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任務開始!オペレーション・エンジェル
第8話「寝る前にみんなで一緒に入りましょうね」 「うん! ママとむらさめと、いっしょに、おふろはいる!」
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「ここが『俺たちの家』か。なかなかのもんだな。間取りも広いし、住みやすそうだ」
「この辺りでこれだけ広い家を買ったら、普通は2千万くらいはしそうですよね。ふふっ、ラッキーストライクです♪」
「にしても、よく2日で家を建てられたな?」
「わたしもその辺りのことは詳しくはないのですが、作戦指示書によると、最新のブロック工法で建てたみたいですね」
俺の疑問にミリアリアがスラスラとと淀みなく答えてくれる。
さすがはうちのチームの頼れる副官だ。
ちなみに作戦指示書ってのは、さっき貰ったファイルに綴じられている資料のことだ。
さっきの今なんでまだ途中までしか読んでないんだが、ミリアリアがいてくれれば別に読まなくても問題はなさそうだ。
と、
「おはなし、むずかしい……サファイア、ひとりぼっち……」
サファイアがしょんぼりとした顔でつぶやいた。
「ごめんごめん。じゃあそうだな。俺はこの家に入るのは初めてだから、どこに何があるのか、早速サファイアに案内してもらおうかな?」
俺が笑顔で問いかけると、
「わかりました!」
サファイアはまたまた笑顔になると、再び俺の手を引いて家の中を案内し始めた。
「ここが、キッチン!」
「へぇ、見るからにいい感じだな」
「これ、最新のシステムキッチンなんですよ!」
突然、ミリアリアが両手の拳をグッと握りながら、ズイッと身を乗り出して力説した。
「そ、そうなのか?」
ビックリして思わずのけぞる俺。
「あれ? テレビのCMで流れているの、知りませんか? いろんな番組で流れていると思うんですけど」
「俺、国営ニュースしか見ないから、CMはほとんど見る機会がないんだよな」
イージスの仕事も忙しいし。
「そうなんですね……ともあれ、これを使えるなんて料理をするのが今から楽しみでしょうがないんです」
ミリアリアは目を輝かせていて、それはもう嬉しそうだった。
ま、楽しく任務をやれるのなら、それに越したことはない。
これまでも時々ミリアリアの家に呼ばれて手料理を食べさせてもらう機会があったんだけど、何を作らせても本当に上手だったからな。
特にロースト・ビーフと肉じゃがは絶品だった。
ミリアリアの結婚相手は幸せだろうなと、つい思ってしまったほどだった。
あの時のことを思い出すだけで空腹を感じるよ。
俺は腹を満たすだけの簡単なものしか作れないし、取り立てて料理が好きってわけでもない。
こと料理に関してはシェフ・ミリアリアに任せるのが適任だろう。
そんなことを考えている間にも、サファイアの案内はさらに続いていく。
「ここはリビングで、あっちがダイニングです! テレビもあるよ!」
「どっちも広々としていて、いいな」
リビングとダイニングが扉なしで繋がったいわゆるリビングダイニングは、ガラス張りの大きな窓から、広い庭が見えることもあって、かなりの解放感を感じる。
「晴れた日の午後に、リビングのソファでお昼寝をしたら気持ちよさそうですよね」
「それはまた最高の贅沢だな」
「3にんで、おひるね! たのしみ!」
「でもソファに3人は、さすがに狭すぎるんじゃないか?」
それだとミリアリアと密着することになってしまう。
夫婦役をするのが任務とはいえ、男の俺と身を寄せあって眠るのは、年頃の女の子のミリアリアが可哀想だ。
「わんわんみたいに、まるくなって、くっつけば、だいじょうぶです!」
「そうだよねー、みんなでくっついたら大丈夫だよねー」
「……2人がいいなら、いいんだけどさ」
2人っていうか、主にミリアリアがだけど。
リビングの次はお風呂場に案内された。
「ここがおふろだよ!」
洗面所と繋がっていて、これまたいい感じのお風呂だ。
湯船が広めで、2人くらいなら余裕で入れそうだ。
「ここも広くていいな。普通の住宅じゃ、このサイズの風呂はとても用意できないぞ?」
本当の家族なら、仲良く一緒にお風呂に入るのかもしれない。
ま、俺とミリアリアはあくまで父親『役』と母親『役』だから、そこまではしないだろう。
「家族風呂って言うそうですよ。寝る前にみんなで一緒に入りましょうね」
「うん! ママと、むらさめと、いっしょに、おふろはいる!」
「ええ、みんなで入りましょう」
サファイアのとんでもない発言に、しかしミリアリアは笑顔で頷いた。
「……ええっと?」
さすがにそこまではしないよな?
ただの話の流れで頷いただけだよな?
ミリアリアは20代前半のうら若き女性だ。
美人だし、女性的で魅力的な体つきもしている。
いくら任務とはいえ、まさか男の俺と一緒に風呂に入ったりはしないだろう。
しないよな??
