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第3章 1年生タッグトーナメント
第68話 アリエッタ先生(?)
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「あら、ユウタさんのお陰なんだ? ふぅん?」
「な、なに?」
「ユウタさんとはすっかり仲良くなったみたいね。最初は『なんで私が男とルームメイトにならないといけないのよ!』なんてことを言っていたのに、変わるものねぇ」
おおう。
エレナ会長、アリエッタの物まねをするのすごく上手いな。
さすが姉妹。
声が似ているってのもあるんだけど、純粋に演技が上手い。
アリエッタが話す時の抑揚を完全にコピーしている。
さすが何をやらせても完璧なエレナ生徒会長、妹の声真似も完璧だ。
「べ、別にそんなんじゃないし! ユータとは、その、アレなだけで……」
「アレ?」
「だからそのアレはAREで……そう! ユータとはただのお世話係とお世話され男だもん! それ以上でもそれ以下でもないし、お姉さまもレベッカ先生も極めて重大な勘違いをしているわ!」
「お世話され男って、なんかもうヒモみたいな言われ方だな……」
アリエッタの部屋で世話になってるし、金は払ってないし、ソシャゲじゃ分からないリアルな学園生活のあれこれをその都度、教えてもらっているから、決して間違っちゃいないんだけど……。
「ふぅん?」
「ほ、ホントだからね! 私は別にユータのことなんて、全然ちっともこれっぽっちも──」
「はいはい、分かっています。ですがアリエッタがこれだけ成長しているとなると、私もうかうかしていられませんね。負けないように頑張らないと」
「いえあの、お姉さまにはちょっとくらい、うかうかしておいてもらいたいのですが」
「実を言うと魔法式に手を加えて改良すること自体は、私もDランク魔法にやってみたことがあるんだけどね」
「あ、お姉さまも挑戦していたんですね」
「思ったほど上手く改良できなかったし、なんならただの性能ダウンだったのよね。魔法式は本当に隙がない程に完成しているし、これを作り上げた人は本当の天才だと思ったわ」
「お姉さまが……」
「しかもCランク以上にもなると、魔法式もどんどん複雑になるでしょう? これは無理だって諦めてしまったのよ。ですがやればできることを、今日はアリエッタに教えて貰いました。これからは本腰を入れて取り組んでみましょう」
「えっと、あの。これは私のオリジナルスキルということで、いいのではないでしょうか? その方が私のアイデンティティも保たれるかな、と」
「あらあら、昔からなんでも話してくれたアリエッタが、お姉ちゃんに隠し事? これが姉離れっていうものなのかしら」
「そういうことじゃなくて!」
「ふふっ、冗談よ。分からないことがあったら聞きに行くから教えてちょうだいね、アリエッタ先生」
「先生……は、はい!」
エレナ会長に先生と呼ばれ&お願いされて、アリエッタの頬が今日一番ってくらいに緩んだ。
そんな心暖まる姉妹の会話を、俺は幸せな気分で見守る。
アリエッタがまだまだ一部とはいえ、エレナ会長にはっきりと認めてもらったのだから、アリエッタ推しの俺が嬉しくなるのは当然だ。
アリエッタの幸せ=俺の幸せなのだから。
こういった実績をどんどん積み上げていけば、いつかエレナ会長に追い付き・追い越す時が来るかもしれない。
問題はやる気満々になってしまったエレナ会長が、アリエッタと同じスキルを手にしてしまうかもしれないことだが。
こればっかりは有能なお姉さんを持ってしまったアリエッタの宿命だから、アリエッタの更なる頑張りに期待するとしよう。
アリエッタならできるって、俺は信じているからさ。
そのためのサポートも全力でする。
大丈夫だ、神騎士LV99の俺に任せとけ!(ユウタ心の決意)
エレナ会長はそこでアリエッタとの会話を終えると、次はユリーナやルナにも声をかけていった。
エレナ会長と話し終えたアリエッタは、俺の方に向き直ると、
「これはお姉さまも取ったタイトルだから、絶対に取りたかったの。お姉さまを越えるためには、まずはお姉さまの通った道を私も通らなきゃだから」
