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第3章 1年生タッグトーナメント

◇幕間◇ アリエッタの『姫騎士デュエル』解説!

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◇幕間◇ アリエッタの『姫騎士デュエル』解説!

「今日は初めて姫騎士デュエルを見る皆さんのために、特別講師に来ていただきました。

なんとブレイビア学園1年生主席の、アリエッタ・ローゼンベルクさんです!
それではアリエッタさん、よろしくお願い致します!」

(パチパチパチパチパチ!)

(うう~! 大事な試合前だっていうのに、なんで私がこんなことを……! でもやるからには完璧にこなしてみせるわ! なぜなら私は、誉れ高きローゼンベルクの姫騎士だから!)

「初めまして、アリエッタ・ローゼンベルクよ。

 今日は姫騎士同士が戦う『姫騎士デュエル』を始めて見る皆さんのために、ルールを説明するわね。

 言っておくけど、この私がわざわざ時間を割いて説明してあげるんだから、ちゃんと理解すること!
 いいわね!

 まず姫騎士デュエルの試合形式には、

・個人戦(1人)
・タッグ戦(2人)
・チーム戦(3~5人)

 の3種類があるの。

 今回行われる1年生タッグトーナメントは、文字通り2人でコンビを組んで戦うタッグ戦ね。
 タッグ戦形式の、負けたら終わりのトーナメント大会ってわけ。

 戦闘のルールも、そんなに難しくないわ。

 騎士道に背かないという条件で、基本的には何でもあり。

 まぁ姫騎士同士の戦いだから、魔法戦以外はまず起こらないんだけど。
 剣よりも弓矢よりも槍よりも、姫騎士の魔法は圧倒的に強力だから。

 敗北条件は3つ。

・敗北を認めて降参する
・気絶などで戦闘不能になる
・防御加護を削りきられてガードアウトする

 上2つは当たり前として、最後の3つ目は『姫騎士デュエル』特有のルールね。

 しかもほとんどの場合、このガードアウトによって勝負が決まるから、これだけ今から細かく説明するわね。

 まず前提として、姫騎士は誰もが契約精霊の力を借りて防御加護を展開することができるの。

 コネクトしている姫騎士をよく見ると、うっすらと身体を覆うオーラみたいなのが見えるはずよ。
 これが精霊の防御加護。

 で、ダメージを受け過ぎるとこの防御加護を張ってくれている精霊が弱って、防御加護が一時的に消えてしまうの。

 これがガードアウト状態。

 姫騎士を覆うオーラがなくなるから、すぐにそうと分かるわ。

 このガードアウト状態っていうのは、つまり防御加護が全くない状態だから、姫騎士の強力な魔法攻撃を受けたら下手をしたら死んでしまうの。

 だからガードアウトしたら、その時点で無条件で敗北になるというわけ。

 姫騎士デュエルはあくまで互いの力を比べ合うものであって、殺し合いじゃないからね。
 そもそも姫騎士は敵じゃなくて、魔獣と戦う仲間なんだし。

 で、ほとんどの姫騎士はどれだけ不利になっても参ったはしないし、ガードアウトする瞬間まで、逆転を信じて戦い続けるわ。

 だから実質、ガードアウトしたら負けだって、そう覚えておいてもらって構わないわよ。

 あとガードアウト直前は、防御加護が不安定に明滅するから、そろそろ勝負が決まるなって目安にもなるわね。

 大まかにはこんな感じかしら。
 だいぶ端折はしょったけど、今日ここにいる皆さんならきっと理解してくれたと信じているわ。

 それじゃあそろそろトーナメントが始まるから、私は行くわね。
 派手な魔法バトルは見応えたっぷりだと思うから、どうぞごゆっくりお楽しみくださいな。

 え?
 たくさん試合があって全部見るのは大変?
 会場もメイン会場とサブ会場の2つで同時並行で行われるから、片方しか見れないって?

 だったら私の出る試合を見るのをお勧めするわ。

 なにせ私は学年主席。
 きっと見ごたえがあるわよ。
 絶対に後悔はさせないから。
 姫騎士の名門ローゼンベルクの家名にかけてね!」

◇幕間◇ 終了
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