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第2章 王都からの刺客!?

41ー霧島の力 1

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 俺達は霧島を探した。邸の外にはいない。王子は、もしかしてソフィについているのか?
 邸の中へと入り、王子の部屋に行ってみる。すると、丁度王子の部屋からメイドさんが出てきた。

「あら、お嬢様。お見舞いですか?」
「ソフィの具合はどう? 殿下はソフィについてらっしゃるの?」
「そうなんですよ。心配されて……あ、でもソフィさんはもう大丈夫ですよ。食事もとれましたから。奥様がアンチドーテされたので大丈夫です」
「そう、ありがとう」

 そうか。やはり付いていたのか。王子の部屋も俺の部屋と同じ仕様だ。王子の部屋とソフィの部屋はドアで繋がっている。

 ――コンコン

「ココです。殿下いらっしゃいますか?」

 俺は王子の部屋をノックして声を掛けた。すると、内側からドアが開けられ招き入れられた。王子だ。

「ココ嬢、心配かけたね」
「いえ、殿下。ソフィはどうですか?」
「さっき食事もできたんだ。大丈夫だよ」
「良かったです。殿下、ちょっとキリシマをお借りしても良いですか?」
「ああ、キリシマは今寝ているよ」

 あいつ、また寝てんのか! 本格的にイカンな! 何してんだよ!

「殿下、どこですか? ソフィの部屋ですか?」
「いや、僕のベッドで寝ているよ」

 いやいや、なんでだよ!

「殿下、申し訳ありませんが、連れてきて頂けますか?」
「そう? 少し待って」

 しばらくして王子は、キリシマを起こさない様にソッと両手で抱えてやって来た。抱き上げられても、腹を見せて寝ている。緊張感がまるでないな。

「ありがとうございます」

 王子からキリシマを受け取った俺は……

 ――パシッ!

「フガッ! イッテーな! なにすんだ!」

 やっぱ叩いちゃうよね。しょうがないよね~。よく寝るドラゴンだ。

「キ~リ~シ~マ~」
「うわっ! ココじゃねーか!?」
「おはよう、良く眠れたかしら?」
「お……おう……すまん?」

 疑問形にしてんじゃないよ。ホントにもう、霧島は。

「悪い! ついウトウトしちまって! 寝るつもりじゃなかったんだって!」

 そりゃそうだよ。寝ようと思って寝てる方が悪意はある。

「ちゃんとしなさいよ」
「分かってるって!」
「殿下、ちょっとキリシマに確認したい事があるので連れて行ってもよろしいですか?」
「ああ、いいよ。僕はまだこの部屋にいるから」
「はい、すぐに済みますので」

 さて、キリシマ。どうしてくれようか?

「いや、俺さ。王子のとこにいるよ。離れたらさ……」

 いいから来るんだよ!

「コ、ココ。ごめんてぇ」
「いいから、来なさい」

 俺は有無を言わさず霧島を庭に連れ出した。いつも訓練をしている前庭ではなく、裏の方だ。裏には、色々あるんだ。領主隊の宿舎や庭師達の宿舎。邸の中で働いている者達は邸に部屋がある。だから、それ以外の者達の宿舎だ。
 あとは、畑や牛舎に鳥小屋だ。と、言っても牛や鶏ではない。それによく似た魔物だ。
 それと、領主隊の訓練場もある。その訓練場に来ている。

「ねえ、キリシマ。あなたが使える攻撃をしてみて」
「え……なんだよ、急に」
「王子を守ってもらわなきゃいけないんだから、実力を知っておくのは当然でしょう?」
「あー、いやぁ……その……」
「何よ」
「実は俺さ、小さくされてるからさ。その、何だ」
「だから何?」
「だから! 大した攻撃力はねーんだよ!」
「そう。キリシマ、あそこに的があるでしょう。あの的に魔法で攻撃してみて」

 霧島が隆をチラチラと見ている。隆、助け舟だすんじゃないぞ。

「えぇ~……」
「キリシマ、もうバレてるって」

 もう、仕方ないな。

「キリシマ、ちょっと鑑定眼で見てもいい?」
「そりゃ、いいけど? 見てどうすんだよ」

 いいからさ。ふむふむ。なるほどなるほど。

「キリシマ、制限されてるじゃない。なんで? お父様にされたの?」
「だからさぁ、話したじゃん。ちょぉ~っと調子こいて棲家を燃やしちまったって。それで激切れされちまってさぁ、あっという間にこうなったんだって」
「そう……ん~、少しは制限を解除できるかもよ」
「えっ!? 本当かよ! ココ、スゲーじゃん!」
「あたしじゃないわよ。あたしだけの魔力だと足らないわ。ロディ兄さまの力も借りたら何とかなるかも。でも、完全にじゃないわよ。ドラゴンだもの、半分もいかないと思うわ」
「いいよ! そんなん全然いいよ! ココ、頼む! やってくれ! 俺だってさぁ、歯痒いんだよ。力は使えねーし、小っさいし」
「その代わり、ちゃんと王子を守るのよ」
「おう! 任せな!」

 本当、調子の良い奴だ。本当かよ、信用していいのか?

「お嬢、大丈夫ッス」

 まあ、隆が言うなら良いか。じゃあ、ロディ兄はどこだ?

「お嬢さまぁ、今はお部屋におられるかと思いますぅ」
「そう、サキ。今からお邪魔しても良いか聞いてきてくれない?」
「了解ですぅ~」

 咲がピュ~と走って行った。
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