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第1章 転生後
18ー捕獲大成功
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母のセリスアラーネア捕獲命令が発動されてから、3日だ。今日は討伐日和だ。朝から天気も良いし、雨が降る様子もない。
今日はこれから、領主隊と一緒にセリスアラーネアの捕獲だ。
領主邸から馬に乗ってカッポラカッポラと街中を行く。俺はまだ小さいからサキの馬に乗せてもらっている。すると、領民達が声を掛けてくれる。
――ココさまぁー!
――お出かけですかー?
だから俺も答えるんだ。
「ええ! 森まで行くの!」
――お気をつけてー!
――いってらっしゃーい!
「ありがとぉー!」
と、答えながら手を振る。平和だね。平和って良いね。
うちの領地では、領民と俺達の距離が近い。事ある毎に交流をしている。大量の魔物を討伐した時等は、領主邸の前庭を解放して料理を振舞ったりもする。それに、何より信頼してくれているのが分かるんだ。有難い事だ。と、同時に責任も大きい。
「お嬢さまぁ、もう前を向いてくださいぃ」
「うん、サキ」
「お嬢様、相変わらず人気者ッスね」
「末娘だからね」
「そうッスね」
「前世も末っ子だったのに、全然違いますねぇ」
「そうね、男と女の違いかしら?」
「いやぁ、極道と辺境伯の違いじゃないっスか?」
「あー、そうかも」
なんて、どうでも良い事を話しながら森へとやって来た。
「お嬢様、ここからは魔物が出ますので絶対に離れないで下さいよ」
「リュウ、分かったわ」
魔物と遭遇しても、魔法でやっつけちゃうけどな。訓練だって毎日しているんだ。
「お嬢、油断は禁物ッス」
「分かったわよ」
森に入ると空気が変わった。領主隊が纏う雰囲気も変わった。少しピリッと引き締まる感じがする。
領主隊の凄いところだ。体全体で魔物を察知しようとしているかの様だ。
その内、チラホラと魔物と遭遇するようになる。俺は、領主隊やサキとリュウに守られて余裕だ。森の中程まで来ただろうか。足が止まった。
「お嬢様、いましたよ。前もこの辺で捕獲したらしいッスから、近くに巣があるのかもしれないッスね」
「え……こんなに……?」
リュウが言う様に、俺の目の前に20匹はいる。セレスアラーネアが。デカイ蜘蛛が。うげっ、キモイ! カサカサうねうねと動いている。
「お嬢、ボーっとしてないで捕獲しますよ!」
リュウはもう馬から降りて捕獲しようとしている。俺もサキに馬から降ろしてもらって捕獲だ。やるぞー!
「リュウ、これどうやって捕まえるの!?」
「お嬢さまぁ、網ですよぅ! さっき渡したじゃないですかぁ」
「お、おう」
そうか、その為の網か。デカイけど。超デカイ網だけど。領主隊と咲や隆と一緒に網を持って捕獲大作戦だ。大きな網を手に、森の中を走って追いかけまわす。
「お嬢様! 上にいますよ!」
「ええー!! デカイ! 超早い!」
「姉貴! そっちから追い込んでくれ!」
「リュウ! お前の後ろもだ!」
「リュウ! そっち行ったわよ!」
「お嬢さまぁ! そっちもですぅ!」
そりゃあもう、大騒ぎだったよ。なんせ、逃げ足の速いこと速いこと。
「だからすばしっこいって言ったじゃないッスか」
「あんなに早いとは思わなかったのよ」
「そうですねぇ。キモかったですぅ。カサカサと動くあの足がキモイですぅ」
「な、マジな」
なんだかんだ言ってるが、セリスアラーネア捕獲大成功だよ。ちょっと引いてしまった。なんせ、見た目はデカイ蜘蛛だ。うねうね動いていると、ちょっと気持ち悪い。が、しかしだ! 役に立つ!
でも、疲れたよ。足元の悪い森の中を超走ったもん。領主隊も、よく頑張ってくれた。
捕獲後、サッサと邸に戻ってきて早速小屋に入れた。ちゃんと餌の葉も採ってきてある。
「この葉を敷き詰めてその上に乗っけるんッス」
ほうほう。で?
「で、終わりッス」
え、それだけ? だが、セリスアラーネアを葉に乗せるとシャクシャクと食べだした。ありゃ、大人しいんだね。森ではあんなに素早く動いていたのに。餌があれば、ここは襲ってくる敵もいないし安全だもんな。
「おー、食べてる食べてる」
「主食ッスからね」
「なるほど~」
「お嬢さまぁ、パターンおこして下さいぃ」
「あ、そうだった。採寸しなきゃ」
「旦那様のサイズなら分かりますよぅ」
「そうなの? まあ、アンダーウェアだからそうきっちりじゃなくてもいいわよね」
「はいぃ」
俺が、パターンをおこしている間に、他の者の手を借りて糸を作った。それからが大変だ。糸を織って布にしなきゃいけない。だが、ここで咲が本領を発揮した。織機がフル活動だ。そんな事まで仕込まれていたのか! と、俺は驚いた。よく、あの姉貴達に付いていってたよ。咲、ファインプレーだ。
そうして、10日後には父のアンダーウェア一式が出来上がった。
今日はこれから、領主隊と一緒にセリスアラーネアの捕獲だ。
領主邸から馬に乗ってカッポラカッポラと街中を行く。俺はまだ小さいからサキの馬に乗せてもらっている。すると、領民達が声を掛けてくれる。
――ココさまぁー!
