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オペレーション『Water Side Angel』(水辺の天使作戦)
第54話「狂ってるな。理解に苦しむ」
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「例えばエネルギー問題だ。天使炉から無限に涌き出る魔力で、世界のエネルギー問題は全て解決する。無限のエネルギーを手にした人類は、次なる進化のステージへと進むだろう。同時にエネルギー産出国は価値を失い滅びゆき、人と世界の在り方は大きく変わる」
「それでお前はどうしようってんだ? サファイアを犠牲にこの世のあり方を変えて、それでお前は新たな世界の王にでもなろうってのか? 誰かの犠牲の上に成り立つ新世界なんて、俺はクソくらえだがな」
「新世界の王? ははは、そんなものに興味はないよ」
「……じゃあお前の目的はなんだ?」
「そんなのは決まっている。私はただ歴史に名を残せればいい。天使の力を顕現させ、人類を新たなステージへと導いた、神の代行者としてね。そのあとに天使炉がどう使われようが、実のところそこまで興味はないんだ」
「なん……、だと……?」
「科学の歴史とはすなわち、発明の歴史に他ならない。世界を変える発明をする。それが科学者の唯一にして究極の目的なのだから。私は史上最高の科学者として、歴史に名前を残すのだよ」
エンドレス・ウォーカーはまるでオペラの主役が観客に語り掛けるように、恍惚とした表情で、両手を大きく開いて俺に自説を語ってみせた。
「狂ってるな。理解に苦しむ」
「はなから理解されようとは思っていないさ。しょせん、君たち凡人に科学の何たるかは理解できはしないのだから。暴力でしか物事を解決できない、君たちのような野蛮なサルどもにはね」
「非道な人体実験を繰り返した犯罪者風情が、言ってくれるな」
「科学の発展に犠牲はつきものだろう? 有史以来、人はそうやって世界を変え続けてきた。それすら君は否定するのかい?」
「はんっ! 史上最高の科学者になりたいと言いながら、先人の偉業にすがるのか? 程度が知れるぜ」
「チッ……。サルの分際でなんとも不快だな、君は。まぁいい。無駄話が過ぎた。そろそろ実験体334号を返してもらおうか。アレは君たちが持っているには過ぎた道具だ。それこそ覇権を狙うどこぞの大国にでも提供すれば、世界は即座にその形を変革するだろうからね」
「サファイアを犯罪者の元に返すわけがないだろうが。寝言は寝て言え。世界の形も変えさせはしない。それとサファイアをモノのように扱うんじゃねえ! あの子は優しくてまっすぐな、何も知らない幼子だ!」
「暴力は嫌いなんだがね。要求が受け入れられない以上は、実力行使をするのもやむなし、か」
「イージスの誇るアサルト・ストライカーズ。その隊長の俺を相手に、えらく余裕な口ぶりだな。俺に勝てると本気で思っているのか?」
俺は魔力を開放する。
俺の身体の周りに魔力のバリアがうっすらと展開され、活性化した魔力によって身体能力や反射神経が格段に向上する。
「もちろん思っているさ」
しかしエンドレス・ウォーカーは臨戦態勢の俺を前にしても、笑みを崩しはしなかった。
「見たことのない魔法機を身体中に取り付けているみたいだが、そんなものでどうにかなると思っているなら、考え違いだぜ?」
「考え違いかどうか、どうぞ、好きなだけかかってきて試してくれて構いませんよ?」
エンドレス・ウォーカーは手のひらをクイクイとして俺を手招きする。
本当に舐められたもんだ。
「いいだろう――はぁっ!」
俺は気合とともに一瞬で距離を詰める!
得意の魔法格闘戦の距離に持ち込むと、俺は魔力のこもった拳を、エンドレス・ウォーカーのみぞおちへと叩き込んだ!
「それでお前はどうしようってんだ? サファイアを犠牲にこの世のあり方を変えて、それでお前は新たな世界の王にでもなろうってのか? 誰かの犠牲の上に成り立つ新世界なんて、俺はクソくらえだがな」
「新世界の王? ははは、そんなものに興味はないよ」
「……じゃあお前の目的はなんだ?」
「そんなのは決まっている。私はただ歴史に名を残せればいい。天使の力を顕現させ、人類を新たなステージへと導いた、神の代行者としてね。そのあとに天使炉がどう使われようが、実のところそこまで興味はないんだ」
「なん……、だと……?」
「科学の歴史とはすなわち、発明の歴史に他ならない。世界を変える発明をする。それが科学者の唯一にして究極の目的なのだから。私は史上最高の科学者として、歴史に名前を残すのだよ」
エンドレス・ウォーカーはまるでオペラの主役が観客に語り掛けるように、恍惚とした表情で、両手を大きく開いて俺に自説を語ってみせた。
「狂ってるな。理解に苦しむ」
「はなから理解されようとは思っていないさ。しょせん、君たち凡人に科学の何たるかは理解できはしないのだから。暴力でしか物事を解決できない、君たちのような野蛮なサルどもにはね」
「非道な人体実験を繰り返した犯罪者風情が、言ってくれるな」
「科学の発展に犠牲はつきものだろう? 有史以来、人はそうやって世界を変え続けてきた。それすら君は否定するのかい?」
「はんっ! 史上最高の科学者になりたいと言いながら、先人の偉業にすがるのか? 程度が知れるぜ」
「チッ……。サルの分際でなんとも不快だな、君は。まぁいい。無駄話が過ぎた。そろそろ実験体334号を返してもらおうか。アレは君たちが持っているには過ぎた道具だ。それこそ覇権を狙うどこぞの大国にでも提供すれば、世界は即座にその形を変革するだろうからね」
「サファイアを犯罪者の元に返すわけがないだろうが。寝言は寝て言え。世界の形も変えさせはしない。それとサファイアをモノのように扱うんじゃねえ! あの子は優しくてまっすぐな、何も知らない幼子だ!」
「暴力は嫌いなんだがね。要求が受け入れられない以上は、実力行使をするのもやむなし、か」
「イージスの誇るアサルト・ストライカーズ。その隊長の俺を相手に、えらく余裕な口ぶりだな。俺に勝てると本気で思っているのか?」
俺は魔力を開放する。
俺の身体の周りに魔力のバリアがうっすらと展開され、活性化した魔力によって身体能力や反射神経が格段に向上する。
「もちろん思っているさ」
しかしエンドレス・ウォーカーは臨戦態勢の俺を前にしても、笑みを崩しはしなかった。
「見たことのない魔法機を身体中に取り付けているみたいだが、そんなものでどうにかなると思っているなら、考え違いだぜ?」
「考え違いかどうか、どうぞ、好きなだけかかってきて試してくれて構いませんよ?」
エンドレス・ウォーカーは手のひらをクイクイとして俺を手招きする。
本当に舐められたもんだ。
「いいだろう――はぁっ!」
俺は気合とともに一瞬で距離を詰める!
得意の魔法格闘戦の距離に持ち込むと、俺は魔力のこもった拳を、エンドレス・ウォーカーのみぞおちへと叩き込んだ!
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