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第1章 朝5時にピンポン連打する異世界押しかけ妻

第4話 どうやら、俺が異世界から美少女巫女さんを召喚したらしい。

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「とりあえず落ち着いたでしょうか」

 10分ほど俺にぷるるんおっぱいを堪能させてくれてから、エリカはそう言うと俺から離れて起き上がった。

「う、うん。ありがとうございました」

 おっぱいの魔力を初体験した俺は、心からの感謝の気持ちを伝えた。

「これでおっぱいばっかり見ずにお話しできますよね」
「はい、その節は誠に申し訳ありませんでした」

 おっぱいの魔力から解放された俺は、心からの謝罪の言葉を述べた。

「それで話を戻すんだけど、俺が異世界を救った勇者――だって?」
「そうですよ」

「いやないから」
 俺はもう一度断言した。

「いいえありありです」
「いやいやないってば」

「ありありのありあり、ありおりはべりいまそかりです」

「だって人生の目標もなく楽単ばっかりとってとりあえず大学卒業して。その後もとりあえず面接に受かった小さな会社に就職して、流されるように10年も生きてしまった俺の人生のいったいどこに、異世界を救ったなんてつよつよ要素があるんだよ?」

 俺は日本全国どこにでもいる、典型的な冴えない30過ぎの独身男性だ。

 いや今は会社が倒産して無職になっちゃったんで、その典型的なところからすらあぶれてはいるんだけど。

「エリカも嘘をつくならもうちょっとましな嘘をついたほうがいいぞ?」

 最後は怒るを通り越してこの美少女が可哀そうになっちゃった俺は、ちょっとだけ優しく言ってあげることにした。

 だっておっぱいを触らせてもらったしな。
 柔らかかったもんな。
 ふわふわで、やわやわで、ぷるるんだった。

 そんな風に可愛い女の子のおっぱいを触っておいて「君ちょっと頭おかしいんじゃない?」とかストレートには言えないでしょ、常識的に考えて。

「いいえ、嘘じゃありません」
 しかしエリカそれでもまだ自説を曲げようとはしなかった。

「そうは言っても俺のどこが勇者なんだよ? 異世界を救ったって言うけど、俺がその異世界とやらで何をしたってんだよ?」

「いいえ、何もしていませんよ?」

「俺はそんなことした覚えは――って何もしてないんかい!! ならなんで何もしてない俺が、異世界を救った勇者なんだよ?」

 いやほんと、なにを言ってんだ?
 論理破綻しすぎだろ。
 あまりにあまりすぎて、秒で論破してしまったわ。

「それはですね、わたしを召喚したからです、えっへん!」

 しかしエリカは胸を張ってそう言った。
 おっぱいがドヤ顔して揺れた。

「君を召喚……? そもそも召喚した覚えがないんだけど? っていうか俺はそんなトンデモスキルは持ってないし」

 そう、本当に大前提からしておかしい。
 こちとらなんせ普通の労働者だ。

 あ、いや今は無職で失業手当を受給中なんだけど、つい先日まではほぼほぼ10年、毎日ちゃんと真面目に働いていたんだよ?

 つまり俺は風が吹いて桶屋が儲かったとしても、きっと俺には何の影響もないであろうザ・一般ピープルなのでああった。

 そんな俺に異世界から美少女巫女さんを召喚する、などという特殊能力が備わっているはずはない。

 いや、もしかしたらワンチャンって妄想したり、ちょっと召喚魔法の練習をしてみたり、女の子が空から降ってこないかなって思って通勤途中に空を見上げたりはそりゃしちゃうけどさ?

 でもそんなのはアニオタを長くやっていれば、俺に限らず誰しも一度はやってることだろうからな。

 つまりこれはエリカが嘘を言っているか、致命的な人違いをしているかのどちらかだと俺は当たりを付けた。

 あと、もしかしたら頭か心の深刻な病気なのかもしれないな。
 もしそうだったらもっと優しくしてあげないとだ。

 しかし当のエリカときたら、

「そんなはずはありません。確かに勇者様、つまりあなたから召喚の願いと召喚する力を感じました。それはもう間違いありません」

 かたくなにそう主張してくるのだ。
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