303 / 566
異世界転生 13日目
第280話 新たなる契約
しおりを挟む
「……こほん。で、だ。俺としてはさ、何よりもまずはエルフ村の常夏仕様を現状維持して欲しいんだ」
俺はとてもまじめな顔をしてそう告げた。
「これは既に生活の一部ともなっていることだし、巫女エルフちゃんたちのことを思うと、俺としてはこれはもう絶対に譲れない。逆にそこさえクリアできたら後はどうでもいいまである」
俺は駆け引き抜きで、ズバリ単刀直入に求める条件を提示していく。
「まずは世のため人のため……素敵です……! さすがです、セーヤさん!」
そんな俺を見て、目をキラキラさせるウヅキ。
「ははっ、それほどでもないよ」
謙遜してみせる(もちろんあくまで「してみせた」だけである)俺も、もちろんまんざらではないわけで。
ふぅ、女の子にチヤホヤされるってほんと快感だなぁ……!
この圧倒的な充足感……これがモテるということなんだな……!
やっぱり異世界転生は最高だぜ――!
どうせならもっとはやく異世界転生させてほしかったね!
おっと話を戻そう。
「でさ、そのための方法が何かないかなーって。精霊さんってかなり凝り性で器用だろ? もしかしたら、精霊さんが常駐しなくても常夏エルフ村を維持するような、そんな方法を開発してたりしないかなーって思ったんだけど」
「あら! なかなかいいところに目を付けたじゃない! ちゃんとあるんだよね、実は既に! 温度管理から送風までを完全自動化してあるんだから!」
「おおっ! すでに実行済みだったなんて!」
さすが精霊さんだ……!
することがなさすぎて、暇に飽かして10年かけてガーゴイルを製作していただけのことはあるぞ……!
「具体的には、自動温度感知センサーを村のあちこちに立ててあるの! そこから得られた温度データを統括判断する人工精霊『MIR.AI』の開発にも成功! 人が多いところ・日なたで暑いところその他もろもろをリアルタイム予測して、あらかじめ涼しい風を送り込むことで、快適な夏を提供できるってわけ!」
「すごい、すごすぎるぞ精霊さん! もはや完全なエアコンじゃないか!」
「えあこん! 教えてもらいました! セーヤさんの故郷の氷室のことです!」
ウヅキが抜群の記憶力を披露すると同時に、
「そーいえば、昔と比べて最近は気候が安定してるって、婆やが言ってましたー」
巫女エルフちゃんが、全自動化が全くの問題のないことを――どころか手動より優れていることをユーザー視点から教えてくれる。
「じゃあもう本当に、精霊さんをエルフ村に縛り付ける必要はないわけなんだな」
「ですね!」
「ですー」
「うにゅ」
「ばっちり解決です」
「――――チッ」
「みんなの賛成も得られたことで――《神焉竜》だけは露骨に舌打ちをしたけど聞かなかったことにした――これで決まりだな。エルフ村については全自動化に任せて、精霊さんは今後完全に自由ってことで。そしてこれが、俺と精霊さんの新しい精霊契約だ!」
言って、俺が差し出した手――の人差し指を、
「ぅ、うん……あの、ありがとう……」
精霊さんが小さなお手てでちょこんと握り返してきた。
精霊さんはエネルギー体だから実際には触れてはいないんだけれど、傍から見た分にはきっとしっかりと約束を交わしたように見えることだろう。
そんな精霊さんに、
「なーに、人として当然のことをしたまでだよ」
俺はカッコいいセリフをさらりと言ってのけたのだった。
ぶっちゃけエルフ村が薄着おっぱいの常夏仕様にさえなってくれれば、精霊さんを縛り付けることには全く意味はないもんな。
つまり――、
きゃっほう!
これでこれからもずっと、俺の巫女エルフ村は最高に薄着でえちえちおっぱい祭りだぜ!
今度はいつ遊びに来ようかなっ♪
俺はとてもまじめな顔をしてそう告げた。
「これは既に生活の一部ともなっていることだし、巫女エルフちゃんたちのことを思うと、俺としてはこれはもう絶対に譲れない。逆にそこさえクリアできたら後はどうでもいいまである」
俺は駆け引き抜きで、ズバリ単刀直入に求める条件を提示していく。
「まずは世のため人のため……素敵です……! さすがです、セーヤさん!」
そんな俺を見て、目をキラキラさせるウヅキ。
「ははっ、それほどでもないよ」
謙遜してみせる(もちろんあくまで「してみせた」だけである)俺も、もちろんまんざらではないわけで。
ふぅ、女の子にチヤホヤされるってほんと快感だなぁ……!
この圧倒的な充足感……これがモテるということなんだな……!
やっぱり異世界転生は最高だぜ――!
どうせならもっとはやく異世界転生させてほしかったね!
おっと話を戻そう。
「でさ、そのための方法が何かないかなーって。精霊さんってかなり凝り性で器用だろ? もしかしたら、精霊さんが常駐しなくても常夏エルフ村を維持するような、そんな方法を開発してたりしないかなーって思ったんだけど」
「あら! なかなかいいところに目を付けたじゃない! ちゃんとあるんだよね、実は既に! 温度管理から送風までを完全自動化してあるんだから!」
「おおっ! すでに実行済みだったなんて!」
さすが精霊さんだ……!
することがなさすぎて、暇に飽かして10年かけてガーゴイルを製作していただけのことはあるぞ……!
「具体的には、自動温度感知センサーを村のあちこちに立ててあるの! そこから得られた温度データを統括判断する人工精霊『MIR.AI』の開発にも成功! 人が多いところ・日なたで暑いところその他もろもろをリアルタイム予測して、あらかじめ涼しい風を送り込むことで、快適な夏を提供できるってわけ!」
「すごい、すごすぎるぞ精霊さん! もはや完全なエアコンじゃないか!」
「えあこん! 教えてもらいました! セーヤさんの故郷の氷室のことです!」
ウヅキが抜群の記憶力を披露すると同時に、
「そーいえば、昔と比べて最近は気候が安定してるって、婆やが言ってましたー」
巫女エルフちゃんが、全自動化が全くの問題のないことを――どころか手動より優れていることをユーザー視点から教えてくれる。
「じゃあもう本当に、精霊さんをエルフ村に縛り付ける必要はないわけなんだな」
「ですね!」
「ですー」
「うにゅ」
「ばっちり解決です」
「――――チッ」
「みんなの賛成も得られたことで――《神焉竜》だけは露骨に舌打ちをしたけど聞かなかったことにした――これで決まりだな。エルフ村については全自動化に任せて、精霊さんは今後完全に自由ってことで。そしてこれが、俺と精霊さんの新しい精霊契約だ!」
言って、俺が差し出した手――の人差し指を、
「ぅ、うん……あの、ありがとう……」
精霊さんが小さなお手てでちょこんと握り返してきた。
精霊さんはエネルギー体だから実際には触れてはいないんだけれど、傍から見た分にはきっとしっかりと約束を交わしたように見えることだろう。
そんな精霊さんに、
「なーに、人として当然のことをしたまでだよ」
俺はカッコいいセリフをさらりと言ってのけたのだった。
ぶっちゃけエルフ村が薄着おっぱいの常夏仕様にさえなってくれれば、精霊さんを縛り付けることには全く意味はないもんな。
つまり――、
きゃっほう!
これでこれからもずっと、俺の巫女エルフ村は最高に薄着でえちえちおっぱい祭りだぜ!
今度はいつ遊びに来ようかなっ♪
0
お気に入りに追加
1,938
あなたにおすすめの小説
スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~
暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。
しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。
もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。
異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが……
なろう、カクヨムでも投稿しています。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる