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第六部「チート学園」 異世界転生 ??日目
第458話 チートたちの仁義なき戦い
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「ううううぅ……っっっ、なんで、なんでっ!!」
「『剣聖』はな、化け物ぞろいのSS級を相手に一歩も引かずに戦ってきたんだ。ずっと見てたってだけでそれを全部分かった気になって……そんなもんで! そんなもんで、激闘を潜り抜けてきた俺の『剣聖』をあまり過小評価してるんじゃねぇぞ!」
「くぬぬぬぬぬっっっっ――!!」
「さてと。いい加減受けてばっかってのもストレスたまるしな。そろそろこっちからも行かせてもらおうか――」
その言葉とともに、俺は鋭く踏み込むと《2年S組の剣》を横薙ぎに振るった。
それ自体はただ鋭いだけの一太刀だ。
しかし視線、構え、呼吸、踏み込みetc...剣を振る以外の全ての動作を、わずか一呼吸の間に何重にもわたるフェイントとし、ケンセーの認識の死角をついて放たれた神速の一撃は――、
「はぁ――っ!」
――剣技を極めし最強S級チート『剣聖』の名にふさわしく、防御をいとも簡単にかいくぐった!
ケンセーからは「見えていない」その幻惑の一振りは、それでもどうにか勘だけで防御しようとしたケンセーの動きよりも一手速く、振り抜かれると、
「おおおぉぉぉぉぉ――――っっ!!」
その小さな身体を撃ち抜いて派手に吹き飛ばした。
あと一歩、防御が間に合わずにノーガードのボディを撃ち抜かれたケンセーは、威力そのまま体育館の壁まで吹っ飛んでいくと、思いっきり叩きつけられて、
「ぁふ――っ……」
口から空気の漏れ出るような声にならない声を出しながら、壁に沿って尻もちをつくようにズルズルとずり落ちていった。
それはもうどこに出してもおかしくないほどの完全無欠なクリーンヒット――だったんだけど、
「うげっ、しまった……『剣聖』の凄さを見せつけようとしたら、勢いあまっていいとこに入りすぎたぞ……」
ちょっとやりすぎた……かも……?
ちなみにというか当たり前というか、《2年S組の剣》は『おたま』なので、斬撃ではなく打撃である。
チートはエネルギー体なので斬られたからといって物理的に死ぬことはないんだろうけど、仲良しで可愛い女の子なケンセーを胴体真っ二つにしちゃうのは、さすがに寝覚めが悪すぎる――というか俺が嫌すぎる。
「そういう意味で《2年S組の剣》が斬撃ではなく打撃なのは、うん、今回に限っては都合がよかったかな……?」
でも今のはちょっとやばかったよな……。
当たった瞬間に《2年S組の剣》がメリッてケンセーの身体にめり込みながら、同時にグシャって何かを砕くような嫌すぎる感触があったんだけど……。
最強を誇る『剣聖』が、ちょっと力を入れすぎちゃったよ、てへぺろ――なんてそんな単純なポカをするわけがない。
その気になれば瞬時に相手の服だけ切り裂いて全裸にしちゃうような、尋常ならざる剣の技を持っているのだ。
つまり、
「『剣聖』、今のはわざとやったな……」
普段は使えば使うほど頭がクリアでクリーンになる『剣聖』だっていうのに、今の一撃はかなり強い感情がこもっていた――ぶっちゃけ怒ってたっぽいんだよな。
「これはあれだ、意趣返しってやつだ……」
勝手に『剣聖』の振りをされてケンセーに名前を使われたり、ここまでずっといいようにやられて反撃させてもらえなかったりで、珍しくイラついてたというか荒ぶっていたというわけだ。
調子に乗ってたケンセーに、ちょっぴし痛い目を見せてやろうってなとこだろう。
「うーん、俺の一番をめぐるチートたちの仁義なき戦いが勃発しちゃっている……早く終わらせないと……」
「『剣聖』はな、化け物ぞろいのSS級を相手に一歩も引かずに戦ってきたんだ。ずっと見てたってだけでそれを全部分かった気になって……そんなもんで! そんなもんで、激闘を潜り抜けてきた俺の『剣聖』をあまり過小評価してるんじゃねぇぞ!」
「くぬぬぬぬぬっっっっ――!!」
「さてと。いい加減受けてばっかってのもストレスたまるしな。そろそろこっちからも行かせてもらおうか――」
その言葉とともに、俺は鋭く踏み込むと《2年S組の剣》を横薙ぎに振るった。
それ自体はただ鋭いだけの一太刀だ。
しかし視線、構え、呼吸、踏み込みetc...剣を振る以外の全ての動作を、わずか一呼吸の間に何重にもわたるフェイントとし、ケンセーの認識の死角をついて放たれた神速の一撃は――、
「はぁ――っ!」
――剣技を極めし最強S級チート『剣聖』の名にふさわしく、防御をいとも簡単にかいくぐった!
ケンセーからは「見えていない」その幻惑の一振りは、それでもどうにか勘だけで防御しようとしたケンセーの動きよりも一手速く、振り抜かれると、
「おおおぉぉぉぉぉ――――っっ!!」
その小さな身体を撃ち抜いて派手に吹き飛ばした。
あと一歩、防御が間に合わずにノーガードのボディを撃ち抜かれたケンセーは、威力そのまま体育館の壁まで吹っ飛んでいくと、思いっきり叩きつけられて、
「ぁふ――っ……」
口から空気の漏れ出るような声にならない声を出しながら、壁に沿って尻もちをつくようにズルズルとずり落ちていった。
それはもうどこに出してもおかしくないほどの完全無欠なクリーンヒット――だったんだけど、
「うげっ、しまった……『剣聖』の凄さを見せつけようとしたら、勢いあまっていいとこに入りすぎたぞ……」
ちょっとやりすぎた……かも……?
ちなみにというか当たり前というか、《2年S組の剣》は『おたま』なので、斬撃ではなく打撃である。
チートはエネルギー体なので斬られたからといって物理的に死ぬことはないんだろうけど、仲良しで可愛い女の子なケンセーを胴体真っ二つにしちゃうのは、さすがに寝覚めが悪すぎる――というか俺が嫌すぎる。
「そういう意味で《2年S組の剣》が斬撃ではなく打撃なのは、うん、今回に限っては都合がよかったかな……?」
でも今のはちょっとやばかったよな……。
当たった瞬間に《2年S組の剣》がメリッてケンセーの身体にめり込みながら、同時にグシャって何かを砕くような嫌すぎる感触があったんだけど……。
最強を誇る『剣聖』が、ちょっと力を入れすぎちゃったよ、てへぺろ――なんてそんな単純なポカをするわけがない。
その気になれば瞬時に相手の服だけ切り裂いて全裸にしちゃうような、尋常ならざる剣の技を持っているのだ。
つまり、
「『剣聖』、今のはわざとやったな……」
普段は使えば使うほど頭がクリアでクリーンになる『剣聖』だっていうのに、今の一撃はかなり強い感情がこもっていた――ぶっちゃけ怒ってたっぽいんだよな。
「これはあれだ、意趣返しってやつだ……」
勝手に『剣聖』の振りをされてケンセーに名前を使われたり、ここまでずっといいようにやられて反撃させてもらえなかったりで、珍しくイラついてたというか荒ぶっていたというわけだ。
調子に乗ってたケンセーに、ちょっぴし痛い目を見せてやろうってなとこだろう。
「うーん、俺の一番をめぐるチートたちの仁義なき戦いが勃発しちゃっている……早く終わらせないと……」
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