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第4章 ヒロインズ・バトル
第97話 危機の予兆
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俺が思い出したのは王都でテロ未遂事件が起こって、それを取り押さえるイベントだ。
ブレイビア祭ではなかったが、たしかあのイベントの犯人は――魔獣を召喚する特殊な魔法を使う姫騎士だった――群衆の中にやってきた王族を狙って魔獣を解き放った。
テロは往々にして一番効果的な相手を狙うのだ。
あの時の犯人はたしか超一流の姫騎士だったよな。
そして灰色のローブをまとっていた。
いろいろとビンゴすぎる。
俺はさらに記憶を思い返す。
たしか犯人は、ブレイビアレッドをまとうことが許された元エリート姫騎士だったが、粗雑な性格に難があり、気に入らない同僚の姫騎士を決闘と称していたぶるなどの残虐行為を行っていた。
さらには姫騎士至上主義だかなんだかそんな感じの、姫騎士こそが選ばれし人間だという考えに傾倒し、庶民どころか王侯貴族も見下すようになり、ついにはブレイビア騎士団を追放されたとか、そんなバックボーンだった。
そしてエリート姫騎士という地位も名誉も失った彼女は闇落ちし、世の中を恨んで王族を狙ったテロを起こしたのだ。
もしこれがその事件と同類のものだとしたら、犯人には俺が対峙したほうがよさそうだ。
なにせかつてブレイビア騎士団のエリートだった姫騎士だ。
アリエッタたちにもしものことがあったらまずいからな。
「なぁ、この後に王族絡みの何かがあったりするか?」
俺はアリエッタに尋ねた。
「王族絡み? だったらもうすぐ第3王女がパレードに出てくるはずよ。美人と評判の第3王女が美しく着飾って沿道に手を振るイベントは、仮装パレードの一番の見どころだからね……そっか、そういうことね」
「なるほどですわ、ユータ様。狙うとしたら、第3王女というわけですわね?」
アリエッタとユリーナがほぼ同時に、納得するようにうなずいた。
ほんとどこまでも仲がいい2人である。
「観客との距離も近いし、この人出だろ? どうしても警備は完璧じゃなくなる。姫騎士も護衛についているだろうが、何かをしでかすならそのタイミングの可能性は高いかなって」
ソシャゲの前知識もあって、俺はほぼ確信に近いものを抱いていた。
「皆さん、聞きましたわね。第3王女が近づいた時に何かが起こる可能性があります。即座に動ける準備をしておいてくださいな」
話をまとめつつ指示を出すユリーナ。
「なんであんたが仕切ってるのよ」
そして即座にかみつくアリエッタ。
「仕切るなんてとんでもない、この場のリーダーはユウタ様ですわ」
「そんな風には見えないんだけど」
「ですがユウタ様にこのような実務で手を煩わせるのは、好ましくありません。よってユウタ様の右腕たるわたくしが、ユウタ様に代わって指示を出しているのです」
「どうしてユリーナが、ユータの右腕なのよ!」
「定められた運命ですわ」
「なにが運命よ。私はユータのお世話係なんだからねっ」
「わかったわかった。やっぱり指示は俺が出すから、2人とも従ってくれな。な?」
仲良し2人が、いつものアレを始めようとしたのを、俺は慌てて仲裁した。
ほんとアリエッタとユリーナは仲が良いよなぁ。
だって本気で嫌い合ってたら、会話なんてしないもんな。
ともあれ、俺たちは仮装パレードを楽しみつつ、フードの女を監視することにした。
できれば何ごともないように、と願いながら。
取り越し苦労ならそれに越したことはない。
しかし事件は起こってしまった。
ブレイビア祭ではなかったが、たしかあのイベントの犯人は――魔獣を召喚する特殊な魔法を使う姫騎士だった――群衆の中にやってきた王族を狙って魔獣を解き放った。
テロは往々にして一番効果的な相手を狙うのだ。
あの時の犯人はたしか超一流の姫騎士だったよな。
そして灰色のローブをまとっていた。
いろいろとビンゴすぎる。
俺はさらに記憶を思い返す。
たしか犯人は、ブレイビアレッドをまとうことが許された元エリート姫騎士だったが、粗雑な性格に難があり、気に入らない同僚の姫騎士を決闘と称していたぶるなどの残虐行為を行っていた。
さらには姫騎士至上主義だかなんだかそんな感じの、姫騎士こそが選ばれし人間だという考えに傾倒し、庶民どころか王侯貴族も見下すようになり、ついにはブレイビア騎士団を追放されたとか、そんなバックボーンだった。
そしてエリート姫騎士という地位も名誉も失った彼女は闇落ちし、世の中を恨んで王族を狙ったテロを起こしたのだ。
もしこれがその事件と同類のものだとしたら、犯人には俺が対峙したほうがよさそうだ。
なにせかつてブレイビア騎士団のエリートだった姫騎士だ。
アリエッタたちにもしものことがあったらまずいからな。
「なぁ、この後に王族絡みの何かがあったりするか?」
俺はアリエッタに尋ねた。
「王族絡み? だったらもうすぐ第3王女がパレードに出てくるはずよ。美人と評判の第3王女が美しく着飾って沿道に手を振るイベントは、仮装パレードの一番の見どころだからね……そっか、そういうことね」
「なるほどですわ、ユータ様。狙うとしたら、第3王女というわけですわね?」
アリエッタとユリーナがほぼ同時に、納得するようにうなずいた。
ほんとどこまでも仲がいい2人である。
「観客との距離も近いし、この人出だろ? どうしても警備は完璧じゃなくなる。姫騎士も護衛についているだろうが、何かをしでかすならそのタイミングの可能性は高いかなって」
ソシャゲの前知識もあって、俺はほぼ確信に近いものを抱いていた。
「皆さん、聞きましたわね。第3王女が近づいた時に何かが起こる可能性があります。即座に動ける準備をしておいてくださいな」
話をまとめつつ指示を出すユリーナ。
「なんであんたが仕切ってるのよ」
そして即座にかみつくアリエッタ。
「仕切るなんてとんでもない、この場のリーダーはユウタ様ですわ」
「そんな風には見えないんだけど」
「ですがユウタ様にこのような実務で手を煩わせるのは、好ましくありません。よってユウタ様の右腕たるわたくしが、ユウタ様に代わって指示を出しているのです」
「どうしてユリーナが、ユータの右腕なのよ!」
「定められた運命ですわ」
「なにが運命よ。私はユータのお世話係なんだからねっ」
「わかったわかった。やっぱり指示は俺が出すから、2人とも従ってくれな。な?」
仲良し2人が、いつものアレを始めようとしたのを、俺は慌てて仲裁した。
ほんとアリエッタとユリーナは仲が良いよなぁ。
だって本気で嫌い合ってたら、会話なんてしないもんな。
ともあれ、俺たちは仮装パレードを楽しみつつ、フードの女を監視することにした。
できれば何ごともないように、と願いながら。
取り越し苦労ならそれに越したことはない。
しかし事件は起こってしまった。
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