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見栄を張る受けくん 20230613
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シェフをしている攻めの料理と顔に惚れ込んで、押せ押せでアプローチした結果なんとか付き合ってもらってる受けくん。毎日一緒に過ごせるだけで幸せだけど、じつは料理が大の苦手。付き合ってから知ったけど、攻めくんは家では料理しないタイプ。受けくんが見栄をはった結果、会える夜は、受けくんが料理を作ることになってしまったからさあ大変。あれこれ頑張ったけど下手くそで、食材だけが無惨に散っていく。
結局デパ地下の惣菜を綺麗にお皿に盛り付けて、冷凍スープを温めてもてなした。喜んでくれる攻めくんを見てホッとする受けくん。
だけど毎回デパ地下では食費も圧迫するし、騙している罪悪感に苛まれる受けくん。それでも攻めくんが喜んでくれるなら良かった。デパ地下惣菜を当たり前に食べているせいか、徐々に食事に対しての感謝が薄くなってきて、ついには「飽きた」とため息をつき帰ってしまった。
飽きたのは自分になのか料理になのか。ドキリと嫌な汗をかく受けくん。やっぱり自分じゃ役不足だったんだ、と落ち込んでいると、夜中に受けくんちのチャイムが鳴る。
出ると攻めくんの姿が。
「作ってきた」と、差し出した袋の中にはいくつもの料理が詰められていた。
じつは攻めくんは最初の段階で惣菜だと気づいていた。だけど室内に残る焦げくささや、絆創膏を貼った受けくんの左手を見ると何も言えなかった。攻めくんの食事中、幸せそうにニコニコする受けくんが可愛くて。
だけど待てど暮らせど惣菜三昧で、つい酷い態度を取ってしまった。
料理ひとつまともに作れないから嫌われたかと思った、と崩れ落ちる受けくんを抱きしめて、攻めくんは謝罪の言葉を繰り返した。些細な事でくるくる表情を変える受けくんが可愛くて仕方ない。
本当は、好きな相手には自分の手料理だけを食べさせたい、すこし重い攻めくんは、美味しそうに食事を頬張るものの「太っちゃった」と嘆く受けくんと、日々楽しく過ごすのだった。
おしまい
結局デパ地下の惣菜を綺麗にお皿に盛り付けて、冷凍スープを温めてもてなした。喜んでくれる攻めくんを見てホッとする受けくん。
だけど毎回デパ地下では食費も圧迫するし、騙している罪悪感に苛まれる受けくん。それでも攻めくんが喜んでくれるなら良かった。デパ地下惣菜を当たり前に食べているせいか、徐々に食事に対しての感謝が薄くなってきて、ついには「飽きた」とため息をつき帰ってしまった。
飽きたのは自分になのか料理になのか。ドキリと嫌な汗をかく受けくん。やっぱり自分じゃ役不足だったんだ、と落ち込んでいると、夜中に受けくんちのチャイムが鳴る。
出ると攻めくんの姿が。
「作ってきた」と、差し出した袋の中にはいくつもの料理が詰められていた。
じつは攻めくんは最初の段階で惣菜だと気づいていた。だけど室内に残る焦げくささや、絆創膏を貼った受けくんの左手を見ると何も言えなかった。攻めくんの食事中、幸せそうにニコニコする受けくんが可愛くて。
だけど待てど暮らせど惣菜三昧で、つい酷い態度を取ってしまった。
料理ひとつまともに作れないから嫌われたかと思った、と崩れ落ちる受けくんを抱きしめて、攻めくんは謝罪の言葉を繰り返した。些細な事でくるくる表情を変える受けくんが可愛くて仕方ない。
本当は、好きな相手には自分の手料理だけを食べさせたい、すこし重い攻めくんは、美味しそうに食事を頬張るものの「太っちゃった」と嘆く受けくんと、日々楽しく過ごすのだった。
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