美少女だらけの姫騎士学園に、俺だけ男。~神騎士LV99から始める強くてニューゲーム~

マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫

文字の大きさ
上 下
128 / 132
第4章 ヒロインズ・バトル

第126話 アリエッタとの恋人としての会話

しおりを挟む
 事情聴取が終わり、すっかり夜も遅くなってから。

 俺はアリエッタの部屋でお話をしていた。

 両想いとなって初めてとなる『恋人としての会話』である。
 むふふ。
 ヤバい、にやけるのが止まらない。

「きょ、今日は大変だったわね」
「お、おう。なにせ最強の魔獣ドラゴンの討伐だからな」

「つ、強かったわね」
「お、おう。なにせ相手は最強の魔獣ドラゴンだからな」

「ぜ、全然攻撃が通らなくてびっくりしたわ」
「お、おう。なにせドラゴンは最強の魔獣だからな」

「じ、事情聴取も遅くまでかかっちゃったし、せっかくのブレイビア祭だったのに、やんなっちゃう」

「お、おう。なにせ最強の魔獣ドラゴン討伐だからな」

 お互いに分かりきった内容で、何の中身もない会話なんだけど、推しの子アリエッタではなく恋人アリエッタとの会話だと思うと、それだけで幸せな気分になってくるから不思議だ。

 今なら空も飛べちゃいそう!
 I can fly!

「っていうかさっきからユータ、同じ事ばっかり言ってない?」
「悪い、ちょっと緊張していて。上手く頭が回らないと言うか。空なら飛べそうなんだけど」

「ふふっ、風魔法を使うルナじゃないんから、ユータは空は飛べないでしょ」
「まぁな」

 そこで会話が止まってしまい、沈黙が場を支配する。
 しかしそれは決して嫌な沈黙ではなく、ドキドキとそわそわを伴ったこそばゆい沈黙だった。

 チラリと脇に視線を向けると、アリエッタのベッドが目に入る。

 今までは添い寝するだけだったが、恋人になった以上はその、『そういうこと』もしたり、されたり、しちゃったり、されちゃったりするのだろうか!?

 いやいやでもでも、まだ俺たちは学園生だしな。
『そういうこと』は少し早いかもしれない。
 子供は計画的に作らないと夫婦仲にも影響するって、昔ネットかなんかで見たことがあるし。

 などと俺が若干、邪なことを考えていると、コンコンと部屋の扉がノックされた。

「こんな遅い時間に誰だろ? もしかしてブレイビア騎士団の聴取官かな?」
「聞き忘れたことがあったのかもしれないわね。ちょっと出てくるわ。はーい。今、出まーす」

 アリエッタが共用ルームを抜けて部屋のドアを開けると、

「夜分に失礼しますわね、アリエッタ・ローゼンベルク」
 ユリーナの声が聞こえてきた。

 ユリーナ?
 こんな時間にどうしたんだろう?
 知らない仲でもないし、俺もちょっと顔を出してくるか。

「なにユリーナ。こんな時間になにか用?」

「用があるのは、あなたではなくユウタ様ですわアリエッタ・ローゼンベルク」

「俺?」
 俺が顔を出すとユリーナにっこりと極上の笑みを浮かべた。

「ええ。本日のジラント・ドラゴンとの激闘の祝勝会をしようと思いまして、こうしてお声がけに参ったと言うわけです」

「祝勝会なら、学園が後日やってくれるって言ってたじゃない」
「それとは別に、気のおける仲間との内々の会で、今日の激闘を振り返りつつ親睦を深めたいと思いまして」

「もう遅いし、別にそんなのしていらないわ。じゃあね、お休み」
 アリエッタはにべもなく断ったのだが、

「あら、どうしましょう? わたくしもうすっかりその気で、準備をしてきてしまいましたわ」

 その言葉とともにユリーナの後ろから大きな荷物を持ったキララとクララが現れた。

 特にキララは、それはもう大量の荷物を抱えて&背負っている。
 今から登山かキャンプにでも行くのかって感じだ。

「そのまま持って帰ればいいでしょ」
 しかしそれを見ても、アリエッタはツンツンつれない態度を崩さない。

 なんだかいつもよりイラつき度合いが大きい気がする。

 もしかして、2人きりで話していたのを邪魔されて怒ってるのかな?
 なーんて俺の想像は、あながち間違っていないかもしれない。

 さすがデレエッタ。
 可愛い奴だな、もう!

 そんなことを考えながら、俺はどうにも多すぎる荷物について、尋ねてみた。
 さすがに気になる。

「しかしすごい荷物だな。いったい何が入ってるんだ?」

「おにーさん……(´;ω;`)」
 すると大量の荷物を持ったキララが、なぜか涙目で俺を見た。
しおりを挟む
感想 109

あなたにおすすめの小説

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

スローライフとは何なのか? のんびり建国記

久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。 ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。 だけどまあ、そんな事は夢の夢。 現実は、そんな考えを許してくれなかった。 三日と置かず、騒動は降ってくる。 基本は、いちゃこらファンタジーの予定。 そんな感じで、進みます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

処理中です...