美少女だらけの姫騎士学園に、俺だけ男。~神騎士LV99から始める強くてニューゲーム~

マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫

文字の大きさ
上 下
91 / 132
第4章 ヒロインズ・バトル

第89話「ふーん? ふーん?? ふーん??? ふーん????」

しおりを挟む
 その後、肉まんやらケバブやら、つまりはいいとこのお嬢さまが食べることがなさそうなものを中心に、アリエッタを食べ歩きエスコートしていると、

「あれ、ユウタくんとアリエッタじゃん。ちゃお~♪」
 ルナとバッタリ遭遇した。

「ユウタさん、アリエッタ。こんにちは」
 ルナの隣にはリューネもいる。

「よっ、ルナ、リューネ。今日は2人もお祭りか」
「もちろんだし♪」
「ははっ、ルナは特にお祭りとか好きそうだもんな」

 浴衣を着て水風船をポンポンしながらりんご飴を舐めて屋台を練り歩くルナの姿を、思わず想像してしまう。
 実に絵になるよな。
 アリエッタやリューネにも似合うだろうし、浴衣みたいな衣装、こっちの世界でなんとか手に入らないかな?

 残念ながら自作するのは俺には無理だ。
 異世界転生ものでマヨネーズとか醤油とか味噌とか何でも現地素材で作っちゃう主人公が時々いるけど、あれも結構な才能だよなぁ。

「もー、ユウタくんってばー。お祭りが嫌いな人なんていないでしょー?」
「それもそうか」

 ゲームやネットといった無限に溢れる娯楽の存在しないこの世界じゃ、お祭りはスーパーでウルトラなビッグイベントだ。
 たとえお祭り好きでなくとも、来たくなるってなもんだろう。

「それで、2人は何をしてるの?」
 と、そこでルナが妙なことを尋ねてきた。

「何してるって、アリエッタと一緒にお祭りを見て回っているんだけど? それ以外に何かあるか?」

 ルナの質問の意図がいまいち分からずに、俺は小首をかしげた。
 だってお祭りに来るのに、それ以外の理由はないだろ?
 しいて言うなら人間観察とか?
 作家とか漫画家がやってそうなアレだ。

「……ユウタくんは今日は忙しいって、聞いたけど?」
 なぜかルナが、俺ではなく俺の隣にいるアリエッタに視線を向けながら言った。
 なんとなくアリエッタの視線が泳いだような気がした。

「いいや、全然そんなことはないぞ。俺は基本的に暇だ。誰に聞いたんだよ?」
「もちろんアリエッタからだしー?」
「アリエッタから?」

 意外な答えに驚きつつ、俺がアリエッタに視線を向けると、
「……」
 アリエッタは俺の視線から逃げるかのように、顔をスッと反対側へ背けた。

 基本的に相手の目をまっすぐ見ながら自信満々で話すアリエッタにしては、珍しい行動だ。
 さしものアリエッタ推しの俺も、この不可解な態度の裏は読みきれないぞ。

「ど、どうやら意思疎通に、微妙な齟齬そごがあったようね」
「微妙な齟齬ぉ? ふーん? ふーん?? ふーん??? ふーん????」

 ふんふんふんふん言いながら、なぜかジト目になるルナ。
 その視線はずっとアリエッタに向けられている。

「な、なによ」
「独り占めしようとしたでしょ」
「し、してないし! ユータを独り占めしようなんて、私はそんなことこれっぽっちも――」

「アタシ別に、ユウタくんを独り占めにしようとしてるなんて、言ってないんですけどー?」
「~~~~~~~~~っっ!!」
「まったくもう、油断も隙もないんだから」

 ルナが呆れたように肩をすくめた。

 しかし俺にはその意図がさっぱり分からない。
 この2人はさっきから、いったい何の話をしているんだ?
しおりを挟む
感想 109

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

処理中です...