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第2章 王都からの刺客!?
32ーエンシェントドラゴン 2
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「お前もヒデーな!」
「ごめんごめん。よろしくね、僕はフィルドラクスだ。フィルだよ」
「おうよ! フィル、仕方ねーから加護を授けてやるよ!」
小さなトカゲの様なドラゴンがパタパタと飛び、王子の額にペチッと手を当てた。すると、王子とドラゴンの身体がペカーッと光った。
「よし、完了だ! 大船に乗った気でいな!」
「頼んだわよ。あたしはココアリア。ココよ」
「おうよ! ココ、任せな!」
「それにしても、ちょっと汚いわね。クリーン」
小汚かった小さなドラゴンの体がシュルンと綺麗になっていく。綺麗になっても残念な体色はそのまんまだ。
「あー、でも微妙な色なのね。残念ね」
「うっせーよ!」
駄目だな。偉そうだ。口も悪い。これは、躾が必要だな。
「咲、隆、覚えてる? 犬のトレーニング」
「覚えてますよ」
「忘れられませんよぅ」
「よし、頼んだ」
「俺、旦那様に知らせてきます!」
ピューッと隆が走って行った。マジやめてほしい。落ち着いて話そうよ。
「ココアリアーーーッ!!」
ほらみろ。テンション爆上がりの父が叫びながら猛ダッシュでやって来たぜ。
「ココ!! よくやったぁ!」
ガァシィッ! と、抱き締められて尚且つ背中をバッシバッシと叩かれる。
マジ、苦しいから! そして、痛いから!
「父さま! 苦しいです!」
「お? おお、すまん! ココ、本当か!? エンシェントドラゴンは何処だぁ!?」
父が上空をキョロキョロ見ている。そりゃそうだよ。ドラゴンだぜ? 大きいんだぜ? 上を見るさ、普通はな。だがな。
「俺だよ! 俺! 此処だ!」
「ああ!? 何処だ!?」
「此処だっつってんだろ!」
小っさいドラゴンが、父の頭に飛び蹴りを入れた。
「ん? 今何か当たったか?」
父がまたキョロキョロしながら頭を掻いている。プハハハ! 小さいから全然堪えてないよ!
「父さま、これです。エンシェントドラゴン」
俺は、そいつを指差した。小さな自称ドラゴンをな。すると父は、俺の両肩に手を置き目を見つめ真面目な顔をして言った。
「ココアリア。いいか? これはドラゴンではない。トカゲと言うのだぞ」
ブハハハ!! 笑えるよ! トカゲだって言ってるよ!
「父さま、本当なんです。小さくなっていますが、エンシェントドラゴンだそうです」
「なんだとぉーッ!?」
もう、暑苦しいよ。いちいち叫ばなくてもいいと俺は思う。
「俺はエンシェントドラゴンのキリシマだ! よろしくな!」
「き、き?」
「父さま、キリシマです」
「ふむ。変わった名前だな。しかし……小さい」
「うっせーんだよ! 俺だって好きで小さくなってんじゃねーんだよ!」
「ほう?」
俺は父にドラゴンが小さくなった理由を説明した。調子に乗って、ドラゴンブレスで棲家を焼いてしまったとな。そして、父ドラゴンに小さくされ、卵の様なものに封印され此処へ流れ着いたと。
「なんと……棲家を燃やしたか」
「ドラゴンブレスを使えるようになって、嬉しくてちょっと調子に乗ってたんだよ。なのに、親父の奴ブチ切れやがって」
「それはお前が悪いぞ。大事な棲家を燃やしてはいかんな!」
「お、おう」
「で、どうするんだ?」
「どうとは何だよ?」
「帰れないのか? 帰って素直に父上に謝ったらどうだ?」
「えー……謝るのかぁ?」
「それは当たり前だ。悪い事をしたら謝る。当然の事だろう?」
「まあ……そりゃ、な」
「そうだわ。帰って謝ったらどう?」
「お前さぁ、さっきと話が違うじゃねーか」
――パシッ!
「イテーな! 何すんだよ!」
お前言うな! こいつ、マジで躾し直さなきゃダメだな。
「今からでも帰って謝ったら?」
「えぇー……」
「ふむ。当然だな。我が子が可愛くない訳なかろう。ちゃんと謝ったら、父上だって許して下さるだろう」
「まあ、そのうちな。俺、ココのそばにいるって決めたんだ。そこの王子の守護もするって約束したしな。どうせ人間が生きてる時間なんて俺たちから見れば大した時間じゃないからな」
「そうか? 殿下の守護をしてくれるか!?」
「おう! だから、よろしく頼むわ!」
「そうか、よし。分かったぞ! キリシマ、腹は減ってないか?」
「おう、腹ペコだ!」
「よしッ! まずは飯だな! 腹いっぱい美味い飯を食わしてやるぞぉ!」
「ありがとうよ!」
そう言って、小さいエンシェントドラゴンの霧島は父の肩に乗って行ってしまった。
「なにあれ? 父さまと超気が合ってるじゃない」
「ホントですねぇ」
「あれ、旦那様に加護を授ける方が良かったんじゃないッスか?」
「本当だ。ふふふ」
本当だよ。俺、何だったんだよ。しかし、王子はよく笑う様になったな。良い事だ。うん。
さて、討伐の後は飯だ。その日の夕飯は、領主隊や避難していた領民達まで一緒に邸の前庭で打ち上げだ。大騒ぎだ。
「ごめんごめん。よろしくね、僕はフィルドラクスだ。フィルだよ」
「おうよ! フィル、仕方ねーから加護を授けてやるよ!」
小さなトカゲの様なドラゴンがパタパタと飛び、王子の額にペチッと手を当てた。すると、王子とドラゴンの身体がペカーッと光った。
「よし、完了だ! 大船に乗った気でいな!」
「頼んだわよ。あたしはココアリア。ココよ」
「おうよ! ココ、任せな!」
「それにしても、ちょっと汚いわね。クリーン」
小汚かった小さなドラゴンの体がシュルンと綺麗になっていく。綺麗になっても残念な体色はそのまんまだ。
「あー、でも微妙な色なのね。残念ね」
「うっせーよ!」
駄目だな。偉そうだ。口も悪い。これは、躾が必要だな。
「咲、隆、覚えてる? 犬のトレーニング」
「覚えてますよ」
「忘れられませんよぅ」
「よし、頼んだ」
「俺、旦那様に知らせてきます!」
ピューッと隆が走って行った。マジやめてほしい。落ち着いて話そうよ。
「ココアリアーーーッ!!」
ほらみろ。テンション爆上がりの父が叫びながら猛ダッシュでやって来たぜ。
「ココ!! よくやったぁ!」
ガァシィッ! と、抱き締められて尚且つ背中をバッシバッシと叩かれる。
マジ、苦しいから! そして、痛いから!
「父さま! 苦しいです!」
「お? おお、すまん! ココ、本当か!? エンシェントドラゴンは何処だぁ!?」
父が上空をキョロキョロ見ている。そりゃそうだよ。ドラゴンだぜ? 大きいんだぜ? 上を見るさ、普通はな。だがな。
「俺だよ! 俺! 此処だ!」
「ああ!? 何処だ!?」
「此処だっつってんだろ!」
小っさいドラゴンが、父の頭に飛び蹴りを入れた。
「ん? 今何か当たったか?」
父がまたキョロキョロしながら頭を掻いている。プハハハ! 小さいから全然堪えてないよ!
「父さま、これです。エンシェントドラゴン」
俺は、そいつを指差した。小さな自称ドラゴンをな。すると父は、俺の両肩に手を置き目を見つめ真面目な顔をして言った。
「ココアリア。いいか? これはドラゴンではない。トカゲと言うのだぞ」
ブハハハ!! 笑えるよ! トカゲだって言ってるよ!
「父さま、本当なんです。小さくなっていますが、エンシェントドラゴンだそうです」
「なんだとぉーッ!?」
もう、暑苦しいよ。いちいち叫ばなくてもいいと俺は思う。
「俺はエンシェントドラゴンのキリシマだ! よろしくな!」
「き、き?」
「父さま、キリシマです」
「ふむ。変わった名前だな。しかし……小さい」
「うっせーんだよ! 俺だって好きで小さくなってんじゃねーんだよ!」
「ほう?」
俺は父にドラゴンが小さくなった理由を説明した。調子に乗って、ドラゴンブレスで棲家を焼いてしまったとな。そして、父ドラゴンに小さくされ、卵の様なものに封印され此処へ流れ着いたと。
「なんと……棲家を燃やしたか」
「ドラゴンブレスを使えるようになって、嬉しくてちょっと調子に乗ってたんだよ。なのに、親父の奴ブチ切れやがって」
「それはお前が悪いぞ。大事な棲家を燃やしてはいかんな!」
「お、おう」
「で、どうするんだ?」
「どうとは何だよ?」
「帰れないのか? 帰って素直に父上に謝ったらどうだ?」
「えー……謝るのかぁ?」
「それは当たり前だ。悪い事をしたら謝る。当然の事だろう?」
「まあ……そりゃ、な」
「そうだわ。帰って謝ったらどう?」
「お前さぁ、さっきと話が違うじゃねーか」
――パシッ!
「イテーな! 何すんだよ!」
お前言うな! こいつ、マジで躾し直さなきゃダメだな。
「今からでも帰って謝ったら?」
「えぇー……」
「ふむ。当然だな。我が子が可愛くない訳なかろう。ちゃんと謝ったら、父上だって許して下さるだろう」
「まあ、そのうちな。俺、ココのそばにいるって決めたんだ。そこの王子の守護もするって約束したしな。どうせ人間が生きてる時間なんて俺たちから見れば大した時間じゃないからな」
「そうか? 殿下の守護をしてくれるか!?」
「おう! だから、よろしく頼むわ!」
「そうか、よし。分かったぞ! キリシマ、腹は減ってないか?」
「おう、腹ペコだ!」
「よしッ! まずは飯だな! 腹いっぱい美味い飯を食わしてやるぞぉ!」
「ありがとうよ!」
そう言って、小さいエンシェントドラゴンの霧島は父の肩に乗って行ってしまった。
「なにあれ? 父さまと超気が合ってるじゃない」
「ホントですねぇ」
「あれ、旦那様に加護を授ける方が良かったんじゃないッスか?」
「本当だ。ふふふ」
本当だよ。俺、何だったんだよ。しかし、王子はよく笑う様になったな。良い事だ。うん。
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