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第2章 朝5時にピンポン連打する金髪ネコ耳公務員さん
第40話 中野さん
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「ん……? でも中野さんの声って、やっぱりどこかで聞いたことあるような気がするんだよなぁ。どこだっけか? でも俺は中野さんと会話したことが1度もないし。なんでだろう?」
「教祖様は、声優の中野明菜をご存じですよね?」
「そりゃあもちろん知ってるよ、今期のアニメでも主役をバンバンやってる人気の現役女子大生アイドル声優だ――って、あっ! この声って中野明菜じゃん!? え、もしかして君って、人気アイドル声優の中野明菜!?」
「はい、その中野明菜です」
それを聞いた俺はいてもたってもいられず。
慌てて中野さんの黒フードを脱がしてみた。
するとなんということだろうか!?
そこにはインタビュー記事やCMで見たことのある中野明菜の顔があって――!
「うわっ、マジで!? マジで中野明菜が俺の隣の部屋に住んでたの!? 俺めっちゃファンなんだけど! あ、今やってる異世界セクステット4期、毎週見てます! エリミア大好きです!」
「ありがとうございます教祖様。アキナも教祖様の熱烈な信者なんですよ。ふふっ、一緒ですね♡」
「え、マジですか?」
「はい♪ もともとアキナが声優になったのも、異世界への憧れからなんですから。せめて物語の中でも異世界に行ってみたいなって思って、声優になったんです」
「そうだったんだ……でもその情報は初めて知ったな。ごめん、これじゃファン失格だよ」
「いいえそんなことはありませんよ! だってこれはマネージャーさんにも言ったことがない、誰にも秘密のトップシークレットだったんですから。でも教祖様なので特別に伝えちゃいました。キャッ♡」
中野さんが声を弾ませながら言った。
まるでアニメの中から抜け出てきたような声が、可愛すぎて可愛すぎてマジでヤバいんだが!?
「あ、あの! エリミアのいつものセリフを言ってみてもらえたりできませんか!?」
「お安い御用です……こほん。『もう、バルスってば、ほんとしょうがないんだから……』」
「リアルエリミアたんキター!!(゚∀゚ 三 ゚∀゚) ヒナギクさん、すぐにエリミアたんを、いえ中野さんを解放してください! お願いします!」
俺はいてもたってもいられなくて、ヒナギクさんにお願いして中野さんの拘束を解いてもらった。
だって現役女子大生・人気アイドル声優は言わば現人神。
神にも等しいお方を縛って床に転がすだなんて、そんな失礼なことはアニオタとして許せないから!
可愛いヒロインたちの声を当てるその大切な喉を傷めでもしたら大変だよ!
日本アニメ界の大損失だ!
「別に構いませんわよ。彼らが実力行使に及ぶことはもう無さそうですし」
というわけで。
無事に拘束を解かれて床に座った中野さんと、改めて向かい合って話を再開する。
「改めまして中野明菜です。こうやって教祖様にお目通りできて嬉しいです♡」
自由になった中野さんは開口一番そう言うと、柔らかい両手で俺の右手をそっと優しく包むように握った。
「ふぁっ!? あの、えっと……」
「大きな手ですね。男らしくて包容力に溢れていて……私、この手すごく好きです♡」
「は、はい! ありがとうございます!」
えへへへー。
現役女子大生・人気アイドル声優に手を握ってもらって、好きとか言われちゃったぁ(/ω\)
「少し不安なのでもう少しこうしていてもいいですか?」
「も、もちろん! いつまででもオッケーですから!」
「ふふっ、ありがとうございます教祖様♡ しばらく手を繋がせてもらいますね♡」
にへらー。
現役女子大生・人気アイドル声優が、俺としばらく手を繋いでいたいんだって!(≧▽≦)
「でもそっか、そういう理由で声優になったんだね」
「はい♡」
中野さんはさらに、指と指とを絡め合う恋人つなぎをしはじめた。
「しかもそんな今を時めく現役女子大生・人気アイドル声優が、俺の熱烈な信者だったなんてなぁ」
うわっ、なんかめっちゃ嬉しいな。
だってアニオタにとって人気アイドル声優は最上位ステータス、神みたいな存在だぞ?
その神的存在である現役女子大生・人気アイドル声優の中森明菜が、俺の信者なんだ。
これって超すごくない!?
俺がライトなアニオタらしく、降って湧いた出会いに年甲斐もなくキャッキャと喜んでいると、
「むむむっ!? トールの反応がちょっとおかしいです! 今まで見た中で一番嬉しそうです! わたしというものがありながら酷いです、チャラ男です!」
何故かエリカが不機嫌そうに眉をひそめながら言ってきた。
「そりゃまぁ現役女子大生・人気アイドル声優と話ができたんだから嬉しくもなるだろ? しかも俺のことをちゃんと知ってくれて、信者だって言ってくれてるんだぞ? 手だって握ってくれるし」
そんなの当たり前だよなぁ?
ふふふふっ。
「とかなんとか言って内心では、教祖命令で信者の人気アイドル声優にエッチなことを命令してやろうと考えているんですよね?」
「おいこら、お前は俺をなんだと思っているんだ。こんな人がたくさんいる場所で、俺の社会的地位をいたずらに失墜させるようなことを言うんじゃありません」
え?
30代無職に社会的地位なんてないだろって?
