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第三章 恋する季節
第30話 視察
しおりを挟むカード手に入れたし、次に行こう。
とりあえずは1枚でいいかなーって事になったのです。
俺はまだ使えないし、クロもセット出来るの1枚だけだからね。
「さてさて、お次はなんでしょーね」
今度は食えるやつが良いねー。
トカゲはさすがにちょっと……鶏肉みたいで美味しいって聞いたことはあるけど、さすがにね。
さて、盾を構えてそろーっと覗き込みますか。
とりあえず遠距離攻撃はなし。
そして中央に2匹でかいのが……角やっばいな。
「また殺意の塊みたいのが居るんですけど」
中にいたのは鹿のような何かだった。
普通、鹿の角はあんなにでかくないし、あんなに鋭く無い。
なんというか巨大な角の枝分かれしている部分全てが刃物になっている感じだ。
出来ればお近づきになりたくないけど……やるしかないよね。
「2匹か……ばらけてくれると良いけど。 ……いくよっ」
敵も馬鹿じゃないので、最悪の場合一人が集中で狙われる場合もある。
なので先頭は盾持ちの俺が、続いてクロが入るというのがいつものパターンだ。
この後、クロと俺は左右に分かれるが、それに対し敵が分かれた場合はそのまま戦い、どちらかに寄った場合はこちらも合流する。
相手が2匹の時はだけどね。 数が多いともうとにかく動きながら戦うしかないし一概には言えない。
で、今回の場合はどうかと言うと。
「おし」
うまい具合にバラけてくれた。
もう1匹はクロに任せて、こちらに向かってきた奴の対処をしよう。
角がでかすぎるので、避けるのは厳しそうだった。
なので俺は避けずに盾で受ける……というかぶん殴る選択をする。
「ふんっ」
ギャリィッと硬いもの同士をこすり合わせたような音が響いて、次に妙に軽い音が鳴る。
見ると鹿の首がぐるりと回り上下逆さまになっていた。
「……あり?死んだ?」
鹿はそのまま地面を滑るように倒れ、痙攣するが起きることは無かった。
……なんか今のだけで死んだっぽい?
妙に脆いのでこれならクロも楽勝かな、と思ったら。
クロはまだ戦闘を続けていた。
どうも角の範囲が広すぎるせいで、避けるのに手間取り中々攻撃を仕掛けられずにいるようだ。
そして最終的には焦れたクロが足に氷礫を放ち、動きを止めてから仕留めた。
「クロと相性悪いのが続くなあ」
トカゲは足場が悪くて、こいつは攻撃手段が苦手と。
オークみたいのだと楽勝なんだけどねえ。 15階に行けばまた二足タイプが出るだろうし、それまで我慢してもらうしか無いね。 しばらく背負い袋に入る生活が続きそうだ。
さて、こいつどうやって持って帰るかな。
「鹿肉か……俺そこまで好きじゃないんだよねー」
牛以外のお肉を期待していたのは確かだけど、実は鹿肉はそこまで好きじゃなかったりする……何かこう、血の味がする牛肉みたいな? もしかすると処理の悪いのを食べただけかもだけど。
ううむ。
「まあ、マーシーなら美味しく調理してくれるっしょ」
解体は自動だし、調理するのはマーシーだ。
たぶん苦手な俺でも美味しく食べられるに違いない。
という訳で、高そうな頭を確保して……角がでかすぎるから切り落として手で持ってくか。
あとは適当に美味しそうな部位をとってバックパックに入れるだけ入れて帰ろう。
「鹿肉こんな美味しかったのか……やっぱすごいねマーシー」
「ありがとうございます」
苦手とか言ってごめん!
