ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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第4話 ≪盾の聖女≫リュスターナ=ミルフォード
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「この尋常ならざる聖なる力……! 間違いありません、これは勇者の力です!」
≪盾の聖女≫と名乗った女の子が驚きで顔をいっぱいにしながら言った。
「やっぱりこれが勇者の力なんだな」
一度使ったからか、俺はこの力の使い方を直感的に理解していた。
聖なる力を身体に行き渡らせて、身体能力を大幅に上昇させる
さらに攻撃時に聖なる力を放つことで、ものすごい破壊力を生み出すことができるのだ。
それがさっきの一撃だ。
まぁ簡単に言えば必殺技的なものだな。
おっと、しまった。
せっかくならカッコいい必殺技名でも叫べばよかった。
無言でパンチとか明らかに燃えが足りてない。
それはそれとして。
まさか自分が本当に勇者になるとは思わなかったな、なんてことを考えていると。
「勇者様とはつゆ知らず、逃げろなどと言った無礼をどうかお許しください」
「別にそんなことは気にしないから安心してくれ……えっと君の名前は?」
「申し遅れました。私は≪盾の聖女≫リュスターナ=ミルフォードと申します。どうかお見知りおきをくださいませ」
女の子が自己紹介をするとともに、見事なカーテシーをした。
カーテシーっていうのは、スカートをちょこんとつまんで膝を折るお辞儀のことね。
「あ、これはこれはご丁寧にどうもリュスターナさん。俺は奥村龍馬です。ついさっき異世界――」
「異世界?」
リュスターナがキョトンとした顔をする。
「ああいや、今のはなしで。ついさっきこの辺りにやってきたばかりなんだ」
俺もお返しの自己紹介とともにぺこりと頭を下げた。
「勇者リョーマ=オクムラ様ですね! 助けて頂きありがとうございました」
そう言って、再びお辞儀をするリュスターナ。
どうもすごく礼儀正しい女の子みたいだな。
「ああうん、それも気にしないでくれ。それより俺ってさっきこの世界――おっと、この辺りに来たばっかりだから、右も左もわからなくてさ。ミルフォードさんはドラゴンと戦っているみたいだけど、今ってどういう状況なんだ?」
俺はこれ幸いと現状確認をすることにした。
せっかくだからリュスターナに色々と教えてもらおう。
「どうぞリュスターナとお呼びくださいませ。私、名前で呼ばれる方が好きなんです」
「わかった、リュスターナさんな」
「『さん』は要りませんよ。どうぞリュスターナとお呼びください」
「……ああうん、じゃあリュスターナって呼ぶな」
正直、リュスターナは超がつくほどの美人で、しかも金髪碧眼の外国人な外見で、スタイルもかなりいいからいきなり名前で呼ぶのは少し気後れしてしまう。
「はいっ♪ 勇者様♪」
だけど何がそんなに嬉しいのか、呼び捨てにされたリュスターナは極上の笑みとともに頷いた。
まぁ俺もそのうち慣れるかな?
冷静に考えれば女の子を名前で呼ぶくらい、異世界に来たのと比べたら全然たいしたことないわけだし。
「俺もリョーマでいいよ」
「いいえ、勇者様は勇者様なので勇者様とお呼びさせていただきます」
「いやでも――」
「勇者様は勇者様です。そこは譲れません!」
なんか思いっきり断言されてしまったんだが?
