92 / 132
第4章 ヒロインズ・バトル
第90話 仲のいいお話(?)をするアリエッタとルナ
しおりを挟む
「なぁ、さっきから2人はなんの話をしているんだ? まったくついていけてないんだが。俺の名前が出たし、俺に関することなのか? なにか揉めているみたいだけど」
「揉めてなんかいないよ? ここからはアタシとリューネも一緒に、4人でお祭りを見て回ろうって、すごく仲のいいお話をしてたんだし♪」
ルナが満面の笑みでにっこりと笑う。
「そんな話にはまったく聞こえなかったんだが……」
「ね、アリエッタ♪ そうだよね♪」
「う、うん……そう……」
「ほら」
どうやら本当にそういうことだったようだ。
「なんだ、心配して損した。俺の取り越し苦労か」
「あ、心配してくれたんだ?」
「少しな」
「えへっ、ありがと♪ ユウタくんは優しいよね♪ そういうところいいと思うな♪」
またもやルナが満面の笑みでにっこりと笑った。
「しかし女の子の会話ってのは難しいな。とても理解できる気がしないよ」
「あははは……」
しみじみとつぶやいた俺に、どっちに味方するでもなく静かに会話を見守っていたリューネが苦笑を浮かべた。
ということで。
なんだかよく分からないうちに、ルナとリューネがお祭り仲間に加わることになった。
ま、これはこれで楽しそうだからいいんだけども。
アリエッタと2人きりの推しの子デートじゃなくなったことだけは残念だけど、ルナとリューネもとても可愛くて美人だ。
明るくて楽しいし、一緒になって嫌な気分になるはずなんてない。
「じゃあ行くか」
「はーい♪」
4人パーティとなって歩き始めてすぐに、ルナが俺の右腕を抱き抱えるようにして密着してきた。
むにゅり。
柔らかい乙女の感触が俺の腕を挟む。
挟んだのである。
つまりはそういうことだった。
俺を優しく挟み込んでくるアレに、意識が強烈に引っ張られる。
アリエッタ推しを自負する俺も、一人の男の子。
女の子の魅惑の感触には、どうにも抗することができないのである。
でもさ?
俺は女の子と付き合うどころか、ろくにスキンシップもしたことがなかったから、これはもうしょうがないことだと思うんだ!
急にモテ期が来たら、みんな絶対こうなるから!
ま、これが本当のモテ期かどうかの判断も、俺的にはできないんだけれども。
なにせそんな経験がないからな!
アリエッタが心を開いてくれていることは、アリエッタ推しの俺にはある程度分かるんだけど、ルナとか、ただからかっているだけの可能性があるもんな。
時々いるだろ? 男子と距離感が近い女の子。
『〇〇くんってー、筋肉凄くなーい? ねーねー、ちょっと触っていいー?』とか言ってペタペタとスキンシップしてきたりするんだ。
もちろん俺にはそういう経験は一度もないんだけど、教室でソシャゲを周回中にそういうやりとりをしているカースト上位グループを見かけることがあった。
でもそこで勘違いすると、イタイ男子になっちゃうんだよなぁ。
「ちょっとルナ、離れなさいよ」
と、そこでアリエッタが剣呑な口調で言いながらルナを睨んだ。
「なんでそんなことアリエッタに言われないといけないの? アタシがユウタくんとくっついていても、アリエッタに関係なくない?」
負けじとルナも言い返す。
俺を間に挟んで再びアリエッタとルナが、仲のいいお話――俺にはそうは見えないんだが本人たちが言っているんだからそうなんだろう――を始めた。
「揉めてなんかいないよ? ここからはアタシとリューネも一緒に、4人でお祭りを見て回ろうって、すごく仲のいいお話をしてたんだし♪」
ルナが満面の笑みでにっこりと笑う。
「そんな話にはまったく聞こえなかったんだが……」
「ね、アリエッタ♪ そうだよね♪」
「う、うん……そう……」
「ほら」
どうやら本当にそういうことだったようだ。
「なんだ、心配して損した。俺の取り越し苦労か」
「あ、心配してくれたんだ?」
「少しな」
「えへっ、ありがと♪ ユウタくんは優しいよね♪ そういうところいいと思うな♪」
またもやルナが満面の笑みでにっこりと笑った。
「しかし女の子の会話ってのは難しいな。とても理解できる気がしないよ」
「あははは……」
しみじみとつぶやいた俺に、どっちに味方するでもなく静かに会話を見守っていたリューネが苦笑を浮かべた。
ということで。
なんだかよく分からないうちに、ルナとリューネがお祭り仲間に加わることになった。
ま、これはこれで楽しそうだからいいんだけども。
アリエッタと2人きりの推しの子デートじゃなくなったことだけは残念だけど、ルナとリューネもとても可愛くて美人だ。
明るくて楽しいし、一緒になって嫌な気分になるはずなんてない。
「じゃあ行くか」
「はーい♪」
4人パーティとなって歩き始めてすぐに、ルナが俺の右腕を抱き抱えるようにして密着してきた。
むにゅり。
柔らかい乙女の感触が俺の腕を挟む。
挟んだのである。
つまりはそういうことだった。
俺を優しく挟み込んでくるアレに、意識が強烈に引っ張られる。
アリエッタ推しを自負する俺も、一人の男の子。
女の子の魅惑の感触には、どうにも抗することができないのである。
でもさ?
俺は女の子と付き合うどころか、ろくにスキンシップもしたことがなかったから、これはもうしょうがないことだと思うんだ!
急にモテ期が来たら、みんな絶対こうなるから!
ま、これが本当のモテ期かどうかの判断も、俺的にはできないんだけれども。
なにせそんな経験がないからな!
アリエッタが心を開いてくれていることは、アリエッタ推しの俺にはある程度分かるんだけど、ルナとか、ただからかっているだけの可能性があるもんな。
時々いるだろ? 男子と距離感が近い女の子。
『〇〇くんってー、筋肉凄くなーい? ねーねー、ちょっと触っていいー?』とか言ってペタペタとスキンシップしてきたりするんだ。
もちろん俺にはそういう経験は一度もないんだけど、教室でソシャゲを周回中にそういうやりとりをしているカースト上位グループを見かけることがあった。
でもそこで勘違いすると、イタイ男子になっちゃうんだよなぁ。
「ちょっとルナ、離れなさいよ」
と、そこでアリエッタが剣呑な口調で言いながらルナを睨んだ。
「なんでそんなことアリエッタに言われないといけないの? アタシがユウタくんとくっついていても、アリエッタに関係なくない?」
負けじとルナも言い返す。
俺を間に挟んで再びアリエッタとルナが、仲のいいお話――俺にはそうは見えないんだが本人たちが言っているんだからそうなんだろう――を始めた。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。
十分以上に勝算がある。と思っていたが、
「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」
と完膚なきまでに振られた俺。
失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。
彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。
そして、
「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」
と、告白をされ、抱きしめられる。
突然の出来事に困惑する俺。
そんな俺を追撃するように、
「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」
「………………凛音、なんでここに」
その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる