11 / 132
第1章 突然のゲーム内転移
第11話「だって男に抱っこされたら妊娠するんでしょ?」
しおりを挟む
「に、妊娠だって? 急に何の話だよ?」
余りに突飛すぎて、俺はおうむ返しに聞き返してしまった。
だって、いきなり妊娠したら困るとか言われても、なぁ?
まさかお姫様抱っこで妊娠するとか、そんなことは思っていないよな?
……まさか、な?
アリエッタは父親と執事以外の男性とはほとんど接することがなかった、純粋培養の箱入りの姫騎士って設定だったけど、さすがにそんなことは――、
「だって男に抱っこされたら妊娠するんでしょ? 実家の教育係のメイドに、どうやったら子供ができるのって聞いたら、そう言っていたわよ?」
「……(滝汗」
あったーー!!
まさかそんなことが、あってしまったぁーーっ!!!!
さすがのアリエッタ推しの俺も、この事実は知らなかった。
やれやれ、また1つアリエッタについて詳しくなってしまったよ。
異世界に来て良かった!
「あ、えっと、別にアンタの子供が嫌だって言うんじゃなくて。でもまだ学生だし、私は立派な姫騎士にならないといけなくて、男女交際とか子育てとかはまだ早いかなって――」
アリエッタがなにやら小声でごにょごにょ言っていたが、テンションが上がっていたのと、ギャラリーがキャーキャー声を上げているせいで、うまく聞き取ることができなかった。
「いや、お姫様抱っこしただけで妊娠はしない」
「え? そうなの?」
「そうだよ」
俺の腕の中で、アリエッタが不思議そうに小首をかしげた。
アリエッタは優秀な姫騎士となるべく、「汚らわしい男」との接触を限りなく排除された世界で育ってきたっていうのもあって、エッチな知識に疎かったり、斜め上に間違っていたり、男をやたらと毛嫌いしている。
それでもまさかここまでとは思わなかったけど。
ソシャゲは対象年齢に未成年児童が含まれているのもあって、あまり性的な会話はなかったんだよな。
その割に、絵は際どいのが多いんだけど。
肌色いっぱいのビキニ水着とか、ミニスカサンタとか、逆バニーとか、着替え中とか。
文字で書かなければいいってもんでもないのでは? と思わなくもない。
それはさておき。
多分だけど、アリエッタの性教育について過保護すぎて、正しい子作り方法を敢えて教えていなかったんだろう。
コウノトリが運んでくるとかそういう、箱入りお嬢さまあるあるである。
さすが俺の推しの子。
なんて可愛いんだ!
「ほんとにほんと? 妊娠しない?」
「本当にしないから」
「ふーん、そうだったんだ。じゃあじゃあ、どうやったら子供ができるの?」
「えっ!? それはその、男の子のおしべと女の子のめしべが触れ合って、うまく受粉する的な……」
まさかの追及を受けて、俺は思わずしどろもどろになってしまった。
詳細はぼかしつつ、なんとかそれっぽく答える。
「すごいじゃない! うちの優秀なメイドも知らないことも知ってるなんて、アンタって強いだけじゃなくて物知りなのね」
「……かもな」
俺は真実を教えたくても教えられないメイドさんの気持ちを慮りながら、とりあえず曖昧に頷いておいた。
せっかく推しの子のアリエッタに褒めてもらえたのに、わざわざ否定する必要はない。
「だけど、ちょっとふんわりしてるわね? 具体的にはどうやるの? 人間のおしべとめしべって、どういうこと?」
「具体的には裸で――って、それは後でリューネにでも聞いてくれ! 外で話すようなことじゃないと思うからさ」
「ふーん。分かったわ、そうする」
くっ!
なんで俺は周りに人がいる状況で、推しの子をお姫様抱っこしながら、子作りの方法を説明させられそうになっているんだよ!?
俺にそんな尖りまくったニッチな性癖はないぞ!?
どの客層向けだよ、これ!
とまぁ。
話をしながら、俺はリューネのところまでアリエッタをお姫様抱っこしていくと、そっと優しく下ろしてあげた。
「あ、ありがと」
「おう」
俺の見立て通り、アリエッタは誰の支えも必要とせず、そのまま自分の足で立った。
「アリエッタ、大丈夫!? 回復魔法をかけようか?」
そんなアリエッタに、リューネが開口一番、心配でいっぱいといった様子で話しかけてきた。
余りに突飛すぎて、俺はおうむ返しに聞き返してしまった。
だって、いきなり妊娠したら困るとか言われても、なぁ?
