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第2章 ブレイビア学園
第40話 ~謎のお嬢さまSIDE~ ユリーナ・リリィホワイト(2)
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「それがですね! なんとあのユウタという男は、例の魔法を打ち消す不思議な剣がないと、魔法が使えないそうなんですよ!」
キララがドヤ顔で言った。
その顔を例えるなら、獲物を取ってきてご主人様に見せびらかす猫だ。
「キララ、それは本当ですの?」
「模擬訓練中に、アリエッタと話をしているのを聞いた子がいるんですよ。キララとはツーカーの仲なので、確かな情報ですよ!」
「ツーカー……? 通貨? 通過?」
クララの発する、とても名門リリィホワイト家のメイド姫騎士の言葉とは思えない庶民言葉に、静かに会話の成り行きを見守っていたクララは思わず小首をかしげてしまうが、
「そうだったのですか。あの剣がないと、彼は魔法が使えないのですね?」
ユリーナはこれまた慣れたもので、特に気にした様子もない。
「はい!」
「ふふっ、それはいいことを聞きましたわね。でしたら勝算もグッと大きくなるというものですわ」
「ユリーナ様?」
「キララ、クララ。近く開催される、中間考査を兼ねた1年生タッグトーナメント。そこで勝負をしかけますわ。2人まとめて叩きのめし、わたくしこそが1年生最強の姫騎士であることを証明してみせましょう」
不敵に宣言するユリーナを見て、
「わわっ! ユリーナ様、かっくいい~! さいこー!」
キララが小さな子供のようにはしゃぐ。
「あの男に関しては、適当に理由をでっちあげて決闘に持ち込んでも良かったのですが。どうせならより多くの人間が見ている前で叩きのめした方が、わたくしの強さを知らしめることができますものね」
「きゃー! ユリーナ様、ステキー!」
「クララ、至急お母さまに連絡をお願いしますわ。用意してもらいたいものがありますの。例のアレと言えば伝わるはずですから」
「かしこまりました」
ユリーナの命を受けたクララが深々と礼をする。
「ユリーナ様、キララはキララは! キララは何すればいいの!? キララもユリーナ様のお役に立ちたい!」
部屋を去っていくクララを見送るユリーナに、キララが目を輝かせながら尋ねた。
「あなたは戦いの日まで静かにしていなさいな」
「ええ~~! キララもユリーナ様のお役に立ちたいよ~!」
「キララ。あなたの類まれなる才能は、戦いにおいて最も力を発揮します。わたくしのために、わたくしの勝利に貢献なさい。それがあなたの役目なのですから」
「でもキララ、この学園に来てからずっと戦闘を禁止されてるよ? キララも決闘したり模擬戦して、みんなと遊びたいよ~!」
「あれは遊びではないのですが……。キララ、あなたは強すぎる上に、その特殊性ゆえに手加減するのが極めて苦手ですわ。よって然るべき相手意外とは戦わせられません。ですがあの2人となれば話は別。思う存分戦わせてあげますわ」
「ほんと!? 分かった! キララそれまで我慢するね!」
「ふふっ、偉いわねキララは」
「うん! でもでもユリーナ様。ユリーナ様はどうしてアリエッタだけじゃなくて、あの男も倒そうとしているの? 実は知り合いだったりするの?」
アリエッタだけでなくユウタに対しても妙にやる気を見せているユリーナに、キララが素朴な疑問をぶつけた。
「簡単な話ですわ。あの男は、わたくしの終生のライバルたるアリエッタに勝ったのですから。アリエッタに勝ち、そしてアリエッタに勝ったあの男にも勝つ。でなければ、わたくしが真の1年生最強とは認められないでしょう?」
ユリーナが自信満々に言い切った。
「さすがユリーナ様だね! ユリーナ様なら絶対できる!」
「当然ですわ。ふふふ、入学試験の屈辱は1年生タッグトーナメントで100億万倍にして返させてもらいますわよ。首を洗って待っていなさいな、アリエッタ・ローゼンベルク!」
「キララもユリーナ様のために頑張る!」
「期待していますわよ」
