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第2章 王都からの刺客!?
30ー汚い卵?
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ん? 何だ? すぐそこの草むらで何か動いた気がした。もしかして、討ち漏らしか?
ウルフ討伐の後、俺の視界の隅で何かが動いた。それが何なのか、確認しようと用心しながら歩いて行った。すると……草むらにそれはあった。
「これ、何かしら?」
「ココ嬢、どうした?」
「殿下、何か卵のような……」
卵の様な丸い形をしているが、表面は汚い苔の様なものに覆われている。そうだな、直径40~50センチ程だろうか。卵にしては大きい。ちょっと近付いてみる……汚いし臭うな。なんだ、これ?
「汚いね」
「汚いですね。取り敢えず、汚いから……クリーン」
「お嬢、殿下。何してんです?」
「あ? リュウ。これ汚いのよ」
「何かの卵ッスか?」
「ホント、汚いですねぇ。なんか臭いますしぃ」
咲と隆もやって来て覗き込んでいる。かなり汚いな。それに、苔まみれだ。
「もう1回かな? クリーン」
「お嬢、汚れと違うんじゃないッスか?」
「クリーンでとれない汚れなんて聞いた事ありませんよぅ」
「そう? じゃあまぁ、一応鑑定……」
俺は、念のため鑑定眼でそれを見た……
「え……」
「ココ嬢、何だった?」
「え? 何スか?」
「お嬢さまぁ?」
「これ、封印されているんですって」
「封印?」
「えぇッ!? 封印ッスか!?」
「封印したら臭うんですかぁ?」
そんな訳ないだろう? 何を封印しているのかも分からない。じゃあ、とりま……
「ディスペル」
するとその汚い卵形のものがペカーッと光り、こびりついていた苔のようなものが綺麗に剥がれていった。
「あ、綺麗になりましたねぇ」
「何かの卵ッスか?」
「何だろうね?」
また、王子も一緒に俺達4人で顔を付き合わせてそれをじっと見る。
――ピシッ……
「あ! 割れますよ!」
「何だ?」
苔塗れで汚かった卵のようなものの封印を解呪したら、亀裂が入り割れ出したんだ。そして、その中から元気良く飛び出してきた。
「ジャジャジャーン!! 俺様、ふっかぁーつッ! かかってこいやぁー!!」
――パシッ!
「ブヘェッ!!」
ちょっとむかついたから、思わず叩き落としてしまった。
「イテーッ! イテーなこのヤロウ! 何しやがんだ!?」
「何だって、お前は何なのよ?」
「ココ嬢、トカゲかな?」
「え、殿下。翼があるッスよ?」
「翼のあるぅ……トカゲ?」
「ばか! ばか! ぶわかぁー! 俺様はなあ、何を隠そうドラゴンだ!」
「……」
「…………」
「………………」
「へへん! どーだ! 驚いたかぁ! 人間共よ、恐れろ! ひれ伏せ!」
そう言いながら、ふわふわと浮いて腕を組んで胸を張っている。こいつ、偉そうだな。
――パシッ!!
「だから、イテーんだよ!」
また、叩いてしまった。何かムカつくなぁ。何だこいつ?
卵が苔塗れで汚れているように見えたものから出てきたのは、蝙蝠のような翼が2対あるトカゲに見えた。そうだなぁ、体長30センチ程か? しかも、身体は濃いグレーなのに口の周りだけ淡くシルバーぽくなっている。とにかく見た目が汚い。なのに、態度は超デカイ。ちょっとムカつく。
「そんなに小っさくてどこがドラゴンなのよ。そんなの嘘ってバレバレよ」
「嘘じゃないですぅー! 俺は歴としたドラゴンなんですぅ!」
あ、ムカつく……俺はまた叩いてやろうと手をあげた。
「待て待て待てー! 叩くなよ!」
「じゃあ、本当の事を言いなさいよ」
「嘘じゃねーし! 俺は本当にドラゴンだしぃ!」
「じゃあ、何でそんなに小さいのよ」
「それはまぁ……あれだ」
「あれって何よ?」
その、自称ドラゴンが言うにはだ。ちょ~っと調子にのって、ドラゴンの里にある棲家をドラゴンブレスで燃やしてしまったらしい。ドラゴンブレスが使えるようになって、嬉しくて調子に乗っていたんだそうだ。それで、父ドラゴンの逆鱗に触れて小さくされ閉じ込められてしまった。
自分ではどうしようもできないのだから、仕方がない。そのうち、雨が降って流されて。風が吹いて飛ばされて。ウルフ達に蹴られて転がって……で、今に至るらしい。
「え、おバカ?」
「おバカですねぇ」
「いくらなんでも、棲家を焼いたら駄目だよ」
「プハハハ! マジ、おバカッスね!」
隆が腹を抱えて大爆笑だ。しかし、マヌケな話だ。
「笑うんじゃねーよ! お前ら焼いてやろーか!?」
――パシッ!
「イテー! だから、叩くなよ!」
「あたしが解呪して、封印解いてやんなきゃまだ閉じ込められたまんまだったのよ!」
「あぁ!? あんだとぉ!?」
あ、ムカつくぅ! 俺はまた手をあげた。思っきし叩いてやろうか!
