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第二部 暴れん坊将軍編(セントフィリア国王編)
第130話 アリスベル&フィオナとお話
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「事情? おにーさんがリヨンさんを付きっきりで看病してたんだよね? リヨンさんもすっかり元気になったみたいだし、良かった~」
「みんな心配していたんですよ?」
「きっとフィオナさんのくれた丸薬の効果もあったんじゃないかな?」
「あれは本来はアリスベルさん用だったんですが、役に立ったようでよかったです」
しかしアリスベルとフィオナは、俺を責めるでもなく、怒るわけでもなく、ほんわかほわーんと、いたって普通の様子で話し始める。
おおっ!?
なんか理解がある感じ!?
これは俺の普段の行いのおかげか!?
いや、それはないな。(心の中でセルフツッコミ)
ともあれ、いつもの調子の2人に俺はホッと一安心していた。
なぜだかは知らないが、2人ともどうやら正しく真実を理解してくれているようだ。
つまり2人は味方だ!
「それでなんでおにーさんとリヨンさんはふたりそろって裸なの? あと、なんでおにーさんは蹴られてるの?」
「これには色々と深いわけがあってだな――」
俺はちょうどいい機会だからと、アリスベルとフィオナ(とリヨン)に改めて事情を説明した。
「なるほどね」
「信じてくれるのかアリスベル!」
「おにーさんを信じてるに決まってるじゃん」
「アリスベル~~! 俺は今、猛烈に感動している! これが愛の力なんだな!」
「ってのは冗談で」
「え?」
「実はリヨンさんの体調が心配だったから、フィオナさんに見張ってもらってたの」
「フィオナに?」
俺が視線を向けると、フィオナがコホンと軽く咳払いをしてから話し始めた。
「風の精霊シルフをリヨンさんに張り付けていたんです。リヨンさんの体調や精神状態が変化したら、すぐにテレパシーで伝えてくれるようにと指示をして」
「おおっ、そんなこともできるのか! 精霊使いはすごいな!」
超越魔竜イビルナークとの戦いで、世界でも極めて珍しい、精霊との交信ができるようになったフィオナ。
あれからそう日も経っていないというのに、すっかり精霊使いとして力を使いこなせるようになったようだ。
フィオナは超が付く真面目だもんな。
精霊を使う訓練とかしっかりしてたんだろうなぁ。
「ですので、もし勇者様がリヨンさんにえっちなことをしていたとしたら、リヨンさんの心身の状態が大きく変化して、テレパシーがあったはずです」
「ふんふん」
「ですが特にそういうことはなかったので、勇者様はリヨンさんに何もしなかったということは確定的に明らかなわけです」
「なるほど! ありがとうフィオナ! アリの這い出る隙間もない完璧な理論だよ! 俺の無実を証明してくれてありがとう! ありがとう!」
俺は感極まってフィオナを抱きしめた。
「勇者様、その、恥ずかしいですよ……」
「恥ずかしがる必要なんかないさ。フィオナは俺の無実を証明してくれたんだからさ! 可愛くて優しいだけでなく、こうやって俺の無実まで証明してくれるだなんて、フィオナは本当に素敵な女の子だよ!」
俺は妙に恥ずかしがっているフィオナを、さらにギュッと深く抱きしめた。
すると、アリスベルがちょいちょいと俺の背中をつついてきた。
「あの、おにーさん」
「どうしたアリスベル? アリスベルもギュッとして欲しいのか? まったくもう、2人揃って可愛い子たちだなぁ」
「そうじゃなくて。フィオナさんが恥ずかしがっているのは、抱きしめられてるからじゃなくてね」
「じゃあなんでだよ?」
「おにーさんが全裸でちん〇んをぱおーんさせたままだからだと思うよ」
「すんませんでしたぁ!!!!!」
俺はすぐにフィオナから手を離すと、急いでパンツをはいて服を着た。
リヨンも自分が全裸シーツで居続けていることに改めて気付いたのか、頬を赤く染めながら、いそいそと衣服を身に着けた。
「みんな心配していたんですよ?」
「きっとフィオナさんのくれた丸薬の効果もあったんじゃないかな?」
「あれは本来はアリスベルさん用だったんですが、役に立ったようでよかったです」
しかしアリスベルとフィオナは、俺を責めるでもなく、怒るわけでもなく、ほんわかほわーんと、いたって普通の様子で話し始める。
おおっ!?
