ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第52話「さすがおにーさん、ズルは得意だね!」
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しかし≪ホーリー・ビーム・ショットガンスタイル≫すらも、大魔竜ドラグバーンはこともなげにかわしてみせたのだ。
「げっ、なんだよ今の動き!? 慣性を無視して急に鋭角に回避しやがったぞ!? まさか――!」
「おにーさん、《重力制御》で勢いを相殺することで、急な進路変更をしたんだよ!」
「やっぱそういうことか!」
ミストルティアがさっきリュスターナに付与した《重力制御》。
あれと同じ技で物理法則を無視して軌道を変更したのだ。
速いだけじゃなくて、スキルも瞬間的に自由自在に操れるのか。
さすがドラゴンの王、こいつは想像以上に手ごわいぞ――!
『くくっ、この程度で必殺技を名乗るとは。やはり思った通り、遠距離戦ではたいしたことがないようだな?』
「くっ――!」
その後も何度か≪ホーリー・ビーム≫や≪ホーリー・ビーム・ショットガンスタイル≫を放ったものの、簡単によけられてしまい、俺は無駄に力を消耗させられてしまった。
くそっ、どうしても接近することはできず、かといって遠距離攻撃は簡単にかわされてしまう。
最終決戦まで来て、まさかまともに戦わせてもらえないなんてな。
『くくく、ついでにいいことを教えてやろう』
「いいことだと?」
『我はパワーはギガントドラゴンに、防御はゲンブドラゴンと同等。そしてスピードは他のドラゴンを圧倒しているのだ!』
「ギガントドラゴンのパワーと、ゲンブドラゴンの防御と、さらには圧倒的なスピードまで持っているだと!?」
『そうだ! パワー、防御、スピード! 全ての強さを最高レベルで兼ねそろえた、まさに最強のドラゴン! それが大魔竜ドラグバーンたる我であるぞ!』
「くっ――! だがそれがどうした!!」
ビビるな。
考えろ、考えるんだ!
『ふむ、勝ち目のない局面をなんとか打開しようと必死に頭を巡らせている弱者の顔をしているな? まだ絶望していないとはさすが勇者だ』
「へっ! ここまで来て絶望なんてしてられるかよ!」
『となると、やはり近づいて戦うのは危険だな。ではこのまま遠距離からゆっくりとなぶり殺すとしようか。ドラグバーン・ブレス!』
俺をめがけて強力なブレスが撃ち放たれる――!
「くそっ、舐めんな!」
俺はそれをギリギリでかいくぐりながら、ミストルティアと連携してなんとか接近戦に持ち込もうとするものの。
『はてさて、どこまで我のスピードについてこられるかな?』
大空を自由自在に飛び回る大魔竜ドラグバーンは、俺たちの接近を許しはしなかった。
そして打つ手がないまま時間だけが進んでいくうちに、ついに俺はドラグバーン・ブレスの直撃を受けてしまう。
『どうした? 動きが鈍りだしたぞ? ほらそこだ! ドラグバーン・ブレス!』
「くっ、ぐぅ……!」
『まだまだ! それそれ! くくっ、どこまで耐えられるかな!』
立て続けに放たれたドラグバーン・ブレスが全弾、俺に命中する。
猛烈な大ダメージが俺を襲った。
聖剣≪クラウソラス≫を正眼に構えて受け止めつつ、聖なる力を全て防御に回して俺はなんとかそれに耐え忍ぶ。
『くくく、苦痛にまみれた実にいい顔だな――むっ!?』
だが俺を攻撃するために動きを止めた大魔竜ドラグバーンに向かって、
「とりゃぁぁっ!! ≪ドラゴンバスター≫!!」
死角からミストルティアが必殺の一撃で斬りかかった!
「よしっ! いいぞ!」
『くっ、さてはわざと我がドラグバーン・ブレスを受けたのか? 我の動きを止めるために――!』
「へへっ、肉を切らせて骨を断つってな」
「さすがおにーさん、ズルは得意だね!」
「だからズルじゃねぇって言ってるだろ」
ミストルティアと言葉を交わしつつ、俺は《ホーリー・ヒール》でダメージを回復する。
狙ったやった作戦とはいえ、強大な闇の魔力が凝縮したドラグバーン・ブレスを数発直撃させられたのだ。
下手をしたら死んでいた可能性もあったが、作戦は見事大成功だ。
短期間での全回復はちょっと無理な程の大ダメージを受けたが、ミストルティアがここで大魔竜ドラグバーンに大ダメージを与えてくれれば余裕で元は取れる――
「わわわっ!?」
しかしミストルティアの攻撃を受けたはずの大魔竜ドラグバーンの姿が、蜃気楼のように掻き消えたのだ――!
「なにっ――!」
『なるほどなるほど。自らを囮にして実質相打ちを狙うか。くくっ、アイデアはなかなか良かったが、わずかに及ばなかったな。≪幻影分身≫によって、既にそこに残っていたのはただの残像よ』
そして少し離れた位置から聞こえてくる大魔竜ドラグバーンの声。
同時にドラグバーン・ブレスがミストルティアに放たれ、直撃した。
「うわーーーー! こなくそー!」
ミストルティアは背中に直撃弾を受けて派手に吹っ飛ばされたものの、なんとか体勢を立て直してした。
だけど。
「くっ、これもかわすのかよ……!」
「げっ、なんだよ今の動き!? 慣性を無視して急に鋭角に回避しやがったぞ!? まさか――!」
「おにーさん、《重力制御》で勢いを相殺することで、急な進路変更をしたんだよ!」
「やっぱそういうことか!」
ミストルティアがさっきリュスターナに付与した《重力制御》。
あれと同じ技で物理法則を無視して軌道を変更したのだ。
速いだけじゃなくて、スキルも瞬間的に自由自在に操れるのか。
さすがドラゴンの王、こいつは想像以上に手ごわいぞ――!
『くくっ、この程度で必殺技を名乗るとは。やはり思った通り、遠距離戦ではたいしたことがないようだな?』
「くっ――!」
その後も何度か≪ホーリー・ビーム≫や≪ホーリー・ビーム・ショットガンスタイル≫を放ったものの、簡単によけられてしまい、俺は無駄に力を消耗させられてしまった。
くそっ、どうしても接近することはできず、かといって遠距離攻撃は簡単にかわされてしまう。
最終決戦まで来て、まさかまともに戦わせてもらえないなんてな。
『くくく、ついでにいいことを教えてやろう』
「いいことだと?」
『我はパワーはギガントドラゴンに、防御はゲンブドラゴンと同等。そしてスピードは他のドラゴンを圧倒しているのだ!』
「ギガントドラゴンのパワーと、ゲンブドラゴンの防御と、さらには圧倒的なスピードまで持っているだと!?」
『そうだ! パワー、防御、スピード! 全ての強さを最高レベルで兼ねそろえた、まさに最強のドラゴン! それが大魔竜ドラグバーンたる我であるぞ!』
「くっ――! だがそれがどうした!!」
ビビるな。
考えろ、考えるんだ!
『ふむ、勝ち目のない局面をなんとか打開しようと必死に頭を巡らせている弱者の顔をしているな? まだ絶望していないとはさすが勇者だ』
「へっ! ここまで来て絶望なんてしてられるかよ!」
『となると、やはり近づいて戦うのは危険だな。ではこのまま遠距離からゆっくりとなぶり殺すとしようか。ドラグバーン・ブレス!』
俺をめがけて強力なブレスが撃ち放たれる――!
「くそっ、舐めんな!」
俺はそれをギリギリでかいくぐりながら、ミストルティアと連携してなんとか接近戦に持ち込もうとするものの。
『はてさて、どこまで我のスピードについてこられるかな?』
大空を自由自在に飛び回る大魔竜ドラグバーンは、俺たちの接近を許しはしなかった。
そして打つ手がないまま時間だけが進んでいくうちに、ついに俺はドラグバーン・ブレスの直撃を受けてしまう。
『どうした? 動きが鈍りだしたぞ? ほらそこだ! ドラグバーン・ブレス!』
「くっ、ぐぅ……!」
『まだまだ! それそれ! くくっ、どこまで耐えられるかな!』
立て続けに放たれたドラグバーン・ブレスが全弾、俺に命中する。
猛烈な大ダメージが俺を襲った。
聖剣≪クラウソラス≫を正眼に構えて受け止めつつ、聖なる力を全て防御に回して俺はなんとかそれに耐え忍ぶ。
『くくく、苦痛にまみれた実にいい顔だな――むっ!?』
だが俺を攻撃するために動きを止めた大魔竜ドラグバーンに向かって、
「とりゃぁぁっ!! ≪ドラゴンバスター≫!!」
死角からミストルティアが必殺の一撃で斬りかかった!
「よしっ! いいぞ!」
『くっ、さてはわざと我がドラグバーン・ブレスを受けたのか? 我の動きを止めるために――!』
「へへっ、肉を切らせて骨を断つってな」
「さすがおにーさん、ズルは得意だね!」
「だからズルじゃねぇって言ってるだろ」
ミストルティアと言葉を交わしつつ、俺は《ホーリー・ヒール》でダメージを回復する。
狙ったやった作戦とはいえ、強大な闇の魔力が凝縮したドラグバーン・ブレスを数発直撃させられたのだ。
下手をしたら死んでいた可能性もあったが、作戦は見事大成功だ。
短期間での全回復はちょっと無理な程の大ダメージを受けたが、ミストルティアがここで大魔竜ドラグバーンに大ダメージを与えてくれれば余裕で元は取れる――
「わわわっ!?」
しかしミストルティアの攻撃を受けたはずの大魔竜ドラグバーンの姿が、蜃気楼のように掻き消えたのだ――!
「なにっ――!」
『なるほどなるほど。自らを囮にして実質相打ちを狙うか。くくっ、アイデアはなかなか良かったが、わずかに及ばなかったな。≪幻影分身≫によって、既にそこに残っていたのはただの残像よ』
そして少し離れた位置から聞こえてくる大魔竜ドラグバーンの声。
同時にドラグバーン・ブレスがミストルティアに放たれ、直撃した。
「うわーーーー! こなくそー!」
ミストルティアは背中に直撃弾を受けて派手に吹っ飛ばされたものの、なんとか体勢を立て直してした。
だけど。
「くっ、これもかわすのかよ……!」
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