43 / 63
第2章 朝5時にピンポン連打する金髪ネコ耳公務員さん
第43話 むふふー!現役女子大生・人気アイドル声優に好きって言われちゃったぁ(*'ω'*)
しおりを挟む
「『異世界主人公における運命交差理論』? なんだそりゃ?」
「異世界絡みの人間や事柄、事象が全て、その根幹たる異世界召喚者のトールに引き寄せられるように集まってくるという理論です。ある種の主人公補正の1つとでも思っていただければと」
「主人公ってのがつまり俺ってこと?」
「そういうことです。年がら年中それこそ毎日のように殺人事件に遭遇しまくる『見た目は子供・頭脳は大人』な名探偵のように、大小さまざまな異世界絡みの案件が、主人公であるトールの周りで立て続けに発生したんです」
「その例えだと、まるでこれから先もこういう事件が次々と起こるって言われてるみたいなんだけど……」
あとほんと日本について詳しいな。
コナン君までバッチリ予習済みかよ。
ちなみに俺も愛読していて、事件の発生件数が1年=365日を超える日を楽しみに待ってたりする。
30年も連載をやって90巻まで来て、なんと第1話からまだ1年経ってない設定なのだ。
大台まであともうちょっとなんだよなぁ。
まぁそれは置いといて。
「その可能性は決して低くはないでしょうね」
「そんなの確率的にありなのか?」
「この状況においては一般的な確率論はなんら意味を持ちえません。もはや世界はトールを中心に動いていると認識してくださいな」
「なんとなく言いたいことは分からなくもない、いかにもそれっぽい理論だけど……そうか、これからもこういう事件が起こっちゃう可能性が高いのか……」
もう俺は普通の生活は送れないのかなぁ……。
「及ばずながらわたしがトールの手助けを致しますので、何があっても一緒に乗り越えて生きましょう。そのためにわたしはトールのお側にいるんですから」
「エリカ……ありがとうな」
エリカの献身的な言葉に俺は心の中が温かい気持ちでいっぱいになるのを感じていた。
これが人の優しさってやつか。
「わたくしもですわ。わたくしども法務省、ひいては日本政府はトールさんとエリカさんに最大限のバックアップをするとお約束いたしましょう」
「ヒナギクさんもありがとう。心強いよ」
「でしたら我々、環太平洋・秘密宗教結社『アトランティック・サモン』も教祖様の手足となって働きましょう」
教団リーダーの男が言った。
「いやあの俺は教祖になるつもりは――」
「当面は現状維持で構いません。ひとまずは我々の存在を教祖様に知っていただいただけでも充分ですから」
「そ、そう?」
「それと中野を教祖様のお側に置いておきます。連絡がある時は彼女を使ってください」
「よろしくお願いしますね、教祖様♡ そういうわけなので、連絡先を交換しましょう♡ ラインやってますよね?♡」
「あ、うん。やってるけど」
中野さんは恋人つなぎしていた手をほどくと、スマホを取り出した。
「じゃあはい……♡ これで無事に友だちに追加完了です♡ 後で電話番号とメアドも送っておきますね♡」
「あ、ありがとう」
おおっ?
なんだか話の流れで、現役女子大生・人気アイドル声優の中野明菜の連絡先までゲットしてしまったぞ!?
しかも送られてきたラインの文面は「教祖様、好きです♡」だった。
むふふー!!
