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異世界転生 14日目
第322話 鬼と出遭う
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「ひ――っ」
額のツノを見たティモテが息を飲み、
「妖魔、それも最強と名高い鬼族か!」
ナイアが緊張に満ち満ちた硬い声を上げた。
ツノがあって人とよく似た姿をした妖魔――『鬼』。
転生前でも最強の代名詞だった伝説の超越的存在――それがいるんだな、この異世界に。
しかもこの鬼、相当な手練れだぞ……!
「ふむ、そんなつもりはなかったが、なかなかどうして。小僧、見かけによらず、いい腕をしているな。少々、揉んでやるとするかの」
言って老人――いや老鬼は、つばぜり合いを自分有利な態勢で押し解くと、そのまま剣をふるい始めた――!
キンキンキンキンキンキンキンキン!
目にもとまらぬスピードで、激しく打ち合う俺と老鬼。
純粋な剣術での勝負で、最強S級チート『剣聖』が負けるはずはない――そう思っていたんだけれど――、
「なっ、互角――ウソだろ!?」
『剣聖』を使っているにもかかわらず、しかも混じりっけなしの剣の勝負だというのに。
俺と老鬼は、一進一退の苛烈な攻防を繰り広げていたのだった。
老鬼の攻撃を受け流しつつ、即座にカウンターの横なぎを入れる――しかしその狙いすました一撃を、最低限の体捌きだけでなんなく交わした老鬼は、再び俺に鮮烈な一撃を放ってくる――!
「こなくそ――っ!」
それを俺もぎりぎりで受け流し、わずかの隙を見つけて反転攻勢をかけ――しかしそれは老鬼の誘いで、うまくカウンターを合わせられてまた防戦に――。
打ち合い。
かわし合い。
受け流しあい。
苛烈に攻め合いながらもしかし、互いに決定打を得られないその戦いは――、
「不謹慎かもしれませんが、これはまるで美しい演武を見ているようです――」
そんなティモテのつぶやきは、これ以上なく的を射ていた。
今日も今日とて、最強S級チートの名に恥じない芸術的な剣の冴えを見せる『剣聖』の絶技。
加えて知覚系S級チート『龍眼』が、老鬼の動き・技を解析し丸裸にしてゆく。
この2つのコンビネーションは、SS級に限りなく近い最強シナジーのはずなのに――!
老鬼の剣の技ときたら、その俺と同等か、下手したら俺を上回っていたのだから――!
そのまま、一瞬で攻守を入れ替えながら、休む間もなく刹那の攻防を繰り広げる中――、
「ぐぅ――っ!」
俺はほんのわずか、態勢を崩してしまった。
そこに老鬼がここぞとばかりに鋭く踏み込んできて――、
「かかった――!」
俺はニヤリとわずかに口角をあげた。
既に日本刀は納刀している――!
「世界よ、真白く瞬け――」
それは戦闘系S級チート『剣聖』が誇る最終奥義――!
「嵌められたか、ふん、ちょこざいな――!」
今度は自分が誘いこまれたと知った老鬼が、その場で迎撃態勢をとるけれど――、
「もう遅ぇ――!」
抜刀とともに爆発的に解放された剣気が、光輝となって煌めいて――!
「剣気解放――! 《紫電一閃》!!」
雷光と見まごうばかりの峻烈なる一撃が、気合いとともに抜刀術で解き放たれる――!
「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!」
キィィィィィィィィ――――――――――ンンッッ!
甲高い音が一鳴りして。
全身全霊を込めて打ち放った《紫電一閃》は――しかし。
「なん……だと……?」
老鬼の強烈な叩きつけによって、打ち返されてしまったのだった――!
額のツノを見たティモテが息を飲み、
「妖魔、それも最強と名高い鬼族か!」
ナイアが緊張に満ち満ちた硬い声を上げた。
ツノがあって人とよく似た姿をした妖魔――『鬼』。
転生前でも最強の代名詞だった伝説の超越的存在――それがいるんだな、この異世界に。
しかもこの鬼、相当な手練れだぞ……!
「ふむ、そんなつもりはなかったが、なかなかどうして。小僧、見かけによらず、いい腕をしているな。少々、揉んでやるとするかの」
言って老人――いや老鬼は、つばぜり合いを自分有利な態勢で押し解くと、そのまま剣をふるい始めた――!
キンキンキンキンキンキンキンキン!
目にもとまらぬスピードで、激しく打ち合う俺と老鬼。
純粋な剣術での勝負で、最強S級チート『剣聖』が負けるはずはない――そう思っていたんだけれど――、
「なっ、互角――ウソだろ!?」
『剣聖』を使っているにもかかわらず、しかも混じりっけなしの剣の勝負だというのに。
俺と老鬼は、一進一退の苛烈な攻防を繰り広げていたのだった。
老鬼の攻撃を受け流しつつ、即座にカウンターの横なぎを入れる――しかしその狙いすました一撃を、最低限の体捌きだけでなんなく交わした老鬼は、再び俺に鮮烈な一撃を放ってくる――!
「こなくそ――っ!」
それを俺もぎりぎりで受け流し、わずかの隙を見つけて反転攻勢をかけ――しかしそれは老鬼の誘いで、うまくカウンターを合わせられてまた防戦に――。
打ち合い。
かわし合い。
受け流しあい。
苛烈に攻め合いながらもしかし、互いに決定打を得られないその戦いは――、
「不謹慎かもしれませんが、これはまるで美しい演武を見ているようです――」
そんなティモテのつぶやきは、これ以上なく的を射ていた。
今日も今日とて、最強S級チートの名に恥じない芸術的な剣の冴えを見せる『剣聖』の絶技。
加えて知覚系S級チート『龍眼』が、老鬼の動き・技を解析し丸裸にしてゆく。
この2つのコンビネーションは、SS級に限りなく近い最強シナジーのはずなのに――!
老鬼の剣の技ときたら、その俺と同等か、下手したら俺を上回っていたのだから――!
そのまま、一瞬で攻守を入れ替えながら、休む間もなく刹那の攻防を繰り広げる中――、
「ぐぅ――っ!」
俺はほんのわずか、態勢を崩してしまった。
そこに老鬼がここぞとばかりに鋭く踏み込んできて――、
「かかった――!」
俺はニヤリとわずかに口角をあげた。
既に日本刀は納刀している――!
「世界よ、真白く瞬け――」
それは戦闘系S級チート『剣聖』が誇る最終奥義――!
「嵌められたか、ふん、ちょこざいな――!」
今度は自分が誘いこまれたと知った老鬼が、その場で迎撃態勢をとるけれど――、
「もう遅ぇ――!」
抜刀とともに爆発的に解放された剣気が、光輝となって煌めいて――!
「剣気解放――! 《紫電一閃》!!」
雷光と見まごうばかりの峻烈なる一撃が、気合いとともに抜刀術で解き放たれる――!
「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!」
キィィィィィィィィ――――――――――ンンッッ!
甲高い音が一鳴りして。
全身全霊を込めて打ち放った《紫電一閃》は――しかし。
「なん……だと……?」
老鬼の強烈な叩きつけによって、打ち返されてしまったのだった――!
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