55 / 66
最終章 聖女凱旋
第55話 一挙両得の策謀
しおりを挟む
「うむ。これを機にワシは、獅子身中の虫たる第二王女ヴェロニカを追放し、聡明な第一王女にセラフィム王国を継いでもらいたいと考えておるのじゃよ」
「ってことはつまり。わたしが取引に応じるための条件として、ヴェロニカ王女を廃嫡にすることにしてほしい、ってことですね?」
ヴァルスからセラフィム国を守るためには、聖女であるわたしが必要で。
そしてわたしがセラフィム王国に戻るには、遺恨のある第二王女のヴェロニカを廃嫡しなければならない。
するとどうなるか。
あら不思議。
今はヴェロニカの姦計で抑え込まれ力を失っている第一王女が復権し、さらには王位継承権までもが確定するという寸法だ。
ヴァルス禍を終息させ、さらには地位と権力を笠に着て王宮で好き勝手をしているヴェロニカ王女とその一派を一掃する。
1粒で2度おいしい、恐ろしいまでの一挙両得の策謀だった。
「そういうことじゃの。さすがミレイユ、理解が速くて助かるわい。で、どうじゃ? ヴェロニカ王女を恨むそなたにとっても、悪い話ではないと思うがの? 確か、やられたら十倍にしてやり返すのが、ミレイユの流儀じゃったろう?」
「それはもちろん、渡りに船ですけど……」
願ったり叶ったりとは、きっとこういうことを言うんだろう。
なにせヴェロニカはあんなでも一国の王女なのだ。
いくらわたしが王子であるジェイクの婚約者になろうとも、他国の王女を仕留めるのはそうは容易いことじゃない。
むしろわたしの身分が上がった分だけ、逆に下手なことはできなくなったまであった。
わたしが個人的な遺恨を王女であるヴェロニカにぶつけてしまえば、エルフィーナ王国とセラフィム王国が戦争――とまではいかなくても、敵対関係になったり、完全に交流が断絶してしまうかもしれないからだ。
そんなヴェロニカを完膚なきまでにざまぁする千載一遇の大チャンスが、何もせずに降って湧いたのだから、わたしとしては乗らない手はないんだけど――。
「で、どうじゃ?」
「そうですね……率直に言うと、なんだかちょっとお膳立てされすぎてて、嫌な感じ?」
わたしの空気を読まない発言に、
「そ、そうか……うむ……」
さすがのデルマイユ侯爵も言葉に詰まってしまい、
「ミレイユ……」
ここまで感心しながらデルマイユ侯爵の策略を聞いていたジェイクも、なんとも微妙な顔をする。
「まぁミレイユ様は、気持ちで戦うタイプですからね……」
さらにはここまで黙って会議を見守っていたアンナまでもが、呆れたようにそっと口をはさんだ。
でもでも、だってね?
「自分の関係ないところで全部決まってるのって、なんかこう、しっくりこないって言うか? いまいちモチベーションに繋がらないのよねぇ……」
「…………」
「…………」
「…………」
わたしのその発言で、沈黙が完全に場を支配してしまった。
でもね?
自分っていう船のオールは、他人任せにしたくはないじゃない?
言われたままに流される人間には、わたしなりたくないのよね。
だから何か強い動機づけになる理由が欲しいなぁ――って、あ、そうだ!
「ねぇ先生。ならわたしからもう一つだけ条件を付けるわ。それなら自分も積極的に関わったことだって思えるようになるし」
「おっ、それはいい考えだな。デルマイユ侯爵、こちらからさらに追加で条件を出させていただきたいのだが?」
ジェイクの問いかけに、
「良いでしょう。これもここだけの話じゃが、セラフィム王からはどれだけ譲歩しても構わぬと言われておるからの。それにせっかくの機会じゃ、ミレイユの想いを聞かせてもらうとしようかの」
デルマイユ侯爵が笑顔で答えた。
わたしの追加提案とはつまり――、
「えっとね。セラフィム王国で、エルフを二等市民と扱うのをやめてもらえないかしら?」
と言うことだった。
「ミレイユ、それは――」
「だってさ、ジェイク。人間とエルフは子供だって作れるのよ? なのになんで分ける必要があるのかって、前々からずっと思ってたんだよね」
「だけどそれはセラフィム王国の、国としての基盤にも関わることだ。さすがにすぐにホイホイとは決められない案件だと思うぞ」
「いいえ、だからこそ今なのよ。変えられるとしたら今この瞬間しかないの。ジェイクやアンナはすごくいい人たちだもん。人間とエルフってだけで分け隔てるなんて、あるべきじゃないと思うわ」
「ミレイユ様……」
「アンナ、わたしはあなたやジェイクたちが二等市民だなんて扱いを受けることに、ムカついてたんだから」
「ふむ…………」
わたしの提案を、デルマイユ侯爵は少しばかり長めに考えた後、
「わかった。ヴァルスが無事に終息したあかつきには、二等市民の制度を完全に廃止し、人間とエルフの平等な社会制度を構築することを約束しよう」
それを認めることに同意したのだった。
「さすが先生! ありがとうございます!」
「なーに、ミレイユは今やエルフィーナ王国の王太子妃じゃからの。ミレイユがセラフィム王国を救ったとなれば、そうは文句も出ないだろうて。施されたら施し返す、恩返しじゃよ」
「だってさ。良かったわねアンナ。これでもう二等市民だからってないがしろにされることはないわよ」
「あ、ありがとうございます、ミレイユ様! それにデルマイユ侯爵様!」
「いやいや、ワシも前からこの制度には問題ありと考えておったからの。この機会に改められるところは改めるというのは、セラフィム王国にとっても決して悪い話ではない」
というわけで。
その日のうちに、エルフィーナ王国とセラフィム王国との間で正式な合意文書が交わされて。
さらにその翌日には、わたしはデルマイユ侯爵の案内のもと、ジェイクとアンナと随行スタッフを伴って、セラフィム王国王都へと向かうことになった。
「ってことはつまり。わたしが取引に応じるための条件として、ヴェロニカ王女を廃嫡にすることにしてほしい、ってことですね?」
ヴァルスからセラフィム国を守るためには、聖女であるわたしが必要で。
そしてわたしがセラフィム王国に戻るには、遺恨のある第二王女のヴェロニカを廃嫡しなければならない。
するとどうなるか。
あら不思議。
今はヴェロニカの姦計で抑え込まれ力を失っている第一王女が復権し、さらには王位継承権までもが確定するという寸法だ。
ヴァルス禍を終息させ、さらには地位と権力を笠に着て王宮で好き勝手をしているヴェロニカ王女とその一派を一掃する。
1粒で2度おいしい、恐ろしいまでの一挙両得の策謀だった。
「そういうことじゃの。さすがミレイユ、理解が速くて助かるわい。で、どうじゃ? ヴェロニカ王女を恨むそなたにとっても、悪い話ではないと思うがの? 確か、やられたら十倍にしてやり返すのが、ミレイユの流儀じゃったろう?」
「それはもちろん、渡りに船ですけど……」
願ったり叶ったりとは、きっとこういうことを言うんだろう。
なにせヴェロニカはあんなでも一国の王女なのだ。
いくらわたしが王子であるジェイクの婚約者になろうとも、他国の王女を仕留めるのはそうは容易いことじゃない。
むしろわたしの身分が上がった分だけ、逆に下手なことはできなくなったまであった。
わたしが個人的な遺恨を王女であるヴェロニカにぶつけてしまえば、エルフィーナ王国とセラフィム王国が戦争――とまではいかなくても、敵対関係になったり、完全に交流が断絶してしまうかもしれないからだ。
そんなヴェロニカを完膚なきまでにざまぁする千載一遇の大チャンスが、何もせずに降って湧いたのだから、わたしとしては乗らない手はないんだけど――。
「で、どうじゃ?」
「そうですね……率直に言うと、なんだかちょっとお膳立てされすぎてて、嫌な感じ?」
わたしの空気を読まない発言に、
「そ、そうか……うむ……」
さすがのデルマイユ侯爵も言葉に詰まってしまい、
「ミレイユ……」
ここまで感心しながらデルマイユ侯爵の策略を聞いていたジェイクも、なんとも微妙な顔をする。
「まぁミレイユ様は、気持ちで戦うタイプですからね……」
さらにはここまで黙って会議を見守っていたアンナまでもが、呆れたようにそっと口をはさんだ。
でもでも、だってね?
「自分の関係ないところで全部決まってるのって、なんかこう、しっくりこないって言うか? いまいちモチベーションに繋がらないのよねぇ……」
「…………」
「…………」
「…………」
わたしのその発言で、沈黙が完全に場を支配してしまった。
でもね?
自分っていう船のオールは、他人任せにしたくはないじゃない?
言われたままに流される人間には、わたしなりたくないのよね。
だから何か強い動機づけになる理由が欲しいなぁ――って、あ、そうだ!
「ねぇ先生。ならわたしからもう一つだけ条件を付けるわ。それなら自分も積極的に関わったことだって思えるようになるし」
「おっ、それはいい考えだな。デルマイユ侯爵、こちらからさらに追加で条件を出させていただきたいのだが?」
ジェイクの問いかけに、
「良いでしょう。これもここだけの話じゃが、セラフィム王からはどれだけ譲歩しても構わぬと言われておるからの。それにせっかくの機会じゃ、ミレイユの想いを聞かせてもらうとしようかの」
デルマイユ侯爵が笑顔で答えた。
わたしの追加提案とはつまり――、
「えっとね。セラフィム王国で、エルフを二等市民と扱うのをやめてもらえないかしら?」
と言うことだった。
「ミレイユ、それは――」
「だってさ、ジェイク。人間とエルフは子供だって作れるのよ? なのになんで分ける必要があるのかって、前々からずっと思ってたんだよね」
「だけどそれはセラフィム王国の、国としての基盤にも関わることだ。さすがにすぐにホイホイとは決められない案件だと思うぞ」
「いいえ、だからこそ今なのよ。変えられるとしたら今この瞬間しかないの。ジェイクやアンナはすごくいい人たちだもん。人間とエルフってだけで分け隔てるなんて、あるべきじゃないと思うわ」
「ミレイユ様……」
「アンナ、わたしはあなたやジェイクたちが二等市民だなんて扱いを受けることに、ムカついてたんだから」
「ふむ…………」
わたしの提案を、デルマイユ侯爵は少しばかり長めに考えた後、
「わかった。ヴァルスが無事に終息したあかつきには、二等市民の制度を完全に廃止し、人間とエルフの平等な社会制度を構築することを約束しよう」
それを認めることに同意したのだった。
「さすが先生! ありがとうございます!」
「なーに、ミレイユは今やエルフィーナ王国の王太子妃じゃからの。ミレイユがセラフィム王国を救ったとなれば、そうは文句も出ないだろうて。施されたら施し返す、恩返しじゃよ」
「だってさ。良かったわねアンナ。これでもう二等市民だからってないがしろにされることはないわよ」
「あ、ありがとうございます、ミレイユ様! それにデルマイユ侯爵様!」
「いやいや、ワシも前からこの制度には問題ありと考えておったからの。この機会に改められるところは改めるというのは、セラフィム王国にとっても決して悪い話ではない」
というわけで。
その日のうちに、エルフィーナ王国とセラフィム王国との間で正式な合意文書が交わされて。
さらにその翌日には、わたしはデルマイユ侯爵の案内のもと、ジェイクとアンナと随行スタッフを伴って、セラフィム王国王都へと向かうことになった。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
婚約者と義妹に裏切られたので、ざまぁして逃げてみた
せいめ
恋愛
伯爵令嬢のフローラは、夜会で婚約者のレイモンドと義妹のリリアンが抱き合う姿を見てしまった。
大好きだったレイモンドの裏切りを知りショックを受けるフローラ。
三ヶ月後には結婚式なのに、このままあの方と結婚していいの?
深く傷付いたフローラは散々悩んだ挙句、その場に偶然居合わせた公爵令息や親友の力を借り、ざまぁして逃げ出すことにしたのであった。
ご都合主義です。
誤字脱字、申し訳ありません。
領主の妻になりました
青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」
司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。
===============================================
オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。
挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。
クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。
新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。
マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。
ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。
捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。
長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。
新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。
フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。
フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。
ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。
========================================
*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
*約10万字で最終話を含めて全29話です
*他のサイトでも公開します
*10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします
*誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる