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第1章 転生後
17ー実験計画&捕獲命令
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「うまくいけばうちの特産品になるわ」
「そうなんスか?」
「うん、しかも独占よ。この蜘蛛がこの近辺にしかいないの」
「そりゃ、ラッキーじゃねぇッスか」
「でしょう? で、リュウとサキ。2人共覚えてる? 姉貴に教わったアレコレよ」
「忘れられませんよぅ」
「そうッス。忘れたくても、忘れられない。身体が覚えてるッス」
「だよねぇ……」
それだけ、スパルタに仕込まれたんだよ。前世の姉貴達に裁縫諸々をな。
「これ、色つけたい時はどうするの? 染めるの?」
「いや、食いもんッス」
なんと、食べる物に依って出す糸の色が変わるらしい。
「基本、このデカイ葉は必要なんだそうッス。主食ッスね。この葉だけを食べている間は白い糸だそうです。けど、この葉と赤いベリーを多めに食べさせたら赤い繭を作るそうッスよ。ベリーを少なくしたらピンクッス。黒なら黒い食べ物らしいです。雑食なんで何でも食べるそうッス」
「え、肉食?」
「いや、草食ッスよ。デカイのに弱っちいんです。だから、直ぐに食われちまう」
「他の魔物に?」
「そうッス。たんぱく源になるんスね」
ほうほう。色々試してみよう。どの食べ物をどれ位食べさせたらどんな色の糸になるのか実験して統計を取っておかないと。うん。でも先ずは白いシャツや下着を作りたいな。
俺、パンツは黒のボクサーがいいんだけどなぁ……て、今は女子だったわ。また、忘れてたよ。
「ちょっと、母さまと話したいわ」
「ご都合を聞いてきますぅ」
「うん、頼んだわ」
ちょっと、鑑定眼で見てみよっかなぁ。ん~、ふむふむ。
「隆、凄いわ」
「どうしたんスか?」
「何層にも糸をしっかり重ねて生地にしたら、防御力もアップするんですって。しかも、軽い。適度な伸縮性もある。着心地最高じゃない?」
「いいじゃねぇッスか!?」
「ねー!」
超目っけ物じゃないか? 状態異常も無効にできて、防御力もアップするんだ。
アンダーウェアを先に作って、王子に着せるか。うん。そうしよう。領主隊の隊服を作るのも良いなぁ。
母の都合を聞きに行っていた咲が戻ってきた。
「お嬢さまぁ、今からオッケーだそうですぅ」
「おう、じゃあ行こう」
「お嬢さまぁ、お嬢様ですからねぇ」
「え、ええ」
いかん。また、忘れてた。咲と隆だけになると、どうも気が緩んで忘れてしまう。いかんな。気をつけよう。早速、3人で母の部屋へと向かう。
「ココちゃん、どうしたのかしら?」
「母さま、良いものを見つけました」
「あら、何かしら?」
俺は、セリスアラーネアの詳細を説明した。状態異常無効の効果が得られると。それで、取り敢えずアンダーウェアを作ろうと思っている。王子に着せたいと話した。
「素敵、とっても良い考えだわ。でも、ココちゃん。最初はお父様にしておきなさい。で、実験しなきゃね」
「実験ですか?」
「そう。本当に状態異常が無効化されるかをね」
え、この母は今シレッと凄い事を言ったよ。父を実験に使うと。人体実験じゃん。酷いな。だけどさぁ。
「母さま、毒は検証できますけど、魅了とかは無理ですよね?」
「そうね。そんなスキルをもし持っていても大っぴらには言わないわね。でも、毒だけでも検証しましょう。それは、どれ位で出来るのかしら?」
「まだ、繭にもなっていませんから。まだまだ掛かるかと思います」
「そう。また、報告してちょうだいね」
「はい。分かりました」
「で、検証結果が良ければ殿下のものを作りましょう。私達も欲しいわね。だって、着心地が良いんでしょう?」
「はい、母さま」
うん、ヨシヨシ。良い感触だ。もっと数が欲しいなぁ。1匹ずつ餌を変えたら色んな色の糸ができるよな。
これは、兄達と捕獲に行くか? いや、領主隊に頼むか?
「領主隊が森へ討伐訓練に行くでしょう? その時、探してもらいましょう」
さすが、母だ。話が早い。
「はい、母さま。でも、あたしも捕りに行きたいです!」
「ココちゃん、またあなた……」
「だって、実際にどの様にして生息しているのか見ておきたいです!」
そうだよ。決して興味本位ではない。森へ討伐に行ってみたい訳ではないのだよ。
「仕方ないわねぇ。サキやリュウも一緒に領主隊と行って来なさい。絶対に無茶は駄目よ。森の奥にも行っては駄目よ」
「はい! 母さま、有難うございます!」
こうして、母によるセリスアラーネア捕獲命令が発動された。
◇ ◇ ◇
今日は金曜日ですね~
と、言う事でまた後でもう1話投稿します!宜しくお願いします!
「そうなんスか?」
「うん、しかも独占よ。この蜘蛛がこの近辺にしかいないの」
「そりゃ、ラッキーじゃねぇッスか」
「でしょう? で、リュウとサキ。2人共覚えてる? 姉貴に教わったアレコレよ」
「忘れられませんよぅ」
「そうッス。忘れたくても、忘れられない。身体が覚えてるッス」
「だよねぇ……」
それだけ、スパルタに仕込まれたんだよ。前世の姉貴達に裁縫諸々をな。
「これ、色つけたい時はどうするの? 染めるの?」
「いや、食いもんッス」
なんと、食べる物に依って出す糸の色が変わるらしい。
「基本、このデカイ葉は必要なんだそうッス。主食ッスね。この葉だけを食べている間は白い糸だそうです。けど、この葉と赤いベリーを多めに食べさせたら赤い繭を作るそうッスよ。ベリーを少なくしたらピンクッス。黒なら黒い食べ物らしいです。雑食なんで何でも食べるそうッス」
「え、肉食?」
「いや、草食ッスよ。デカイのに弱っちいんです。だから、直ぐに食われちまう」
「他の魔物に?」
「そうッス。たんぱく源になるんスね」
ほうほう。色々試してみよう。どの食べ物をどれ位食べさせたらどんな色の糸になるのか実験して統計を取っておかないと。うん。でも先ずは白いシャツや下着を作りたいな。
俺、パンツは黒のボクサーがいいんだけどなぁ……て、今は女子だったわ。また、忘れてたよ。
「ちょっと、母さまと話したいわ」
「ご都合を聞いてきますぅ」
「うん、頼んだわ」
ちょっと、鑑定眼で見てみよっかなぁ。ん~、ふむふむ。
「隆、凄いわ」
「どうしたんスか?」
「何層にも糸をしっかり重ねて生地にしたら、防御力もアップするんですって。しかも、軽い。適度な伸縮性もある。着心地最高じゃない?」
「いいじゃねぇッスか!?」
「ねー!」
超目っけ物じゃないか? 状態異常も無効にできて、防御力もアップするんだ。
アンダーウェアを先に作って、王子に着せるか。うん。そうしよう。領主隊の隊服を作るのも良いなぁ。
母の都合を聞きに行っていた咲が戻ってきた。
「お嬢さまぁ、今からオッケーだそうですぅ」
「おう、じゃあ行こう」
「お嬢さまぁ、お嬢様ですからねぇ」
「え、ええ」
いかん。また、忘れてた。咲と隆だけになると、どうも気が緩んで忘れてしまう。いかんな。気をつけよう。早速、3人で母の部屋へと向かう。
「ココちゃん、どうしたのかしら?」
「母さま、良いものを見つけました」
「あら、何かしら?」
俺は、セリスアラーネアの詳細を説明した。状態異常無効の効果が得られると。それで、取り敢えずアンダーウェアを作ろうと思っている。王子に着せたいと話した。
「素敵、とっても良い考えだわ。でも、ココちゃん。最初はお父様にしておきなさい。で、実験しなきゃね」
「実験ですか?」
「そう。本当に状態異常が無効化されるかをね」
え、この母は今シレッと凄い事を言ったよ。父を実験に使うと。人体実験じゃん。酷いな。だけどさぁ。
「母さま、毒は検証できますけど、魅了とかは無理ですよね?」
「そうね。そんなスキルをもし持っていても大っぴらには言わないわね。でも、毒だけでも検証しましょう。それは、どれ位で出来るのかしら?」
「まだ、繭にもなっていませんから。まだまだ掛かるかと思います」
「そう。また、報告してちょうだいね」
「はい。分かりました」
「で、検証結果が良ければ殿下のものを作りましょう。私達も欲しいわね。だって、着心地が良いんでしょう?」
「はい、母さま」
うん、ヨシヨシ。良い感触だ。もっと数が欲しいなぁ。1匹ずつ餌を変えたら色んな色の糸ができるよな。
これは、兄達と捕獲に行くか? いや、領主隊に頼むか?
「領主隊が森へ討伐訓練に行くでしょう? その時、探してもらいましょう」
さすが、母だ。話が早い。
「はい、母さま。でも、あたしも捕りに行きたいです!」
「ココちゃん、またあなた……」
「だって、実際にどの様にして生息しているのか見ておきたいです!」
そうだよ。決して興味本位ではない。森へ討伐に行ってみたい訳ではないのだよ。
「仕方ないわねぇ。サキやリュウも一緒に領主隊と行って来なさい。絶対に無茶は駄目よ。森の奥にも行っては駄目よ」
「はい! 母さま、有難うございます!」
こうして、母によるセリスアラーネア捕獲命令が発動された。
◇ ◇ ◇
今日は金曜日ですね~
と、言う事でまた後でもう1話投稿します!宜しくお願いします!
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