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第二部 暴れん坊将軍編(セントフィリア国王編)
第117話「ちょ、やめてよね! クロウに抱き着かれたら妊娠しちゃうじゃないの!」
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「妙案っていうか、要はクロウの力の制御が未熟なのが問題なわけでしょ? だったらそこを私の符術でアシストできれば、後はクロウが石をガンガン切り出せるわけよね?」
「まぁそういうことになるのかな? でもそんなことできるのか?」
「ほらこの前、隕石を迎撃するためにクロウの力を変換する符術を作ったじゃない」
「ああ、あれな。最後暴走したやつ」
「うっさいわね! 何の準備もしてないところでいきなり言われて、たった2日で作ったんだから仕方ないでしょ!」
「もちろん分かってるってば。リヨンには本当に感謝してるんだ。あの時はマジで助かったから。ありがとうな」
俺は真面目な声で言うと、ガバッと大きく頭を下げた。
リヨンとはお互い好き放題に何でも言い合える仲だが、親しき仲にも礼儀あり。
仲の良さは、感謝を伝えるのに手を抜く理由にはなりえないのだから。
「言っとくけど私は天才だからできたけど。並の術師じゃ10年かけようが20年かけようが、あのレベルの超高度な新しい術式なんて開発できないんだからね? そこんとこちゃんと理解しなさいよね?」
「それも分かってるって、リヨンが本物の天才なのはさ。俺も伊達に一緒に勇者パーティを組んでなかったさ」
リヨンの実力は他でもないこの俺が、嫌と言うほど目の当たりにしてきたのだから。
「分かってるならいいけど……。でね? あの時はまだちょっと未完成だったんだけど、ストラスブールが手直ししたのを参考に、出力制御を改良したのがあるのよ」
「おおっ!? と、いうことは?」
「それを応用すれば、細かいコントロールがきかないクロウの馬鹿力も、ある程度は制御できるはずよ」
「さすがリヨン! 100年に一人の天才術師と呼ばれるだけはあるな!」
これで石不足という難問が一気に解決するぞ!
「ま、まぁね」
「ありがとう! 本当にリヨンには頭が上がらないよ」
「べ、別にこれくらい私にとっては普通だし」
「謙遜するなってば。もうリヨン様様だから!」
俺は喜びの余りリヨンに抱き着いた。
喜びの大きさを表すようにギュッと強く抱きしめる。
「ちょっと!? やめてよね! クロウに抱き着かれたら妊娠しちゃうじゃないの!」
「……いや、抱き着いただけで妊娠はしないだろ」
「はん、どうだか」
「でも悪かった、ちょっと嬉しくてさ。ついな」
俺は謝罪の言葉を伝えつつ、身体を離そうとしたんだけど。
「べ、別にもう少しくらいならいいわよ」
なぜかリヨンの方から、俺の身体に手を回してきたのだ。
「んん……?」
俺の胸元に顔をうずめているので、俺からリヨンの表情はうかがいしれない。
うーむ。
またまたいったい、どういうつもりなんだろうか?
リヨンの方から抱き着いてくるなんて、初めてのことなんだが?
まさかリヨンは俺のことが好き――?
なワケはないよな(苦笑)
ほんとないない。
万が一そんなことを尋ねたら、ブチ切れたリヨンに最大火力の符術で丸焼きにされること間違いなしだ。
しかも死ぬまでこのことをネタにされ続けることだろう。
ま、俺が女心を分からないのは今に始まったことじゃないし、リヨンが嫌じゃないのならそれでいいさ。
今はもう少しだけこうしているとしよう。
俺は軽くリヨンの肩のあたりを抱き返すと、しばらく静かに抱き合っていた。
ちなみに。
「いつまで抱き着いてんのよこのセクハラエロ勇者!」
なぜかリヨンの中では俺がずっと抱きしめていたことになっていたらしく、結局俺はまたまたリヨンにキレられたのだった。
俺、悪くなくね……?
「まぁそういうことになるのかな? でもそんなことできるのか?」
「ほらこの前、隕石を迎撃するためにクロウの力を変換する符術を作ったじゃない」
「ああ、あれな。最後暴走したやつ」
「うっさいわね! 何の準備もしてないところでいきなり言われて、たった2日で作ったんだから仕方ないでしょ!」
「もちろん分かってるってば。リヨンには本当に感謝してるんだ。あの時はマジで助かったから。ありがとうな」
俺は真面目な声で言うと、ガバッと大きく頭を下げた。
リヨンとはお互い好き放題に何でも言い合える仲だが、親しき仲にも礼儀あり。
仲の良さは、感謝を伝えるのに手を抜く理由にはなりえないのだから。
「言っとくけど私は天才だからできたけど。並の術師じゃ10年かけようが20年かけようが、あのレベルの超高度な新しい術式なんて開発できないんだからね? そこんとこちゃんと理解しなさいよね?」
「それも分かってるって、リヨンが本物の天才なのはさ。俺も伊達に一緒に勇者パーティを組んでなかったさ」
リヨンの実力は他でもないこの俺が、嫌と言うほど目の当たりにしてきたのだから。
「分かってるならいいけど……。でね? あの時はまだちょっと未完成だったんだけど、ストラスブールが手直ししたのを参考に、出力制御を改良したのがあるのよ」
「おおっ!? と、いうことは?」
「それを応用すれば、細かいコントロールがきかないクロウの馬鹿力も、ある程度は制御できるはずよ」
「さすがリヨン! 100年に一人の天才術師と呼ばれるだけはあるな!」
これで石不足という難問が一気に解決するぞ!
「ま、まぁね」
「ありがとう! 本当にリヨンには頭が上がらないよ」
「べ、別にこれくらい私にとっては普通だし」
「謙遜するなってば。もうリヨン様様だから!」
俺は喜びの余りリヨンに抱き着いた。
喜びの大きさを表すようにギュッと強く抱きしめる。
「ちょっと!? やめてよね! クロウに抱き着かれたら妊娠しちゃうじゃないの!」
「……いや、抱き着いただけで妊娠はしないだろ」
「はん、どうだか」
「でも悪かった、ちょっと嬉しくてさ。ついな」
俺は謝罪の言葉を伝えつつ、身体を離そうとしたんだけど。
「べ、別にもう少しくらいならいいわよ」
なぜかリヨンの方から、俺の身体に手を回してきたのだ。
「んん……?」
俺の胸元に顔をうずめているので、俺からリヨンの表情はうかがいしれない。
うーむ。
またまたいったい、どういうつもりなんだろうか?
リヨンの方から抱き着いてくるなんて、初めてのことなんだが?
まさかリヨンは俺のことが好き――?
なワケはないよな(苦笑)
ほんとないない。
万が一そんなことを尋ねたら、ブチ切れたリヨンに最大火力の符術で丸焼きにされること間違いなしだ。
しかも死ぬまでこのことをネタにされ続けることだろう。
ま、俺が女心を分からないのは今に始まったことじゃないし、リヨンが嫌じゃないのならそれでいいさ。
今はもう少しだけこうしているとしよう。
俺は軽くリヨンの肩のあたりを抱き返すと、しばらく静かに抱き合っていた。
ちなみに。
「いつまで抱き着いてんのよこのセクハラエロ勇者!」
なぜかリヨンの中では俺がずっと抱きしめていたことになっていたらしく、結局俺はまたまたリヨンにキレられたのだった。
俺、悪くなくね……?
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