今度じいちゃんばあちゃんにもお裾分けしようかな。
……でもこの焼き加減を自分で再現するのって無理だよな? 冷めたら味が落ちるし……。
あー……早く皆をここによんで一緒にBBQしたい。
絶対喜んでくれると思うんだよな。 その為にはダンジョンの存在をもっと……そういや続報ないな? 今どうなってるんだろか。
「俺がフラグ立てた訳じゃ無いしー」
とか言ってたら、ニュースで続報が流れましたよ。
それもちょっとよろしく無い感じの。
「はー……。 アメリカとイギリスもやったし、来るとは思ったけどなあ」
どんな内容かと言うと、アメリカとイギリスで探してみたらほかのダンジョンも見つかったんで、日本も探しますと言う内容。
それだけなら良いんだけど、中から出てきた連中が国民に危害を加える恐れがあるので、見つけ次第の報告を強く推奨する……もし故意的に隠していたと判明した場合、何かしらの罰則を検討とか言う報道だった。
正式に決まった訳じゃないし、罰則ってところで反対意見も出るかなーと思ったけど、どうもどこのニュースも賛同する雰囲気があって……なんとなくこのまま行きそうな気がしなくもない。
「どうしようね、クロ」
そう言って俺は隣で変なポーズのまま寝るクロの頭を撫でる。
「俺としてはこの家から離れる気は無いし、ダンジョンの攻略も続けたい。 それでもってポーションをじいちゃんばあちゃんとかに渡したいなーって思ってる。 あと一緒にBBQとかも出来たらいいなーって」
もっと世界にダンジョンが広まって、一般開放されたらじいちゃんばあちゃんにポーション渡して、そしていつかダンジョンにも招待してー……とか考えていたんだけど。
甘い考えだよなあと今更ながら思う。
このまま黙っていてもいつかバレる日が来ると思うんだ。
かと言ってこのタイミングでカミングアウトするとどうなるか? ここがハチ公前の広場みたいな状態になるんだろうね。 そうなると俺はこの家に住み続けるのは難しいだろう。 いつからダンジョン攻略を再開できるかも分からない。
「難しいよね」
そう言って再びクロを撫でようとするが、俺の手はすかっと空振りをする。
あれ?と思ったら、いつの間にかクロが起きてこちらをじっと見つめていた。
「……とりあえずアマツに相談してみたらって?」
俺に向かいにゃーにゃーと鳴くクロを見て、何となくそう言っている気がした。
それは正解だったようで、クロはにゃんと鳴くと再び寝る体勢へと戻る。
「そう、だね……うん、ちょっと不安があるけどそれしかないよな。 明日行ってみようか、ありがとねクロ」
そう言ってクロの頭を軽くなでる。
アマツに相談……ちょっと普段はポンコツではあるけれど、いま頼れるのはアマツだけだ。
でもダンジョンマスターなんだし、やる時はやってくれると信じている。
信じているからねっ。
「――と言うわけ何ですけど、どうしたら良いかなと相談しに来ました」
「はははっ!」
なにわろてん。
突っ込み待ち? 突っ込み待ちなのか?
ここはやはり一発殴ったほうが……なんて物騒なことを俺が考え始めていると、急にまじめな顔をするアマツ。
「ふむ。 まず私としては島津君達が不利益を被ることは望んでいない……と言うよりは攻略しようとする者達全てが、かな」
やれば出来る子なんです。
普段からそうしていれば……いや、それはそれであれだから今のままが丁度良いのかも知れない。
とりあえずアマツが言うには俺が不利益を被ることは望んでいないと……何か対応してくれるのだろうか。
期待してしまうぞ。正直もうアマツしか頼れる気がしない。
「それでどうするかだけど……私としては少し時間を置いてから報告する事をお勧めするよ。 報告せずにばれた場合、君達の立場が不味くなる。 報告した場合、一時的にダンジョンに来れなくなったり、家から離れることになるかも知れないが、戻れるよう努めるよ。 難しいようならダンジョンを移動させても良いんだしね」
「あ、そっか……移動も出来るのか」
ハチ公前のダンジョンもそうだったし、いざとなれば移動するって手も使えるのか。
ダンジョンが家にあると報告して、もし家を離れなければならない、戻ることも出来ないとなったら、最終手段で移転も可能と……そう考えると少し気持ちが楽になった。
やっぱ相談するのって大事。
「一応ね。 私としてはこのままだと嬉しいけどね? そんな訳で報告したほうが私は良いと思うよ」
「ありがとうございます。 そういうことであれば、報告しようと思います。 ……少し時間を置いて。 具体的に言うと15階に行けたら」
「うんうん、それが良い」
鹿を攻略して、さらに次のも攻略してだからー……来月かな?
遅くても7月入る前ぐらいには行けるはず。
そのぐらいになれば多少落ち着いてるんじゃないかなーと思う。
何せモンスターがダンジョンから出ることなんて無いのだし、ポーションの存在を明らかにするのはまだ先だろうし、ここ以外のダンジョンが見つかったーぐらいしかニュースにならないんでないかな?
「一般への開放もあまり時間は掛からないんじゃないかな? ポーションの必要ポイント少し増やすつもりだからさ、この国の偉い人も分かるはずだよ、自衛隊だけじゃ国民全員分のポーションを確保するなんて、到底無理だってね。 だからいずれ……ああ、そうだもしかすると何だけどね、君達にお願い事をすることになるかもしれないんだ」
国民全員分……1年物の若返りポーション、それに病気と傷を治す奴、合計で最低3つ……かな?
若返りだけだとしても1億2千万。もし3つだと合計3億6千万……えっと、1個1000ポイントだから……3600憶ポイント、これが毎年必要と。
……俺で1日に数万ポイント稼げる。 仮に5万ポイントとして365日毎日潜ったとして1800万ポイントぐらいか。 えっと、俺みたいのが20万人いれば国民全員分確保出来ると。
実際には毎日なんて潜れないし、装備強化したり、修理したりでもポイント掛かるし、怪我をしたらポーション使わないといけないしで、20万人じゃ足らない、もっと必要だよな。
で、さらに必要ポイントも増えるとなると……自衛隊だけじゃ無理だよね。 そもそもずっとダンジョンに掛かり切りなんて出来ない訳だし。
って、お願いごと?
アマツが俺にするお願い事ってなんだ……別にお願いするような事はなさそうだけど。
まあ、でもアマツからのお願いなら聞こうと思う。
なんだかんだで色々お世話になっているし、これからもなる予定だしね。
「お願い事ですか……? 俺は構わないですよ。 俺に手伝えることなら……余程無茶ぶりされなければ大丈夫ですよ」
「ははは! 無茶ぶりはしないから安心していいよ」
本当カナー?
とりあえずは1枚でいいかなーって事になったのです。
俺はまだ使えないし、クロもセット出来るの1枚だけだからね。
「さてさて、お次はなんでしょーね」
今度は食えるやつが良いねー。
トカゲはさすがにちょっと……鶏肉みたいで美味しいって聞いたことはあるけど、さすがにね。
さて、盾を構えてそろーっと覗き込みますか。
とりあえず遠距離攻撃はなし。
そして中央に2匹でかいのが……角やっばいな。
「また殺意の塊みたいのが居るんですけど」
中にいたのは鹿のような何かだった。
普通、鹿の角はあんなにでかくないし、あんなに鋭く無い。
なんというか巨大な角の枝分かれしている部分全てが刃物になっている感じだ。
出来ればお近づきになりたくないけど……やるしかないよね。
「2匹か……ばらけてくれると良いけど。 ……いくよっ」
敵も馬鹿じゃないので、最悪の場合一人が集中で狙われる場合もある。
なので先頭は盾持ちの俺が、続いてクロが入るというのがいつものパターンだ。
この後、クロと俺は左右に分かれるが、それに対し敵が分かれた場合はそのまま戦い、どちらかに寄った場合はこちらも合流する。
相手が2匹の時はだけどね。 数が多いともうとにかく動きながら戦うしかないし一概には言えない。
で、今回の場合はどうかと言うと。
「おし」
うまい具合にバラけてくれた。
もう1匹はクロに任せて、こちらに向かってきた奴の対処をしよう。
角がでかすぎるので、避けるのは厳しそうだった。
なので俺は避けずに盾で受ける……というかぶん殴る選択をする。
「ふんっ」
ギャリィッと硬いもの同士をこすり合わせたような音が響いて、次に妙に軽い音が鳴る。
見ると鹿の首がぐるりと回り上下逆さまになっていた。
「……あり?死んだ?」
鹿はそのまま地面を滑るように倒れ、痙攣するが起きることは無かった。
……なんか今のだけで死んだっぽい?
妙に脆いのでこれならクロも楽勝かな、と思ったら。
クロはまだ戦闘を続けていた。
どうも角の範囲が広すぎるせいで、避けるのに手間取り中々攻撃を仕掛けられずにいるようだ。
そして最終的には焦れたクロが足に氷礫を放ち、動きを止めてから仕留めた。
「クロと相性悪いのが続くなあ」
トカゲは足場が悪くて、こいつは攻撃手段が苦手と。
オークみたいのだと楽勝なんだけどねえ。 15階に行けばまた二足タイプが出るだろうし、それまで我慢してもらうしか無いね。 しばらく背負い袋に入る生活が続きそうだ。
さて、こいつどうやって持って帰るかな。
「鹿肉か……俺そこまで好きじゃないんだよねー」
牛以外のお肉を期待していたのは確かだけど、実は鹿肉はそこまで好きじゃなかったりする……何かこう、血の味がする牛肉みたいな? もしかすると処理の悪いのを食べただけかもだけど。
ううむ。
「まあ、マーシーなら美味しく調理してくれるっしょ」
解体は自動だし、調理するのはマーシーだ。
たぶん苦手な俺でも美味しく食べられるに違いない。
という訳で、高そうな頭を確保して……角がでかすぎるから切り落として手で持ってくか。
あとは適当に美味しそうな部位をとってバックパックに入れるだけ入れて帰ろう。
「鹿肉こんな美味しかったのか……やっぱすごいねマーシー」
「ありがとうございます」
苦手とか言ってごめん!
今度じいちゃんばあちゃんにもお裾分けしようかな。
……でもこの焼き加減を自分で再現するのって無理だよな? 冷めたら味が落ちるし……。
あー……早く皆をここによんで一緒にBBQしたい。
絶対喜んでくれると思うんだよな。 その為にはダンジョンの存在をもっと……そういや続報ないな? 今どうなってるんだろか。
「俺がフラグ立てた訳じゃ無いしー」
とか言ってたら、ニュースで続報が流れましたよ。
それもちょっとよろしく無い感じの。
「はー……。 アメリカとイギリスもやったし、来るとは思ったけどなあ」
どんな内容かと言うと、アメリカとイギリスで探してみたらほかのダンジョンも見つかったんで、日本も探しますと言う内容。
それだけなら良いんだけど、中から出てきた連中が国民に危害を加える恐れがあるので、見つけ次第の報告を強く推奨する……もし故意的に隠していたと判明した場合、何かしらの罰則を検討とか言う報道だった。
正式に決まった訳じゃないし、罰則ってところで反対意見も出るかなーと思ったけど、どうもどこのニュースも賛同する雰囲気があって……なんとなくこのまま行きそうな気がしなくもない。
「どうしようね、クロ」
そう言って俺は隣で変なポーズのまま寝るクロの頭を撫でる。
「俺としてはこの家から離れる気は無いし、ダンジョンの攻略も続けたい。 それでもってポーションをじいちゃんばあちゃんとかに渡したいなーって思ってる。 あと一緒にBBQとかも出来たらいいなーって」
もっと世界にダンジョンが広まって、一般開放されたらじいちゃんばあちゃんにポーション渡して、そしていつかダンジョンにも招待してー……とか考えていたんだけど。
甘い考えだよなあと今更ながら思う。
このまま黙っていてもいつかバレる日が来ると思うんだ。
かと言ってこのタイミングでカミングアウトするとどうなるか? ここがハチ公前の広場みたいな状態になるんだろうね。 そうなると俺はこの家に住み続けるのは難しいだろう。 いつからダンジョン攻略を再開できるかも分からない。
「難しいよね」
そう言って再びクロを撫でようとするが、俺の手はすかっと空振りをする。
あれ?と思ったら、いつの間にかクロが起きてこちらをじっと見つめていた。
「……とりあえずアマツに相談してみたらって?」
俺に向かいにゃーにゃーと鳴くクロを見て、何となくそう言っている気がした。
それは正解だったようで、クロはにゃんと鳴くと再び寝る体勢へと戻る。
「そう、だね……うん、ちょっと不安があるけどそれしかないよな。 明日行ってみようか、ありがとねクロ」
そう言ってクロの頭を軽くなでる。
アマツに相談……ちょっと普段はポンコツではあるけれど、いま頼れるのはアマツだけだ。
でもダンジョンマスターなんだし、やる時はやってくれると信じている。
信じているからねっ。
「――と言うわけ何ですけど、どうしたら良いかなと相談しに来ました」
「はははっ!」
なにわろてん。
突っ込み待ち? 突っ込み待ちなのか?
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「ふむ。 まず私としては島津君達が不利益を被ることは望んでいない……と言うよりは攻略しようとする者達全てが、かな」
やれば出来る子なんです。
普段からそうしていれば……いや、それはそれであれだから今のままが丁度良いのかも知れない。
とりあえずアマツが言うには俺が不利益を被ることは望んでいないと……何か対応してくれるのだろうか。
期待してしまうぞ。正直もうアマツしか頼れる気がしない。
「それでどうするかだけど……私としては少し時間を置いてから報告する事をお勧めするよ。 報告せずにばれた場合、君達の立場が不味くなる。 報告した場合、一時的にダンジョンに来れなくなったり、家から離れることになるかも知れないが、戻れるよう努めるよ。 難しいようならダンジョンを移動させても良いんだしね」
「あ、そっか……移動も出来るのか」
ハチ公前のダンジョンもそうだったし、いざとなれば移動するって手も使えるのか。
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やっぱ相談するのって大事。
「一応ね。 私としてはこのままだと嬉しいけどね? そんな訳で報告したほうが私は良いと思うよ」
「ありがとうございます。 そういうことであれば、報告しようと思います。 ……少し時間を置いて。 具体的に言うと15階に行けたら」
「うんうん、それが良い」
鹿を攻略して、さらに次のも攻略してだからー……来月かな?
遅くても7月入る前ぐらいには行けるはず。
そのぐらいになれば多少落ち着いてるんじゃないかなーと思う。
何せモンスターがダンジョンから出ることなんて無いのだし、ポーションの存在を明らかにするのはまだ先だろうし、ここ以外のダンジョンが見つかったーぐらいしかニュースにならないんでないかな?
「一般への開放もあまり時間は掛からないんじゃないかな? ポーションの必要ポイント少し増やすつもりだからさ、この国の偉い人も分かるはずだよ、自衛隊だけじゃ国民全員分のポーションを確保するなんて、到底無理だってね。 だからいずれ……ああ、そうだもしかすると何だけどね、君達にお願い事をすることになるかもしれないんだ」
国民全員分……1年物の若返りポーション、それに病気と傷を治す奴、合計で最低3つ……かな?
若返りだけだとしても1億2千万。もし3つだと合計3億6千万……えっと、1個1000ポイントだから……3600憶ポイント、これが毎年必要と。
……俺で1日に数万ポイント稼げる。 仮に5万ポイントとして365日毎日潜ったとして1800万ポイントぐらいか。 えっと、俺みたいのが20万人いれば国民全員分確保出来ると。
実際には毎日なんて潜れないし、装備強化したり、修理したりでもポイント掛かるし、怪我をしたらポーション使わないといけないしで、20万人じゃ足らない、もっと必要だよな。
で、さらに必要ポイントも増えるとなると……自衛隊だけじゃ無理だよね。 そもそもずっとダンジョンに掛かり切りなんて出来ない訳だし。
って、お願いごと?
アマツが俺にするお願い事ってなんだ……別にお願いするような事はなさそうだけど。
まあ、でもアマツからのお願いなら聞こうと思う。
なんだかんだで色々お世話になっているし、これからもなる予定だしね。
「お願い事ですか……? 俺は構わないですよ。 俺に手伝えることなら……余程無茶ぶりされなければ大丈夫ですよ」
「ははは! 無茶ぶりはしないから安心していいよ」
本当カナー?
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