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第1章 朝5時にピンポン連打する異世界押しかけ妻
第2話「お願い中に! 中に入れてください!」
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「……ええっとなにこの状況? ああ、うん、分かった。これは夢だな」
状況:美少女が俺の家にやってくる。
結論:どう考えても夢だった。
行動:よし、寝よう。
「夢ではありませんよ」
「うおおっ!? すっげぇリアルな反応が返ってきたぞ!? 俺の妄想力ってヤバくない? ここまで来ると自分で自分が怖いんだけど。実は精神病んでない?」
人間の知性や思考力の進化に伴って、そこから生み出される夢もまた進化しているのかもしれないな。
夢進化論とでも名付けよう。
「いいえ妄想ではありません、現実です」
「ん? でも俺さっきまで寝てたよな?」
「もう、お寝坊さんですねぇ♪」
「今は朝5時だっつーの! ああ、つまり夢の中で夢を見ているってやつか。『多重夢』とか『夢中夢』って言うんだよな」
ふむ。
昨日遅くまで深夜アニメを見ていたから、まだちょっと疲れが残っているんだろう。
リアタイ実況で夜更かしとかアニオタには稀によくある話だから。
今は無職だから時間は有り余るほどあるしな!(血涙
俺は三次元と二次元を混同したりはしない、極めて常識的かつ一般的なごくごく普通のアニオタなので、そう結論付けた。
幸いなことに今は失ぎょ――こほん、国にも認められた労働者の特別な長期休暇中だ。
今日も明日も明後日も、どころか半年ほど働かなくても国から失業手当というお金を合法的に給付してもらえる、いわば特権階級なのだ。
実のところ10年働いた会社が倒産したのは俺なりに結構ショックだったので、精神的な面からもしばらくはゆっくり過ごそうと思っていた。
となれば疲れをとるためにももう一度寝なおすのが一番だな。
夢の中だけど。
「ってなわけで、おやすみなさい」
完璧な結論を得た俺はドアを閉めて寝に戻ろうとした。
この美少女が出てくる夢も捨てがたいけど、俺としてはやっぱりさっきの全チートフル装備のモテモテハーレムおっぱいがいっぱい異世界転移の続きが見たいなぁ。
惨めな現実を、せめて夢の中くらいは忘れていたいから……。
「ってちょっとちょっと、ドアを閉めないでくださいよドアを」
しかし美少女は玄関にガツンと足を突っ込むと、ドアを閉めるのを妨害してきやがったのだ。
その拍子におっぱいが揺れた。
谷間が激しく強調されている胸元がぷるるんと揺れた。
「ご、ごくり……。――じゃなくて! えっと? 足が邪魔でドアを閉められないんだけど? 足を抜いてくれないかな?」
「ドアを閉められないように足を入れましたので」
「……これはいわゆる一つの不法侵入というやつでは?」
「は、入ってませんよ! 入ったとしても先っちょだけですから! 先っちょだけならいいでしょ、ね? ねね? それに入っちゃったんだから、もう全部入れても一緒ですよね!? じゃあ入っちゃいます!」
「パパ活で強引に本番しようとするおっさんみたいな気持ち悪いこと言ってんじゃねぇよ! いいからその足を引っ込めろ!」
あ、パパ活うんぬんは想像です。
パパ活とかとてもじゃないけど怖くてできないので。
巨乳の女の子とエッチな関係にはなりたいけれど、だからといって見ず知らずの若い女の子と会って話をして、そこからさらに大人の関係になるとかコミュ力皆無のアニオタにはハードルが高すぎると思うんです。
個人情報抜かれて脅されるのも怖いし。
「だって足を引っ込めると、ドアを閉められるじゃないですか」
「ドアを閉めるからその足をひっこめろって言ってるんだよ」
「だから足をひっこめたらドアを閉めるじゃないですか」
「ドアを閉めるから足をひっこめろっつってんだよ!」
「お願い中に! 中に入れてください! わたし、中がいいんです! お願いです、中に! 早く中に入れてぇっ!」
「ご近所様が聞いたら盛大に勘違いするようなことを、朝早くから大声で叫ぶのはやめてくれえっ!!」
俺はたまらず悲鳴を上げた。
状況:美少女が俺の家にやってくる。
結論:どう考えても夢だった。
行動:よし、寝よう。
「夢ではありませんよ」
「うおおっ!? すっげぇリアルな反応が返ってきたぞ!? 俺の妄想力ってヤバくない? ここまで来ると自分で自分が怖いんだけど。実は精神病んでない?」
人間の知性や思考力の進化に伴って、そこから生み出される夢もまた進化しているのかもしれないな。
夢進化論とでも名付けよう。
「いいえ妄想ではありません、現実です」
「ん? でも俺さっきまで寝てたよな?」
「もう、お寝坊さんですねぇ♪」
「今は朝5時だっつーの! ああ、つまり夢の中で夢を見ているってやつか。『多重夢』とか『夢中夢』って言うんだよな」
ふむ。
昨日遅くまで深夜アニメを見ていたから、まだちょっと疲れが残っているんだろう。
リアタイ実況で夜更かしとかアニオタには稀によくある話だから。
今は無職だから時間は有り余るほどあるしな!(血涙
俺は三次元と二次元を混同したりはしない、極めて常識的かつ一般的なごくごく普通のアニオタなので、そう結論付けた。
幸いなことに今は失ぎょ――こほん、国にも認められた労働者の特別な長期休暇中だ。
今日も明日も明後日も、どころか半年ほど働かなくても国から失業手当というお金を合法的に給付してもらえる、いわば特権階級なのだ。
実のところ10年働いた会社が倒産したのは俺なりに結構ショックだったので、精神的な面からもしばらくはゆっくり過ごそうと思っていた。
となれば疲れをとるためにももう一度寝なおすのが一番だな。
夢の中だけど。
「ってなわけで、おやすみなさい」
完璧な結論を得た俺はドアを閉めて寝に戻ろうとした。
この美少女が出てくる夢も捨てがたいけど、俺としてはやっぱりさっきの全チートフル装備のモテモテハーレムおっぱいがいっぱい異世界転移の続きが見たいなぁ。
惨めな現実を、せめて夢の中くらいは忘れていたいから……。
「ってちょっとちょっと、ドアを閉めないでくださいよドアを」
しかし美少女は玄関にガツンと足を突っ込むと、ドアを閉めるのを妨害してきやがったのだ。
その拍子におっぱいが揺れた。
谷間が激しく強調されている胸元がぷるるんと揺れた。
「ご、ごくり……。――じゃなくて! えっと? 足が邪魔でドアを閉められないんだけど? 足を抜いてくれないかな?」
「ドアを閉められないように足を入れましたので」
「……これはいわゆる一つの不法侵入というやつでは?」
「は、入ってませんよ! 入ったとしても先っちょだけですから! 先っちょだけならいいでしょ、ね? ねね? それに入っちゃったんだから、もう全部入れても一緒ですよね!? じゃあ入っちゃいます!」
「パパ活で強引に本番しようとするおっさんみたいな気持ち悪いこと言ってんじゃねぇよ! いいからその足を引っ込めろ!」
あ、パパ活うんぬんは想像です。
パパ活とかとてもじゃないけど怖くてできないので。
巨乳の女の子とエッチな関係にはなりたいけれど、だからといって見ず知らずの若い女の子と会って話をして、そこからさらに大人の関係になるとかコミュ力皆無のアニオタにはハードルが高すぎると思うんです。
個人情報抜かれて脅されるのも怖いし。
「だって足を引っ込めると、ドアを閉められるじゃないですか」
「ドアを閉めるからその足をひっこめろって言ってるんだよ」
「だから足をひっこめたらドアを閉めるじゃないですか」
「ドアを閉めるから足をひっこめろっつってんだよ!」
「お願い中に! 中に入れてください! わたし、中がいいんです! お願いです、中に! 早く中に入れてぇっ!」
「ご近所様が聞いたら盛大に勘違いするようなことを、朝早くから大声で叫ぶのはやめてくれえっ!!」
俺はたまらず悲鳴を上げた。
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