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第1章 突然のゲーム内転移
第19話 それが俺とアリエッタのエターナルだから……!
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ソシャゲでもよく日常シーンの背景で使われていた、余計なものがほとんどないシンプルな室内だ。
学生寮によくあるワンルームや1Kではなく、シェアハウスのように複数の部屋がある作りで、入ってすぐのこの部屋は、共有ルームや客間のように使われることが多い。
魔法で稼働するキッチン機器や洗濯機もここにおいてある。
学生が1人で生活するにしてはかなり広々としているが、さっきアリエッタも言っていたように、エース級の姫騎士が育てば、それだけで得がたい財産となる。
よって育成環境はどれだけ充実していても、充実しすぎるということはないのだ。
「ユータの部屋はそっちね。入学してから1度も使ってないから、すぐに使えるはずよ。荷物も何も置いてないし」
「サンキュー」
「食事は食堂に行けば、深夜帯以外は基本的にいつでも食べられるわ。お風呂は男のユータに大浴場を使わせるわけにはいかないから、この部屋のシャワーを使ってちょうだいね」
「どっちも了解」
「でもシャワーは私も使うから、ユータが使う時は必ず脱衣所でノックをすること! 絶対に覗かないでよね! 覗いたら誰がなんといおうと、偶然の事故だろうと、絶対に退学にしてもらうから! 聞き入れてもらえないなら、もう一回決闘するから! はい、約束!」
「分かった。絶対に覗かないって約束する」
「絶対の絶対だからね!」
「ああ、絶対の絶対の約束だ」
俺はアリエッタを納得させるように、ことさら大きく頷いてみせた。
べつに決闘しても負ける気はしないが、これはそういう問題じゃないからな。
信義とか信用とか信頼の問題だ。
勝てば何してもいいだなんて俺は思わないから。
安心しろアリエッタ。
推しの子のお前を悲しませるような真似を、俺は絶対にしない。
それが真の「推し道」というもの!
推し道とは、推しと運命共同体となり、絶対に幸せにすることと見つけたり!
違う世界に生きていた推しの子のアリエッタと、同じ世界に生きることが許された以上、俺はアリエッタを推して推して推しまくるぞ!!
見てろよアリエッタ。
俺は神騎士LV99だ。
この力でもって、推しの子のお前を最高に幸せにしてみせるからな!
俺が内心で並々ならぬ決意を抱いていると、
「じゃあ早速、シャワーに入ってくるから。せっかくお風呂に入ったのに、決闘して汗かいちゃったし」
アリエッタはそう言うと、自分の部屋に着替えを取りに行ってから、シャワーに入りにいった。
一人取り残された俺は、使っていいと言われた、これからマイルームとなる部屋へと向かう。
ドアを開けると、家具も何もないがらんどうの部屋だった。
「たしかに荷物も何も置いてないけどさ? さすがに布団かベッドは欲しいかな? あといすも。今日は床で寝ろってことか?」
思わずボヤいてしまう。
俺は一般的な日本の家庭で育ったので、床で寝た経験なんてありはしない。
だがこれも推しのアリエッタと同棲――同居でもハウスシェアリングでもなく同棲と俺は言い続けるぞ!――できることの対価と比べたら安いものだ。
床で寝るのが何だってんだ!
俺は強い決意をしながら、がらんどうとした部屋で今の状況をおさらいしてみた。
「これで一応、衣食住の『食』と『住』は片付いたよな。あとは『衣』だけだ。今着ている高校の制服以外には服がないし、アリエッタがシャワーから上がったら、ちょっと頼んでみるか」
これだと洗濯すらできやしない。
「でもアリエッタは男物―なんて持ってないだろうしな、どうしたもんかな」
むしろ男物の衣類を普段から持っていたらショックすぎる。
ま、それでも俺はアリエッタを推すがな!
たとえアリエッタに男がいても、俺は血涙を流し唇を噛みしめながら、アリエッタを推し続けるぞ!
それが俺とアリエッタのエターナルだから!
そんな感じで今後のことを考えながら、俺は何気なく窓の外へと視線を向けた。
学生寮によくあるワンルームや1Kではなく、シェアハウスのように複数の部屋がある作りで、入ってすぐのこの部屋は、共有ルームや客間のように使われることが多い。
魔法で稼働するキッチン機器や洗濯機もここにおいてある。
学生が1人で生活するにしてはかなり広々としているが、さっきアリエッタも言っていたように、エース級の姫騎士が育てば、それだけで得がたい財産となる。
よって育成環境はどれだけ充実していても、充実しすぎるということはないのだ。
「ユータの部屋はそっちね。入学してから1度も使ってないから、すぐに使えるはずよ。荷物も何も置いてないし」
「サンキュー」
「食事は食堂に行けば、深夜帯以外は基本的にいつでも食べられるわ。お風呂は男のユータに大浴場を使わせるわけにはいかないから、この部屋のシャワーを使ってちょうだいね」
「どっちも了解」
「でもシャワーは私も使うから、ユータが使う時は必ず脱衣所でノックをすること! 絶対に覗かないでよね! 覗いたら誰がなんといおうと、偶然の事故だろうと、絶対に退学にしてもらうから! 聞き入れてもらえないなら、もう一回決闘するから! はい、約束!」
「分かった。絶対に覗かないって約束する」
「絶対の絶対だからね!」
「ああ、絶対の絶対の約束だ」
俺はアリエッタを納得させるように、ことさら大きく頷いてみせた。
べつに決闘しても負ける気はしないが、これはそういう問題じゃないからな。
信義とか信用とか信頼の問題だ。
勝てば何してもいいだなんて俺は思わないから。
安心しろアリエッタ。
推しの子のお前を悲しませるような真似を、俺は絶対にしない。
それが真の「推し道」というもの!
推し道とは、推しと運命共同体となり、絶対に幸せにすることと見つけたり!
違う世界に生きていた推しの子のアリエッタと、同じ世界に生きることが許された以上、俺はアリエッタを推して推して推しまくるぞ!!
見てろよアリエッタ。
俺は神騎士LV99だ。
この力でもって、推しの子のお前を最高に幸せにしてみせるからな!
俺が内心で並々ならぬ決意を抱いていると、
「じゃあ早速、シャワーに入ってくるから。せっかくお風呂に入ったのに、決闘して汗かいちゃったし」
アリエッタはそう言うと、自分の部屋に着替えを取りに行ってから、シャワーに入りにいった。
一人取り残された俺は、使っていいと言われた、これからマイルームとなる部屋へと向かう。
ドアを開けると、家具も何もないがらんどうの部屋だった。
「たしかに荷物も何も置いてないけどさ? さすがに布団かベッドは欲しいかな? あといすも。今日は床で寝ろってことか?」
思わずボヤいてしまう。
俺は一般的な日本の家庭で育ったので、床で寝た経験なんてありはしない。
だがこれも推しのアリエッタと同棲――同居でもハウスシェアリングでもなく同棲と俺は言い続けるぞ!――できることの対価と比べたら安いものだ。
床で寝るのが何だってんだ!
俺は強い決意をしながら、がらんどうとした部屋で今の状況をおさらいしてみた。
「これで一応、衣食住の『食』と『住』は片付いたよな。あとは『衣』だけだ。今着ている高校の制服以外には服がないし、アリエッタがシャワーから上がったら、ちょっと頼んでみるか」
これだと洗濯すらできやしない。
「でもアリエッタは男物―なんて持ってないだろうしな、どうしたもんかな」
むしろ男物の衣類を普段から持っていたらショックすぎる。
ま、それでも俺はアリエッタを推すがな!
たとえアリエッタに男がいても、俺は血涙を流し唇を噛みしめながら、アリエッタを推し続けるぞ!
それが俺とアリエッタのエターナルだから!
そんな感じで今後のことを考えながら、俺は何気なく窓の外へと視線を向けた。
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