101 / 132
第4章 ヒロインズ・バトル
第99話 行動開始!
しおりを挟む
一連の騒動の始まりを見て、俺たちも即座に行動を開始した。
「どうやら恐れていた事態が起こったみたいだ。行くぞみんな、奴と魔獣を倒す! 武具召喚、神竜剣レクイエム」
俺の言葉を皮切りに、
「武具召喚、炎の牙ティンカーベル!」
「武具召喚、凍てつく息吹ブリザーディア!」
「武具召喚、暴風の纏い手エアリアル!」
「武具召喚、水龍の角アクアホーン!」
「精霊召喚、我が身に宿れ! 怒りの精霊フラストレ!」
「武具召喚、雷鳴の剣シャインスパーク!」
俺の周囲にいた6姫騎士たちは全員が即座に武具召喚をすると、その視線が一斉に俺へと集まる。
俺の指示を待っているのだ。
どうやらいつぞやのようにリーダーを巡ってケンカすることもなく、満場一致で俺をリーダーに指名してくれるようだ。
なら話は早い。
「敵が近過ぎる。救援が来るのを待っている暇はない。俺たちで片を付けるぞ。闇落ちした姫騎士は俺が倒す。アリエッタ、ユリーナ、ルナ、キララの4人は魔獣の撃破を。リューネとクララは、第3王女を優先して守りつつ、民衆が安全に避難できるように援護も頼む」
「了解!」
「分かりましたわ」
「オッケー」
「あんな魔獣くらい、キララが出ていってぼっこぼこにしてやんよ!(>_<)」
「分かりました」
「かしこまりました」
俺の言葉に6姫騎士がうなずく。
「じゃあまずはみんなを向こう側に送るね。舞い風よ、力を貸して! エアリィ・バード! 消耗が大きくて短時間しか維持できないから急いで!」
まずはルナが風の魔法で編まれた巨大な鳥を頭上に顕現させ、俺たちはそれに飛び乗る。
「レッツ・ゴー! エアリィ・バード!」
ルナの掛け声とともに風の鳥が一度大きく羽ばたくと、大混乱の群衆やパレードの参加者を越えて、一瞬で闇落ち姫騎士と魔獣のいる直上に到達した。
さすがルナ。
コントロールは完璧だ!
「手筈通りに行くぞ!」
俺たちはエアリィ・バードから飛び降りると、行動を開始した!
「もらった!」
まずは一発入れようと直上からのダイビング不意打ちアタックを敢行した俺の攻撃を、闇落ち姫騎士は、戦っていた護衛の姫騎士を蹴り飛ばすと、ギリギリのところで回避してみせた。
「くっ、上からだと!? 姫騎士の攻撃か!」
「今の不意打ちをかわすか。やるな!」
「しかも男だと!? くっ、いったい何が起こっている!?」
「悪いがお前は俺が倒す!」
「ほざけ、子供が!」
「君は!?」
「ブレイビア学園生だ。仲間もいる! ここは俺たちに任せろ! あんたたちは第3王女の護衛に専念してくれ」
「かたじけない!」
護衛の姫騎士は大きくうなずくと、第3王女のもとへ向かった。
俺が闇落ち姫騎士と最初の交戦を行ったのと同時並行で、アリエッタたちが魔獣への攻撃を開始する。
チラリと向けた視線の先では、巨大なクマのようなずんぐりむっくりした魔獣を相手に、アリエッタとユリーナが息の合ったコンビネーション・アタックを見せていた。
「まずは動きを止めますわ! 天を穿て、アイシクル・スピア!」
ユリーナの放った氷の槍が1体の魔獣を下から鋭く突き上げる!
