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第4章 ヒロインズ・バトル
第120話「俺は――俺はアリエッタを好きだから」
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――したんだけど。
ちょっとだけ、心の準備期間が欲しいんだ。
だって、なぁ?
『それ』が簡単には言えないから。
直接では伝えづらいから。
だからみんな『推し』って言葉で代用しているわけだろ?
俺はどうにも早まる動悸をなんとか落ち着けようとして――諦めた。
そんな簡単にこの言葉が言えたら、誰も苦労はしない。
そう。
これを言うからには、俺の全てを賭ける覚悟が必要だった。
全て――それには当然、命も入る。
つまりは討ち死にしても構わないというくらいの強い覚悟だ。
それくらいの圧倒的な覚悟が必要だった。
そう考えると、ジラント・ドラゴンと生死をかけた戦いの最中というシチュエーションは、ありっちゃありだよな。
むしろ今というタイミングを逃したら、この先2度と言えないまである。
つまりこれはチャンスなんだ!
そうだ、今言わずにいつ言うってんだ?
いつ言うの?
今でしょ!
俺は己の心をティーチャー・ハヤシで鼓舞し、ついに決意を固めた――!
「アリエッタ、聞いてくれ!」
「悪いけど今ちょっと取り込み中なの! カラミティ・インフェルノを暴走させてる所を、しらみつぶしにしてるんだから!」
アリエッタには即答で却下されるものの、
「とても大事な話なんだ」
俺はめげずにもう一度問いかけた。
「こっちも超大事な所なの!」
「そ、そうか」
俺は少し待つことにした。
ひ、日和った訳じゃないぞ!
本当だぞ!
「ええっと、メイン魔法式の途中で変なループをしちゃってるのが問題なんだから、迂回用のバイパスを入れてループ箇所をショートカットしてやれば……よし、OK!」
なんとか一段落ついたか?
さすがは俺の推しの子アリエッタだな!
「実は――」
「って! ループが回避できたと思ったら、今度はサブ魔法式が停止してる!? なんでよ、そこはさっきまで上手く動いていたじゃない! ああもう! 全体は維持しつつサブ魔法式を1から再構築……お願い動いて! よし、動いた!」
こ、今度こそ一息ついたか?
「アリエッタ、聞いてくれ。俺は――」
「ちょっと待って!? メイン魔法式と再起動したサブ魔法式がリンクしてないじゃない!? ってことはメインとサブの関連性が消失してる? リンクを再設定して同期し直さないと! ああもうほんと次から次へと! いい加減に言うこと聞きなさいっての、この分からず屋!」
これはもうあれだろ。
待っていたら始まらない。
だったらもう、言おう!
時間もないしな。
リューネの魔力回復で回復してもらった魔力も、かなり減ってしまっている。
なにより若干、日和りつつある俺の心が完全にモチベを失う前に言うんだ!
「アリエッタ!」
「だから今忙しいって――!」
「それでも聞いてくれ! アリエッタならできるって、俺は信じている」
「それさっきも聞いたから! 分かってるってば。私はユータの推しの子なんでしょ?」
「いいや違う!」
「え? だっていつも――」
カラミティ・インフェルノの制御に全精力を注ぎこんで俺には目もくれなかったアリエッタが、ビックリしたように俺を見た。
今の答えは相当、意外だったらしい。
よし、アリエッタが俺に意識を向けてくれた!
ここしかない!
行くぞ!
「俺は――俺はアリエッタを好きだから! アリエッタを愛しているから! 俺の愛するアリエッタなら絶対にできるはずだって、俺の心の真ん中が叫んでいるから! だから絶対に成功する!」
俺はついにその気持ちを、言葉にした。
『推し』という逃げ言葉ではなく、『好き』という言葉にして、アリエッタに想いを告げた。
言ったとたんに人生最大の羞恥心がこみ上げてきて、俺は自分の顔が真っ赤になるのが分かる。
そしてそれはアリエッタも同じようだった。
ちょっとだけ、心の準備期間が欲しいんだ。
だって、なぁ?