現役女子大生・人気アイドル声優に好きって言われちゃったぁ(*'ω'*)
「いえいえどういたしまして♡ もし困ったことがあったら何でも言ってくださいね♡ 教団の者に話を通しますので♡ さっきも言いましたけど、環太平洋・秘密宗教結社『アトランティック・サモン』には政財界の実力者も多いので、それなり以上に力になれると思いますよ♡」
「ありがとう中野さん」
「いえいえ♡ 教祖様のお役に立てて光栄ですから♡」
「というわけで、とりあえずこれで話は綺麗にまとまったのかな?」
多分そういうことでいいんだと思う。
ごめんよく分からない。
とりあえず30代無職への突然の拉致未遂事件が、無事に解決したことは間違いないと思います。
「異世界絡みの人間や事柄、事象が全て、その根幹たる異世界召喚者のトールに引き寄せられるように集まってくるという理論です。ある種の主人公補正の1つとでも思っていただければと」
「主人公ってのがつまり俺ってこと?」
「そういうことです。年がら年中それこそ毎日のように殺人事件に遭遇しまくる『見た目は子供・頭脳は大人』な名探偵のように、大小さまざまな異世界絡みの案件が、主人公であるトールの周りで立て続けに発生したんです」
「その例えだと、まるでこれから先もこういう事件が次々と起こるって言われてるみたいなんだけど……」
あとほんと日本について詳しいな。
コナン君までバッチリ予習済みかよ。
ちなみに俺も愛読していて、事件の発生件数が1年=365日を超える日を楽しみに待ってたりする。
30年も連載をやって90巻まで来て、なんと第1話からまだ1年経ってない設定なのだ。
大台まであともうちょっとなんだよなぁ。
まぁそれは置いといて。
「その可能性は決して低くはないでしょうね」
「そんなの確率的にありなのか?」
「この状況においては一般的な確率論はなんら意味を持ちえません。もはや世界はトールを中心に動いていると認識してくださいな」
「なんとなく言いたいことは分からなくもない、いかにもそれっぽい理論だけど……そうか、これからもこういう事件が起こっちゃう可能性が高いのか……」
もう俺は普通の生活は送れないのかなぁ……。
「及ばずながらわたしがトールの手助けを致しますので、何があっても一緒に乗り越えて生きましょう。そのためにわたしはトールのお側にいるんですから」
「エリカ……ありがとうな」
エリカの献身的な言葉に俺は心の中が温かい気持ちでいっぱいになるのを感じていた。
これが人の優しさってやつか。
「わたくしもですわ。わたくしども法務省、ひいては日本政府はトールさんとエリカさんに最大限のバックアップをするとお約束いたしましょう」
「ヒナギクさんもありがとう。心強いよ」
「でしたら我々、環太平洋・秘密宗教結社『アトランティック・サモン』も教祖様の手足となって働きましょう」
教団リーダーの男が言った。
「いやあの俺は教祖になるつもりは――」
「当面は現状維持で構いません。ひとまずは我々の存在を教祖様に知っていただいただけでも充分ですから」
「そ、そう?」
「それと中野を教祖様のお側に置いておきます。連絡がある時は彼女を使ってください」
「よろしくお願いしますね、教祖様♡ そういうわけなので、連絡先を交換しましょう♡ ラインやってますよね?♡」
「あ、うん。やってるけど」
中野さんは恋人つなぎしていた手をほどくと、スマホを取り出した。
「じゃあはい……♡ これで無事に友だちに追加完了です♡ 後で電話番号とメアドも送っておきますね♡」
「あ、ありがとう」
おおっ?
なんだか話の流れで、現役女子大生・人気アイドル声優の中野明菜の連絡先までゲットしてしまったぞ!?
しかも送られてきたラインの文面は「教祖様、好きです♡」だった。
むふふー!!
現役女子大生・人気アイドル声優に好きって言われちゃったぁ(*'ω'*)
「いえいえどういたしまして♡ もし困ったことがあったら何でも言ってくださいね♡ 教団の者に話を通しますので♡ さっきも言いましたけど、環太平洋・秘密宗教結社『アトランティック・サモン』には政財界の実力者も多いので、それなり以上に力になれると思いますよ♡」
「ありがとう中野さん」
「いえいえ♡ 教祖様のお役に立てて光栄ですから♡」
「というわけで、とりあえずこれで話は綺麗にまとまったのかな?」
多分そういうことでいいんだと思う。
ごめんよく分からない。
とりあえず30代無職への突然の拉致未遂事件が、無事に解決したことは間違いないと思います。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
48
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる