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序章
2ー目覚め 2
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そんな事にちょっと反抗して、俺が15歳の頃から趣味で始めたのが絵本を描く事だ。なんで絵本かって? そりゃぁ、俺の心が癒しを求めていたんだよ。多分な。
物語からイラストまで全部自分で作る。これがまた処女作で賞を貰ってしまった。この日も何冊目かの絵本の出版記念パーティーだったんだ。
そんな感じで、うちの組員達は姉貴達のアシスタントと言う名の奴隷と、俺のマネジメントで忙しくなってしまった。世間に疎まれる様な事をしてまで組の活動をする必要や時間もなくなったんだ。
今や、組総出で俺達姉弟のサポートをしてくれている。
だから、家族会議で話していたんだ。そろそろ組の看板を下ろそうかとな。無理に組を続ける必要がなくね? 違う意味の事務所が必要じゃね? てな。何より、俺達家族は平和に暮らしたかったんだ。
そんな矢先だった。俺の絵本出版記念のパーティーへ出席した帰りに、俺と俺付きの隆(リュウ)その姉の咲(サキ)が乗った車に無謀にも正面から猛スピードで車が突っ込んで来た。
「げっ! 若! 車が突っ込んで来るッス!」
「はぁ!? なんでだよ!?」
「えぇー! やだぁ!」
後部座席で俺の横に座っていた咲が、そんな気の抜けた声を出しながら俺に覆い被さってきた。
「若! しっかり踏ん張ってくださいよ!」
「隆!!」
俺は隆が心配で身体を起こそうとした。
「若ッ!」
「若様! 駄目ですぅ! 頭を抱えて小さくなっていて下さいぃ!」
「咲!」
その時、パンパンッと金属的で弾ける様な発砲音がした。
「うわ! 撃ってきやがった!」
運転していた隆が、なんとか避けようとハンドルを切る。咲は俺に覆い被さって動こうとしない。マジかよ! 何なんだ!?
「若ッ! 隣町にある組の奴等ッス!」
車が正面衝突する寸前に隆がそう叫んだ。
ああ、奴等かよ! うちの組が悠長に構えているもんだから、組を乗っ取ろうとよくちょっかいを出してきていた。あいつら、強硬手段に出やがったんだ。
だからって、何で俺なんだ!? 普通は組長の親父じゃないか!? いや、もしかして家も襲撃されてんのか!?
――キキキーー!!
――ドカーーン!!
耳を劈くような車同士のぶつかる音がして、身体が押し潰される様な衝撃を受けた。そこで俺の記憶は途絶えた。
◇ ◇ ◇
「お嬢さまぁ! お嬢さまぁ!」
「え……お嬢……!?」
なんだって……? お嬢様だと……!? 咲の奴、何ふざけてやがんだ。
仄暗い灯りの中で、俺は自分を見た。俺達は、助かったのか?
なんだよ、身体が小さくないか? このピラピラなドレス……ドレスだとぉ!? いつの時代だよ!
髪が……何だ、この色!? 青いし!? それだけじゃねーよ。長いじゃん!
あぁ? 手が……手が小さいぞぉ……!?
……
…………
………………
ちょ、ちょ、ちょっと待て! ま、ま、待ってくれ! こんな時はだな、状況を冷静に……て、おい! なんか、スースーするぞ!
俺は飛び起きて思わず大事なところを触ってみる……もちろん、ムスコが健在か確かめる為だ。
……な……な、ないぞー!? ないじゃん! ないじゃん!! 俺の大事な大事なムスコがぁ……!? どこいったぁー!?
「お嬢様、どうしましたぁ!?」
「え……咲……だよな?」
「え……!?」
「俺、パーティーに出た帰りの車で……」
「わ、わ、若さまぁ……!?」
「俺……ないんだけど……」
「何がですかぁ? うふッ」
「いや、何がって……」
いや、それは絶対に言えねー。何ニマニマしてんだよ。うふッて何だよ。
1人ショックを受けていると、また頭が痛くなって……思い出した! 辺境伯……令嬢……!
「ココアリア・インペラート……」
「そうですよぅ。インペラート辺境伯家のお嬢様ですよぅ……わ♡か」
「……!!」
な、な、なんだってぇーー!! ハート挟んでんじゃねーぞ!! ざけんなよッ!
「うふふ。思い出しましたかぁ?」
「あ、ああ……マジかよ……」
「マジなんですよぅ。お嬢さまッ!」
ふざけてんじゃねーぞッ!!
「ふざけてないんですよぅ」
俺の気持ちを読むんじゃないよ! 何でだよ! 何で女なんだよ! オマケに幼児じゃないか!
俺、極道の組長の息子でイケメン(自称)若頭だった皇大和は……
辺境伯令嬢ココアリア・インペラート現在8歳……
…………に、転生してしまったらしい……
せめて、せめてさぁ、男にして欲しかったぜ!! 俺のムスコを返してくれぇーッ!
「若……じゃなくて、お嬢様。打ち拉がれている場合じゃあないんですよぅ」
あ、そうだった。街へ出掛けた時に攫われたんだ。
俺と咲……いや、今は俺専属のメイドでサキエル・アサンミーヤと一緒に店へ入って貴族専用の部屋に通されて……そこから記憶がないぞ。あそこで攫われたのか?
◇ ◇ ◇
1話を深夜に投稿したにも関わらず、お気に入り追加して下さる方々がいらして感謝です! ありがとうございます!
ゆっくり投稿になります。
申し訳ありません!
物語からイラストまで全部自分で作る。これがまた処女作で賞を貰ってしまった。この日も何冊目かの絵本の出版記念パーティーだったんだ。
そんな感じで、うちの組員達は姉貴達のアシスタントと言う名の奴隷と、俺のマネジメントで忙しくなってしまった。世間に疎まれる様な事をしてまで組の活動をする必要や時間もなくなったんだ。
今や、組総出で俺達姉弟のサポートをしてくれている。
だから、家族会議で話していたんだ。そろそろ組の看板を下ろそうかとな。無理に組を続ける必要がなくね? 違う意味の事務所が必要じゃね? てな。何より、俺達家族は平和に暮らしたかったんだ。
そんな矢先だった。俺の絵本出版記念のパーティーへ出席した帰りに、俺と俺付きの隆(リュウ)その姉の咲(サキ)が乗った車に無謀にも正面から猛スピードで車が突っ込んで来た。
「げっ! 若! 車が突っ込んで来るッス!」
「はぁ!? なんでだよ!?」
「えぇー! やだぁ!」
後部座席で俺の横に座っていた咲が、そんな気の抜けた声を出しながら俺に覆い被さってきた。
「若! しっかり踏ん張ってくださいよ!」
「隆!!」
俺は隆が心配で身体を起こそうとした。
「若ッ!」
「若様! 駄目ですぅ! 頭を抱えて小さくなっていて下さいぃ!」
「咲!」
その時、パンパンッと金属的で弾ける様な発砲音がした。
「うわ! 撃ってきやがった!」
運転していた隆が、なんとか避けようとハンドルを切る。咲は俺に覆い被さって動こうとしない。マジかよ! 何なんだ!?
「若ッ! 隣町にある組の奴等ッス!」
車が正面衝突する寸前に隆がそう叫んだ。
ああ、奴等かよ! うちの組が悠長に構えているもんだから、組を乗っ取ろうとよくちょっかいを出してきていた。あいつら、強硬手段に出やがったんだ。
だからって、何で俺なんだ!? 普通は組長の親父じゃないか!? いや、もしかして家も襲撃されてんのか!?
――キキキーー!!
――ドカーーン!!
耳を劈くような車同士のぶつかる音がして、身体が押し潰される様な衝撃を受けた。そこで俺の記憶は途絶えた。
◇ ◇ ◇
「お嬢さまぁ! お嬢さまぁ!」
「え……お嬢……!?」
なんだって……? お嬢様だと……!? 咲の奴、何ふざけてやがんだ。
仄暗い灯りの中で、俺は自分を見た。俺達は、助かったのか?
なんだよ、身体が小さくないか? このピラピラなドレス……ドレスだとぉ!? いつの時代だよ!
髪が……何だ、この色!? 青いし!? それだけじゃねーよ。長いじゃん!
あぁ? 手が……手が小さいぞぉ……!?
……
…………
………………
ちょ、ちょ、ちょっと待て! ま、ま、待ってくれ! こんな時はだな、状況を冷静に……て、おい! なんか、スースーするぞ!
俺は飛び起きて思わず大事なところを触ってみる……もちろん、ムスコが健在か確かめる為だ。
……な……な、ないぞー!? ないじゃん! ないじゃん!! 俺の大事な大事なムスコがぁ……!? どこいったぁー!?
「お嬢様、どうしましたぁ!?」
「え……咲……だよな?」
「え……!?」
「俺、パーティーに出た帰りの車で……」
「わ、わ、若さまぁ……!?」
「俺……ないんだけど……」
「何がですかぁ? うふッ」
「いや、何がって……」
いや、それは絶対に言えねー。何ニマニマしてんだよ。うふッて何だよ。
1人ショックを受けていると、また頭が痛くなって……思い出した! 辺境伯……令嬢……!
「ココアリア・インペラート……」
「そうですよぅ。インペラート辺境伯家のお嬢様ですよぅ……わ♡か」
「……!!」
な、な、なんだってぇーー!! ハート挟んでんじゃねーぞ!! ざけんなよッ!
「うふふ。思い出しましたかぁ?」
「あ、ああ……マジかよ……」
「マジなんですよぅ。お嬢さまッ!」
ふざけてんじゃねーぞッ!!
「ふざけてないんですよぅ」
俺の気持ちを読むんじゃないよ! 何でだよ! 何で女なんだよ! オマケに幼児じゃないか!
俺、極道の組長の息子でイケメン(自称)若頭だった皇大和は……
辺境伯令嬢ココアリア・インペラート現在8歳……
…………に、転生してしまったらしい……
せめて、せめてさぁ、男にして欲しかったぜ!! 俺のムスコを返してくれぇーッ!
「若……じゃなくて、お嬢様。打ち拉がれている場合じゃあないんですよぅ」
あ、そうだった。街へ出掛けた時に攫われたんだ。
俺と咲……いや、今は俺専属のメイドでサキエル・アサンミーヤと一緒に店へ入って貴族専用の部屋に通されて……そこから記憶がないぞ。あそこで攫われたのか?
◇ ◇ ◇
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申し訳ありません!
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