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第4章 ヒロインズ・バトル
第92話 みたらし団子で、間接キッス(?)
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「押してダメなら自分も乗っかればいい。やるじゃんアリエッタ。アタシ、アリエッタのそういうところ嫌いじゃないよ?」
むにゅむにゅ、むにゅり。
「私もルナの物怖じしない性格は嫌いじゃないわ」
むにゅむにゅ、むにゅり。
「「ふふふふ」」
むにゅむにゅ、むにゅり。×2
俺を挟んでルナとアリエッタがむにゅむにゅさせながら、にっこりと笑い合った。
「微妙についていけてないんだけど、やっぱり2人の仲は良さそう……だよな?」
「あははは……まぁ、仲はいいんじゃないでしょうか? 根っこにある積極的な性格はそっくりですし、好みのタイプも似てるみたいですし?」
俺のつぶやきに、リューネがまたもや苦笑を返した。
――などという大変、心温まる(?)やり取りを終え。
俺は左腕をアリエッタに、右腕をルナに抱き抱えられながら、お祭りを歩き始めた。
ちなみにリューネは我関せずといった様子で、俺たち3人の後ろで温かく見守ってくれながら、両手が塞がった俺の代わりに屋台での買い物を代行してくれる。
「はい、ユウタくん。あーん♪」
ルナが俺の口元へと差し出した3個差しの串団子の1つ目を、俺はパクりと咥えた。
もぐもぐ……ごくん。
「甘じょっぱくて美味しいな」
「やっばりお祭りといえば、みたらし団子だよねっ♪ 癖になる味っていうのかな?」
嬉しそうに言うと、ルナは真ん中の串団子を躊躇なく口にする。
「お、おい。今の」
「え? なに?」
ルナがキョトンとした顔を見せた。
「なにってその、だからだな」
俺がなんとも言いあぐねていると、ルナも「そのこと」に思い至ったようで、キョトンとした顔から一転、にんまりと小悪魔のような笑みを浮かべた。
「だから~? なにかな~? ユウタくん、教えて欲しいな~♪」
そして分かっているはずなのに、分かっていない振りをしてからかうように聞いてくる。
「だから、か、間接キスだろ? 言わせんなよ恥ずかしい」
「あははー♪ これくらいで恥ずかしがるなんて、ユウタくんってばやっぱり可愛いよねっ♪ じゃあはい、最後の1個もあげる。あーん♪」
ルナはひとしきり笑うと、串団子の最後の3つ目を俺の口元に差し出した。
「いや、その……」
「あーん♪」
甘えたような猫なで声のルナ。
「あ、あーん……」
今度は俺がルナと間接キスをしてしまうことに躊躇しつつも、俺が口を開きかけると、
ヒョイ。
パクッ。
ルナとは逆サイドから腕を伸ばしたアリエッタが、ルナの手から串団子を奪って自分の口に入れた。
もぐもぐ……ごくん。
「ふぅん、なかなかいけるじゃないのこれ。私も好きよ」
「なんでアリエッタが食べてるのよ。しかも感想がめちゃくちゃ上から目線だし」
「間接キスなんて不埒な真似を公衆の面前でされるのは、お世話係として見過ごせないから、代わりに私が食べてあげたの。感謝してよね」
いやさっき、俺たちたい焼きで間接キスしたよな?
