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第一部 腰痛勇者編
第44話「ならばよし!」
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「えっと、なぜでしょうか……? この程度ではまだ覚悟も誠意も、全然足りてはいないということでしょうか?」
アリスベルの態度に、フィオナが戸惑ったように尋ねる。
「だってフィオナさん、おにーさんが初めての男の人だったんでしょ?」
「は、はい、そうなります」
アリスベルにズバリ言われしまい、フィオナが頬を赤らめた。
「だったらそれもアタシと一緒だよね。ってことはつまり、アタシと同じようにフィオナさんにもおにーさんに幸せにしてもらう権利があるってことじゃないかな?」
「で、ですが――」
「アタシもフィオナさんはすごくいい人だと思うし、だからこれからはアタシとおにーさんとフィオナさんの3人で、やっていけばいいんじゃないかなって思うんだ」
ここに来てアリスベルがなんともビックリ仰天なプランを提案した。
「いや3人でって、アリスベル――」
その想像だにしていなかったあまりにぶっ飛んだ提案に、俺はつい口を挟んでしまった。
「あれ? おにーさんはフィオナさんのこと嫌いなの?」
「嫌いだなんてまさか。フィオナは真面目だけど意外と融通も利いて、優しくてとても好感が持てる素敵な女の子だよ」
「それに美人でおっぱいも大きいもんね?」
「え? あ、いや、うん?」
アリスベルのツッコミに、俺はつい言葉に詰まってしまった。
「ねえ、おにーさん? おにーさんが一番気にするところのはずなのに、意図的に言わなかったよね、今?」
「えっと、あっと、いや、その……」
「舞踏会で踊ったミライト商会のマリアンヌさんといい、おにーさんは大きなおっぱいの女の子が大好きなはずなのに、敢えて今言わなかったよね? なんでかな? 教えておにーさん?」
とてもいい笑顔を見せたアリスベルから、俺はなぜか猛烈な圧を感じてしまっていた。
「申し訳ありませんでした。言わないといけなかったことを、俺は今言わずに済まそうとしました。正直に言います、フィオナは美人でおっぱいが大きいところも大好きです」
アリスベルから厳しいプレッシャーを受けた俺は、正直に答えざるを得ませんでした。
「だったらいいよね――ただし!」
そこでアリスベルは指を一本立てると、俺とフィオナの目の前にビシィッ!と突き出した。
「1番はアタシ、フィオナさんは2番目。そしておにーさんはアタシたち2人を、その順番に関係なく、これ以上ないほどにパーフェクトに幸せにすること!」
「それって――」
「おにーさん、結婚――はまだ早いかもだけど、将来を見据えたお付き合いくらいはしよっか?」
「いいのか?」
「おにーさんがアタシをどれだけ愛してるか、いい加減わからされちゃった感じかな。言い訳一つしないで必死に説明するおにーさんを見てたら、ちょっと愛を感じちゃったっていうか」
「そ、そうか……!」
「それにフィオナさんとえっちしたんだから、当然責任はとらないといけないでしょ? 初めての男として」
「そりゃまぁ取れるなら取りたいけど」
「じゃあこの選択肢が一番だよね」
「そうなる、のかな?」
「でも! 3人目はダメだからね? フィオナさんまでだからね? それ以上はマジでアウトだから。なにをどうやっても絶対に、絶対の絶対に許さないから。これ前振りじゃないからね、ガチの絶交するからね。どんな理由でもマジで一発アウトだからね」
その後半の言葉は、討伐に行く前に言われたものとそっくりそのまま同じで。
それをアリスベルは極上の笑顔で言ってくるのだから、俺はもう完全にお手上げなのだった。
アリスベルにはかなわないよ、まったく。
「浮気えっちはしない。俺はアリスベル一筋――今はフィオナもいるから二筋か? ともあれ二人を裏切るような真似は絶対にしないと約束する。今度こそ違えない」
「ならばよし!」
言いながら器用に片目をつぶって、親指をグッと立てたアリスベルだった。
というわけで、俺とアリスベルとフィオナは3人で「結婚を前提にした親密なお付き合い」をすることになった。
アリスベルの態度に、フィオナが戸惑ったように尋ねる。
「だってフィオナさん、おにーさんが初めての男の人だったんでしょ?」
「は、はい、そうなります」
アリスベルにズバリ言われしまい、フィオナが頬を赤らめた。
「だったらそれもアタシと一緒だよね。ってことはつまり、アタシと同じようにフィオナさんにもおにーさんに幸せにしてもらう権利があるってことじゃないかな?」
「で、ですが――」
「アタシもフィオナさんはすごくいい人だと思うし、だからこれからはアタシとおにーさんとフィオナさんの3人で、やっていけばいいんじゃないかなって思うんだ」
ここに来てアリスベルがなんともビックリ仰天なプランを提案した。
「いや3人でって、アリスベル――」
その想像だにしていなかったあまりにぶっ飛んだ提案に、俺はつい口を挟んでしまった。
「あれ? おにーさんはフィオナさんのこと嫌いなの?」
「嫌いだなんてまさか。フィオナは真面目だけど意外と融通も利いて、優しくてとても好感が持てる素敵な女の子だよ」
「それに美人でおっぱいも大きいもんね?」
「え? あ、いや、うん?」
アリスベルのツッコミに、俺はつい言葉に詰まってしまった。
「ねえ、おにーさん? おにーさんが一番気にするところのはずなのに、意図的に言わなかったよね、今?」
「えっと、あっと、いや、その……」
「舞踏会で踊ったミライト商会のマリアンヌさんといい、おにーさんは大きなおっぱいの女の子が大好きなはずなのに、敢えて今言わなかったよね? なんでかな? 教えておにーさん?」
とてもいい笑顔を見せたアリスベルから、俺はなぜか猛烈な圧を感じてしまっていた。
「申し訳ありませんでした。言わないといけなかったことを、俺は今言わずに済まそうとしました。正直に言います、フィオナは美人でおっぱいが大きいところも大好きです」
アリスベルから厳しいプレッシャーを受けた俺は、正直に答えざるを得ませんでした。
「だったらいいよね――ただし!」
そこでアリスベルは指を一本立てると、俺とフィオナの目の前にビシィッ!と突き出した。
「1番はアタシ、フィオナさんは2番目。そしておにーさんはアタシたち2人を、その順番に関係なく、これ以上ないほどにパーフェクトに幸せにすること!」
「それって――」
「おにーさん、結婚――はまだ早いかもだけど、将来を見据えたお付き合いくらいはしよっか?」
「いいのか?」
「おにーさんがアタシをどれだけ愛してるか、いい加減わからされちゃった感じかな。言い訳一つしないで必死に説明するおにーさんを見てたら、ちょっと愛を感じちゃったっていうか」
「そ、そうか……!」
「それにフィオナさんとえっちしたんだから、当然責任はとらないといけないでしょ? 初めての男として」
「そりゃまぁ取れるなら取りたいけど」
「じゃあこの選択肢が一番だよね」
「そうなる、のかな?」
「でも! 3人目はダメだからね? フィオナさんまでだからね? それ以上はマジでアウトだから。なにをどうやっても絶対に、絶対の絶対に許さないから。これ前振りじゃないからね、ガチの絶交するからね。どんな理由でもマジで一発アウトだからね」
その後半の言葉は、討伐に行く前に言われたものとそっくりそのまま同じで。
それをアリスベルは極上の笑顔で言ってくるのだから、俺はもう完全にお手上げなのだった。
アリスベルにはかなわないよ、まったく。
「浮気えっちはしない。俺はアリスベル一筋――今はフィオナもいるから二筋か? ともあれ二人を裏切るような真似は絶対にしないと約束する。今度こそ違えない」
「ならばよし!」
言いながら器用に片目をつぶって、親指をグッと立てたアリスベルだった。
というわけで、俺とアリスベルとフィオナは3人で「結婚を前提にした親密なお付き合い」をすることになった。
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