なんか理解がある感じ!?
これは俺の普段の行いのおかげか!?
いや、それはないな。(心の中でセルフツッコミ)
ともあれ、いつもの調子の2人に俺はホッと一安心していた。
なぜだかは知らないが、2人ともどうやら正しく真実を理解してくれているようだ。
つまり2人は味方だ!
「それでなんでおにーさんとリヨンさんはふたりそろって裸なの? あと、なんでおにーさんは蹴られてるの?」
「これには色々と深いわけがあってだな――」
俺はちょうどいい機会だからと、アリスベルとフィオナ(とリヨン)に改めて事情を説明した。
「なるほどね」
「信じてくれるのかアリスベル!」
「おにーさんを信じてるに決まってるじゃん」
「アリスベル~~! 俺は今、猛烈に感動している! これが愛の力なんだな!」
「ってのは冗談で」
「え?」
「実はリヨンさんの体調が心配だったから、フィオナさんに見張ってもらってたの」
「フィオナに?」
俺が視線を向けると、フィオナがコホンと軽く咳払いをしてから話し始めた。
「風の精霊シルフをリヨンさんに張り付けていたんです。リヨンさんの体調や精神状態が変化したら、すぐにテレパシーで伝えてくれるようにと指示をして」
「おおっ、そんなこともできるのか! 精霊使いはすごいな!」
超越魔竜イビルナークとの戦いで、世界でも極めて珍しい、精霊との交信ができるようになったフィオナ。
あれからそう日も経っていないというのに、すっかり精霊使いとして力を使いこなせるようになったようだ。
フィオナは超が付く真面目だもんな。
精霊を使う訓練とかしっかりしてたんだろうなぁ。
「ですので、もし勇者様がリヨンさんにえっちなことをしていたとしたら、リヨンさんの心身の状態が大きく変化して、テレパシーがあったはずです」
「ふんふん」
「ですが特にそういうことはなかったので、勇者様はリヨンさんに何もしなかったということは確定的に明らかなわけです」
「なるほど! ありがとうフィオナ! アリの這い出る隙間もない完璧な理論だよ! 俺の無実を証明してくれてありがとう! ありがとう!」
俺は感極まってフィオナを抱きしめた。
「勇者様、その、恥ずかしいですよ……」
「恥ずかしがる必要なんかないさ。フィオナは俺の無実を証明してくれたんだからさ! 可愛くて優しいだけでなく、こうやって俺の無実まで証明してくれるだなんて、フィオナは本当に素敵な女の子だよ!」
俺は妙に恥ずかしがっているフィオナを、さらにギュッと深く抱きしめた。
すると、アリスベルがちょいちょいと俺の背中をつついてきた。
「あの、おにーさん」
「どうしたアリスベル? アリスベルもギュッとして欲しいのか? まったくもう、2人揃って可愛い子たちだなぁ」
「そうじゃなくて。フィオナさんが恥ずかしがっているのは、抱きしめられてるからじゃなくてね」
「じゃあなんでだよ?」
「おにーさんが全裸でちん〇んをぱおーんさせたままだからだと思うよ」
「すんませんでしたぁ!!!!!」
俺はすぐにフィオナから手を離すと、急いでパンツをはいて服を着た。
リヨンも自分が全裸シーツで居続けていることに改めて気付いたのか、頬を赤く染めながら、いそいそと衣服を身に着けた。
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