「あー! 叩くなって! 悪かったよ!」
「あのねぇ、普通は助けてもらったらありがとうでしょう?」
「あんだと?」
あ、まだ言うか? まったく、素直じゃないな。
ウルフ討伐の後、俺の視界の隅で何かが動いた。それが何なのか、確認しようと用心しながら歩いて行った。すると……草むらにそれはあった。
「これ、何かしら?」
「ココ嬢、どうした?」
「殿下、何か卵のような……」
卵の様な丸い形をしているが、表面は汚い苔の様なものに覆われている。そうだな、直径40~50センチ程だろうか。卵にしては大きい。ちょっと近付いてみる……汚いし臭うな。なんだ、これ?
「汚いね」
「汚いですね。取り敢えず、汚いから……クリーン」
「お嬢、殿下。何してんです?」
「あ? リュウ。これ汚いのよ」
「何かの卵ッスか?」
「ホント、汚いですねぇ。なんか臭いますしぃ」
咲と隆もやって来て覗き込んでいる。かなり汚いな。それに、苔まみれだ。
「もう1回かな? クリーン」
「お嬢、汚れと違うんじゃないッスか?」
「クリーンでとれない汚れなんて聞いた事ありませんよぅ」
「そう? じゃあまぁ、一応鑑定……」
俺は、念のため鑑定眼でそれを見た……
「え……」
「ココ嬢、何だった?」
「え? 何スか?」
「お嬢さまぁ?」
「これ、封印されているんですって」
「封印?」
「えぇッ!? 封印ッスか!?」
「封印したら臭うんですかぁ?」
そんな訳ないだろう? 何を封印しているのかも分からない。じゃあ、とりま……
「ディスペル」
するとその汚い卵形のものがペカーッと光り、こびりついていた苔のようなものが綺麗に剥がれていった。
「あ、綺麗になりましたねぇ」
「何かの卵ッスか?」
「何だろうね?」
また、王子も一緒に俺達4人で顔を付き合わせてそれをじっと見る。
――ピシッ……
「あ! 割れますよ!」
「何だ?」
苔塗れで汚かった卵のようなものの封印を解呪したら、亀裂が入り割れ出したんだ。そして、その中から元気良く飛び出してきた。
「ジャジャジャーン!! 俺様、ふっかぁーつッ! かかってこいやぁー!!」
――パシッ!
「ブヘェッ!!」
ちょっとむかついたから、思わず叩き落としてしまった。
「イテーッ! イテーなこのヤロウ! 何しやがんだ!?」
「何だって、お前は何なのよ?」
「ココ嬢、トカゲかな?」
「え、殿下。翼があるッスよ?」
「翼のあるぅ……トカゲ?」
「ばか! ばか! ぶわかぁー! 俺様はなあ、何を隠そうドラゴンだ!」
「……」
「…………」
「………………」
「へへん! どーだ! 驚いたかぁ! 人間共よ、恐れろ! ひれ伏せ!」
そう言いながら、ふわふわと浮いて腕を組んで胸を張っている。こいつ、偉そうだな。
――パシッ!!
「だから、イテーんだよ!」
また、叩いてしまった。何かムカつくなぁ。何だこいつ?
卵が苔塗れで汚れているように見えたものから出てきたのは、蝙蝠のような翼が2対あるトカゲに見えた。そうだなぁ、体長30センチ程か? しかも、身体は濃いグレーなのに口の周りだけ淡くシルバーぽくなっている。とにかく見た目が汚い。なのに、態度は超デカイ。ちょっとムカつく。
「そんなに小っさくてどこがドラゴンなのよ。そんなの嘘ってバレバレよ」
「嘘じゃないですぅー! 俺は歴としたドラゴンなんですぅ!」
あ、ムカつく……俺はまた叩いてやろうと手をあげた。
「待て待て待てー! 叩くなよ!」
「じゃあ、本当の事を言いなさいよ」
「嘘じゃねーし! 俺は本当にドラゴンだしぃ!」
「じゃあ、何でそんなに小さいのよ」
「それはまぁ……あれだ」
「あれって何よ?」
その、自称ドラゴンが言うにはだ。ちょ~っと調子にのって、ドラゴンの里にある棲家をドラゴンブレスで燃やしてしまったらしい。ドラゴンブレスが使えるようになって、嬉しくて調子に乗っていたんだそうだ。それで、父ドラゴンの逆鱗に触れて小さくされ閉じ込められてしまった。
自分ではどうしようもできないのだから、仕方がない。そのうち、雨が降って流されて。風が吹いて飛ばされて。ウルフ達に蹴られて転がって……で、今に至るらしい。
「え、おバカ?」
「おバカですねぇ」
「いくらなんでも、棲家を焼いたら駄目だよ」
「プハハハ! マジ、おバカッスね!」
隆が腹を抱えて大爆笑だ。しかし、マヌケな話だ。
「笑うんじゃねーよ! お前ら焼いてやろーか!?」
――パシッ!
「イテー! だから、叩くなよ!」
「あたしが解呪して、封印解いてやんなきゃまだ閉じ込められたまんまだったのよ!」
「あぁ!? あんだとぉ!?」
あ、ムカつくぅ! 俺はまた手をあげた。思っきし叩いてやろうか!
「あー! 叩くなって! 悪かったよ!」
「あのねぇ、普通は助けてもらったらありがとうでしょう?」
「あんだと?」
あ、まだ言うか? まったく、素直じゃないな。
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