今の会話内容に俺が少々頭を悩ませていると、
「1かいは、おわり! つぎは2かい、です!」
サファイアは今度は2階へと続く階段を上り始めた。
そして階段を上った先にあるドアを開けると、
「ここがサファイアの、おへやです!」
今までよりも一段と自慢げに、ベッドと学習机と小さなローテーブルのある、いかにもな子供部屋を紹介してくれた。
「この辺りでこれだけ広い家を買ったら、普通は2千万くらいはしそうですよね。ふふっ、ラッキーストライクです♪」
「にしても、よく2日で家を建てられたな?」
「わたしもその辺りのことは詳しくはないのですが、作戦指示書によると、最新のブロック工法で建てたみたいですね」
俺の疑問にミリアリアがスラスラとと淀みなく答えてくれる。
さすがはうちのチームの頼れる副官だ。
ちなみに作戦指示書ってのは、さっき貰ったファイルに綴じられている資料のことだ。
さっきの今なんでまだ途中までしか読んでないんだが、ミリアリアがいてくれれば別に読まなくても問題はなさそうだ。
と、
「おはなし、むずかしい……サファイア、ひとりぼっち……」
サファイアがしょんぼりとした顔でつぶやいた。
「ごめんごめん。じゃあそうだな。俺はこの家に入るのは初めてだから、どこに何があるのか、早速サファイアに案内してもらおうかな?」
俺が笑顔で問いかけると、
「わかりました!」
サファイアはまたまた笑顔になると、再び俺の手を引いて家の中を案内し始めた。
「ここが、キッチン!」
「へぇ、見るからにいい感じだな」
「これ、最新のシステムキッチンなんですよ!」
突然、ミリアリアが両手の拳をグッと握りながら、ズイッと身を乗り出して力説した。
「そ、そうなのか?」
ビックリして思わずのけぞる俺。
「あれ? テレビのCMで流れているの、知りませんか? いろんな番組で流れていると思うんですけど」
「俺、国営ニュースしか見ないから、CMはほとんど見る機会がないんだよな」
イージスの仕事も忙しいし。
「そうなんですね……ともあれ、これを使えるなんて料理をするのが今から楽しみでしょうがないんです」
ミリアリアは目を輝かせていて、それはもう嬉しそうだった。
ま、楽しく任務をやれるのなら、それに越したことはない。
これまでも時々ミリアリアの家に呼ばれて手料理を食べさせてもらう機会があったんだけど、何を作らせても本当に上手だったからな。
特にロースト・ビーフと肉じゃがは絶品だった。
ミリアリアの結婚相手は幸せだろうなと、つい思ってしまったほどだった。
あの時のことを思い出すだけで空腹を感じるよ。
俺は腹を満たすだけの簡単なものしか作れないし、取り立てて料理が好きってわけでもない。
こと料理に関してはシェフ・ミリアリアに任せるのが適任だろう。
そんなことを考えている間にも、サファイアの案内はさらに続いていく。
「ここはリビングで、あっちがダイニングです! テレビもあるよ!」
「どっちも広々としていて、いいな」
リビングとダイニングが扉なしで繋がったいわゆるリビングダイニングは、ガラス張りの大きな窓から、広い庭が見えることもあって、かなりの解放感を感じる。
「晴れた日の午後に、リビングのソファでお昼寝をしたら気持ちよさそうですよね」
「それはまた最高の贅沢だな」
「3にんで、おひるね! たのしみ!」
「でもソファに3人は、さすがに狭すぎるんじゃないか?」
それだとミリアリアと密着することになってしまう。
夫婦役をするのが任務とはいえ、男の俺と身を寄せあって眠るのは、年頃の女の子のミリアリアが可哀想だ。
「わんわんみたいに、まるくなって、くっつけば、だいじょうぶです!」
「そうだよねー、みんなでくっついたら大丈夫だよねー」
「……2人がいいなら、いいんだけどさ」
2人っていうか、主にミリアリアがだけど。
リビングの次はお風呂場に案内された。
「ここがおふろだよ!」
洗面所と繋がっていて、これまたいい感じのお風呂だ。
湯船が広めで、2人くらいなら余裕で入れそうだ。
「ここも広くていいな。普通の住宅じゃ、このサイズの風呂はとても用意できないぞ?」
本当の家族なら、仲良く一緒にお風呂に入るのかもしれない。
ま、俺とミリアリアはあくまで父親『役』と母親『役』だから、そこまではしないだろう。
「家族風呂って言うそうですよ。寝る前にみんなで一緒に入りましょうね」
「うん! ママと、むらさめと、いっしょに、おふろはいる!」
「ええ、みんなで入りましょう」
サファイアのとんでもない発言に、しかしミリアリアは笑顔で頷いた。
「……ええっと?」
さすがにそこまではしないよな?
ただの話の流れで頷いただけだよな?
ミリアリアは20代前半のうら若き女性だ。
美人だし、女性的で魅力的な体つきもしている。
いくら任務とはいえ、まさか男の俺と一緒に風呂に入ったりはしないだろう。
しないよな??
今の会話内容に俺が少々頭を悩ませていると、
「1かいは、おわり! つぎは2かい、です!」
サファイアは今度は2階へと続く階段を上り始めた。
そして階段を上った先にあるドアを開けると、
「ここがサファイアの、おへやです!」
今までよりも一段と自慢げに、ベッドと学習机と小さなローテーブルのある、いかにもな子供部屋を紹介してくれた。
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