しかし魔獣を貫通することはできず、魔獣は煩わしそうに、地面からせり上がる氷の槍を跳ねのけようとして――、
「まだまだ行きますわよ! 凍り付け、フローズン・コート!」
さらにアイシクル・スピアが魔獣に触れたところから、氷の膜が魔獣を覆っていく。
まさに氷のコーティングだ。
倒せないまでも、動きを大きく鈍らせた魔獣に、
「ナイス、ユリーナ! 魔獣相手に手加減はしないわよ! 丸焼きにしてあげる! 燃え上がれ炎! ライオネル・ストライク・フルチャージ!」
激しい炎の獅子をまとったアリエッタが、若干ふらつきながらも一直線に突っ込んだ。
『グルギャァァァァァァァァァ――――ッッッッ!!』
魔獣は断末魔の悲鳴を上げて、魔力の塵と化した。
「まずは一体! 行けるわ!」
「油断は禁物ですわ。続けてもう1体いきますわよ!」
さすが学年を代表する2人のコンビネーション・アタック。
実に鮮やかな手際だった。
「それとフローズン・コートが溶けるのが早いわよ! もうちょっとかわされちゃうところだったじゃない!」
「何をおっしゃいます。あなたの魔法発動が遅かったのでしょう? わたくしのせいにしないでくださいます?」
「はぁ? じゃあなに? 私のせいだって言うの?」
「少なくともわたくしのせいではありませんわね」
……さすが犬猿の仲。
この緊迫した状況で、実にいつも通りのやり取りだった。
「どうやら恐れていた事態が起こったみたいだ。行くぞみんな、奴と魔獣を倒す! 武具召喚、神竜剣レクイエム」
俺の言葉を皮切りに、
「武具召喚、炎の牙ティンカーベル!」
「武具召喚、凍てつく息吹ブリザーディア!」
「武具召喚、暴風の纏い手エアリアル!」
「武具召喚、水龍の角アクアホーン!」
「精霊召喚、我が身に宿れ! 怒りの精霊フラストレ!」
「武具召喚、雷鳴の剣シャインスパーク!」
俺の周囲にいた6姫騎士たちは全員が即座に武具召喚をすると、その視線が一斉に俺へと集まる。
俺の指示を待っているのだ。
どうやらいつぞやのようにリーダーを巡ってケンカすることもなく、満場一致で俺をリーダーに指名してくれるようだ。
なら話は早い。
「敵が近過ぎる。救援が来るのを待っている暇はない。俺たちで片を付けるぞ。闇落ちした姫騎士は俺が倒す。アリエッタ、ユリーナ、ルナ、キララの4人は魔獣の撃破を。リューネとクララは、第3王女を優先して守りつつ、民衆が安全に避難できるように援護も頼む」
「了解!」
「分かりましたわ」
「オッケー」
「あんな魔獣くらい、キララが出ていってぼっこぼこにしてやんよ!(>_<)」
「分かりました」
「かしこまりました」
俺の言葉に6姫騎士がうなずく。
「じゃあまずはみんなを向こう側に送るね。舞い風よ、力を貸して! エアリィ・バード! 消耗が大きくて短時間しか維持できないから急いで!」
まずはルナが風の魔法で編まれた巨大な鳥を頭上に顕現させ、俺たちはそれに飛び乗る。
「レッツ・ゴー! エアリィ・バード!」
ルナの掛け声とともに風の鳥が一度大きく羽ばたくと、大混乱の群衆やパレードの参加者を越えて、一瞬で闇落ち姫騎士と魔獣のいる直上に到達した。
さすがルナ。
コントロールは完璧だ!
「手筈通りに行くぞ!」
俺たちはエアリィ・バードから飛び降りると、行動を開始した!
「もらった!」
まずは一発入れようと直上からのダイビング不意打ちアタックを敢行した俺の攻撃を、闇落ち姫騎士は、戦っていた護衛の姫騎士を蹴り飛ばすと、ギリギリのところで回避してみせた。
「くっ、上からだと!? 姫騎士の攻撃か!」
「今の不意打ちをかわすか。やるな!」
「しかも男だと!? くっ、いったい何が起こっている!?」
「悪いがお前は俺が倒す!」
「ほざけ、子供が!」
「君は!?」
「ブレイビア学園生だ。仲間もいる! ここは俺たちに任せろ! あんたたちは第3王女の護衛に専念してくれ」
「かたじけない!」
護衛の姫騎士は大きくうなずくと、第3王女のもとへ向かった。
俺が闇落ち姫騎士と最初の交戦を行ったのと同時並行で、アリエッタたちが魔獣への攻撃を開始する。
チラリと向けた視線の先では、巨大なクマのようなずんぐりむっくりした魔獣を相手に、アリエッタとユリーナが息の合ったコンビネーション・アタックを見せていた。
「まずは動きを止めますわ! 天を穿て、アイシクル・スピア!」
ユリーナの放った氷の槍が1体の魔獣を下から鋭く突き上げる!
しかし魔獣を貫通することはできず、魔獣は煩わしそうに、地面からせり上がる氷の槍を跳ねのけようとして――、
「まだまだ行きますわよ! 凍り付け、フローズン・コート!」
さらにアイシクル・スピアが魔獣に触れたところから、氷の膜が魔獣を覆っていく。
まさに氷のコーティングだ。
倒せないまでも、動きを大きく鈍らせた魔獣に、
「ナイス、ユリーナ! 魔獣相手に手加減はしないわよ! 丸焼きにしてあげる! 燃え上がれ炎! ライオネル・ストライク・フルチャージ!」
激しい炎の獅子をまとったアリエッタが、若干ふらつきながらも一直線に突っ込んだ。
『グルギャァァァァァァァァァ――――ッッッッ!!』
魔獣は断末魔の悲鳴を上げて、魔力の塵と化した。
「まずは一体! 行けるわ!」
「油断は禁物ですわ。続けてもう1体いきますわよ!」
さすが学年を代表する2人のコンビネーション・アタック。
実に鮮やかな手際だった。
「それとフローズン・コートが溶けるのが早いわよ! もうちょっとかわされちゃうところだったじゃない!」
「何をおっしゃいます。あなたの魔法発動が遅かったのでしょう? わたくしのせいにしないでくださいます?」
「はぁ? じゃあなに? 私のせいだって言うの?」
「少なくともわたくしのせいではありませんわね」
……さすが犬猿の仲。
この緊迫した状況で、実にいつも通りのやり取りだった。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!


十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる