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第二章
44ー洞窟
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先頭を走っているセイバー隊員がスピードを落とします。茂る樹々の間を縫う様に抜けると小高い岩山があります。そこに、蔦が覆い被さりまるで隠すかの様に入口がポッカリと開いてました。
「こんな所に洞窟ですか?」
「あぁ、ルル。パッと見だと分からないだろう?」
「えぇ、よく見つけましたね」
「ジュード様と討伐に来た時に、この近くでビッグベアに遭遇したんですよ。その時にジュード様が、あの岩山近くにビッグベアを吹き飛ばしてしまって岩山が一部崩れたんです。で、ビッグベアを回収に行った隊員達が入り口を見つけました。全くの偶然ですね」
ノトスが教えてくれました。
「本当に偶然なのね」
「ついてるよ!」
「ジュード兄様」
鉱石があるんですもんね。
「ここに馬を残す。3人でいけるか?」
「「「はいッ!」」」
馬番に3人残るって事ですね。
「レオン、ルル入るぞ!」
さぁ、これからが本番です。
「ルルーシュア様のマップも、無限収納もなんて素晴らしいのでしょう! マップなど聞いた事も文献で読んだ事もありません! 神掛かっています!!」
いや、違うから。レオン様も持ってるから。マーリソン様は、どこでもこのペースなのね。
先頭のセイバーの後をついて、洞窟に入ります。
「暗いわね」
「洞窟だからな、仕方ない」
ジュード兄様、仕方なくはないでしょう。
「ライト……」
私は先頭に一つ、中央に一つ、最後尾に一つ、灯りを出します。
「一度に三つかよ」
「ハハ……流石、常識外れだな」
ジュード兄様とレオン様が呆れてますか?
「数といい、明るさといい、大きさといい! なんて素晴らしい!!」
はいはい……マーリソン様は相変わらずだわ。
洞窟に入ると下の方へ伸びているみたいです。どんどん降りて行きます。
「これは……」
「どうした、マーリソン殿」
「ジュード様、これはもしかして遺跡だった可能性がありますね。この下に延びる道と言えない道。大昔は坑道だったのかも知れません」
「そうか! だから鉱石が出るのか?」
「そうですね。しかし、かなり昔に一度埋もれてしまったのではないでしょうか?」
「成る程、今は危険はないのか?」
「確実ではありませんが、長い年月を掛けて崩れた分が固まったり、下に崩れたりしたのでしょう。それで洞窟になっているのではないでしょうか?」
マーリソン様て、物知りなのね。
「その通りだと思うわ。危険性はないわね」
モモちゃんも分かるのね。感心しながら周りを見渡しました。
「え……! ジュード兄様、横の壁! キラキラしてません?」
「なんだと!?」
もっと明るくしましょう。
「ライト」
二つの光源を出して壁に近づけます。
「鑑定……兄様、ここは鉄鉱石です。採取しますか?」
「いや、取り敢えずもっと奥まで行きたい」
「ジュード、鑑定しながら進むよ」
「あぁ、レオン。頼んだ」
「なんと! レオン殿下も鑑定をお持ちで! なんと素晴らしい! あぁ羨ましい!!」
あー、はいはい。スルーしましょう。暫く降りて行きます。ん? あれ? モモさんや。
「ルル、どうしたの?」
「この壁の向こうにも空間がないかしら?マップに反応があるのよ」
「あぁ、あるわね。小部屋程度の空間ね。この壁、壊しましょう」
「え、大丈夫なの?」
「大丈夫でしょう」
「モモ殿、壊しますか?」
マーリソン様が対応してくれます。
「えぇ、お願い。小さめにね」
「畏まりました。フラン……」
強めの火の玉かな?
「ボム」
壁にぶつかるタイミングで爆発させた!
こんな使い方あるのね。マーリソン様、流石だわ。壁を人が二人程通れる位に崩しました。
「これは……モモ殿、凄いです!」
「どうした!?」
「ジュード殿、此処は鉄鉱石に銀鉱石もあります!」
「スゲーな!」
「ジュード兄様、帰りに採掘しましょうね」
「この先、やはり人の手が入っていた様ですね」
「そうね、道の様だもの」
「ルル、あの先……」
「ん? レオン様?」
「俺の鑑定だと弱いんだよ。あの柱の様な岩の先を見てくれ」
レオン様は、少し降りた進行方向の先にある柱の様な岩の奥が気になるみたいです。
「鑑定……えっ!?」
「ルル、どうだ?」
「ちょっと待って、私まだ見た事ないんだけど。モモ!」
「あぁ、そうね。ミスリルね」
「……!!」
ジュード兄様がビックリしてます。
「ルル、武器作ろう!」
レオン様、同感だわ!