のどまで出かかったセリフを俺は、ぐっとこらえた。
「はぁ? なにそれ? そういうアリエッタこそ、それ食べたらユウタくんと間接キスしちゃってるじゃん」
「私はお世話係だから、これくらいいいの」
このセリフに、経験者の余裕を感じてしまったのは、俺がまさに当事者だったからだろうか。
「前から思ってたんだけど、何かあったらお世話係って言うの、ズルくない?」
「ず、ズルくないもん」
「アリエッタの声、裏返ってるよ?」
「……」
どうも自覚があったのか、アリエッタが顔を赤くした。
その後はあまりハレンチな間接キッスをすることもなく、4人で平和にお祭りを見て回り始めたんだけど。
ホッと一安心したのも束の間、更なる出会いが俺を待ち受けていることを、俺はすぐに知ることになる。
むにゅむにゅ、むにゅり。
「私もルナの物怖じしない性格は嫌いじゃないわ」
むにゅむにゅ、むにゅり。
「「ふふふふ」」
むにゅむにゅ、むにゅり。×2
俺を挟んでルナとアリエッタがむにゅむにゅさせながら、にっこりと笑い合った。
「微妙についていけてないんだけど、やっぱり2人の仲は良さそう……だよな?」
「あははは……まぁ、仲はいいんじゃないでしょうか? 根っこにある積極的な性格はそっくりですし、好みのタイプも似てるみたいですし?」
俺のつぶやきに、リューネがまたもや苦笑を返した。
――などという大変、心温まる(?)やり取りを終え。
俺は左腕をアリエッタに、右腕をルナに抱き抱えられながら、お祭りを歩き始めた。
ちなみにリューネは我関せずといった様子で、俺たち3人の後ろで温かく見守ってくれながら、両手が塞がった俺の代わりに屋台での買い物を代行してくれる。
「はい、ユウタくん。あーん♪」
ルナが俺の口元へと差し出した3個差しの串団子の1つ目を、俺はパクりと咥えた。
もぐもぐ……ごくん。
「甘じょっぱくて美味しいな」
「やっばりお祭りといえば、みたらし団子だよねっ♪ 癖になる味っていうのかな?」
嬉しそうに言うと、ルナは真ん中の串団子を躊躇なく口にする。
「お、おい。今の」
「え? なに?」
ルナがキョトンとした顔を見せた。
「なにってその、だからだな」
俺がなんとも言いあぐねていると、ルナも「そのこと」に思い至ったようで、キョトンとした顔から一転、にんまりと小悪魔のような笑みを浮かべた。
「だから~? なにかな~? ユウタくん、教えて欲しいな~♪」
そして分かっているはずなのに、分かっていない振りをしてからかうように聞いてくる。
「だから、か、間接キスだろ? 言わせんなよ恥ずかしい」
「あははー♪ これくらいで恥ずかしがるなんて、ユウタくんってばやっぱり可愛いよねっ♪ じゃあはい、最後の1個もあげる。あーん♪」
ルナはひとしきり笑うと、串団子の最後の3つ目を俺の口元に差し出した。
「いや、その……」
「あーん♪」
甘えたような猫なで声のルナ。
「あ、あーん……」
今度は俺がルナと間接キスをしてしまうことに躊躇しつつも、俺が口を開きかけると、
ヒョイ。
パクッ。
ルナとは逆サイドから腕を伸ばしたアリエッタが、ルナの手から串団子を奪って自分の口に入れた。
もぐもぐ……ごくん。
「ふぅん、なかなかいけるじゃないのこれ。私も好きよ」
「なんでアリエッタが食べてるのよ。しかも感想がめちゃくちゃ上から目線だし」
「間接キスなんて不埒な真似を公衆の面前でされるのは、お世話係として見過ごせないから、代わりに私が食べてあげたの。感謝してよね」
いやさっき、俺たちたい焼きで間接キスしたよな?
のどまで出かかったセリフを俺は、ぐっとこらえた。
「はぁ? なにそれ? そういうアリエッタこそ、それ食べたらユウタくんと間接キスしちゃってるじゃん」
「私はお世話係だから、これくらいいいの」
このセリフに、経験者の余裕を感じてしまったのは、俺がまさに当事者だったからだろうか。
「前から思ってたんだけど、何かあったらお世話係って言うの、ズルくない?」
「ず、ズルくないもん」
「アリエッタの声、裏返ってるよ?」
「……」
どうも自覚があったのか、アリエッタが顔を赤くした。
その後はあまりハレンチな間接キッスをすることもなく、4人で平和にお祭りを見て回り始めたんだけど。
ホッと一安心したのも束の間、更なる出会いが俺を待ち受けていることを、俺はすぐに知ることになる。
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