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第3章 1年生タッグトーナメント
第44話 1年生タッグトーナメント開始!
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――というようなことがあってから、1週間が経ち。
俺は模擬訓練の大部分を使ってアリエッタの成長の手助けをしながら、万全の状態で1年生タッグトーナメントの日を迎えていた。
会場となる闘技場(デュエルスタジアム)は野球場のようなすり鉢状の巨大施設で、救護係のリューネも含めた1年生全員と、上級生やら騎士団から派遣された視察官(副団長って言ってたから超エリート姫騎士)が、観客席から1年生の熱い戦いを見守っている。
負けたら終わりの5回戦トーナメントだが、俺は1年生主席のアリエッタと組んでいて第1シードを貰っていたため、1回戦は対戦がない。
なので実質4回勝てば優勝の、その初戦。
俺とアリエッタは個別の1対1に持ち込み、まずは俺が相手を戦闘不能にした。
アリエッタに視線を向けると、こちらも早々に勝負を決めるところだった。
アリエッタは炎属性の姫騎士フレイとの、いわゆるミラーマッチ(同属性対決)をしていたんだけど、
「くぅっ! ライオネル・ストライク!」
中距離でのフレイム・アローの打ち合いで一方的に押し込まれていたフレイが、堪えきれずに苦し紛れの大技をぶっ放した。
しかしアリエッタのそれと比べれば精度は甘いし、魔法の発動も遅く、威力もかなり低目だ。
おそらく習得中で、まだまだ使いこなせていないんだろう。
ただでさえ命中率の低いライオネル・ストライクをこんな程度の完成度で、しかも苦し紛れに撃っただけじゃ、どうぞ避けて下さいと言っているようなものだ。
「ライオネル・ストライクは、状況も作らずにいきなり撃って当たる魔法じゃないわ。お返しよ、ライオネル・ストライク!」
フレイの未完成ライオネル・ストライクをなんなくかわしたアリエッタが、その攻撃終わりの隙を狙いすまして、ライオネル・ストライクで突っ込んでいく。
「直撃コース!? くっ、ファイヤー・ガード!」
フレイが慌てたようにが炎のバリアを展開した。
だがしかし。
「そんなか細い炎で、ローゼンベルクの轟炎を受け止められるものなら、受け止めてみなさい!」
アリエッタが吠えるとともに、炎の獅子がひときわ激しく燃えあがる!
「ぐうっ、なんて火力!? とても耐えきれない――! う、く、きゃぁぁぁぁっ――!」
炎の獅子をまとったアリエッタが、炎のバリアを展開したフレイに直撃し、ファイヤー・ガードを消し飛ばして、防御加護を一気にゼロにする。
威力だけならSランクと言われるのは伊達ではない。
当たればでかいライオネル・ストライクを、アリエッタは見事にクリティカルヒットさせた。
「そこまで! ウィナー、アリエッタ&ユウタ組」
審判のレベッカ先生の言葉とともに、ガード体勢でなんとか踏みとどまっていたフレイがガクリと崩れ落ち、対戦を見守っていた救護係が慌てて集まってくる。
「大丈夫よ。防御加護をピッタリ削り切ってガードブレイクさせたところで、魔力を一気に弱めたから」
なんてカッコよく言いつつも、なんとも心配そうにフレイの様子を見つめているアリエッタ。
アリエッタはとても優しい子なのである。
しかしフレイは大きな怪我もなくピンピンしていて、すぐに身体を起こすと、心配顔のアリエッタに向かって「大丈夫!」って感じで軽く右手を上げてサムズアップした。
それを見て救護係も安堵の顔で下がっていく。
どうやらただの魔力切れで、意識が一瞬遠のいただけのようだ。
倒す時に気づかいができるほどに、アリエッタとフレイの力の差は歴然だった。
というわけで。
俺たちはトーナメント初戦となる2回戦を難なく突破した。
俺は模擬訓練の大部分を使ってアリエッタの成長の手助けをしながら、万全の状態で1年生タッグトーナメントの日を迎えていた。
会場となる闘技場(デュエルスタジアム)は野球場のようなすり鉢状の巨大施設で、救護係のリューネも含めた1年生全員と、上級生やら騎士団から派遣された視察官(副団長って言ってたから超エリート姫騎士)が、観客席から1年生の熱い戦いを見守っている。
負けたら終わりの5回戦トーナメントだが、俺は1年生主席のアリエッタと組んでいて第1シードを貰っていたため、1回戦は対戦がない。
なので実質4回勝てば優勝の、その初戦。
俺とアリエッタは個別の1対1に持ち込み、まずは俺が相手を戦闘不能にした。
アリエッタに視線を向けると、こちらも早々に勝負を決めるところだった。
アリエッタは炎属性の姫騎士フレイとの、いわゆるミラーマッチ(同属性対決)をしていたんだけど、
「くぅっ! ライオネル・ストライク!」
中距離でのフレイム・アローの打ち合いで一方的に押し込まれていたフレイが、堪えきれずに苦し紛れの大技をぶっ放した。
しかしアリエッタのそれと比べれば精度は甘いし、魔法の発動も遅く、威力もかなり低目だ。
おそらく習得中で、まだまだ使いこなせていないんだろう。
ただでさえ命中率の低いライオネル・ストライクをこんな程度の完成度で、しかも苦し紛れに撃っただけじゃ、どうぞ避けて下さいと言っているようなものだ。
「ライオネル・ストライクは、状況も作らずにいきなり撃って当たる魔法じゃないわ。お返しよ、ライオネル・ストライク!」
フレイの未完成ライオネル・ストライクをなんなくかわしたアリエッタが、その攻撃終わりの隙を狙いすまして、ライオネル・ストライクで突っ込んでいく。
「直撃コース!? くっ、ファイヤー・ガード!」
フレイが慌てたようにが炎のバリアを展開した。
だがしかし。
「そんなか細い炎で、ローゼンベルクの轟炎を受け止められるものなら、受け止めてみなさい!」
アリエッタが吠えるとともに、炎の獅子がひときわ激しく燃えあがる!
「ぐうっ、なんて火力!? とても耐えきれない――! う、く、きゃぁぁぁぁっ――!」
炎の獅子をまとったアリエッタが、炎のバリアを展開したフレイに直撃し、ファイヤー・ガードを消し飛ばして、防御加護を一気にゼロにする。
威力だけならSランクと言われるのは伊達ではない。
当たればでかいライオネル・ストライクを、アリエッタは見事にクリティカルヒットさせた。
「そこまで! ウィナー、アリエッタ&ユウタ組」
審判のレベッカ先生の言葉とともに、ガード体勢でなんとか踏みとどまっていたフレイがガクリと崩れ落ち、対戦を見守っていた救護係が慌てて集まってくる。
「大丈夫よ。防御加護をピッタリ削り切ってガードブレイクさせたところで、魔力を一気に弱めたから」
なんてカッコよく言いつつも、なんとも心配そうにフレイの様子を見つめているアリエッタ。
アリエッタはとても優しい子なのである。
しかしフレイは大きな怪我もなくピンピンしていて、すぐに身体を起こすと、心配顔のアリエッタに向かって「大丈夫!」って感じで軽く右手を上げてサムズアップした。
それを見て救護係も安堵の顔で下がっていく。
どうやらただの魔力切れで、意識が一瞬遠のいただけのようだ。
倒す時に気づかいができるほどに、アリエッタとフレイの力の差は歴然だった。
というわけで。
俺たちはトーナメント初戦となる2回戦を難なく突破した。
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