっただろう。
「あ、でもソフィは大丈夫?」
「殿下、お気遣いなく。私はもう元気ですよ」
「そう? じゃあ、僕もココ嬢のお付きとして同行させてもらおうかな」
いやいや、何も俺のお付きになる必要はない。普通に、偶々来ていた客人で良いだろう。ちょっと王子が楽しそうなのは何故だ?
「いや、ココ。従者に変装して頂く方が良いだろう」
「兄さま、そうですか?」
「ああ。やはり王子殿下のオーラがね」
王子だけに……現実、いくら迫害されていたとしても、やはりどこか凡人とは違うんだ。ロディ兄の言っていた王子としてのオーラがある。まだ痩せているが、健康になったから余計にな。
それを隠す為に、従者の服装でごまかそうという訳だ。隆も派手な金髪をしている。2人並んで丁度良いんじゃないか?
「お嬢、安易すぎるッスね。考え方が」
隆、お前に言われたくないぞ。
「どうしても隠せない王子のオーラがあるんス」
そうか? なんとかなるだろうよ。隆と並んでたら紛れるだろ?
「安易すぎッス」
「でも、リュウ。殿下お1人を邸に残しておけないわ」
「まあ、そうなんスけど」
「仕方ないですぅ」
だよな、仕方ねーよな。うん、決まりだ。
いよいよ当日だ。隆と同じ侍従の制服を着た王子のご登場だ。
「まあ、綺麗な侍従ですこと」
やはり、呑気な母だ。
「やっぱオーラが隠せてないッスね」
「リュウ、許容範囲だろう?」
「ロディ様、そうッスか?」
「ああ、リュウだって負けない位目立つよ。違う意味でだけど」
「え、俺ッスか?」
そうそう。隆だって侍従にしてはかなり目立つぞ。16歳には見えないその身のこなしだろ、特にその派手なパツキンの髪がな。
「マジッスか!? 盲点でした!」
全然盲点じゃないぞ。
「ですよねぇ」
咲、弟だろう。咲も大概だけどな。なんせ、ピンクゴールドの髪だ。しかも、あざといツインテールだ。
「信じらんない色ですよねぇ。うふふ」
うふふ、じゃないよ。気に入ってるんじゃん。
ま、仕方ない。俺達は馬車で教会へ向かった。何故か王子も同じ馬車だ。隆は御者と一緒に御者台へ乗っている。
「そう言えば、帰りにぶどう畑へ寄るんだよね」
「そうですよ。ぶどうが旬なんです。ぶどうジュースもとっても美味しいんです」
「そうなんだ。ココ嬢は好きなんだね」
「はい。毎年楽しみです」
と、言うか俺思うんだけど。
「お嬢さまぁ、何ですかぁ?」
「鑑定式って、今更感が半端ないわ」
「ですよねぇ~」
「そうだね。ココ嬢はもう魔法が使えるんだから」
「はい。今更、適性や属性と言われても、て感じです」
「ココ嬢は、使えない属性ってあるの?」
「……ないですね」
「もう全属性で良くないですかぁ?」
「記念だと思って参加するわよ」
「そうですねぇ」
フレッシュ感が全くないな。本当に今更だ。
そんな俺達を乗せた馬車が教会に到着した。
◇ ◇ ◇
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