まさかお姫様抱っこで妊娠するとか、そんなことは思っていないよな?
……まさか、な?
アリエッタは父親と執事以外の男性とはほとんど接することがなかった、純粋培養の箱入りの姫騎士って設定だったけど、さすがにそんなことは――、
「だって男に抱っこされたら妊娠するんでしょ? 実家の教育係のメイドに、どうやったら子供ができるのって聞いたら、そう言っていたわよ?」
「……(滝汗」
あったーー!!
まさかそんなことが、あってしまったぁーーっ!!!!
さすがのアリエッタ推しの俺も、この事実は知らなかった。
やれやれ、また1つアリエッタについて詳しくなってしまったよ。
異世界に来て良かった!
「あ、えっと、別にアンタの子供が嫌だって言うんじゃなくて。でもまだ学生だし、私は立派な姫騎士にならないといけなくて、男女交際とか子育てとかはまだ早いかなって――」
アリエッタがなにやら小声でごにょごにょ言っていたが、テンションが上がっていたのと、ギャラリーがキャーキャー声を上げているせいで、うまく聞き取ることができなかった。
「いや、お姫様抱っこしただけで妊娠はしない」
「え? そうなの?」
「そうだよ」
俺の腕の中で、アリエッタが不思議そうに小首をかしげた。
アリエッタは優秀な姫騎士となるべく、「汚らわしい男」との接触を限りなく排除された世界で育ってきたっていうのもあって、エッチな知識に疎かったり、斜め上に間違っていたり、男をやたらと毛嫌いしている。
それでもまさかここまでとは思わなかったけど。
ソシャゲは対象年齢に未成年児童が含まれているのもあって、あまり性的な会話はなかったんだよな。
その割に、絵は際どいのが多いんだけど。
肌色いっぱいのビキニ水着とか、ミニスカサンタとか、逆バニーとか、着替え中とか。
文字で書かなければいいってもんでもないのでは? と思わなくもない。
それはさておき。
多分だけど、アリエッタの性教育について過保護すぎて、正しい子作り方法を敢えて教えていなかったんだろう。
コウノトリが運んでくるとかそういう、箱入りお嬢さまあるあるである。
さすが俺の推しの子。
なんて可愛いんだ!
「ほんとにほんと? 妊娠しない?」
「本当にしないから」
「ふーん、そうだったんだ。じゃあじゃあ、どうやったら子供ができるの?」
「えっ!? それはその、男の子のおしべと女の子のめしべが触れ合って、うまく受粉する的な……」
まさかの追及を受けて、俺は思わずしどろもどろになってしまった。
詳細はぼかしつつ、なんとかそれっぽく答える。
「すごいじゃない! うちの優秀なメイドも知らないことも知ってるなんて、アンタって強いだけじゃなくて物知りなのね」
「……かもな」
俺は真実を教えたくても教えられないメイドさんの気持ちを慮りながら、とりあえず曖昧に頷いておいた。
せっかく推しの子のアリエッタに褒めてもらえたのに、わざわざ否定する必要はない。
「だけど、ちょっとふんわりしてるわね? 具体的にはどうやるの? 人間のおしべとめしべって、どういうこと?」
「具体的には裸で――って、それは後でリューネにでも聞いてくれ! 外で話すようなことじゃないと思うからさ」
「ふーん。分かったわ、そうする」
くっ!
なんで俺は周りに人がいる状況で、推しの子をお姫様抱っこしながら、子作りの方法を説明させられそうになっているんだよ!?
俺にそんな尖りまくったニッチな性癖はないぞ!?
どの客層向けだよ、これ!
とまぁ。
話をしながら、俺はリューネのところまでアリエッタをお姫様抱っこしていくと、そっと優しく下ろしてあげた。
「あ、ありがと」
「おう」
俺の見立て通り、アリエッタは誰の支えも必要とせず、そのまま自分の足で立った。
「アリエッタ、大丈夫!? 回復魔法をかけようか?」
そんなアリエッタに、リューネが開口一番、心配でいっぱいといった様子で話しかけてきた。
22
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!


プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる