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第2章 朝5時にピンポン連打する金髪ネコ耳公務員さん
第29話 それを持ち出されると俺もちょっと痛い……
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「ちょ、ちょっと!? 勝手に入られたら困るんだけど。住居不法侵入だぞ?」
人の家に勝手に入ることは、刑法に定められたれっきとした犯罪だ。
慌ててとっさに両手を広げ、金髪メイドお姉さんの進路を身体全体でブロックした俺に対して、
「あら、じゃあお聞きしますけど。1人用の賃貸に大家さんの同意もなくこっそり女の子を同居させるのは問題ないのでしょうか?」
金髪メイドお姉さんは、極上の笑みを浮かべながらそんなセリフを言いやがったのだ。
「な、ななな、なんでそれを!? き、君はいったい――!?」
大家さんに内緒でエリカと同棲するという、大変痛いところを突かれてしまってしどろもどろになっちゃう俺。
というのも、これはいわゆる正当な退去事由に相当してしまうからだ。
この部屋は1人用賃貸物件なので、他人を長期にわたって住まわせることは完全な契約違反になる。
(いや今は俺が契約違反したかどうかなんてことはどうでもいい! それよりもなによりもこの金髪メイドお姉さんが、エリカの存在を知っていることのほうが重要だろ!)
俺のことだけじゃなく、昨日この世界に来たばかりのエリカのことを知ってるとか、どう考えても悪い予感しかしてこないからな!
しかも間が悪いことに、
「トール、まだ不逞の輩とお話し中なんですか?」
いつまでたっても玄関で話をしているままの俺にしびれを切らしたのか、エリカが玄関にやってこようとしていた。
つまりここまでの状況をざっくりと整理すると。
俺のことは、異世界人のエリカを匿っているのがどんな人間かってだけで、ついでで調べられただけ。
この金髪メイドお姉さんの真の目的は、俺ではなく異世界から来たエリカってことだよな!?
まさか異世界人であるエリカを拉致しようってか!?
モルモットみたいにエリカを研究対象にでもしようってのかよ!
(くっ! エリカはこの世界に頼れる人間が俺しかいないんだ。だから俺がエリカを守ってやらないといけないんだ! 俺が守らないで誰エリカを守るんだ!! うぉぉぉっ!!!)
「エリカ、こっちに来るんじゃない! 今すぐ逃げろ!」
「はい?」
俺の脇をすり抜けようと身体を動かした金髪メイドお姉さんの動きに合わせて、両手を広げて通せんぼしたまま俺は身体をスライドさせてブロックを続ける。
「理由は後で話す! 昨日教えたよな、ベランダに火事とかの緊急時用の非常階段があるから、今すぐここから離れるんだ! ここにいたら拉致されるぞ!」
必死に侵入をガードしながら、まだ部屋にいるエリカに俺は背中越しに叫ぶように呼び掛けた。
「いえあの、なにか誤解をされているようですが、わたくしの目的は――」
しかしなんということだろうか!
昨日の夜遅くまでエリカと夜の異世界交流に精を出し過ぎて睡眠不足だったのと、寝起きですぐに大声を出したせいか。
俺は一瞬フッと意識が遠くなってふらついてしまい、そのままバランスを崩してしまったのだ――!
「きゃぁっ!?」
「うわわっ!?」
ドサッ、ドサドサンッ!
そして金髪メイドお姉さんともつれるようにして、玄関で倒れ込んでしまう。
「ぁ……っ♡ ん……っ♡ はぁっ♡ あっ♡」
ふよん。
ふよふよん。
するとなぜか、俺の手の中に尋常ならざる柔らかい感触があった。
人の家に勝手に入ることは、刑法に定められたれっきとした犯罪だ。
慌ててとっさに両手を広げ、金髪メイドお姉さんの進路を身体全体でブロックした俺に対して、
「あら、じゃあお聞きしますけど。1人用の賃貸に大家さんの同意もなくこっそり女の子を同居させるのは問題ないのでしょうか?」
金髪メイドお姉さんは、極上の笑みを浮かべながらそんなセリフを言いやがったのだ。
「な、ななな、なんでそれを!? き、君はいったい――!?」
大家さんに内緒でエリカと同棲するという、大変痛いところを突かれてしまってしどろもどろになっちゃう俺。
というのも、これはいわゆる正当な退去事由に相当してしまうからだ。
この部屋は1人用賃貸物件なので、他人を長期にわたって住まわせることは完全な契約違反になる。
(いや今は俺が契約違反したかどうかなんてことはどうでもいい! それよりもなによりもこの金髪メイドお姉さんが、エリカの存在を知っていることのほうが重要だろ!)
俺のことだけじゃなく、昨日この世界に来たばかりのエリカのことを知ってるとか、どう考えても悪い予感しかしてこないからな!
しかも間が悪いことに、
「トール、まだ不逞の輩とお話し中なんですか?」
いつまでたっても玄関で話をしているままの俺にしびれを切らしたのか、エリカが玄関にやってこようとしていた。
つまりここまでの状況をざっくりと整理すると。
俺のことは、異世界人のエリカを匿っているのがどんな人間かってだけで、ついでで調べられただけ。
この金髪メイドお姉さんの真の目的は、俺ではなく異世界から来たエリカってことだよな!?
まさか異世界人であるエリカを拉致しようってか!?
モルモットみたいにエリカを研究対象にでもしようってのかよ!
(くっ! エリカはこの世界に頼れる人間が俺しかいないんだ。だから俺がエリカを守ってやらないといけないんだ! 俺が守らないで誰エリカを守るんだ!! うぉぉぉっ!!!)
「エリカ、こっちに来るんじゃない! 今すぐ逃げろ!」
「はい?」
俺の脇をすり抜けようと身体を動かした金髪メイドお姉さんの動きに合わせて、両手を広げて通せんぼしたまま俺は身体をスライドさせてブロックを続ける。
「理由は後で話す! 昨日教えたよな、ベランダに火事とかの緊急時用の非常階段があるから、今すぐここから離れるんだ! ここにいたら拉致されるぞ!」
必死に侵入をガードしながら、まだ部屋にいるエリカに俺は背中越しに叫ぶように呼び掛けた。
「いえあの、なにか誤解をされているようですが、わたくしの目的は――」
しかしなんということだろうか!
昨日の夜遅くまでエリカと夜の異世界交流に精を出し過ぎて睡眠不足だったのと、寝起きですぐに大声を出したせいか。
俺は一瞬フッと意識が遠くなってふらついてしまい、そのままバランスを崩してしまったのだ――!
「きゃぁっ!?」
「うわわっ!?」
ドサッ、ドサドサンッ!
そして金髪メイドお姉さんともつれるようにして、玄関で倒れ込んでしまう。
「ぁ……っ♡ ん……っ♡ はぁっ♡ あっ♡」
ふよん。
ふよふよん。
するとなぜか、俺の手の中に尋常ならざる柔らかい感触があった。
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