「そ、そう……? じゃあそういうことで……」
俺は典型的な「ノーと言えない日本人」なので、そのままあっさりとリュスターナに押し切られてしまった。
いいんだよ。
波風立てないのが日本人の美徳なんだ。
別にどんな呼ばれ方をされようが俺は俺だしな。
「それで、現状確認をしたいとのことでしたよね?」
「ああ、さっきも言ったけど、俺はこの辺りに来たばかりだからリュスターナに色々と教えてもらえたらありがたいかなって」
どうもドラゴンが襲ってくるような世界みたいだけど、それ以外のことはさっぱりだ。
今後のためにもできるだけ早く情報収集をしたい。
「でしたら私たち≪対ドラゴン連合同盟≫が拠点にしているお城にご案内しましょう」
「≪対ドラゴン連合同盟≫? 名前から察するに、特にドラゴンと戦っている組織かな?」
「はい、ドラゴンと戦う人間の同盟ですね。ちょうど戦略会議が行われるので、そこで勇者様を紹介しつつ、現状の説明をしたいと思います」
「じゃあそれでよろしく頼むよ」
俺はリュスターナに連れられてまずは≪対ドラゴン連合同盟≫の拠点とやらに向かった。
≪盾の聖女≫と名乗った女の子が驚きで顔をいっぱいにしながら言った。
「やっぱりこれが勇者の力なんだな」
一度使ったからか、俺はこの力の使い方を直感的に理解していた。
聖なる力を身体に行き渡らせて、身体能力を大幅に上昇させる
さらに攻撃時に聖なる力を放つことで、ものすごい破壊力を生み出すことができるのだ。
それがさっきの一撃だ。
まぁ簡単に言えば必殺技的なものだな。
おっと、しまった。
せっかくならカッコいい必殺技名でも叫べばよかった。
無言でパンチとか明らかに燃えが足りてない。
それはそれとして。
まさか自分が本当に勇者になるとは思わなかったな、なんてことを考えていると。
「勇者様とはつゆ知らず、逃げろなどと言った無礼をどうかお許しください」
「別にそんなことは気にしないから安心してくれ……えっと君の名前は?」
「申し遅れました。私は≪盾の聖女≫リュスターナ=ミルフォードと申します。どうかお見知りおきをくださいませ」
女の子が自己紹介をするとともに、見事なカーテシーをした。
カーテシーっていうのは、スカートをちょこんとつまんで膝を折るお辞儀のことね。
「あ、これはこれはご丁寧にどうもリュスターナさん。俺は奥村龍馬です。ついさっき異世界――」
「異世界?」
リュスターナがキョトンとした顔をする。
「ああいや、今のはなしで。ついさっきこの辺りにやってきたばかりなんだ」
俺もお返しの自己紹介とともにぺこりと頭を下げた。
「勇者リョーマ=オクムラ様ですね! 助けて頂きありがとうございました」
そう言って、再びお辞儀をするリュスターナ。
どうもすごく礼儀正しい女の子みたいだな。
「ああうん、それも気にしないでくれ。それより俺ってさっきこの世界――おっと、この辺りに来たばっかりだから、右も左もわからなくてさ。ミルフォードさんはドラゴンと戦っているみたいだけど、今ってどういう状況なんだ?」
俺はこれ幸いと現状確認をすることにした。
せっかくだからリュスターナに色々と教えてもらおう。
「どうぞリュスターナとお呼びくださいませ。私、名前で呼ばれる方が好きなんです」
「わかった、リュスターナさんな」
「『さん』は要りませんよ。どうぞリュスターナとお呼びください」
「……ああうん、じゃあリュスターナって呼ぶな」
正直、リュスターナは超がつくほどの美人で、しかも金髪碧眼の外国人な外見で、スタイルもかなりいいからいきなり名前で呼ぶのは少し気後れしてしまう。
「はいっ♪ 勇者様♪」
だけど何がそんなに嬉しいのか、呼び捨てにされたリュスターナは極上の笑みとともに頷いた。
まぁ俺もそのうち慣れるかな?
冷静に考えれば女の子を名前で呼ぶくらい、異世界に来たのと比べたら全然たいしたことないわけだし。
「俺もリョーマでいいよ」
「いいえ、勇者様は勇者様なので勇者様とお呼びさせていただきます」
「いやでも――」
「勇者様は勇者様です。そこは譲れません!」
なんか思いっきり断言されてしまったんだが?
「そ、そう……? じゃあそういうことで……」
俺は典型的な「ノーと言えない日本人」なので、そのままあっさりとリュスターナに押し切られてしまった。
いいんだよ。
波風立てないのが日本人の美徳なんだ。
別にどんな呼ばれ方をされようが俺は俺だしな。
「それで、現状確認をしたいとのことでしたよね?」
「ああ、さっきも言ったけど、俺はこの辺りに来たばかりだからリュスターナに色々と教えてもらえたらありがたいかなって」
どうもドラゴンが襲ってくるような世界みたいだけど、それ以外のことはさっぱりだ。
今後のためにもできるだけ早く情報収集をしたい。
「でしたら私たち≪対ドラゴン連合同盟≫が拠点にしているお城にご案内しましょう」
「≪対ドラゴン連合同盟≫? 名前から察するに、特にドラゴンと戦っている組織かな?」
「はい、ドラゴンと戦う人間の同盟ですね。ちょうど戦略会議が行われるので、そこで勇者様を紹介しつつ、現状の説明をしたいと思います」
「じゃあそれでよろしく頼むよ」
俺はリュスターナに連れられてまずは≪対ドラゴン連合同盟≫の拠点とやらに向かった。
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