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第1章 転生後
21ーロディ兄の心も鷲掴み
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「ですからぁ、ここをググッと持ち上げる様に布を重ねないとぉ」
「お、おう」
「それと、脇のお肉ですぅ。ググッと寄せてこないとぉ」
「お、お、おう」
終始、咲に意見を出して貰いながらの本格的なブラ作製だ。この世界にないものだぜ。初ブラだ。
「それとぉ、普段使い用にぃスポーツブラみたいなのも欲しいですねぇ」
「咲、ドレス用の生地も作らなきゃならないのよ」
「あ、そうでしたぁ」
「取り敢えず、ドレスを着た時に楽で綺麗なラインが出る様なブラとガードルよ。後は手伝ってくれる人達の様子を見てからにしましょう」
「了でぇすぅ」
そうこうしながら、俺達はパターンを起こしチクチクと手縫いだ。切実にミシンが欲しいね。けど、いくらなんでもあれを作るのは無理だ。何がどうなっていたのか俺には全く分からない。
「お嬢、ロディ様に相談しましょう」
「え? なんでロディ兄さま?」
「ロディ様なら作れるかもッス。無理でも、その方面に詳しい人を知っているかも知れません」
「なるほど。咲、兄さまの都合を聞いてきてくれない?」
「はいですぅ」
咲がピュゥ~ッと走って行った。すると、直ぐにロディシスを連れて戻ってきた。
「兄さま」
「やあ、ココ。サキから話は聞いた。しかし、驚いたよ。たった3人でよくここまでやったね~」
ロディシスが、俺の頭を撫でながら部屋の中を見て感心している。そりゃそうだ。蜘蛛はいるし、繭もあるわ、糸を紡ぐ前のものがバサっと置いてある。その中に埋もれて、俺達はちまちまと作業している。
「母さまが近々人を雇い入れて下さいます」
「母上から聞いて手配してあるよ。あの下着は売れるだろう。で、僕に何を聞きたいの?」
「将来的にドレスにまでもっていきたいんです。兄さま、見て下さい。この生地。こっちは生地と同じ糸を編んでレースにした物です」
そう言って、俺は咲がサンプルにと織った生地とレースを実際にロディシスに見せプレゼンする。
「ふむ……」
兄はその両方を手に取りじっと見た。手触りを確認し、色んな角度から見る。
「いいじゃないか。軽くて薄いが艶もある。適度な張りもあるから、ドレスに持ってこいじゃないか」
「兄さま、生地の厚みは織る時に調整できます」
「じゃあ、あれかい? 父上が騒いでいた防御力アップの隊服とはこの生地を使ったものなのかな?」
「そうです。しっかり糸を重ねて厚めに織ります。そうしたら、丈夫で軽くて伸縮性もあります。その上、状態異常無効と防御力アップです」
「凄いじゃないか」
「そこで、兄さまに相談です!」
「ふふふ、何かな?」
「これ、今リュウがやってますがチクチク1針1針手縫いなんです」
「うん、それが普通だね」
「兄さま、レースは仕方ないとしても、生地を縫う道具を作れませんか?」
「縫う道具?」
「はい。こう、生地を置いて送れば、糸を通した針が下りてきて……」
俺は絵を描きながら説明した。俺は絵が得意なんだよ。て、言っても絵本にする様な絵だけど。なんせ、前世では絵本作家だったからな。とは言え、ミシンの内部なんて知らないからかなり適当だ。
「なるほど……ここをこう……あそこを……」
ブツブツと呟きながら、ロディシスが考え込んでいる。
「兄さま?」
「うん、少し時間をくれるかな? なんとかしてみよう」
「ありがとうございます! それが作れたら領地の特産品にできますよ!」
「ココ、この生地だけでも充分になり得るよ」
「はい!」
「お手柄だよ。ところで、ココ」
と、話しながら俺を膝に乗せるロディ兄。何故に膝の上だ? うん、スルーしよう。
「はい、何です?」
「僕も父上が言ってた、下着が欲しいんだけどね」
「今、リュウが縫ってます。でもこれ、兄さま。黒の方がよくないですか?」
「え? 下着に黒なのかい?」
「え? おかしいですか?」
「いや、その発想自体がなかったよ」
そうだった。この世界の下着と言えば、真っ白でなく生成りの様な色が主流だった。王都の金持ち貴族や王族はシルクの下着だとか。よく知らないけど。
「ココ、どうして黒なんだい?」
「え? その方がカッコよくないですか?」
「ココは黒の方がカッコいいと思うんだね?」
「はい。断然黒です! カッコいいです!」
「じゃあ、僕のは黒で頼むよ。リュウ」
少し離れた場所で、チクチクとボクサーパンツを縫っている隆にロディシスが言った。そのデカイのは、父のパンツか? 王子のは作らないのか? 隆よ、お前ずっと父のを縫ってないか?
「ロディ様、まだ黒の生地がありません」
「なんだって!?」
「黒の糸がまずないッスから」
「そこまで手が回らないんですぅ」
「そうか。人手を雇うのを急がせよう。だから、ココ。兄さまは黒で」
「分かりました! 兄さま!」
やったぜ! 人手やミシンもなんとかなりそうだ!
「お、おう」
「それと、脇のお肉ですぅ。ググッと寄せてこないとぉ」
「お、お、おう」
終始、咲に意見を出して貰いながらの本格的なブラ作製だ。この世界にないものだぜ。初ブラだ。
「それとぉ、普段使い用にぃスポーツブラみたいなのも欲しいですねぇ」
「咲、ドレス用の生地も作らなきゃならないのよ」
「あ、そうでしたぁ」
「取り敢えず、ドレスを着た時に楽で綺麗なラインが出る様なブラとガードルよ。後は手伝ってくれる人達の様子を見てからにしましょう」
「了でぇすぅ」
そうこうしながら、俺達はパターンを起こしチクチクと手縫いだ。切実にミシンが欲しいね。けど、いくらなんでもあれを作るのは無理だ。何がどうなっていたのか俺には全く分からない。
「お嬢、ロディ様に相談しましょう」
「え? なんでロディ兄さま?」
「ロディ様なら作れるかもッス。無理でも、その方面に詳しい人を知っているかも知れません」
「なるほど。咲、兄さまの都合を聞いてきてくれない?」
「はいですぅ」
咲がピュゥ~ッと走って行った。すると、直ぐにロディシスを連れて戻ってきた。
「兄さま」
「やあ、ココ。サキから話は聞いた。しかし、驚いたよ。たった3人でよくここまでやったね~」
ロディシスが、俺の頭を撫でながら部屋の中を見て感心している。そりゃそうだ。蜘蛛はいるし、繭もあるわ、糸を紡ぐ前のものがバサっと置いてある。その中に埋もれて、俺達はちまちまと作業している。
「母さまが近々人を雇い入れて下さいます」
「母上から聞いて手配してあるよ。あの下着は売れるだろう。で、僕に何を聞きたいの?」
「将来的にドレスにまでもっていきたいんです。兄さま、見て下さい。この生地。こっちは生地と同じ糸を編んでレースにした物です」
そう言って、俺は咲がサンプルにと織った生地とレースを実際にロディシスに見せプレゼンする。
「ふむ……」
兄はその両方を手に取りじっと見た。手触りを確認し、色んな角度から見る。
「いいじゃないか。軽くて薄いが艶もある。適度な張りもあるから、ドレスに持ってこいじゃないか」
「兄さま、生地の厚みは織る時に調整できます」
「じゃあ、あれかい? 父上が騒いでいた防御力アップの隊服とはこの生地を使ったものなのかな?」
「そうです。しっかり糸を重ねて厚めに織ります。そうしたら、丈夫で軽くて伸縮性もあります。その上、状態異常無効と防御力アップです」
「凄いじゃないか」
「そこで、兄さまに相談です!」
「ふふふ、何かな?」
「これ、今リュウがやってますがチクチク1針1針手縫いなんです」
「うん、それが普通だね」
「兄さま、レースは仕方ないとしても、生地を縫う道具を作れませんか?」
「縫う道具?」
「はい。こう、生地を置いて送れば、糸を通した針が下りてきて……」
俺は絵を描きながら説明した。俺は絵が得意なんだよ。て、言っても絵本にする様な絵だけど。なんせ、前世では絵本作家だったからな。とは言え、ミシンの内部なんて知らないからかなり適当だ。
「なるほど……ここをこう……あそこを……」
ブツブツと呟きながら、ロディシスが考え込んでいる。
「兄さま?」
「うん、少し時間をくれるかな? なんとかしてみよう」
「ありがとうございます! それが作れたら領地の特産品にできますよ!」
「ココ、この生地だけでも充分になり得るよ」
「はい!」
「お手柄だよ。ところで、ココ」
と、話しながら俺を膝に乗せるロディ兄。何故に膝の上だ? うん、スルーしよう。
「はい、何です?」
「僕も父上が言ってた、下着が欲しいんだけどね」
「今、リュウが縫ってます。でもこれ、兄さま。黒の方がよくないですか?」
「え? 下着に黒なのかい?」
「え? おかしいですか?」
「いや、その発想自体がなかったよ」
そうだった。この世界の下着と言えば、真っ白でなく生成りの様な色が主流だった。王都の金持ち貴族や王族はシルクの下着だとか。よく知らないけど。
「ココ、どうして黒なんだい?」
「え? その方がカッコよくないですか?」
「ココは黒の方がカッコいいと思うんだね?」
「はい。断然黒です! カッコいいです!」
「じゃあ、僕のは黒で頼むよ。リュウ」
少し離れた場所で、チクチクとボクサーパンツを縫っている隆にロディシスが言った。そのデカイのは、父のパンツか? 王子のは作らないのか? 隆よ、お前ずっと父のを縫ってないか?
「ロディ様、まだ黒の生地がありません」
「なんだって!?」
「黒の糸がまずないッスから」
「そこまで手が回らないんですぅ」
「そうか。人手を雇うのを急がせよう。だから、ココ。兄さまは黒で」
「分かりました! 兄さま!」
やったぜ! 人手やミシンもなんとかなりそうだ!
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