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第2章 朝5時にピンポン連打する金髪ネコ耳公務員さん
第34話『超法規的措置』とか聞くと興奮せざるを得ない俺。
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「まず今後の大まかな流れとしては、エリカさんには『超法規的措置』によって、とある第三国から日本国への帰化という形で日本国籍を取得してもらいます」
「『超法規的措置』だって!? すごい、すごすぎるぞ! まさか俺の人生でこんなカッコいい専門用語が使われる日がくるなんて!」
その超絶パワーワードを聞いた俺は興奮を隠しきれなかった。
だって『超法規的措置』だぞ!?
法が全てを支配するこの法治国家・日本で、法に従わないといけないはずの日本国自体が、法律の定めを越えて行う特別な脱法行為ってことだぞ!?
それって超すごくない!?
30代無職男性とは本来絶対に相容れない超絶スーパーウルトラパワーワードじゃないか!
自分で言ってて悲しくなるけどな!
「ご厚意ありがとうございますヒナギクさん」
俺の興奮をよそに、エリカはいたって冷静にぺこりと頭を下げた。
(くっ、『超法規的措置』なんてグレイトなワードを聞いても全く意に介さないとか、さすがはスーパーエリート異世界転移者のエリカさんだ。完全に浮かれてる俺とはレベルが違う……!)
「その後、通常ですと帰化届けを出すことで戸籍に記載されるのですが、そういった諸々はエリカさんの代わりにわたくしたち法務省の方で全て行いますのでご安心下さいませ。お二人が特に何かする必要はございません」
「マジか。ありがとうヒナギクさん、助かるよ」
「ふむふむ、果報は寝て待てというわけですね。お心遣いに感謝します」
国籍と戸籍があれば、エリカは正真正銘の日本人になれる。
しかも面倒な手続きは全部向こうでやってくれるときた。
正直な話、帰化申請をしろとか急に言われてもさ?
どうやればいいか俺にはさっぱりだもん。
とりあえずインターネットでやり方を検索してみるところからスタートかな?
しかも探せたとしても、できるかどうかはまた別の話だし。
お役所の申請書ってむやみやたらと難解なんだよなぁ……。
とまぁヒナギクさんの提案を聞いた俺は「さすがは最強ステータスの1つ国家公務員だなぁ」と俺は感心したんだけど。
次の一言だけがいただけなかった。
「ではとりあえず、お二人は夫婦ということでよろしいですわね?」
「よくねーよ」「よろしいです!」
反射的に正反対の答えを口に出してから、俺とエリカはお互いの顔を見あわせた。
すぐにエリカが「むむっ!」という顔をする。
「もういいじゃないですかトール。年貢の納め時ですよ、いい加減観念してください。どうせ早いか遅いかの違いなんですから」
「いい加減観念もなにも、俺とエリカは出会ってまだ24時間くらいしか経ってないと思うんだが」
あまりに濃密な展開すぎて、しかもエリカがぐいぐいととてもフレンドリーに俺との距離を詰めてくるから、まるでさも昔からの知り合いであるかのような感じがしてくるけど、俺たちはまだ出会って1日である。
(ほんと全然そんな気がしないんだよな。俺とエリカは波長が合うってことなのかな? そういう意味では結婚しても上手くいきそうではあるかもだけど)
「でもエッチしましたよね?」
「うぐ……っ」
「出会ってまだ24時間くらいしか経ってないのに、もう何度もエッチしちゃいましたよね?」
「いやまぁそうなんだけどさ? 仮にそうだとしても、その、昨日もちょっと言ったかもだけど、やっぱり結婚ってのはもっとこう重いものだと俺は思うんだよな」
「そうですか? 日本では婚約届けさえ出せば結婚できると聞いておりますよ? だから世間を欺くための偽装結婚だの仮面夫婦だの、果ては家庭内別居なんて言葉もあるのだとか」
「お前ほんとなんでも知ってるよな……」
エリカの知識の幅広さに、俺はちょっと呆れ気味につぶやく。
お前の前世はなんでも知ってる羽川さんか?
「『超法規的措置』だって!? すごい、すごすぎるぞ! まさか俺の人生でこんなカッコいい専門用語が使われる日がくるなんて!」
その超絶パワーワードを聞いた俺は興奮を隠しきれなかった。
だって『超法規的措置』だぞ!?
法が全てを支配するこの法治国家・日本で、法に従わないといけないはずの日本国自体が、法律の定めを越えて行う特別な脱法行為ってことだぞ!?
それって超すごくない!?
30代無職男性とは本来絶対に相容れない超絶スーパーウルトラパワーワードじゃないか!
自分で言ってて悲しくなるけどな!
「ご厚意ありがとうございますヒナギクさん」
俺の興奮をよそに、エリカはいたって冷静にぺこりと頭を下げた。
(くっ、『超法規的措置』なんてグレイトなワードを聞いても全く意に介さないとか、さすがはスーパーエリート異世界転移者のエリカさんだ。完全に浮かれてる俺とはレベルが違う……!)
「その後、通常ですと帰化届けを出すことで戸籍に記載されるのですが、そういった諸々はエリカさんの代わりにわたくしたち法務省の方で全て行いますのでご安心下さいませ。お二人が特に何かする必要はございません」
「マジか。ありがとうヒナギクさん、助かるよ」
「ふむふむ、果報は寝て待てというわけですね。お心遣いに感謝します」
国籍と戸籍があれば、エリカは正真正銘の日本人になれる。
しかも面倒な手続きは全部向こうでやってくれるときた。
正直な話、帰化申請をしろとか急に言われてもさ?
どうやればいいか俺にはさっぱりだもん。
とりあえずインターネットでやり方を検索してみるところからスタートかな?
しかも探せたとしても、できるかどうかはまた別の話だし。
お役所の申請書ってむやみやたらと難解なんだよなぁ……。
とまぁヒナギクさんの提案を聞いた俺は「さすがは最強ステータスの1つ国家公務員だなぁ」と俺は感心したんだけど。
次の一言だけがいただけなかった。
「ではとりあえず、お二人は夫婦ということでよろしいですわね?」
「よくねーよ」「よろしいです!」
反射的に正反対の答えを口に出してから、俺とエリカはお互いの顔を見あわせた。
すぐにエリカが「むむっ!」という顔をする。
「もういいじゃないですかトール。年貢の納め時ですよ、いい加減観念してください。どうせ早いか遅いかの違いなんですから」
「いい加減観念もなにも、俺とエリカは出会ってまだ24時間くらいしか経ってないと思うんだが」
あまりに濃密な展開すぎて、しかもエリカがぐいぐいととてもフレンドリーに俺との距離を詰めてくるから、まるでさも昔からの知り合いであるかのような感じがしてくるけど、俺たちはまだ出会って1日である。
(ほんと全然そんな気がしないんだよな。俺とエリカは波長が合うってことなのかな? そういう意味では結婚しても上手くいきそうではあるかもだけど)
「でもエッチしましたよね?」
「うぐ……っ」
「出会ってまだ24時間くらいしか経ってないのに、もう何度もエッチしちゃいましたよね?」
「いやまぁそうなんだけどさ? 仮にそうだとしても、その、昨日もちょっと言ったかもだけど、やっぱり結婚ってのはもっとこう重いものだと俺は思うんだよな」
「そうですか? 日本では婚約届けさえ出せば結婚できると聞いておりますよ? だから世間を欺くための偽装結婚だの仮面夫婦だの、果ては家庭内別居なんて言葉もあるのだとか」
「お前ほんとなんでも知ってるよな……」
エリカの知識の幅広さに、俺はちょっと呆れ気味につぶやく。
お前の前世はなんでも知ってる羽川さんか?
応援ありがとうございます!
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