――お出かけですかー?
だから俺も答えるんだ。
「ええ! 森まで行くの!」
――お気をつけてー!
――いってらっしゃーい!
「ありがとぉー!」
と、答えながら手を振る。平和だね。平和って良いね。
うちの領地では、領民と俺達の距離が近い。事ある毎に交流をしている。大量の魔物を討伐した時等は、領主邸の前庭を解放して料理を振舞ったりもする。それに、何より信頼してくれているのが分かるんだ。有難い事だ。と、同時に責任も大きい。
「お嬢さまぁ、もう前を向いてくださいぃ」
「うん、サキ」
「お嬢様、相変わらず人気者ッスね」
「末娘だからね」
「そうッスね」
「前世も末っ子だったのに、全然違いますねぇ」
「そうね、男と女の違いかしら?」
「いやぁ、極道と辺境伯の違いじゃないっスか?」
「あー、そうかも」
なんて、どうでも良い事を話しながら森へとやって来た。
「お嬢様、ここからは魔物が出ますので絶対に離れないで下さいよ」
「リュウ、分かったわ」
魔物と遭遇しても、魔法でやっつけちゃうけどな。訓練だって毎日しているんだ。
「お嬢、油断は禁物ッス」
「分かったわよ」
森に入ると空気が変わった。領主隊が纏う雰囲気も変わった。少しピリッと引き締まる感じがする。
領主隊の凄いところだ。体全体で魔物を察知しようとしているかの様だ。
その内、チラホラと魔物と遭遇するようになる。俺は、領主隊やサキとリュウに守られて余裕だ。森の中程まで来ただろうか。足が止まった。
「お嬢様、いましたよ。前もこの辺で捕獲したらしいッスから、近くに巣があるのかもしれないッスね」
「え……こんなに……?」
リュウが言う様に、俺の目の前に20匹はいる。セレスアラーネアが。デカイ蜘蛛が。うげっ、キモイ! カサカサうねうねと動いている。
「お嬢、ボーっとしてないで捕獲しますよ!」
リュウはもう馬から降りて捕獲しようとしている。俺もサキに馬から降ろしてもらって捕獲だ。やるぞー!
「リュウ、これどうやって捕まえるの!?」
「お嬢さまぁ、網ですよぅ! さっき渡したじゃないですかぁ」
「お、おう」
そうか、その為の網か。デカイけど。超デカイ網だけど。領主隊と咲や隆と一緒に網を持って捕獲大作戦だ。大きな網を手に、森の中を走って追いかけまわす。
「お嬢様! 上にいますよ!」
「ええー!! デカイ! 超早い!」
「姉貴! そっちから追い込んでくれ!」
「リュウ! お前の後ろもだ!」
「リュウ! そっち行ったわよ!」
「お嬢さまぁ! そっちもですぅ!」
そりゃあもう、大騒ぎだったよ。なんせ、逃げ足の速いこと速いこと。
「だからすばしっこいって言ったじゃないッスか」
「あんなに早いとは思わなかったのよ」
「そうですねぇ。キモかったですぅ。カサカサと動くあの足がキモイですぅ」
「な、マジな」
なんだかんだ言ってるが、セリスアラーネア捕獲大成功だよ。ちょっと引いてしまった。なんせ、見た目はデカイ蜘蛛だ。うねうね動いていると、ちょっと気持ち悪い。が、しかしだ! 役に立つ!
でも、疲れたよ。足元の悪い森の中を超走ったもん。領主隊も、よく頑張ってくれた。
捕獲後、サッサと邸に戻ってきて早速小屋に入れた。ちゃんと餌の葉も採ってきてある。
「この葉を敷き詰めてその上に乗っけるんッス」
ほうほう。で?
「で、終わりッス」
え、それだけ? だが、セリスアラーネアを葉に乗せるとシャクシャクと食べだした。ありゃ、大人しいんだね。森ではあんなに素早く動いていたのに。餌があれば、ここは襲ってくる敵もいないし安全だもんな。
「おー、食べてる食べてる」
「主食ッスからね」
「なるほど~」
「お嬢さまぁ、パターンおこして下さいぃ」
「あ、そうだった。採寸しなきゃ」
「旦那様のサイズなら分かりますよぅ」
「そうなの? まあ、アンダーウェアだからそうきっちりじゃなくてもいいわよね」
「はいぃ」
俺が、パターンをおこしている間に、他の者の手を借りて糸を作った。それからが大変だ。糸を織って布にしなきゃいけない。だが、ここで咲が本領を発揮した。織機がフル活動だ。そんな事まで仕込まれていたのか! と、俺は驚いた。よく、あの姉貴達に付いていってたよ。咲、ファインプレーだ。
そうして、10日後には父のアンダーウェア一式が出来上がった。
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