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異世界転生 4日目(後編)
第65話 剣気解放――《紫電一閃》!!
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「こんなチャンスは二度と訪れないだろう。でもな、この一度っきりで十分だ――!」
両の足で踏ん張って、スカった尻尾の横振りの反動を抑えようとする《神焉竜》は――、
「いいぜ、狙い通りだ――!」
――尻尾側への遠心力に耐えるために重心が完全に前寄りになっていて――つまり上半身がグッと下がっていたのだった。
その地表付近まで下りてきた――普段は2階建て屋根の高さほどにある――喉元のすぐ下に、俺は滑るようにして入り込んだ。
見上げた先には、他とは向きと色が異なる一枚の鱗がある。
ドラゴン唯一の弱点――逆鱗――が、日本刀の届く位置に、あった!
究極の勝負所を前にして、身体中の血潮が激しく激しくこれでもかと燃えたぎる。
身体と心は熱く燃え盛り、しかし頭は極限まで冷静に――。
「行くぞ――!」
たった一言の短い言葉は、この一刀に全てをかける自分自身への決意表明だ。
「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ――――――!」
『納刀』した日本刀へと、俺は渾身の剣気を送り込んでゆく。
鞘の中で剣気が圧縮・収斂されていき、日本刀が暴力的な量の力を溜めこみはじめた――!
刀を収めた鞘の中で極限まで圧縮した剣気を、抜刀とともに解放して叩きつける。
それは『剣聖』の最大火力にして最終奥義!
「受けてみろ、《神焉竜》よ。最強S級チート『剣聖』が誇る、刹那に煌めく光芒なる一太刀を――!」
日本刀を、抜刀する――!
鞘走りによって加速したその一刀は、まさに神速。
極限に膨らんだ剣気を込め、裂帛の気合とともに、空気を切り裂く音よりも速く振り抜かれたそれは、唯一無二、天下無双の居合抜きだ――!
「世界よ、真白く瞬け――」
爆発的に解放された剣気が、光輝となって瞬いて――、
「剣気解放――《紫電一閃》!!」
俺はナイアの《聖処女の御旗よ》にも引けを取らない、抜刀術による鮮烈なる一撃を撃ち放った!
力の奔流そのものと化した日本刀が、《神焉竜》の逆鱗を激しく叩き、猛烈な火花をまき散らす。
「グゥアアAAAアァァァァァァァァァAAッッッッッッッ――――!!!!」
逆鱗を打たれ、声にならない悲鳴のような咆哮を上げる《神焉竜》。
だが、
「くそ、さすがだな――!」
《紫電一閃》をもってしても、打ち抜ききれない――っ!
でもな――!
「このおおおおおおおおおおおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ――――!」
だったら、ここからさらに押し込めばいいだけの話なんだよ!
全力全開の打ち込みが通らなかった反動で、身体に激しい負荷が押し寄せる。
身体中が熱い、痛い、辛い、しんどい――。
軋んで悲鳴を上げる身体は、すぐにでもオーバーヒートしてしまいそうだった。
1秒が1分にも思えるような苦しい時間を、しかし、
「絶対に押し負けるものかよ――!」
歯を食いしばり、必ず打ち抜かんと、俺は持ちうるすべての力を日本刀に込めて押し込んでゆく――!
「撃ち抜けぇっ! くぅっぉなくそおぉぉぉぉぉぉ―――――――っっっっ!」
必殺の一撃と、絶対の防御。
相対する両者が真っ向からぶつかり合った、いつ終わるともしれない極限の攻防は――しかし。
あっけなく終わりを迎えたのだった。
ガッギャギャギャギャギギギギイイイイイイイイイイイイイン――――!
耳に障る不快な音が響いたかと思うと――、
キィ――――――ン!
最期に一際、甲高い澄んだ音が鳴り響いて――。
「なん……だと……?」
日本刀が刃の中ほどでへし折れたのだった――
両の足で踏ん張って、スカった尻尾の横振りの反動を抑えようとする《神焉竜》は――、
「いいぜ、狙い通りだ――!」
――尻尾側への遠心力に耐えるために重心が完全に前寄りになっていて――つまり上半身がグッと下がっていたのだった。
その地表付近まで下りてきた――普段は2階建て屋根の高さほどにある――喉元のすぐ下に、俺は滑るようにして入り込んだ。
見上げた先には、他とは向きと色が異なる一枚の鱗がある。
ドラゴン唯一の弱点――逆鱗――が、日本刀の届く位置に、あった!
究極の勝負所を前にして、身体中の血潮が激しく激しくこれでもかと燃えたぎる。
身体と心は熱く燃え盛り、しかし頭は極限まで冷静に――。
「行くぞ――!」
たった一言の短い言葉は、この一刀に全てをかける自分自身への決意表明だ。
「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ――――――!」
『納刀』した日本刀へと、俺は渾身の剣気を送り込んでゆく。
鞘の中で剣気が圧縮・収斂されていき、日本刀が暴力的な量の力を溜めこみはじめた――!
刀を収めた鞘の中で極限まで圧縮した剣気を、抜刀とともに解放して叩きつける。
それは『剣聖』の最大火力にして最終奥義!
「受けてみろ、《神焉竜》よ。最強S級チート『剣聖』が誇る、刹那に煌めく光芒なる一太刀を――!」
日本刀を、抜刀する――!
鞘走りによって加速したその一刀は、まさに神速。
極限に膨らんだ剣気を込め、裂帛の気合とともに、空気を切り裂く音よりも速く振り抜かれたそれは、唯一無二、天下無双の居合抜きだ――!
「世界よ、真白く瞬け――」
爆発的に解放された剣気が、光輝となって瞬いて――、
「剣気解放――《紫電一閃》!!」
俺はナイアの《聖処女の御旗よ》にも引けを取らない、抜刀術による鮮烈なる一撃を撃ち放った!
力の奔流そのものと化した日本刀が、《神焉竜》の逆鱗を激しく叩き、猛烈な火花をまき散らす。
「グゥアアAAAアァァァァァァァァァAAッッッッッッッ――――!!!!」
逆鱗を打たれ、声にならない悲鳴のような咆哮を上げる《神焉竜》。
だが、
「くそ、さすがだな――!」
《紫電一閃》をもってしても、打ち抜ききれない――っ!
でもな――!
「このおおおおおおおおおおおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ――――!」
だったら、ここからさらに押し込めばいいだけの話なんだよ!
全力全開の打ち込みが通らなかった反動で、身体に激しい負荷が押し寄せる。
身体中が熱い、痛い、辛い、しんどい――。
軋んで悲鳴を上げる身体は、すぐにでもオーバーヒートしてしまいそうだった。
1秒が1分にも思えるような苦しい時間を、しかし、
「絶対に押し負けるものかよ――!」
歯を食いしばり、必ず打ち抜かんと、俺は持ちうるすべての力を日本刀に込めて押し込んでゆく――!
「撃ち抜けぇっ! くぅっぉなくそおぉぉぉぉぉぉ―――――――っっっっ!」
必殺の一撃と、絶対の防御。
相対する両者が真っ向からぶつかり合った、いつ終わるともしれない極限の攻防は――しかし。
あっけなく終わりを迎えたのだった。
ガッギャギャギャギャギギギギイイイイイイイイイイイイイン――――!
耳に障る不快な音が響いたかと思うと――、
キィ――――――ン!
最期に一際、甲高い澄んだ音が鳴り響いて――。
「なん……だと……?」
日本刀が刃の中ほどでへし折れたのだった――
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