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偽装結婚 20240507
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「君を好きになることはない」と偽装結婚をさせられた受け。
ヒモ体質の受けは金に困ってたし、男同士はこんなもんだろうと一人遊び歩き楽しく生きていた。
だけどどある日攻めがぶち切れた。
「もっと僕に興味を持て!」なんていう。
意味が分からず放置して趣味に没頭。
シュノーケリングにソロキャンにと多趣味な受けは毎日が楽しい。
そのうえ攻めのカードは使い放題だ。豪遊するわけではなかったが、働かず金に困らず楽しく遊べる日々は最高だった。
だがある日そのカードが止められる。限度額はいっていないのに、だ。
しぶしぶ自宅に帰ると攻めが仁王立ちをして待っている。カードを使えない旨を伝えるとフンと鼻で笑う。
「遊ぶよりも僕に興味を持てばいいだろう」なんていう。これは世話をしてほしいということだろうか?と考えて、まあ遊ばせて貰ったしなと素直に家にいることにした。
料理も好きな受けは、せっせと日々料理を作った。なんならおやつまで手作りしたし、仕事に行く攻めに弁当も持たせた。家もピカピカに保ったし、これで攻めも満足だろうと思ったのに不満げだった。
「まだなにか文句あるのかよ」と聞けば、攻めはソワッソワしている。
「ふ、ふうふの営み……」ぽつりと攻めが呟く。
「そういうのは愛し合うふーふがするもんじゃねえの?俺らは愛がないだろ」
受けはこの結婚が偽りのもので、ただ攻めの親によるお見合い攻撃を回避するためだけのものだと聞いていた。
そもそも「好きにならない」と宣言されていた。
そう伝えると攻めはぼそぼそとなにかを呟く。
「あ?はっきり言え」
「僕たちは、あ、愛し合ってるだろうが!」攻めが顔を真っ赤にしながらそんな寝言を言う。
受けには訳がわからなかった。
ぽつぽつと話す攻めの言葉を纏めると、こうだった。子供の頃に二人は出会っていた。
結婚しようと約束して、受けの引っ越しで泣く泣く離ればなれになった。それから攻めは受けを迎えに行くために必死になって勉強し、仕事にせいを出して、家を継いだ。生活基盤も整い受けを迎えに行ったが受けは自分を覚えていなかった。
それどころか男女問わず遊び回っていると知った攻めは、実力行使に出たという。
「好きにならないなんて、嘘だ。だって僕は最初から君の事を愛しているんだから」
今までの尊大な態度と打って変わって、しょげかえった攻めにキュンとする受け。
偽の契約結婚でも、その間に好きになって欲しかったなんて。そんないじらしいことを言われてしまっては好きになるだろう。
「最初から言えよ」
「悔しいだろう、僕だけ君を好きなんて」
恋愛なんて好きになった方が負けだ。偉そうな攻めの内側は意外と可愛かった。
攻めのお望み通り、ふうふの営みとやらは実行された。だけど契約結婚は破棄された。
「ちゃんと結婚しようぜ」
そんな受けの言葉が嬉しくて、攻めは一生幸せにすると一層仕事に精を出した。
受けは趣味に遊びに忙しく出かける。だけど帰ってくるのはいつも攻めと過ごす家だ。
「お帰りダーリン」
「ただいまダーリン」
更に磨きをかけた料理の腕は、攻めのために惜しみなく振るまわれる。
次の週末は、二人で星を見に行く予定だ。
終
ヒモ体質の受けは金に困ってたし、男同士はこんなもんだろうと一人遊び歩き楽しく生きていた。
だけどどある日攻めがぶち切れた。
「もっと僕に興味を持て!」なんていう。
意味が分からず放置して趣味に没頭。
シュノーケリングにソロキャンにと多趣味な受けは毎日が楽しい。
そのうえ攻めのカードは使い放題だ。豪遊するわけではなかったが、働かず金に困らず楽しく遊べる日々は最高だった。
だがある日そのカードが止められる。限度額はいっていないのに、だ。
しぶしぶ自宅に帰ると攻めが仁王立ちをして待っている。カードを使えない旨を伝えるとフンと鼻で笑う。
「遊ぶよりも僕に興味を持てばいいだろう」なんていう。これは世話をしてほしいということだろうか?と考えて、まあ遊ばせて貰ったしなと素直に家にいることにした。
料理も好きな受けは、せっせと日々料理を作った。なんならおやつまで手作りしたし、仕事に行く攻めに弁当も持たせた。家もピカピカに保ったし、これで攻めも満足だろうと思ったのに不満げだった。
「まだなにか文句あるのかよ」と聞けば、攻めはソワッソワしている。
「ふ、ふうふの営み……」ぽつりと攻めが呟く。
「そういうのは愛し合うふーふがするもんじゃねえの?俺らは愛がないだろ」
受けはこの結婚が偽りのもので、ただ攻めの親によるお見合い攻撃を回避するためだけのものだと聞いていた。
そもそも「好きにならない」と宣言されていた。
そう伝えると攻めはぼそぼそとなにかを呟く。
「あ?はっきり言え」
「僕たちは、あ、愛し合ってるだろうが!」攻めが顔を真っ赤にしながらそんな寝言を言う。
受けには訳がわからなかった。
ぽつぽつと話す攻めの言葉を纏めると、こうだった。子供の頃に二人は出会っていた。
結婚しようと約束して、受けの引っ越しで泣く泣く離ればなれになった。それから攻めは受けを迎えに行くために必死になって勉強し、仕事にせいを出して、家を継いだ。生活基盤も整い受けを迎えに行ったが受けは自分を覚えていなかった。
それどころか男女問わず遊び回っていると知った攻めは、実力行使に出たという。
「好きにならないなんて、嘘だ。だって僕は最初から君の事を愛しているんだから」
今までの尊大な態度と打って変わって、しょげかえった攻めにキュンとする受け。
偽の契約結婚でも、その間に好きになって欲しかったなんて。そんないじらしいことを言われてしまっては好きになるだろう。
「最初から言えよ」
「悔しいだろう、僕だけ君を好きなんて」
恋愛なんて好きになった方が負けだ。偉そうな攻めの内側は意外と可愛かった。
攻めのお望み通り、ふうふの営みとやらは実行された。だけど契約結婚は破棄された。
「ちゃんと結婚しようぜ」
そんな受けの言葉が嬉しくて、攻めは一生幸せにすると一層仕事に精を出した。
受けは趣味に遊びに忙しく出かける。だけど帰ってくるのはいつも攻めと過ごす家だ。
「お帰りダーリン」
「ただいまダーリン」
更に磨きをかけた料理の腕は、攻めのために惜しみなく振るまわれる。
次の週末は、二人で星を見に行く予定だ。
終
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