「うん!」
「1年生主席の座はユリーナ・リリィホワイトが必ず奪還したしますわ! 高貴なるリリィホワイトの家名にかけて――!」
~謎のお嬢さまSIDE END~
キララがドヤ顔で言った。
その顔を例えるなら、獲物を取ってきてご主人様に見せびらかす猫だ。
「キララ、それは本当ですの?」
「模擬訓練中に、アリエッタと話をしているのを聞いた子がいるんですよ。キララとはツーカーの仲なので、確かな情報ですよ!」
「ツーカー……? 通貨? 通過?」
クララの発する、とても名門リリィホワイト家のメイド姫騎士の言葉とは思えない庶民言葉に、静かに会話の成り行きを見守っていたクララは思わず小首をかしげてしまうが、
「そうだったのですか。あの剣がないと、彼は魔法が使えないのですね?」
ユリーナはこれまた慣れたもので、特に気にした様子もない。
「はい!」
「ふふっ、それはいいことを聞きましたわね。でしたら勝算もグッと大きくなるというものですわ」
「ユリーナ様?」
「キララ、クララ。近く開催される、中間考査を兼ねた1年生タッグトーナメント。そこで勝負をしかけますわ。2人まとめて叩きのめし、わたくしこそが1年生最強の姫騎士であることを証明してみせましょう」
不敵に宣言するユリーナを見て、
「わわっ! ユリーナ様、かっくいい~! さいこー!」
キララが小さな子供のようにはしゃぐ。
「あの男に関しては、適当に理由をでっちあげて決闘に持ち込んでも良かったのですが。どうせならより多くの人間が見ている前で叩きのめした方が、わたくしの強さを知らしめることができますものね」
「きゃー! ユリーナ様、ステキー!」
「クララ、至急お母さまに連絡をお願いしますわ。用意してもらいたいものがありますの。例のアレと言えば伝わるはずですから」
「かしこまりました」
ユリーナの命を受けたクララが深々と礼をする。
「ユリーナ様、キララはキララは! キララは何すればいいの!? キララもユリーナ様のお役に立ちたい!」
部屋を去っていくクララを見送るユリーナに、キララが目を輝かせながら尋ねた。
「あなたは戦いの日まで静かにしていなさいな」
「ええ~~! キララもユリーナ様のお役に立ちたいよ~!」
「キララ。あなたの類まれなる才能は、戦いにおいて最も力を発揮します。わたくしのために、わたくしの勝利に貢献なさい。それがあなたの役目なのですから」
「でもキララ、この学園に来てからずっと戦闘を禁止されてるよ? キララも決闘したり模擬戦して、みんなと遊びたいよ~!」
「あれは遊びではないのですが……。キララ、あなたは強すぎる上に、その特殊性ゆえに手加減するのが極めて苦手ですわ。よって然るべき相手意外とは戦わせられません。ですがあの2人となれば話は別。思う存分戦わせてあげますわ」
「ほんと!? 分かった! キララそれまで我慢するね!」
「ふふっ、偉いわねキララは」
「うん! でもでもユリーナ様。ユリーナ様はどうしてアリエッタだけじゃなくて、あの男も倒そうとしているの? 実は知り合いだったりするの?」
アリエッタだけでなくユウタに対しても妙にやる気を見せているユリーナに、キララが素朴な疑問をぶつけた。
「簡単な話ですわ。あの男は、わたくしの終生のライバルたるアリエッタに勝ったのですから。アリエッタに勝ち、そしてアリエッタに勝ったあの男にも勝つ。でなければ、わたくしが真の1年生最強とは認められないでしょう?」
ユリーナが自信満々に言い切った。
「さすがユリーナ様だね! ユリーナ様なら絶対できる!」
「当然ですわ。ふふふ、入学試験の屈辱は1年生タッグトーナメントで100億万倍にして返させてもらいますわよ。首を洗って待っていなさいな、アリエッタ・ローゼンベルク!」
「キララもユリーナ様のために頑張る!」
「期待していますわよ」
「うん!」
「1年生主席の座はユリーナ・リリィホワイトが必ず奪還したしますわ! 高貴なるリリィホワイトの家名にかけて――!」
~謎のお嬢さまSIDE END~
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