「ジュード兄様、私武器が欲しいです!」
レオン様と思わず手を取り合って、ジュード兄様に訴えてしまいます!
「待て待て! まだどれだけ採れるか分からないだろう。お前ら二人揃ってキラキラした目で見るんじゃないよ!」
「かなりあるわね」
モモちゃん、グッジョブ!
「ジュード様! 武器を作りましょう!」
「待て、待て!」
セイバー迄、わちゃわちゃになってます。
「とにかく、まだ先に行くぞ」
「はーい」
道の様な所を降りて行きます。きっと大昔は坑道だったんだわ。それが、辛うじて残っている感じね。
「此処までか? 崩れているな」
先程ミスリルを発見した岩の先が、崩れて通れなくなっていました。
「大昔に大地震でもあったのかも知れませんね」
と、言いながら、マーリソン様が辺りを見回してます。
「……!! ジュード殿! あそこ! 光が漏れてますよ!」
突き当たりだと思っていた岩の向こう側から、微かに光が漏れています。洞窟の中なのに光? マーリソン様、よく気が付きました。
「なんだ? モモ、此処も壊して大丈夫か?」
「そうね、上下の岩盤がしっかりしているから平気だと思うわ。でも念のため壊すなら小さくね」
「よし、マーリソン殿、先程程度に壊せるか?」
「分かりました。念の為、皆様もう少し離れましょう」
全員、壊す岩から距離をとります。
「フラン……」
炎の玉が岩にぶつかる瞬間に……
「ボム」
爆発させました。
ズゴン……と、音をたてて人が通れる程度に岩が崩れ光が入ってました。ノトスが確認に向かいます。
「ジュード様、これは……!」
ノトスのいる壊れた岩の先に向かいます。
「なんだここは……!?」
洞窟をかなり降りてきた筈なのに、そこは天井がなく空が見え陽の光が入り、でこぼことした岩で出来た地面に小さな木々や植物が周りに繁っています。そして、その中心に湖がありました。
「こんな所に洞窟ですか?」
「あぁ、ルル。パッと見だと分からないだろう?」
「えぇ、よく見つけましたね」
「ジュード様と討伐に来た時に、この近くでビッグベアに遭遇したんですよ。その時にジュード様が、あの岩山近くにビッグベアを吹き飛ばしてしまって岩山が一部崩れたんです。で、ビッグベアを回収に行った隊員達が入り口を見つけました。全くの偶然ですね」
ノトスが教えてくれました。
「本当に偶然なのね」
「ついてるよ!」
「ジュード兄様」
鉱石があるんですもんね。
「ここに馬を残す。3人でいけるか?」
「「「はいッ!」」」
馬番に3人残るって事ですね。
「レオン、ルル入るぞ!」
さぁ、これからが本番です。
「ルルーシュア様のマップも、無限収納もなんて素晴らしいのでしょう! マップなど聞いた事も文献で読んだ事もありません! 神掛かっています!!」
いや、違うから。レオン様も持ってるから。マーリソン様は、どこでもこのペースなのね。
先頭のセイバーの後をついて、洞窟に入ります。
「暗いわね」
「洞窟だからな、仕方ない」
ジュード兄様、仕方なくはないでしょう。
「ライト……」
私は先頭に一つ、中央に一つ、最後尾に一つ、灯りを出します。
「一度に三つかよ」
「ハハ……流石、常識外れだな」
ジュード兄様とレオン様が呆れてますか?
「数といい、明るさといい、大きさといい! なんて素晴らしい!!」
はいはい……マーリソン様は相変わらずだわ。
洞窟に入ると下の方へ伸びているみたいです。どんどん降りて行きます。
「これは……」
「どうした、マーリソン殿」
「ジュード様、これはもしかして遺跡だった可能性がありますね。この下に延びる道と言えない道。大昔は坑道だったのかも知れません」
「そうか! だから鉱石が出るのか?」
「そうですね。しかし、かなり昔に一度埋もれてしまったのではないでしょうか?」
「成る程、今は危険はないのか?」
「確実ではありませんが、長い年月を掛けて崩れた分が固まったり、下に崩れたりしたのでしょう。それで洞窟になっているのではないでしょうか?」
マーリソン様て、物知りなのね。
「その通りだと思うわ。危険性はないわね」
モモちゃんも分かるのね。感心しながら周りを見渡しました。
「え……! ジュード兄様、横の壁! キラキラしてません?」
「なんだと!?」
もっと明るくしましょう。
「ライト」
二つの光源を出して壁に近づけます。
「鑑定……兄様、ここは鉄鉱石です。採取しますか?」
「いや、取り敢えずもっと奥まで行きたい」
「ジュード、鑑定しながら進むよ」
「あぁ、レオン。頼んだ」
「なんと! レオン殿下も鑑定をお持ちで! なんと素晴らしい! あぁ羨ましい!!」
あー、はいはい。スルーしましょう。暫く降りて行きます。ん? あれ? モモさんや。
「ルル、どうしたの?」
「この壁の向こうにも空間がないかしら?マップに反応があるのよ」
「あぁ、あるわね。小部屋程度の空間ね。この壁、壊しましょう」
「え、大丈夫なの?」
「大丈夫でしょう」
「モモ殿、壊しますか?」
マーリソン様が対応してくれます。
「えぇ、お願い。小さめにね」
「畏まりました。フラン……」
強めの火の玉かな?
「ボム」
壁にぶつかるタイミングで爆発させた!
こんな使い方あるのね。マーリソン様、流石だわ。壁を人が二人程通れる位に崩しました。
「これは……モモ殿、凄いです!」
「どうした!?」
「ジュード殿、此処は鉄鉱石に銀鉱石もあります!」
「スゲーな!」
「ジュード兄様、帰りに採掘しましょうね」
「この先、やはり人の手が入っていた様ですね」
「そうね、道の様だもの」
「ルル、あの先……」
「ん? レオン様?」
「俺の鑑定だと弱いんだよ。あの柱の様な岩の先を見てくれ」
レオン様は、少し降りた進行方向の先にある柱の様な岩の奥が気になるみたいです。
「鑑定……えっ!?」
「ルル、どうだ?」
「ちょっと待って、私まだ見た事ないんだけど。モモ!」
「あぁ、そうね。ミスリルね」
「……!!」
ジュード兄様がビックリしてます。
「ルル、武器作ろう!」
レオン様、同感だわ!
「ジュード兄様、私武器が欲しいです!」
レオン様と思わず手を取り合って、ジュード兄様に訴えてしまいます!
「待て待て! まだどれだけ採れるか分からないだろう。お前ら二人揃ってキラキラした目で見るんじゃないよ!」
「かなりあるわね」
モモちゃん、グッジョブ!
「ジュード様! 武器を作りましょう!」
「待て、待て!」
セイバー迄、わちゃわちゃになってます。
「とにかく、まだ先に行くぞ」
「はーい」
道の様な所を降りて行きます。きっと大昔は坑道だったんだわ。それが、辛うじて残っている感じね。
「此処までか? 崩れているな」
先程ミスリルを発見した岩の先が、崩れて通れなくなっていました。
「大昔に大地震でもあったのかも知れませんね」
と、言いながら、マーリソン様が辺りを見回してます。
「……!! ジュード殿! あそこ! 光が漏れてますよ!」
突き当たりだと思っていた岩の向こう側から、微かに光が漏れています。洞窟の中なのに光? マーリソン様、よく気が付きました。
「なんだ? モモ、此処も壊して大丈夫か?」
「そうね、上下の岩盤がしっかりしているから平気だと思うわ。でも念のため壊すなら小さくね」
「よし、マーリソン殿、先程程度に壊せるか?」
「分かりました。念の為、皆様もう少し離れましょう」
全員、壊す岩から距離をとります。
「フラン……」
炎の玉が岩にぶつかる瞬間に……
「ボム」
爆発させました。
ズゴン……と、音をたてて人が通れる程度に岩が崩れ光が入ってました。ノトスが確認に向かいます。
「ジュード様、これは……!」
ノトスのいる壊れた岩の先に向かいます。
「なんだここは……!?」
洞窟をかなり降りてきた筈なのに、そこは天井がなく空が見え陽の光が入り、でこぼことした岩で出来た地面に小さな木々や植物が周りに繁っています。そして、その中心に湖がありました。
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