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第2章 王都からの刺客!?
37ー女性陣
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俺と咲は、セリスアラーネアを飼育している小屋へと向かう。そう言えば、隆は何をしてるんだ? あのうるさいドラゴンは?
「昨夜の片付けですぅ。それとぉ、キリシマを躾けるとか言って張り切ってましたよぅ。昨夜のあの騒ぎの中、寝ていたそうですからぁ」
ああ、なぁ~る。大変だな。霧島は寝てたのか。ま、躾けは任せるさ。昨夜の刺客なぁ。きっと、拷問とかもするんだろうな。ちょっと刺客の方が気の毒になっちゃうよ。なんせ、あのメンバーだろ? エクターやランスだけじゃなくきっとシーゲルもいるんだろうし。シーゲルは怖いよ。何を考えているのか全く顔に出さない静かな威圧が超怖い。
俺はもうノータッチだ。なんせ、今は女児だからな。そして、俺は小屋に入って驚いた。
「え……凄いじゃない!」
「お嬢様! 頑張りました!」
そう、自慢気に話しているのは、糸から布地を織る担当の女性、マニューさんだ。ちょっと言いにくい。舌を噛みそうだ。
旦那が領主隊だったが魔物にやられてしまった。若くして夫を亡くした人だ。多分30代だろう……なんだけどさぁ、超絶色っぽいんだよ。スタイルが良くてさぁ。後れ毛とかさぁ、いちいち仕草が色っぽい。金髪に深いブルーの瞳の美人さんだ。
俺達が小屋に入るともうそこには黒の布地が出来上がっていたんだ。驚きだ。超早くないか?
「まさか、もう出来上がっているなんて思わなかったわ!」
「ふふふ。朝から超特急で織りました! どうです!?」
「凄いわ! 天才! とても綺麗じゃない!」
あら、やだ~! と、照れている姿も色っぽい。
後は、俺がパターン起こさないとな。ロディシスのサイズはどうなんだ?
「お嬢さまぁ、ちゃんと聞いてきてますよぅ」
「じゃあ早速」
「お嬢様、横で見ていても構いませんか?」
と、言ってきたのはこれまた女性陣の、ナタリーさんだ。同じ様に夫を亡くしている。さっきのマニューさんよりまだ若い。ふんわりしたピンクブラウンの髪を肩のラインで揃えていて瞳もピンクブラウンだ。可愛いくて庇護欲をかき立てられる感じだ。20代じゃないだろうか。て、事はだな。夫の方も若くして亡くなったって事だ。なんとも悲しい事だ。
「お嬢さまぁ、ナタリーさんは年の差婚だったので旦那さんは40歳過ぎてましたよぅ」
なんだと!? けしからんな! しかし、それでも若い愛妻を残していくのは心残りだっただろうに。
「パターンて言うんですか? 私、覚えたいんです」
「そう? 覚えてくれると助かるわ」
「はい!」
どうした? みんな超やる気じゃないか? 張り切ってるな。
「お嬢様、仕事をもらえて嬉しいんです。しっかり働いて領主様に御恩を返したいんです」
「御恩?」
「はい。主人が亡くなった時に領主様から充分過ぎる程の弔慰金を頂きました。お陰で今まで何不自由なく生活してこれたんです。立ち直る時間を持てました。だからです」
「そう……でも、無理しないで頑張ってね」
「はい。お嬢様」
俺はそのナタリーさんにパターンの起こし方を教えながらボクサーパンツのパターンを起こしていく。
前世にあった様に何パターンかサイズを決めて作ってしまうのも良い。所詮、下着だ。そう細かいことには拘らない。と、思って大きさのちがうパターンを何種類か作っておく。S、M、Lて感じだ。
「良いですね。贅沢な下着ですね」
「でしょう?」
「はい。生地が今までの物とは全然違いますから。お嬢様、これ領地の特産品にできますね」
そう言い出したのは、一緒にパターンを作っていたナタリーさんだ。一通り俺がパターンをおこすのを見ただけで、もう大まかにできるようになっている。優秀だ。器用なんだね。
「ナタリー、カットしたいから出来上がったパターンをちょうだい」
「はい、ミリーさん」
ナタリーに指示しているのが、この小屋で働く女性達のリーダー役のミリーさん。この人も夫を亡くしている。と、言っても、もう50歳過ぎているらしい。少し白髪の混じったブラウンの髪をふんわりとシニヨンにまとめている。50歳を過ぎていると言ってもそうは見えない小綺麗な人だ。今まで、マニューさんやナタリーの様な人達を支えてくれていたそうだ。
「もう、ミシンは使えるの?」
「はい。練習しましたから大丈夫です」
と、元気に言っているのは、ルリアさんだ。この人は40歳位かな? オレンジブラウンのロングヘアを後ろで1つに結んでいる。瞳もひまわりの様なオレンジだ。この人も旦那さんを魔物にやられた人だ。うちの領地にはそう言う人達がまだいる。なんとかしたいものだ。
「じゃあ、どんどん切っていくわね」
「はい、ミリーさん」
「これに慣れたらアンダーシャツも作るの。そのパターンも作っておくわ。でね、黒ばかりじゃなくて白でもお願い。その後、母さまの分を作りましょう」
「お嬢様。奥様の分ってあの、ブラって呼んでいる物ですか?」
「そうよ。ググっとあげて支えるの。なのに付けていて楽なのよ」
「キャア!」
キャアって何だよ。まだ若いナタリーさんが声をあげた。
「楽しみです! 早くブラを作りたくて!」
なるほど。それで頑張った訳だね。よく分かったよ。
「昨夜の片付けですぅ。それとぉ、キリシマを躾けるとか言って張り切ってましたよぅ。昨夜のあの騒ぎの中、寝ていたそうですからぁ」
ああ、なぁ~る。大変だな。霧島は寝てたのか。ま、躾けは任せるさ。昨夜の刺客なぁ。きっと、拷問とかもするんだろうな。ちょっと刺客の方が気の毒になっちゃうよ。なんせ、あのメンバーだろ? エクターやランスだけじゃなくきっとシーゲルもいるんだろうし。シーゲルは怖いよ。何を考えているのか全く顔に出さない静かな威圧が超怖い。
俺はもうノータッチだ。なんせ、今は女児だからな。そして、俺は小屋に入って驚いた。
「え……凄いじゃない!」
「お嬢様! 頑張りました!」
そう、自慢気に話しているのは、糸から布地を織る担当の女性、マニューさんだ。ちょっと言いにくい。舌を噛みそうだ。
旦那が領主隊だったが魔物にやられてしまった。若くして夫を亡くした人だ。多分30代だろう……なんだけどさぁ、超絶色っぽいんだよ。スタイルが良くてさぁ。後れ毛とかさぁ、いちいち仕草が色っぽい。金髪に深いブルーの瞳の美人さんだ。
俺達が小屋に入るともうそこには黒の布地が出来上がっていたんだ。驚きだ。超早くないか?
「まさか、もう出来上がっているなんて思わなかったわ!」
「ふふふ。朝から超特急で織りました! どうです!?」
「凄いわ! 天才! とても綺麗じゃない!」
あら、やだ~! と、照れている姿も色っぽい。
後は、俺がパターン起こさないとな。ロディシスのサイズはどうなんだ?
「お嬢さまぁ、ちゃんと聞いてきてますよぅ」
「じゃあ早速」
「お嬢様、横で見ていても構いませんか?」
と、言ってきたのはこれまた女性陣の、ナタリーさんだ。同じ様に夫を亡くしている。さっきのマニューさんよりまだ若い。ふんわりしたピンクブラウンの髪を肩のラインで揃えていて瞳もピンクブラウンだ。可愛いくて庇護欲をかき立てられる感じだ。20代じゃないだろうか。て、事はだな。夫の方も若くして亡くなったって事だ。なんとも悲しい事だ。
「お嬢さまぁ、ナタリーさんは年の差婚だったので旦那さんは40歳過ぎてましたよぅ」
なんだと!? けしからんな! しかし、それでも若い愛妻を残していくのは心残りだっただろうに。
「パターンて言うんですか? 私、覚えたいんです」
「そう? 覚えてくれると助かるわ」
「はい!」
どうした? みんな超やる気じゃないか? 張り切ってるな。
「お嬢様、仕事をもらえて嬉しいんです。しっかり働いて領主様に御恩を返したいんです」
「御恩?」
「はい。主人が亡くなった時に領主様から充分過ぎる程の弔慰金を頂きました。お陰で今まで何不自由なく生活してこれたんです。立ち直る時間を持てました。だからです」
「そう……でも、無理しないで頑張ってね」
「はい。お嬢様」
俺はそのナタリーさんにパターンの起こし方を教えながらボクサーパンツのパターンを起こしていく。
前世にあった様に何パターンかサイズを決めて作ってしまうのも良い。所詮、下着だ。そう細かいことには拘らない。と、思って大きさのちがうパターンを何種類か作っておく。S、M、Lて感じだ。
「良いですね。贅沢な下着ですね」
「でしょう?」
「はい。生地が今までの物とは全然違いますから。お嬢様、これ領地の特産品にできますね」
そう言い出したのは、一緒にパターンを作っていたナタリーさんだ。一通り俺がパターンをおこすのを見ただけで、もう大まかにできるようになっている。優秀だ。器用なんだね。
「ナタリー、カットしたいから出来上がったパターンをちょうだい」
「はい、ミリーさん」
ナタリーに指示しているのが、この小屋で働く女性達のリーダー役のミリーさん。この人も夫を亡くしている。と、言っても、もう50歳過ぎているらしい。少し白髪の混じったブラウンの髪をふんわりとシニヨンにまとめている。50歳を過ぎていると言ってもそうは見えない小綺麗な人だ。今まで、マニューさんやナタリーの様な人達を支えてくれていたそうだ。
「もう、ミシンは使えるの?」
「はい。練習しましたから大丈夫です」
と、元気に言っているのは、ルリアさんだ。この人は40歳位かな? オレンジブラウンのロングヘアを後ろで1つに結んでいる。瞳もひまわりの様なオレンジだ。この人も旦那さんを魔物にやられた人だ。うちの領地にはそう言う人達がまだいる。なんとかしたいものだ。
「じゃあ、どんどん切っていくわね」
「はい、ミリーさん」
「これに慣れたらアンダーシャツも作るの。そのパターンも作っておくわ。でね、黒ばかりじゃなくて白でもお願い。その後、母さまの分を作りましょう」
「お嬢様。奥様の分ってあの、ブラって呼んでいる物ですか?」
「そうよ。ググっとあげて支えるの。なのに付けていて楽なのよ」
「キャア!」
キャアって何だよ。まだ若いナタリーさんが声をあげた。
「楽しみです! 早くブラを作りたくて!」
なるほど。それで頑張った訳だね。よく分かったよ。
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