授与されたばかりの黄金の優勝トロフィーを大切そうに抱えながら、俺に満面の笑みを見せた。
「な、なに?」
「ユウタさんとはすっかり仲良くなったみたいね。最初は『なんで私が男とルームメイトにならないといけないのよ!』なんてことを言っていたのに、変わるものねぇ」
おおう。
エレナ会長、アリエッタの物まねをするのすごく上手いな。
さすが姉妹。
声が似ているってのもあるんだけど、純粋に演技が上手い。
アリエッタが話す時の抑揚を完全にコピーしている。
さすが何をやらせても完璧なエレナ生徒会長、妹の声真似も完璧だ。
「べ、別にそんなんじゃないし! ユータとは、その、アレなだけで……」
「アレ?」
「だからそのアレはAREで……そう! ユータとはただのお世話係とお世話され男だもん! それ以上でもそれ以下でもないし、お姉さまもレベッカ先生も極めて重大な勘違いをしているわ!」
「お世話され男って、なんかもうヒモみたいな言われ方だな……」
アリエッタの部屋で世話になってるし、金は払ってないし、ソシャゲじゃ分からないリアルな学園生活のあれこれをその都度、教えてもらっているから、決して間違っちゃいないんだけど……。
「ふぅん?」
「ほ、ホントだからね! 私は別にユータのことなんて、全然ちっともこれっぽっちも──」
「はいはい、分かっています。ですがアリエッタがこれだけ成長しているとなると、私もうかうかしていられませんね。負けないように頑張らないと」
「いえあの、お姉さまにはちょっとくらい、うかうかしておいてもらいたいのですが」
「実を言うと魔法式に手を加えて改良すること自体は、私もDランク魔法にやってみたことがあるんだけどね」
「あ、お姉さまも挑戦していたんですね」
「思ったほど上手く改良できなかったし、なんならただの性能ダウンだったのよね。魔法式は本当に隙がない程に完成しているし、これを作り上げた人は本当の天才だと思ったわ」
「お姉さまが……」
「しかもCランク以上にもなると、魔法式もどんどん複雑になるでしょう? これは無理だって諦めてしまったのよ。ですがやればできることを、今日はアリエッタに教えて貰いました。これからは本腰を入れて取り組んでみましょう」
「えっと、あの。これは私のオリジナルスキルということで、いいのではないでしょうか? その方が私のアイデンティティも保たれるかな、と」
「あらあら、昔からなんでも話してくれたアリエッタが、お姉ちゃんに隠し事? これが姉離れっていうものなのかしら」
「そういうことじゃなくて!」
「ふふっ、冗談よ。分からないことがあったら聞きに行くから教えてちょうだいね、アリエッタ先生」
「先生……は、はい!」
エレナ会長に先生と呼ばれ&お願いされて、アリエッタの頬が今日一番ってくらいに緩んだ。
そんな心暖まる姉妹の会話を、俺は幸せな気分で見守る。
アリエッタがまだまだ一部とはいえ、エレナ会長にはっきりと認めてもらったのだから、アリエッタ推しの俺が嬉しくなるのは当然だ。
アリエッタの幸せ=俺の幸せなのだから。
こういった実績をどんどん積み上げていけば、いつかエレナ会長に追い付き・追い越す時が来るかもしれない。
問題はやる気満々になってしまったエレナ会長が、アリエッタと同じスキルを手にしてしまうかもしれないことだが。
こればっかりは有能なお姉さんを持ってしまったアリエッタの宿命だから、アリエッタの更なる頑張りに期待するとしよう。
アリエッタならできるって、俺は信じているからさ。
そのためのサポートも全力でする。
大丈夫だ、神騎士LV99の俺に任せとけ!(ユウタ心の決意)
エレナ会長はそこでアリエッタとの会話を終えると、次はユリーナやルナにも声をかけていった。
エレナ会長と話し終えたアリエッタは、俺の方に向き直ると、
「これはお姉さまも取ったタイトルだから、絶対に取りたかったの。お姉さまを越えるためには、まずはお姉さまの通った道を私も通らなきゃだから」
授与されたばかりの黄金の優勝トロフィーを大切そうに抱えながら、俺に満面の笑みを見せた。
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