ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第30話 攻防一体≪デス・ブリンガー≫!
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「どうだ見たか! これが勇者の最強必殺技だ! ――なに!?」
『くくく、この程度で最強必殺技とは片腹痛いぞ勇者!』
数々の上位種ドラゴンを倒してきた勇者の最強必殺技≪アルティメット・ソード≫。
それを受けながら、全くの無傷でいるゲンブドラゴンに俺は驚きを隠しきれないでいた。
なにが起こったていうんだ!?
「馬鹿な、無傷だと!? いったい何をしたんだ!?」
最強必殺技が防がれてしまい動揺してしまう俺。
「はっ! 勇者様! あの甲羅です! あの甲羅の中に入って≪アルティメット・ソード≫を防御したんです!」
しかしリュスターナはその冷静な観察眼でもって、ゲンブドラゴンのからくりに気が付いたようだった。
「甲羅に入って?」
「あの甲羅はおそらくドラゴンの鱗が特殊な進化をしてできた、天然の鎧のようなものなのです!」
『くくく、そこの小娘はなかなか優れた洞察力を持っているようだな! そうだ! 我は世界にたった1体しか存在しない防御に特化したドラゴンなのだよ!』
甲羅からヒョコっと首だけ出したゲンブドラゴンが、勝ち誇ったように言った。
「なんだと……!? 防御に特化したドラゴンだって……!?」
『そうだ! そしてこの世界最硬の甲羅≪ドラゴニック・スケイル≫は、たとえ勇者の力であっても撃ち抜くことは不可能なのだ!』
まさにゲンブドラゴンの言うとおりだった。
勇者の放ちうる最強必殺技≪アルティメット・ソード≫を真正面から防御してしまう無敵の鎧≪ドラゴニック・スケイル≫。
そしておそらくそれがゲンブドラゴンが四天王へと登り詰めた最大のストロング・ポイントなのだ――!
『くくくく……ようやっと我の強さを思い知ったようだな』
「くっ、まさか最強必殺技の≪アルティメット・ソード≫が効かないなんてなんてな」
どうすればいいんだ?
これ以上の破壊力を持った攻撃を、俺は持っていないぞ!?
しかし俺が対応策を考える間もなく、ゲンブドラゴンは反撃を繰り出してきた。
『では今度はこちらから行かせてもらおうか、≪デス・ブリンガー≫!』
ゲンブドラゴンは甲羅の中に身体を引っ込めると、グルグルと自転しながら突っこんで来た!
俺はそれを弾き返そうとして、しかしものの見事に跳ね飛ばされてしまう。
「くっ、なんて硬さだ!」
俺は空中でなんとか体勢を立て直するも、歯噛みする。
『くくく、無敵の防御力はこうして攻撃にも転化することができるのだよ! 我にとってドラゴンブレスなど様子見の牽制技に過ぎぬ! 攻撃と防御を常に同時に行えるこの≪デス・ブリンガー≫こそが! 我の攻防一体の真の必殺技なのだからな!』
「くっ――!」
『さてと、いつまで耐えられるかな? 甲羅の中で高みの見物をさせてもらおうか』
再び襲いくる攻防一体の突進技≪デス・ブリンガー≫に、
「ぐうっ――!?」
俺はまたもやはね飛ばされてしまった。
なんとかダメージを与えようと色々と試してみるが、俺はその都度空しく跳ね飛ばされてしまった。
「いてて……。≪ホーリー・ヒール≫!」
回復スキルでダメージを癒すが焼け石に水だ。
完全にじり貧だった。
このままいいようにやられていたら、先に力尽きるのは俺の方だ。
これはまずいぞ――!
焦りがどんどんと膨れ上がりつつあるその時だった。
「勇者様、これに向かって全力の≪ホーリー・ビーム≫を放って下さい!」
リュスターナの声が聞こえたかと思うと、俺の前にキラキラと輝く光の盾が現れた!
これは――!
さっき≪ホーリー・ビーム・ショットガンスタイル≫を放った時の≪プロテクション・プリズムスタイル≫か!?
『くくく、この程度で最強必殺技とは片腹痛いぞ勇者!』
数々の上位種ドラゴンを倒してきた勇者の最強必殺技≪アルティメット・ソード≫。
それを受けながら、全くの無傷でいるゲンブドラゴンに俺は驚きを隠しきれないでいた。
なにが起こったていうんだ!?
「馬鹿な、無傷だと!? いったい何をしたんだ!?」
最強必殺技が防がれてしまい動揺してしまう俺。
「はっ! 勇者様! あの甲羅です! あの甲羅の中に入って≪アルティメット・ソード≫を防御したんです!」
しかしリュスターナはその冷静な観察眼でもって、ゲンブドラゴンのからくりに気が付いたようだった。
「甲羅に入って?」
「あの甲羅はおそらくドラゴンの鱗が特殊な進化をしてできた、天然の鎧のようなものなのです!」
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甲羅からヒョコっと首だけ出したゲンブドラゴンが、勝ち誇ったように言った。
「なんだと……!? 防御に特化したドラゴンだって……!?」
『そうだ! そしてこの世界最硬の甲羅≪ドラゴニック・スケイル≫は、たとえ勇者の力であっても撃ち抜くことは不可能なのだ!』
まさにゲンブドラゴンの言うとおりだった。
勇者の放ちうる最強必殺技≪アルティメット・ソード≫を真正面から防御してしまう無敵の鎧≪ドラゴニック・スケイル≫。
そしておそらくそれがゲンブドラゴンが四天王へと登り詰めた最大のストロング・ポイントなのだ――!
『くくくく……ようやっと我の強さを思い知ったようだな』
「くっ、まさか最強必殺技の≪アルティメット・ソード≫が効かないなんてなんてな」
どうすればいいんだ?
これ以上の破壊力を持った攻撃を、俺は持っていないぞ!?
しかし俺が対応策を考える間もなく、ゲンブドラゴンは反撃を繰り出してきた。
『では今度はこちらから行かせてもらおうか、≪デス・ブリンガー≫!』
ゲンブドラゴンは甲羅の中に身体を引っ込めると、グルグルと自転しながら突っこんで来た!
俺はそれを弾き返そうとして、しかしものの見事に跳ね飛ばされてしまう。
「くっ、なんて硬さだ!」
俺は空中でなんとか体勢を立て直するも、歯噛みする。
『くくく、無敵の防御力はこうして攻撃にも転化することができるのだよ! 我にとってドラゴンブレスなど様子見の牽制技に過ぎぬ! 攻撃と防御を常に同時に行えるこの≪デス・ブリンガー≫こそが! 我の攻防一体の真の必殺技なのだからな!』
「くっ――!」
『さてと、いつまで耐えられるかな? 甲羅の中で高みの見物をさせてもらおうか』
再び襲いくる攻防一体の突進技≪デス・ブリンガー≫に、
「ぐうっ――!?」
俺はまたもやはね飛ばされてしまった。
なんとかダメージを与えようと色々と試してみるが、俺はその都度空しく跳ね飛ばされてしまった。
「いてて……。≪ホーリー・ヒール≫!」
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完全にじり貧だった。
このままいいようにやられていたら、先に力尽きるのは俺の方だ。
これはまずいぞ――!
焦りがどんどんと膨れ上がりつつあるその時だった。
「勇者様、これに向かって全力の≪ホーリー・ビーム≫を放って下さい!」
リュスターナの声が聞こえたかと思うと、俺の前にキラキラと輝く光の盾が現れた!
これは――!
さっき≪ホーリー・ビーム・ショットガンスタイル≫を放った時の≪プロテクション・プリズムスタイル≫か!?
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