たしかに今は無職だけど!
俺だってついこの間まではちゃんと頑張って働いてたんだよ!
なりたくて無職になったわけじゃないんだよ!(涙
「教祖様は、声優の中野明菜をご存じですよね?」
「そりゃあもちろん知ってるよ、今期のアニメでも主役をバンバンやってる人気の現役女子大生アイドル声優だ――って、あっ! この声って中野明菜じゃん!? え、もしかして君って、人気アイドル声優の中野明菜!?」
「はい、その中野明菜です」
それを聞いた俺はいてもたってもいられず。
慌てて中野さんの黒フードを脱がしてみた。
するとなんということだろうか!?
そこにはインタビュー記事やCMで見たことのある中野明菜の顔があって――!
「うわっ、マジで!? マジで中野明菜が俺の隣の部屋に住んでたの!? 俺めっちゃファンなんだけど! あ、今やってる異世界セクステット4期、毎週見てます! エリミア大好きです!」
「ありがとうございます教祖様。アキナも教祖様の熱烈な信者なんですよ。ふふっ、一緒ですね♡」
「え、マジですか?」
「はい♪ もともとアキナが声優になったのも、異世界への憧れからなんですから。せめて物語の中でも異世界に行ってみたいなって思って、声優になったんです」
「そうだったんだ……でもその情報は初めて知ったな。ごめん、これじゃファン失格だよ」
「いいえそんなことはありませんよ! だってこれはマネージャーさんにも言ったことがない、誰にも秘密のトップシークレットだったんですから。でも教祖様なので特別に伝えちゃいました。キャッ♡」
中野さんが声を弾ませながら言った。
まるでアニメの中から抜け出てきたような声が、可愛すぎて可愛すぎてマジでヤバいんだが!?
「あ、あの! エリミアのいつものセリフを言ってみてもらえたりできませんか!?」
「お安い御用です……こほん。『もう、バルスってば、ほんとしょうがないんだから……』」
「リアルエリミアたんキター!!(゚∀゚ 三 ゚∀゚) ヒナギクさん、すぐにエリミアたんを、いえ中野さんを解放してください! お願いします!」
俺はいてもたってもいられなくて、ヒナギクさんにお願いして中野さんの拘束を解いてもらった。
だって現役女子大生・人気アイドル声優は言わば現人神。
神にも等しいお方を縛って床に転がすだなんて、そんな失礼なことはアニオタとして許せないから!
可愛いヒロインたちの声を当てるその大切な喉を傷めでもしたら大変だよ!
日本アニメ界の大損失だ!
「別に構いませんわよ。彼らが実力行使に及ぶことはもう無さそうですし」
というわけで。
無事に拘束を解かれて床に座った中野さんと、改めて向かい合って話を再開する。
「改めまして中野明菜です。こうやって教祖様にお目通りできて嬉しいです♡」
自由になった中野さんは開口一番そう言うと、柔らかい両手で俺の右手をそっと優しく包むように握った。
「ふぁっ!? あの、えっと……」
「大きな手ですね。男らしくて包容力に溢れていて……私、この手すごく好きです♡」
「は、はい! ありがとうございます!」
えへへへー。
現役女子大生・人気アイドル声優に手を握ってもらって、好きとか言われちゃったぁ(/ω\)
「少し不安なのでもう少しこうしていてもいいですか?」
「も、もちろん! いつまででもオッケーですから!」
「ふふっ、ありがとうございます教祖様♡ しばらく手を繋がせてもらいますね♡」
にへらー。
現役女子大生・人気アイドル声優が、俺としばらく手を繋いでいたいんだって!(≧▽≦)
「でもそっか、そういう理由で声優になったんだね」
「はい♡」
中野さんはさらに、指と指とを絡め合う恋人つなぎをしはじめた。
「しかもそんな今を時めく現役女子大生・人気アイドル声優が、俺の熱烈な信者だったなんてなぁ」
うわっ、なんかめっちゃ嬉しいな。
だってアニオタにとって人気アイドル声優は最上位ステータス、神みたいな存在だぞ?
その神的存在である現役女子大生・人気アイドル声優の中森明菜が、俺の信者なんだ。
これって超すごくない!?
俺がライトなアニオタらしく、降って湧いた出会いに年甲斐もなくキャッキャと喜んでいると、
「むむむっ!? トールの反応がちょっとおかしいです! 今まで見た中で一番嬉しそうです! わたしというものがありながら酷いです、チャラ男です!」
何故かエリカが不機嫌そうに眉をひそめながら言ってきた。
「そりゃまぁ現役女子大生・人気アイドル声優と話ができたんだから嬉しくもなるだろ? しかも俺のことをちゃんと知ってくれて、信者だって言ってくれてるんだぞ? 手だって握ってくれるし」
そんなの当たり前だよなぁ?
ふふふふっ。
「とかなんとか言って内心では、教祖命令で信者の人気アイドル声優にエッチなことを命令してやろうと考えているんですよね?」
「おいこら、お前は俺をなんだと思っているんだ。こんな人がたくさんいる場所で、俺の社会的地位をいたずらに失墜させるようなことを言うんじゃありません」
え?
30代無職に社会的地位なんてないだろって?
たしかに今は無職だけど!
俺だってついこの間まではちゃんと頑張って働いてたんだよ!
なりたくて無職になったわけじゃないんだよ!(涙
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