『それ』が簡単には言えないから。
直接では伝えづらいから。
だからみんな『推し』って言葉で代用しているわけだろ?
俺はどうにも早まる動悸をなんとか落ち着けようとして――諦めた。
そんな簡単にこの言葉が言えたら、誰も苦労はしない。
そう。
これを言うからには、俺の全てを賭ける覚悟が必要だった。
全て――それには当然、命も入る。
つまりは討ち死にしても構わないというくらいの強い覚悟だ。
それくらいの圧倒的な覚悟が必要だった。
そう考えると、ジラント・ドラゴンと生死をかけた戦いの最中というシチュエーションは、ありっちゃありだよな。
むしろ今というタイミングを逃したら、この先2度と言えないまである。
つまりこれはチャンスなんだ!
そうだ、今言わずにいつ言うってんだ?
いつ言うの?
今でしょ!
俺は己の心をティーチャー・ハヤシで鼓舞し、ついに決意を固めた――!
「アリエッタ、聞いてくれ!」
「悪いけど今ちょっと取り込み中なの! カラミティ・インフェルノを暴走させてる所を、しらみつぶしにしてるんだから!」
アリエッタには即答で却下されるものの、
「とても大事な話なんだ」
俺はめげずにもう一度問いかけた。
「こっちも超大事な所なの!」
「そ、そうか」
俺は少し待つことにした。
ひ、日和った訳じゃないぞ!
本当だぞ!
「ええっと、メイン魔法式の途中で変なループをしちゃってるのが問題なんだから、迂回用のバイパスを入れてループ箇所をショートカットしてやれば……よし、OK!」
なんとか一段落ついたか?
さすがは俺の推しの子アリエッタだな!
「実は――」
「って! ループが回避できたと思ったら、今度はサブ魔法式が停止してる!? なんでよ、そこはさっきまで上手く動いていたじゃない! ああもう! 全体は維持しつつサブ魔法式を1から再構築……お願い動いて! よし、動いた!」
こ、今度こそ一息ついたか?
「アリエッタ、聞いてくれ。俺は――」
「ちょっと待って!? メイン魔法式と再起動したサブ魔法式がリンクしてないじゃない!? ってことはメインとサブの関連性が消失してる? リンクを再設定して同期し直さないと! ああもうほんと次から次へと! いい加減に言うこと聞きなさいっての、この分からず屋!」
これはもうあれだろ。
待っていたら始まらない。
だったらもう、言おう!
時間もないしな。
リューネの魔力回復で回復してもらった魔力も、かなり減ってしまっている。
なにより若干、日和りつつある俺の心が完全にモチベを失う前に言うんだ!
「アリエッタ!」
「だから今忙しいって――!」
「それでも聞いてくれ! アリエッタならできるって、俺は信じている」
「それさっきも聞いたから! 分かってるってば。私はユータの推しの子なんでしょ?」
「いいや違う!」
「え? だっていつも――」
カラミティ・インフェルノの制御に全精力を注ぎこんで俺には目もくれなかったアリエッタが、ビックリしたように俺を見た。
今の答えは相当、意外だったらしい。
よし、アリエッタが俺に意識を向けてくれた!
ここしかない!
行くぞ!
「俺は――俺はアリエッタを好きだから! アリエッタを愛しているから! 俺の愛するアリエッタなら絶対にできるはずだって、俺の心の真ん中が叫んでいるから! だから絶対に成功する!」
俺はついにその気持ちを、言葉にした。
『推し』という逃げ言葉ではなく、『好き』という言葉にして、アリエッタに想いを告げた。
言ったとたんに人生最大の羞恥心がこみ上げてきて、俺は自分の顔が真っ赤になるのが分かる。
そしてそれはアリエッタも同じようだった。
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