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第二部 暴れん坊将軍編(セントフィリア国王編)
第107話「今から48時間後、セントフィリア王都に巨大隕石が直撃します」
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「勇者様。天啓を授かりました……今から48時間後、セントフィリア王都に巨大隕石が直撃します」
フィオナが突然放ったその一言で、セントフィリア王宮はてんやわんやの大騒ぎになった。
今日も今日とて、心を完全に無にして行っていた俺のエンドレスハンコ押し作業は中断され、すぐに緊急御前会議が招集される。
「国王陛下、王妃様、第二王妃様。それと大臣各位および有識者の皆さま。本日は急な要請にもかかわらず全員がお集まりいただき誠にありがとうございました。ただ今より、巨大隕石落下対策の緊急御前会議を始めたいと思います」
官房長官がおごそかに会議の開始を告げると、
「それでフィオナ、単刀直入に聞くけど被害予想はどれくらいの規模なんだ?」
俺はすぐさまみんなを代表してフィオナに尋ねた。
「衝撃波で半径20キロは更地に。その外側20キロも猛烈な爆風が吹き荒れ、範囲内の生きとし生けるものは皆、死に絶えることでしょう」
「……さすがにちょっと盛ってないか?」
「むしろやや控えめに言ったのですが……」
「……」
フィオナの答えに、俺を含めた一同が一様に沈黙した。
そりゃあそうだ。
20+20=半径40キロ以上もの広大な地域を、衝撃波と爆風が吹き荒れるのだ。
距離的に王都だけでなく、周辺にあるいくつかの衛星都市まで巻き込まれてしまう。
つまり王都と衛星都市の民をすべて合わせたら100万近い人間を逃がさないといけない。
だがそれだけの数の人間をいったいどこへ逃がすっていうんだ?
しかもわずか2日以内に。
そんなことが不可能なのは子供だって分かる。
のっけから会議室に絶望と言う名の暗い雰囲気が立ち込めた。
――が、そんな暗いムードを打ち払ったのはアリスベルだった。
「じゃあおにーさんが破壊してよ? あのすっごい光の柱がビュー!って出てバー!ってなるヤツで」
あっけらかんと言うアリスベル。
「超必殺技のジャスティス・ラグナロク・ブレイクか?」
「そうそう、それそれ」
「たしかに100万人近い人間を退避させるよりも、大元の巨大隕石を破壊する方が現実的かもな」
「飛来する巨大隕石は直径200メートル級ですが、破片も残さず完全破壊することなど可能なのでしょうか?」
「どうだろ? やったことがないから分からないけど、かなり近い距離で撃てばいけるんじゃないかなぁ」
「つまりなるべく詳細な落下地点の予測が必要と言うわけですね?」
「こっちに向かってくるのを、落下点から迎撃すれば芯を外すこともないだろうしな」
「ってわけでフィオナ。より詳細なデータを頼むよ」
「分かりました。まだ未来予知の精度は高くありませんが、できうる限りやってみます。事が事ですので、きっと精霊たちも私の呼びかけに応えてくれることでしょうから」
フィオナが惚れ惚れするほどに凛々しい騎士の表情でこくんと頷いた。
「ってことで、巨大隕石破壊ミッション、スタートだね!」
アリスベルが親指をグッとしながら可愛くウインクする。
こうして巨大隕石を、落下前に完全破壊する作戦が即座に立案され。
慌ただしい48時間もすぐに過ぎ去って――。
そうして万全の状態で、俺たちは巨大隕石落下の日を迎えた。
フィオナが突然放ったその一言で、セントフィリア王宮はてんやわんやの大騒ぎになった。
今日も今日とて、心を完全に無にして行っていた俺のエンドレスハンコ押し作業は中断され、すぐに緊急御前会議が招集される。
「国王陛下、王妃様、第二王妃様。それと大臣各位および有識者の皆さま。本日は急な要請にもかかわらず全員がお集まりいただき誠にありがとうございました。ただ今より、巨大隕石落下対策の緊急御前会議を始めたいと思います」
官房長官がおごそかに会議の開始を告げると、
「それでフィオナ、単刀直入に聞くけど被害予想はどれくらいの規模なんだ?」
俺はすぐさまみんなを代表してフィオナに尋ねた。
「衝撃波で半径20キロは更地に。その外側20キロも猛烈な爆風が吹き荒れ、範囲内の生きとし生けるものは皆、死に絶えることでしょう」
「……さすがにちょっと盛ってないか?」
「むしろやや控えめに言ったのですが……」
「……」
フィオナの答えに、俺を含めた一同が一様に沈黙した。
そりゃあそうだ。
20+20=半径40キロ以上もの広大な地域を、衝撃波と爆風が吹き荒れるのだ。
距離的に王都だけでなく、周辺にあるいくつかの衛星都市まで巻き込まれてしまう。
つまり王都と衛星都市の民をすべて合わせたら100万近い人間を逃がさないといけない。
だがそれだけの数の人間をいったいどこへ逃がすっていうんだ?
しかもわずか2日以内に。
そんなことが不可能なのは子供だって分かる。
のっけから会議室に絶望と言う名の暗い雰囲気が立ち込めた。
――が、そんな暗いムードを打ち払ったのはアリスベルだった。
「じゃあおにーさんが破壊してよ? あのすっごい光の柱がビュー!って出てバー!ってなるヤツで」
あっけらかんと言うアリスベル。
「超必殺技のジャスティス・ラグナロク・ブレイクか?」
「そうそう、それそれ」
「たしかに100万人近い人間を退避させるよりも、大元の巨大隕石を破壊する方が現実的かもな」
「飛来する巨大隕石は直径200メートル級ですが、破片も残さず完全破壊することなど可能なのでしょうか?」
「どうだろ? やったことがないから分からないけど、かなり近い距離で撃てばいけるんじゃないかなぁ」
「つまりなるべく詳細な落下地点の予測が必要と言うわけですね?」
「こっちに向かってくるのを、落下点から迎撃すれば芯を外すこともないだろうしな」
「ってわけでフィオナ。より詳細なデータを頼むよ」
「分かりました。まだ未来予知の精度は高くありませんが、できうる限りやってみます。事が事ですので、きっと精霊たちも私の呼びかけに応えてくれることでしょうから」
フィオナが惚れ惚れするほどに凛々しい騎士の表情でこくんと頷いた。
「ってことで、巨大隕石破壊ミッション、スタートだね!」
アリスベルが親指をグッとしながら可愛くウインクする。
こうして巨大隕石を、落下前に完全破壊する作戦が即座に立案され。
慌ただしい48時間もすぐに過ぎ去って――。
そうして万全の状態で、俺たちは巨大隕石落下の日を迎えた。
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